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テーブルにセッティングされた料理
くらしのヒント

【ホテルシェフ直伝】チョコを使った本格ディナーレシピとソムリエが教えるお手軽ワインの選びかた

店頭にたくさんの種類のチョコレートが並び、バレンタインムードが一気に高まる今日このごろ。今年のバレンタインはどうしますか?チョコを買う?それとも手作り?「甘いのが苦手だから何もしない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

スイーツとしての甘いチョコレートもいいですが、今年はチョコレート使ったお料理でひと味違ったバレンタインを過ごしてみませんか?
ホテルの料理長にチョコレートを使ったディナーレシピを教えてもらいました。おしゃれで本格的なのに、手に入りやすい食材でとってもかんたん!あわせて、チョコレートに合うおすすめワインの選び方もソムリエが伝授。メインメニューからデザート、おすすめワインまで、プロがセットにしてご提案します。

2023年のバレンタインは火曜日。平日のディナーをおうちでゆっくり楽しみませんか?

【今回レシピを教えていただいた専門家】

高松国際ホテル洋食総料理長 松原 勉

松原料理長香川県さぬき市出身。
2004年 世界料理オリンピック日本代表3部門で銀メダル
2007年 フランス料理界名誉勲章
「ディシプル・ド・オーギュスト・エスコフィエ」を受章
2016年 調理師制度功労者として厚生労働大臣表彰受賞
2021年 厚生労働省/令和3年度 卓越した技能者(現代の名工)第16部門 受賞
2022年 秋の褒章にて「黄綬褒章」を受章

高松国際ホテル歴代料理長が引き継いできた伝統の味を守りながらも、地元の旬素材を積極的に取り入れた香川の味を日々追及し続ける。

 

【今回ワインを教えていただいた専門家】

高松国際ホテル副総支配人
ソムリエ 高橋 宗民(たかはし むねたみ)

高松国際ホテル:高橋ソムリエ香川県高松市出身。
日本ソムリエ協会認定 ソムリエ
西洋料理テーブルマナー講師
サービス介助士

旬のお料理と合わせたワインや、注目を浴びるワインなど、皆様のニーズに叶うワインと料理の魅惑のマリアージュをお届けいたします。


メイン:鶏モモ肉のロースト オレンジ風味のチョコレートソース 

若鶏とほのかなオレンジ風味のチョコレートソースが、バレンタインにぴったりなお料理です。
ここでは鶏モモ肉を使っていますが、豚肉もこのソースによく合います。手に入るようでしたら、鴨肉を使うとより本格的な料理となりますよ。

鶏もも肉のローストの写真

<材料>

■鶏モモ肉のロースト
・鶏モモ肉…2枚 ※1枚あたり約200gくらい
・塩、こしょう…適量
・にんにくスライス…1片分
・オリーブオイル…40cc ※鶏モモ肉1枚あたり約20cc

■ソース用
・バター…10g
・玉ねぎスライス…10g
・赤ワイン…50cc
・オレンジジュース…200cc
・デミグラスソース…100g
・チョコレート…20g 
※チョコレートは製菓用でも市販のものでも可。ビターチョコ、ミルクチョコなど好みに合わせて。
・はちみつ…小さじ1
・塩、黒こしょう…適量
・レモン汁…小さじ1

メインメニューの材料

鶏もも肉のローストの作り方

1.若鶏モモ肉はスジを切り整形し、塩・コショウを全体になじませておく

◎すじ切り
まず、肉に骨が残ってないか、指で触って確認しましょう。鶏モモ肉には小さな骨が残っている場合があります。気づかずに食べて喉に刺さって危険な場合もありますので、取り除くようにしましょう。

