マンションの「平置き駐車場」便利なところと注意点

マンション購入を検討している人にとって、駐車場の有無や種類は重要な選択ポイントのひとつでしょう。

平置き駐車場	タワーパーキング	機械式駐車場

駐車場の種類によって利便性や費用面で大きな違いがありますが、特に平置き駐車場は、その利便の良さから人気が高まっています。車の出し入れが楽で、時間や手間が省けるため、特に忙しい方や移動が多い人には最適。
今回はマンションの平置き駐車場に注目し、便利なところと注意点について解説します。

平置き駐車場の便利なところ

利便の良さで人気の平置き駐車場。便利なポイントを解説します。

サイズや重量の規制が緩やかで、ほとんどの車が駐車できる

平置き駐車場は、決められた区画に収まるのであれば、停める車の種類を問いません。
一方でタワーパーキングや機械式駐車場では、車高やタイヤ幅、重さの規制があります。近年ではSUVやワンボックス、ミニバンなど大きな車に乗っている方も多く、車種によっては駐車できないことも考えられます。そういった方にとっては、平置き駐車場がおすすめです。

入出庫にかかる時間が少ない

自分の区画に駐車（または駐車中の車に乗車）するだけで入出庫が完了する平置き駐車場は、他の種類の駐車場と比較して入出庫にかかる時間が少ない傾向にあります。

タワーパーキングや機械式駐車場では、降車して操作盤で駐車場の解錠・施錠をする必要がありますし、他の人が操作しているときは入出庫が完了するまで待つ必要があります。
平置き駐車場なら他の人の入出庫を待つことなく、自分のタイミングで車を動かせるので、特に忙しい朝の出勤時間などはストレスが軽減されますね。

停電や故障、メンテナンスによって駐車できないことがほぼ無い

平置き駐車場にメンテナンスが必要な機器類がないので、定期的に駐車場が使用できなくなることがありません。また、また停電時にも入出庫ができるという安心感があります。

平置き駐車場が便利なシーン

日常生活において平置き駐車場があるとどのように便利なのでしょうか。実際に平置き駐車場付きのマンションにお住まいのお客様からうかがった声をご紹介します。

毎日必ず運転するなど、運転の頻度が高い

前の章でも触れたように、入出庫にかかる時間が少ないので、通勤や通学などで毎日必ず運転する人にとっては時短になり、便利です。
平置き駐車場を利用しているお客様からも「毎日の車の出し入れが楽で良い」「待ち時間なく、すぐに車が出せて便利」というお声をいただいています。

大きい車・車高が高い車・特殊な車を所有している

停める車のサイズや重量の制限が緩やかな平置き駐車場は、SUVやワンボックス、ミニバンのような大きな車や、特殊仕様車を所有している人にとって魅力でしょう。
実際に利用しているお客様からも「次に買い替えるときの車を寸法を気にしなくていいというのが安心」「（サイズを気にすることなく）好きな車に乗りたいので平置きがいい」というお声があります。

買い物帰りなど、荷物が多いときの出し入れ

機械式駐車場では、入庫する前に大きな荷物は車から降ろしておかなければならない、逆に大きな荷物を積み込みたいときはいったん出庫しなければならないという制限があります。またタワーパーキングでは、次に入出庫を待っている人がいると気が急きます。

しかし平置き駐車場では、自分の区画に駐車した状態で荷物の出し入れができるので、手間が少なく他人を待たせることもありません。お客様からも「（以前の機械式駐車場に比べて）楽になった」「他人を待たせるかもと気が急くことがなくなって安心」と好評です。

忘れ物をしたとき

車に乗り込み、いざ出発……というタイミングで忘れ物に気付いた場合、平置き駐車場ならすぐに車を降りて取りに戻れます。逆に買い物から戻り、車から降りたあとに買い忘れに気付いた時も、すぐに車を出して買いに行けます。
些細なことかもしれませんが、積み重なれば手間やストレスになること。家選びにおいては大切な選択ポイントです。

