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資産価値が高い=誰もが住みたいマンション!プロが教える、資産価値が落ちにくい物件の条件

どのマンションを購入しようか?と考えるとき、住み心地や価格を中心に検討される方が多いですが、「資産価値が高いかどうか・落ちにくいかどうか」も検討材料として重要です。

資産価値が高いマンションであれば、将来その物件を売却しなければならなくなった場合でも、高く売ることができます。
また、資産価値が高い物件は立地の利便性や住戸の仕様、管理の状態が一般的に好まれやすいものになっているので、賃貸に出しても借り手が付きやすい傾向があります。
 
この記事では、現在一都三県内で中古マンションの購入と売却を日々の業務で行っている筆者が、プロの視点から資産価値の落ちにくいマンションの条件を解説いたします。
これからマンション購入を検討している方や、お住まいのマンションを将来手放す予定がある方は、ぜひ参考にしてください。

なお、マンションの資産価値はエリアによって評価基準が変わってきます。特に都市部と地方では生活様式やマンションに求められる価値の違いから立地や規模感の評価が異なるように思います。
筆者は現在の業務に就く前は、地方都市での新築分譲マンション開発に携わっておりました。そのときの経験を元に、首都圏などで一般的に言われるマンション資産価値の評価基準が、地方ではどう変わってくるかもまとめて解説しております。
地方のマンションでの資産価値を確認したい方は、そちらも合わせて検討材料にしてくださいね。

新築マンション検討時に知っておきたい5つの注意点と対策

1.マンションの資産価値に最も影響を及ぼす「立地条件」

不動産価値を決定するときの最も重要な条件は「立地」です。都心部の場合は、この2点が特に重要となります。

  1. 駅までの距離
  2. 最寄り駅の駅力

この章では、立地について詳しく説明いたします。

1-1.駅までの距離が近い:徒歩7分圏内が一つの基準

マンション購入を検討される方がまず最初に希望される条件が、駅からの距離です。
以前は駅まで徒歩10分のマンションが資産価値が高いと言われていましたが、最近は7分圏内が一つの基準と言われています。逆に10分を超えてくると購入希望者が少なくなってしまうため、資産価値は低下します。

また、駅前立地は空地が少なく、新しい物件が供給される可能性も高くないため、希少性からも資産価値が高くなります

1-2.最寄り駅の駅力が高い:集客力の高い住みやすい駅周辺が高評価

最寄りがどの駅か?も重要です。

  • 本数の多い路線
  • 1路線ではなく複数路線利用可能

など、駅の集客力が高いエリアの方が資産価値は高くなります。

駅が発展していれば、駅前には商業施設が集まり、更に住みやすいエリアになります
普段駅を利用しない人にとっても、徒歩圏内に商業施設が充実しているエリアは魅力的と言えるでしょう。

1-3.駅までの高低差が少ない

駅までの距離が近いといっても高低差が大きい場合は、便利とは言えませんし、徒歩時間もかかります。
駅への距離だけでなく、道中の高低差も重要な要素になります。

1-4.眺望、採光が望める開放感がある

駅前立地は特に建物が乱立しているため、リビングからすぐ隣の建物が見えるなど、開放感が望める物件はそう多くありません。その中で公園や道路に面しており、開放感があるお部屋は価値が高くなります。もちろん駅前立地でない郊外物件でも、この開放感があるのと無いのでは資産価値には差が出てきます。

また、夜景がきれいに見えたり、ランドマークとなる建物が見えたりする眺望の良い物件は人気が高いため、価値が上がりやすいといえます。

1-5.周辺に嫌悪施設がない

嫌悪施設とは、周囲の人から嫌がられるような施設のことを言います。例えば、風俗店、公害発生施設、火葬場などが挙げられます。
これらの嫌悪施設は地価を下げてしまう要因にもなるため、周囲に存在しないことが資産価値の高さに繋がります。

