分譲マンションを購入することは、人生で何度もない大きな買い物です。生活に大きく影響する買い物となるため、後悔をしたくないものの、分譲マンションを選ぶ際には多くの確認すべきことがあり、どのように選んだらよいかわからないという人も多いのではないでしょうか。
分譲マンションを検討するときは、多くの条件の中から理想の住まいの条件を整理することが重要です。また、分譲マンションは長期間居住することになるうえ、購入後には資産にもなるため、賃貸住宅を選ぶ際とは別の視点も必要になります。
この記事では、分譲マンションの営業スタッフである筆者が、暮らしのため、また資産として分譲マンションを選ぶ際のチェックポイントについて解説します。
これからマンション購入を検討されている方へ
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・マンションの購入を検討するときの注意点
・マンションを購入してから入居までの手続きの流れ
「立地」は何を見るべきか
分譲マンションを立地で選ぶにあたっては、多くのチェックポイントがありますが、とりわけ重要なのは交通利便と災害リスクの2つです。
交通利便
普段の通勤や通学に公共交通機関を利用している人は、特に確認しておく必要があります。
現在の自身の生活に交通利便は影響がないとしても、将来的にマンションを売却したり、賃貸に出したりする際の「資産」として考えた場合には重要なポイントにもなります。
また現在は車での生活が中心でも、将来的に車に乗らなくなる(乗れなくなる)ということも考えられます。分譲マンションは長く居住することになるため、将来のことも考えて判断することが重要です。
災害のリスク
交通利便と並んで、災害リスクも不動産取引の際に重要視されている、資産価値に影響のあるポイントです。災害リスクの有無や、万が一災害が発生した際の備えなどを確認しておきましょう。
災害リスクをを把握するために、まず確認しておきたいのはハザードマップです。
近年、地震や台風・豪雨などの災害が頻発していることもあり、不動産取引時の「重要事項説明」においても、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明が義務化されています。説明を受ける際にハザードマップ上の物件位置を確認し、災害リスクを把握しておきましょう。
災害の危険性がある物件を検討する場合には、事前に災害への備えを確認しておくことも大切です。
- 災害時の備えの確認ポイント
- 玄関に地震で変形しない耐震ドアを採用しているか
- エレベーターの閉じ込め防止機能(地震を感知すると最寄りの階数に停止する)
- 浸水エリアの場合、エントランスや1階の階高を上げているか
分譲マンションの災害リスクや災害への備えは、将来マンションを売却するときにもポイントとなります。「資産として購入したマンションに思わぬ落とし穴があった」ということのないよう、しっかり確認しておきましょう。
「コスト」に関するチェックポイント
分譲マンションを購入すると、毎月の住宅ローンの支払いの他にランニングコストが発生します。
住宅を検討する際、販売価格や住宅ローンの支払い額は確認しますが、ランニングコストに関しては忘れがちになります。
特に分譲マンションの場合は、様々なランニングコストが必要になるため、事前に確認しておきましょう。
ランニングコスト
分譲マンション購入後は以下のようなランニングコストが発生します。住宅ローン支払額とランニングコストを合わせた金額を必要費用と考え、無理のない支払いが可能かどうか判断しましょう。
このコストは住宅ローン完済後にも支払いが続きますし、分譲マンションを賃貸に出す際でも、管理費や修繕積立金は所有者(オーナー)の負担になるので、支払う必要があります。マンションを資産として考えるうえでも重要な要素ですので、事前によく確認しておきましょう。
管理費
分譲マンションの「共用部分」を管理するためのお金。管理人の人件費や共用施設の保守点検費用、インターネット使用料などが含まれます
修繕積立金
分譲マンションを維持するために必要な大規模修繕工事をあらかじめ想定し、区分所有者全員で積み立てるお金のことです。
修繕積立金は、分譲マンションの築年数が一定年数経過するごとに値上がりする傾向にあります。特に共用部分が広かったり、機械式駐車場を採用している場合は、値上げ幅が大きくなる可能性があるため注意が必要です。