(1)はみ出ている余分な脂身を取る

脂身を取り除いている様子

(2)硬いすじの部分を取り除く

筋を取っている様子

(3)縦に切り込みを入れる

肉に切り込みを入れている様子

(4)全体をランダムに包丁を刺して、すじ切り完了

ランダムに切り込みを入れている様子

バットにあらかじめ塩・こしょうをふっておき、それから肉を置いて上から塩こしょうをするとまんべんなく味をつけることができます。直接塩こしょうを振ったバット

2.フライパンにオリーブオイル・スライスしたニンニクを入れ、弱火でじっくりと熱する

ニンニクが色づいてきたら取り出し、鶏肉を皮目から焼く。

にんにくを熱し、鶏もも肉を入れた様子

時間をかけてゆっくりとにんにくを炒めたあと、にんにくは取り除きます。

蓋をして中火で約4分、裏に返して約4分、最後に蓋を外してもう一度皮目を1分焼き上げる。

皮目を焼き付けている様子

上から肉を押さえつけて皮目に香ばしい焼き目をつける

焼きあがった肉はバットで少し寝かしておく。その際肉から油が出てくるので、とっておく。

バットに置いたロースト肉

バットにしばらく置いておくと肉汁が出てくる。

料理長のここがポイント
お肉をローストした後に、ソースを作りましょう
ソースを作っている間、肉を寝かしておきます。余熱で中に火がとおり、うまみが逃げ出しにくくなります。また肉から出てきた肉汁をソースに入れることでソースに深みが出てきます。

オレンジ風味のチョコレートソースの作り方

1.鍋にバター・玉ネギを入れてから火をつける。玉ねぎがしんなりするまで、弱火でじっくりと炒める

しんなりするまで炒めた玉ねぎ

バターと玉ねぎを鍋に入れてから火をつけるとバターが焦げにくく、じっくりと炒めることができます。

玉ねぎがしんなりなったら、赤ワインを入れる。
玉ねぎに赤ワインを入れた様子

下写真くらいに、赤ワインの水分が無くなるまで煮詰める。
煮詰めた鍋

写真の状態まで赤ワインを煮詰めたらオレンジジュースを入れ、半量になるまで再び煮詰める。
出てきたアクは取り除く。
アクを取っている様子

デミグラスソースを入れ沸かし、チョコレート・ハチミツ・塩・コショウ・レモン汁を入れる。最後にとっておいた肉の油(大さじ1程度)をソースに入れて仕上げる。
ソースを混ぜている様子

料理長のここがポイント
ソースを作るときの煮詰め方がポイント
赤ワインは水分がなくなるまでよく煮詰めます。
煮詰め方が足らないとソースがワイン臭くなることに…。オレンジジュースも半分の量になるまでじっくり煮詰めましょう。

焼き上がった鶏肉をカットする。
肉をカットしている様子

皿にお好みの付け合わせを入れ、ソースをかけて完成。
マッシュポテトを入れている様子

付け合わせは、野菜サラダやブロッコリーなどの温野菜が簡単。ゆでたカブを肉を焼いたフライパンで軽く焼き目をつけて添えるのもいいですね。
この料理に合う、特におすすめの付け合わせはマッシュポテト。
マッシュポテトは手がかかるので、市販のマッシュポテトの素を使うといいでしょう。お肉やソースと一緒に食べると、より美味しくなります。

カブを焼いている様子

この料理に合うおすすめワイン

ソムリエおすすめワイン:ウッド・ブロック サクラ・シラーズ

ワインの写真果実味とスパイシー感やナッツやチョコレートのニュアンスを持つ赤ワイン。鶏肉の焦げた香ばしさやソースのスパイスが合って、お互いを引き立てます。春を意識したラベルもテーブルを盛り上げてくれますね。

このワインが手に入らない場合は、スパイシーな【フルボディ】のワインを選ぶといいでしょう。


デザート:ふんわり苺ムース 苺&ホワイトチョコレートソース

いちごのフレッシュさをストレートに味わえるメニュー。口あたり柔らかなムースがいちごを引き立ててくれます。チョコソースはミルクチョコレートではなくホワイトチョコレートを使い、苺のおいしさが際立つスイーツです。
失敗しがちなゼラチンはあえて使わず、誰でも簡単にできるレシピとなっています。