1-6.自然災害の影響を受けにくい

洪水や土砂崩れが発生しやすい場所は誰もが望みません。災害による被害を受けにくく安心して住める住環境かどうかで資産価値が上下します。

消費者が不動産購入において不利益を被らないよう、不動産契約時には防災マップの説明が求めらるようになりました。また、各自治体が防災マップを公表していますので、誰でも確認することができます。
物件を比較検討する際は、自治体のwebサイトなどで防災マップを確認してみましょう。

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2.購入しやすく住みやすい「建物」が、資産価値が高い

資産価値が高い建物にも特徴があります。
どのような建物であれば資産価値が高いか具体的にご説明します。

2-1.大規模マンションがおすすめ

大規模マンションの方が小規模マンションより資産価値は高くなります。
戸数が多いと管理費や修繕積立金の値上げを抑えることができるので、売却時にも買い手が付きやすくなるためです。

また、共用部分の設備が充実していることが多いため、大規模マンションは資産価値が高いと言えます。
ただし、使われないような共用部設備がある場合は、少しマイナス評価になってしまいます。この点については、後述の「2-4.今の価値観で必要な設備が揃った物件がおすすめ」の内容も合わせて検討してください。

2-2.住宅ローンが利用できる物件がおすすめ

住宅ローンを利用するには面積、間取り、築年数等の条件があります。
金融機関により基準は異なりますが、一般的に床面積の狭い物件はローン利用が難しくなります。例えば住宅金融支援機構の【フラット35】では、新築・中古ともにマンションでは床面積が30㎡以上あることがローン利用の要件となっています。
※参考:住宅金融支援機構「【フラット35】の対象となる住宅・技術基準」

面積以外にも基準があり、一般的に下記のような物件は融資時の審査に通りにくくなります。

  • 耐震基準を満たしていない物件
  • 1R間取のマンション
  • 違反建築物
  • 借地物件
  • 自主管理

住宅ローンが利用できれば多くの方が購入しやすくなるので、資産価値が高いマンションと言えます。

2-3.高層階の物件がおすすめ

マンションの周辺環境は将来的に変わることがあります。隣地に新しく建物が建つと、お部屋の採光や通風が悪くなる可能性もあるのです。

少しでもリスクヘッジをするには高層階の物件が望ましいです。立地条件で紹介した開放感や眺望の観点からも、資産価値の高さを重視する場合は高層階の物件の方がおすすめできます。

ただし、上層階であっても、エレベーターのない物件は上り下りの不便さから、資産価値は低くなりますので注意しておいてください。

2-4.今の価値観で必要な設備が揃った物件がおすすめ

マンションにどのような設備がついているかも重要です。設備にはプラスの設備もあれば、マイナスになる設備もあります。
マンションに求められる設備として多いのはこのようなものです。

  • オートロック、防犯カメラなどのセキュリティ設備
  • 宅配BOXなどの生活利便設備

これらの設備がついていることで、プラスの評価になります。

しかし、ついていることで逆にマイナス評価になる設備もあります。
バブル期などに建設された豪華なマンションには、このような設備がついていることがあります。

  • テニスコート
  • 温泉・プール
  • 専用バス停

こういった設備は、維持するために多額の経費がかかってしまいます。
昔はよかったのかもしれませんが、現在の一般的な生活での価値観にはそぐわない設備ではないでしょうか。

また、駐車場設備(台数)も昔と今で評価が変わってきています。
駐車場使用料は一般的に管理費に充当されます。車離れが進んでいる現在、駐車場の利用が減ると管理費が不足し、最終的には管理費を値上げすることになってしまうため、駐車場完備の物件が必ず評価が高いとは限りません(立地や居住者層にもよります)。

時代により住まいに求められるものは変わってきます。
現在の価値観に適しているかどうか、将来にわたって住みやすいマンションかどうかを検討しましょう。


3.「管理状況」も重要!主なチェックポイントを紹介

マンションは管理を買え!とよく言われるくらい、管理は重要です。
しかし、管理と言われても具体的に何を検証すれば良いのか、分かりにくいところがあります。

この章では管理のチェックポイントを具体的に説明します。中古マンションを購入するときは、これらのポイントを確認して検討材料に、新築マンションを購入するときは、資産価値を落とさないための管理組合運営のポイントとして確認しておいてください。