駐車場使用料
分譲マンションの敷地内駐車場を使用する際のお金。バイク置場や、マンションによっては自転車置場を使用する際にも必要となる場合があります。
長期修繕計画
長期修繕計画とは、分譲マンションを長期間にわたって快適な状態で維持するための修繕計画のことです。
大規模修繕を行う時に資金が不足していると修繕ができず、分譲マンションの資産性を損なうことになります。予めどのような修繕が予定されており、必要な資金を積み立てるための計画がなされているかを確認し、長期間資産性が保たれる物件かを判断しておきましょう。
また中古の分譲マンションでは、長期修繕計画とあわせて「修繕履歴」を確認することも重要です。
修繕工事が滞っていると分譲マンションの資産価値に大きな影響を及ぼしますし、修繕積立金が不足している場合は別途一時金が必要となる可能性もあります。
快適に日々の生活を送り、また資産性を保つためには、修繕が計画通りに行われているか・行われていない場合は見直しがされているか・修繕積立金はいくら値上がりしているか、を事前に確認しておきましょう。
「管理・アフターサービス」のチェックポイント
分譲マンションは、戸建と比べて住宅の管理が楽な点も大きな魅力です。日々の暮らしに直結することだからこそ、どのような管理をされているのかを確認する必要があります。
またアフターサービスは、長く快適に生活するために大切なポイント。マンションの資産性を保つためにも重要な要素ですので、事前に確認しておきましょう。
管理の内容・方式
分譲マンションを選ぶ際には、管理の内容を確認することが大切です。
- 管理員はいるのか、勤務形態はどうなっているのか
- 万が一のトラブルのときの体制はどうなっているか
特に管理員の存在は、何か困りごとがあったときの相談先であったり、人の目があることでマンションの防犯性も高まるなど、暮らしていく上で重要な要素となります。
管理員の勤務時間が長ければ、マンションの防犯性の向上にもつながりますし、ゴミ置き場などの共用部を清潔に保つことができるため、管理員の有無や勤務形態については特に確認しておくとよいでしょう。
- 管理人の勤務形態
- 常駐管理:管理人が住み込みまたは複数人が交代で、常にマンションに管理人がいる状態で業務を行う
- 日勤管理:管理人がマンションに通勤して業務を行う。土日祝が休みのことが多く、勤務時間は管理会社によって異なる
- 巡回管理:週に2~4回など、曜日や時間を決めて定期的に巡回して業務を行う
分譲マンションの管理内容は、管理会社によって様々です。日々の共用部の清掃や、水回り・カギのトラブルなど、入居後のサポート体制について知っておくことは、万が一のときにも安心して生活できることに直結します。
アフターサービスの内容
アフターサービスとは、新築マンションの不具合を売主が一定期間無償で補修をすることです。入居後の生活でお部屋の不具合が発生したとき、アフターサービスによって修理・対応することができる体制のマンションを選ぶことで、安心して快適に暮らすことができます。
アフターサービスは売主によって
- サービス対象の基準
- 定期メンテナンスの有無
- 保証期間
- 連絡先などのサポート体制
といったことが異なるため、詳細な内容を「アフターサービス基準書」で確認しておきましょう。
また中古マンションでは、売主が個人であることが多いため、一般的にアフターサービスはありません。ただし売主が不動産会社の場合は、中古マンションでもアフターサービスが設けられていることもあるようです。事前に確認しておきましょう。
「建物」のチェックポイント
マンションの「建物」は暮らしそのものに直結するため、言うまでもなく大切ですが、特に駐車場とマンションの規模は忘れずに確認しておきましょう。
駐車場の種類・動線
種類
分譲マンションの駐車場にはいくつか種類があり、また月々の使用料についても、無料から数万円かかるなど様々です。
- 主な分譲マンションの駐車場タイプ
- 平面駐車場
- 機械式駐車場
- 自走式駐車場
駐車場の種類によっては入出庫に時間を要するものもあります。車の使用頻度や使用する時間帯によってはストレスとなる可能性もありますので、事前によく確認しておきましょう。