苺のふんわりムースの写真

<材料>

■苺ムースの材料
・苺…150g  ※苺は苺ソースや飾りつけ分も含め、1パックご用意ください。
・グラニュー糖…60g
・生クリーム…250cc
・卵白…1個分

■苺ソースの材料
・苺…80g
・水…35cc
・コーンスターチ…大さじ1
・グラニュー糖…30g
・レモン汁…5cc
・ストロベリーリキュール…少々
・(飾り用)ミント…適量

■ホワイトチョコレートソースの材料
・ホワイトチョコレート…60g
・生クリーム…30cc
・牛乳…30cc

ふんわり苺ムースの材料

ストロベリーリキュールについて

ストロベリーリキュールは、イチゴの瑞々しい香りと甘みが特徴のリキュールです。ストロベリーリキュールを使うことで、苺ソースの風味が増します。
余ったリキュールはお酒として飲むのがおすすめ。甘いのでお酒が苦手の人にも人気です。ミルクと混ぜたり、サイダーや紅茶で割ると美味しくいただけます。
苺ソースのレシピとしては風味づけなので、なくても美味しさは変わりませんが、お酒として興味がある方はぜひ使ってみてください。

苺ムースの作り方

1.苺と材料のグラニュー糖1/3をミキサーでペースト状にする

苺をミキサーにかけている様子

ペーストは「苺の粒がなくなるくらい」が目安。
ペーストにした苺

2.生クリームに材料のグラニュー糖を1/3入れ、ボウルの底に氷水をあて、8分立てにする

7分立ての生クリーム

上の写真は7分立ての生クリーム。この状態になると、あともう少し。

8分立ての生クリーム

右写真が8分立ての生クリーム。すくって落としても、形が崩れてしまうくらいふんわりが目安です。

氷水をあてると、途中で生クリームがだれてくるのを防ぐことができます。
このあとの工程でもこの氷水は活躍しますので、氷を多めにして用意しておきましょう。

料理長のここがポイント
ボウルと泡だて器はできるだけ当たらないように。
ボウルに泡だて器があたると、クリームが金属臭くなります。泡だて器を少し浮かせて、できるだけ当たらないように気を付けながら泡立てましょう

3.1.のイチゴを2.のボウルに少しずつ加えて静かに混ぜ合わせる

生クリームに苺ペーストを入れた様子

4.氷水を当てながら卵白をほぐし、残りのグラニュー糖を3回ぐらいに分けて入れ、硬くメレンゲ状に泡立てる

艶のあるメレンゲ

料理長のここがポイント
調理器具は完全に水気をふき取る
調理器具に水気が残っていると卵白が泡立ちません。ボウル・泡だて器などの調理器具は完全に水気をふき取ってから泡立てましょう。