3-1.修繕状況:定期的に修繕されているかチェック

マンションの耐震診断

マンションの構造は、多くは鉄筋コンクリート造です。鉄筋コンクリート造は文字通り「鉄筋」と「コンクリート」の組み合わせという意味です。
鉄筋とコンクリートはそれぞれ相反する短所と長所を持っているので、組み合わせることで丈夫な構造を保つことができます。

  • 鉄筋は引張力(引っ張る力)、に強く、圧縮力(押す力)に弱い←→コンクリートは圧縮力に強く引張力に弱い
  • 鉄筋は熱に弱い←→コンクリートは熱に強い
  • 鉄筋は酸性に弱い←→コンクリートはアルカリ性に弱い

マンションを長期間維持していくために重要なのは、これらの性質を長く維持することです。

しかし、これに悪影響をもたらすのが「雨水」。外壁面の防水が維持されていないと、コンクリート内に雨水が侵入します。雨水は酸性のため、鉄筋が酸化し膨張してしまいます。その膨張によりコンクリートが破損し、更に雨水が浸透してくるという悪循環になってしまい、耐震性、耐久性が悪化します。
外壁面の防水を定期的に補修して、雨水を防ぐ維持管理が必要です。

建物の性能を維持するためにも、定期的に修繕工事がおこなわれているかを確認しましょう。
中古マンションであれば、管理会社から発行される「修繕履歴」で過去の修繕を確認することができます。

3-2.修繕積立金:積立金の計画も立てられているかチェック

修繕工事を行うための費用を毎月貯蓄するのが修繕積立金です。修繕積立金は長期修繕計画を基に定期的に金額が見直され、上昇していくのが一般的です。
しかし、毎月のコストを抑えたいという所有者の意見から、修繕積立金の値上げが見送られ続けてしまうと、必要な修繕工事ができないという事態になってしまいます。

適正な修繕計画に合わせて、積立金計画が立てられているかもチェックしておきましょう。
管理組合の「長期修繕計画」や「特別会計(修繕積立金)」の状況を不動産会社の担当者を通じて確認させてもらうといいでしょう。

3-3.管理体制:滞納等、管理組合内の問題がないかチェック

管理や建物維持に非常に重要な管理費・修繕積立金ですが、なかには滞納してしまう人もいます。滞納額が大きくなると管理運営に影響が出るため、早急に対応策を打たなければなりません。
滞納が長期化あるいは滞納額が高額になってくれば訴訟手続きになってしまうことがあり、訴訟費用と時間、労力が余分にかかってきます。また、それ以外でもどのような問題が組合内で発生しているかを確認しておくのは大事です。

  • 建替え協議
  • 管理規約違反者への対応

などの問題が発生している場合は、注意が必要です。
特に建替え協議は、相当な時間がかかってしまったり、所有者間での意見の相違によるトラブルなど起こってしまったりすることがあります。

このようなマンションでは、トラブルに巻き込まれるのを懸念して、購入を見送る方も出てきます。資産価値を低下させないためにも、マンション内のコミュニティは重要です。
また通常は、マンション管理業務は管理会社に委託されていますので、管理会社と管理組合(所有者)がしっかり連携できているかも合わせてチェックしておきたいですね。

中古マンションの場合は、管理組合から発行される「総会議事録」で、どのような問題が発生しているか?管理会社の変更が検討されていたりしないか?といった管理体制を確認しましょう。


4.地方都市ならではのマンションの評価基準

これまでは、主に都市圏のマンションにおける資産価値の評価傾向について説明してきました。
立地においては駅へのアクセスが良く暮らしやすいこと、建物については数あるマンションの中で希少性が見られたり購入しやすかったりすることが評価に繋がっているのが分かると思います。

しかし、この評価ポイントは、生活様式やマンション供給状況が違う地方都市では事情が変わってきます。というのも、主な交通手段が車だという地方では、必ずしも駅が重視されなかったり、マンションの敷地が広く取れて住戸の広さにもゆとりがあるエリアであれば、マンションに求められる価値や設備が都心部とは異なってきたりするからです。