車を所有していなくても、平置き駐車場はメリットがある

ご自身が車を所有しておらず、駐車場を利用しなくても、駐車場がすべて平置き駐車場になっているマンションはメリットがあります。

開放感がある

駐車場がすべて平置き駐車場になっている場合は、マンション全体の雰囲気が圧迫感がなく開放的に感じられます。タワーパーキングや機械式駐車場などの高い建物が敷地内にないだけで、敷地が広く見え、抜け感を得られるからです。

機械式駐車場採用のマンションと比べて、修繕積立金が低く抑えられることが多い

平置き駐車場が多いマンションは、駐車場のメンテナンスや修繕費用が少なくてすむため、タワーパーキングや機械式駐車場が多いマンションに比べて修繕積立金が低く抑えられる傾向にあります。

国土交通省が作成している修繕積立金に関するガイドライン（PDF）でも、機械式駐車場がある場合は機械式の種類や台数に応じて加算した積立金額を目安とすることを推奨しています。

画像出典：国土交通省│修繕積立金に関するガイドライン（PDF）より抜粋

修繕積立金はマンションを所有している間は必ず発生する費用ですので、メンテナンスや修繕費用が少ない平置き駐車場は、マンション選びの重要なポイントと言えるでしょう。

平置き駐車場での注意点

利便が良く人気な平置き駐車場ですが、注意が必要な点がいくつかあります。実際にお引渡し後にあったことと併せて紹介します。

屋根が無い場合は、雨風にさらされる

屋内の駐車場ではない（屋根がない）場合、車は雨風や外気、日光にさらされます。気になる方には、定期的な洗車やボディコーティングなどのメンテナンスを行うようおすすめしています。

機械式駐車場と比較すると、使用料が高い場合が多い

機械式駐車場と平置き駐車場の両方が設置されているマンションの場合、平置き駐車場の使用料を高く設定する傾向にあります。一般的には、機械式駐車場よりも平置き駐車場の方が好まれやすい（希望者が多い）のが、高く設定している理由です。

周辺の車や人と接触する可能性がある

多くの平置き駐車場は、区画が隣接しており、車と車が隣り合わせで駐車する配置になっています。十分に注意していても、乗降の際に隣の車と接触する可能性はあります。
また小さな子どもがいる家庭では、車のドアの開閉にハラハラすることもあるでしょう。平置き駐車場では、特に車の乗り降り時に注意が必要です。

盗難やいたずらに遭う可能性がある

平置き駐車場では、車の盗難やいたずらにも注意する必要があります。タワーパーキングや機械式駐車では外部の人間が車に触れることは難しいですが、敷地内に入れば容易に車に触れることができますので、盗難やいたずらのリスクが高いと言われています。
マンションの敷地に監視カメラが設置されていることが多くなってきましたが、盗難・いたずらを防ぐためには、個人で二重三重の対策をしたほうがよいでしょう。

駐車場所周辺の設置物は必ず把握しておく

駐車場の形状によっては、駐車場付近に縁石やポールなどの設置物がある場合があります。事故防止等の目的で設置されているものですが、駐車しにくく感じられることもあるようです。

このような設置物はパンフレット等の図面には記載されていませんので、駐車の前には実際の建物を確認しましょう。建設途中のマンションの駐車場を選ぶ際には、スムーズに駐車する方法を担当の営業スタッフに相談しながら考えることをおすすめします。

縦列駐車区画を使用する際には、車の入れ方に注意

縦列駐車区画とは、普通区画よりも区画を長くし、縦に2台駐車できるようにした区画のことです。

この区画は2台停めらるというメリットもありますが、必ず前に駐車されている車を動かさなければ、後ろの車を出すことができません。

また「2台の停める順序によっては、区画に収まらない場合がある」という点にも注意が必要です。
具体的には、車止めの位置と車の形状の兼ね合いで、下図のパターン①のように区画内に収まる場合と、パターン②のように前後が入れ替わっただけで区画からはみ出てしまう場合があるということです。

縦列区画を選択する際は、車止めの位置や車の形状等に注意してご検討いただくことをおすすめします。

まとめ

平置き駐車場は、主に出し入れのしやすさで好まれますが、他にもたくさん良いところがあります。
とはいえデメリットや稀にトラブルになるケースもありますので、それぞれ把握した上で駐車場区画を判断するようにしましょう。

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