また駐車場によって、駐車できる車の大きさや高さに制限があります。現在利用している車は問題なく駐車できたとしても、車の買い換えを予定している人や、将来的に家族が増えたときに大きい車に乗り換えようとしている人は注意しておきたいポイントです。
動線
駐車場は種類だけでなく、駐車場から道路までの動線も重要です。マンションからスムーズに出入りできるか、接している道路が混雑して行きたい方向へ行けないことがないかなど確認しておきましょう。
マンションを選ぶ際には、車での移動だけでなく、公共交通機関を利用しての移動が可能かも併せて確認すると良いでしょう。一般的に、マンションは交通利便性の良い場所に建つことが多いため、現在の移動手段を見直すことで、マンションの検討の幅が広がります。
マンションの規模(戸数)
分譲マンションは、その規模によって
- 共用施設
- 管理費・修繕積立金の負担
- エレベーターの待ち時間
- 角部屋の割合
などが異なります。理想の傾向にある規模のマンションを検討することで、住み心地の良い暮らしにつながるでしょう。
一般的に大規模・小規模マンションには、以下のような傾向がみられます。
大規模 | 小規模 | |
---|---|---|
管理費・修繕積立金 | 安い | 高い |
エレベーターの待ち時間 | 長い | 短い |
管理費や修繕積立金などは全世帯で負担します。そのため戸数の多い大規模マンションでは管理費・修繕費が安い傾向にあります。
また多くの世帯で費用を少しづつ負担できるので、共用施設が充実していることも多いでしょう。しかし共用設備を充実させすぎると、大規模マンションでも管理費などが高くなる可能性があるので注意が必要です。
マンションの規模だけで判断することは難しいですが、住み心地には少なからず影響します。理想の生活をイメージし、自分に合うマンションの判断基準にしてみましょう。
「室内」のチェックポイント
分譲マンションの住戸を選ぶ際は、その時の理想の暮らしにあう広さ・間取りを優先して考えがちです。しかし住まいは長期間にわたって居住するものです。将来的に家族数が増減するなどの可能性も考えて検討した方が良いでしょう。
そのようにして選んだ住戸の室内について、チェックするポイントは以下の通り。
部屋の向き(方角)
マンションにおける「部屋の向き」とは、リビングの窓が面する方角のことを指します。一般的には南向きが人気ですが、ライフスタイルによって最適な向きは異なります。
また、部屋の向きばかりを気にしすぎるのもよくありません。お部屋から何が見えるか、つまり眺望の確認を怠らないようにすることもポイントです。
階数によっては、周辺の建物やマンションの機械式駐車場などが視界に入ることもあります。せっかく理想の向きのマンションを見つけたのに、日当たりや眺めが思ったものではなかった……ということのないよう、事前に充分確認しましょう。
お部屋の設備仕様
システムキッチンやユニットバス、トイレなどが、どのような仕様になっているのかを新築マンションならモデルルームやパンフレットで、中古マンションの場合は内覧時に確認しておきましょう。
また新築マンションの場合はオプション工事を行うことで、標準で用意された設備から、より自分好みの設備や室内に近づけることも可能です。希望する場合は、工事の可否や内容、申込みの期限は、はやめに売主に確認しておく必要があります。
自分に合った生活動線になっているか
お部屋選びの際にもっともチェックしておきたいのが「生活動線」です。生活動線がスムーズな間取りは家事がしやすいだけでなく、お部屋があまり広くなくても快適に過ごすことができます。
とはいえ、間取り図だけを見て生活動線をイメージすることは難しいでしょう。
間取り選びの際は「この部屋は子ども部屋にしよう」「ダイニングテーブルはここに置こう」など、部屋の使い方や家具配置のイメージしながら間取り図を見るのがポイントです。
まとめ
分譲マンションを購入する際には、様々なポイントを確認・納得したうえで選ぶ必要があります。
しかし全てを満たすマンションに出会うことはなかなか難しいでしょう。その場合は「住まいを選ぶうえで、ここだけは譲れない」という優先順位をつけて、その条件をベースにすることをおすすめします。
この記事が皆様の住宅検討のお力に少しでもなれれば幸いです。
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