この章では、地方都市でマンション購入を検討する方のために、地方ならではの資産価値の評価ポイントを紹介します。

4-1.立地:駅前立地だから資産価値が高いとは限らない

地方都市では、車の利用率・所有率が高いという特徴があります。通勤も電車ではなく、マイカー通勤が一般的です。そのため、駅を利用する頻度が低いことから「駅前立地=資産価値が高い」とはならないことがあります
また、敷地外で月極駐車場を借りる場合、駅前立地は駐車場代が高いというデメリットが注目される傾向もあります。

地方都市で重視されやすい立地の特長はこのような点です。

  • 学校に近い
  • 住環境が良い(騒音を出す施設がない、公園や公共施設へのアクセスが良いなど)
  • 過去に災害が発生していない

4-2.建物:大規模より中規模程度のマンションがおすすめ

地方都市の場合、一戸建てが主流のエリアが多く、マンション物件であること自体に希少性が認められることがあります。そういったエリアでは、例えばこんな「一戸建てにはないマンションならではの魅力」が物件価値に繋がります

<マンションの高さを活かした魅力>

  • 国宝のお城の天守閣を見下ろすことができる眺望
  • ランドマークとなる湖を一望できる眺望

<マンションのスケールメリットを活かした魅力>

  • 商店街直結の便利な立地

建物の特長と同じように、マンションの設備に対しても、都心部とは別の価値観が働きます。
地方都市の、特に郊外の物件では周辺が住宅地で公園などの遊び場所が多く、マンションの敷地が広く取れて各住戸の広さにもゆとりがあることが多いので、マンションに次のような設備を求める方は少なくなります。

  • マンション内の共用公園
  • ゲストルーム、ラウンジ

このように、大規模マンションに見られる贅沢な共用設備は、地方では重要視されないことが多いです。
そのため、都心部では評価が高くなる大規模マンションが、地方都市の場合には全く逆になってしまうことがあります
これは私の感覚ですが、この傾向は地方になればなるほど強いのではないかと感じています。

ただ、逆に小規模マンションになればなるほど、戸当りの管理費、修繕積立金のランニングコストが高くなってしまい、デメリットになってしまうことから、40戸~60戸程度の中規模マンションがおススメだと考えます。

まとめ

新築マンション検討時に知っておきたい5つの注意点と対策

購入時だけでなく、資産価値を維持する管理運営を

 

資産価値の高いマンションの条件を並べてみると、自分が購入したいと考えている物件の条件と重なるところが多い、と感じる人が多いと思います。
つまり、《資産価値が高いマンション=そのエリアで誰もが住みたいマンション》ということなのです。

とはいえ、人が住まいに求めるものはそれぞれ違います。
将来手放す可能性を見越して資産価値が高いマンションがいいと考えた場合でも、私がここまで述べてきた項目を全て満たす必要はないと思います。全ての条件を満たす物件はそう多くはないでしょうし、あったとしても高額な物件になってしまいます。
あくまで自分の生活スタイルにあった物件の中で、細かい部分を比較するときに資産価値が高くなる条件にも目を向ける、それくらいの意識で物件を探すのが満足できる暮らしを手に入れるコツだと私は考えます。

また、1章の「立地」、2章の「建物」の条件は購入したあとで変更することが難しいですが、3章で記載した「管理」については所有者皆さんの意識で変えることができます。
立地〇・建物〇、でも管理が×だと物件の資産価値は大きく低下します。逆に管理が良ければ資産価値を維持あるいは向上させることもできるのです。

物件選びまでは一生懸命に取り組まれていますが、購入後の管理には関心を持たない方が多いのが現状です。ぜひ購入後も、資産価値の低下を防ぐために積極的に管理運営に取り組んでいただきたいと思います。

マンション選びにおける資産価値以外のポイントについては、こちらの記事で解説しております。
この記事と合わせてぜひ参考にしてください。

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