5.3のボウルに4のメレンゲを2~3回に分けて入れ、さっくりと混ぜ合わせる

混ぜる際は、メレンゲの気泡をつぶさないように、へらを外側から内側へと動かして混ぜる。
苺のペーストと生クリームを混ぜている様子

6.グラスに流し、ラップをして1時間程度冷蔵庫で冷やして固める

まず、グラスにムースを入れる。
グラスにムースを入れている様子

ムースを流す際は絞り袋を使うと、グラスの周りを汚すことなく簡単に入れることができます。

濡れふきんの上でムースを入れたグラスを軽くたたいて、ムースを整える。
ムースを整えている様子

苺ソースの作り方

1.苺のへたを取り、1/4にカットし、グラニュー糖とともに鍋に入れる

鍋に材料を入れている様子

2.1の鍋に材料の水のうち20ccを入れ、弱火で煮る

苺を煮ている様子

3.苺がくたくたになったら一度火を止め、15ccの水で溶いたコーンスターチを入れる。再度火をつけ、とろみをつける

火を止め、レモン汁、ストロベリーリキュールを入れる。
リキュールを入れている様子

別容器に移し、氷水で冷やしておく。
氷水で冷やしている様子

ホワイトチョコレートソースの作り方

チョコレートソースを作る

ホワイトチョコレートを刻み、生クリーム、牛乳とともに耐熱容器に入れ、ラップをして電子レンジで温める。
(700wの電子レンジで約1分くらい。チョコレートの大きさや電子レンジによって異なりますので、様子をみながら温めましょう。)

しっかりと混ぜ込んでチョコレートを溶かし、氷水で冷ましておく。

盛りつけ

冷えた苺ムースにホワイトチョコレートソースを流す。
和保井とチョコレートソースを入れる様子
ホワイトチョコレートソースの上から苺ソースをかける。
苺ソースを入れる様子

カットした苺をのせる。
苺を飾る様子
最後に好みでミントを飾って完成。
ミントを飾る様子

このスイーツにおすすめの『デザートワイン』

デザートワインとは一般的に甘口のワインのこと。
細かくみると、その定義は国よってアルコール度数や飲むシーン等によって違っています。甘口のため、デザートの代わりに飲むこともありますし、デザートと合わせていただくこともあります。
ここでは今回ご紹介した苺のムースに合う、デザートワインをご紹介します。

ソムリエおすすめワイン:ガンチア・モスカート・ロゼ

ワインの写真さわやかでチャーミングな味わいで、イチゴやフランボワーズの果実味を感じる、甘口のロゼスパークリングワイン。
ムースの泡とスパークリングの泡、それから華やかなロゼの色合いをお楽しみいただけます。


ソムリエが教える、チョコに合うワインでの選び方

甘いチョコレートには、甘口のワインがおすすめ。糖度が高く香り豊かな『貴腐ワイン』や通常のワインよりアルコール度数が高く甘いのが特徴の『ポートワイン』などが鉄板です。
それ以外の普通のワインですと、酸味が穏やかで果実味のあるワインを選ぶといいでしょう。

赤ワインのなら、渋みの少ないワインがチョコレートには合います。渋みが強いワインを選んでしまうと、チョコレートの渋みがより強調されてしまいます。「フルボディ」ではなく「ライトボディ」のワインを選ぶようにしましょう。
白ワインの場合は、甘口で酸味が少ないワインがおすすめです。

チョコレートの種類によっても合うワインが異なります。ビターチョコレートの場合は赤ワイン、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートなどカカオが少なめのチョコレートには白ワインやロゼワインがおすすめです。

チョコレートと一緒にレーズンなどのドライフルーツやナッツ類、フルーツのコンポートなどがあるとより楽しめますよ。

チョコレートに合う、ソムリエおすすめのワイン1

ワイン名:サンデマン・ファイン・ルビー

しっかりとしたコクのあるポートワイン。
ぶどう本来の甘みと干しぶどうやプラムのような果実香が楽しめます。
カカオ多めのチョコレートと相性が良いですので、バレンタインにはチョコレートと一緒にプレゼントするといいかもしれませんね。
クリーミーなチーズにも合いますよ。

チョコレートに合う、ソムリエおすすめのワイン2

ワイン名:ランブルスコ

北イタリアの赤いスパークリングワインです。
フレッシュで軽やかな口当たりで、カシスやブルーベリーのような香りを感じます。
ミルクチョコやホワイトチョコにどうぞ。
甘口タイプと辛口タイプがあるので、チョコレートには甘口タイプを選ぶと良いですよ。


おうちディナーで素敵なバレンタインを

一見すると本格的すぎて難しそうに見えるお料理かもしれませんが、材料は手に入りやすいものばかりですし、作り方もとっても簡単。
子供の分だけソースを別にすることも可能なメニューですので、「小さい子供がいるから、バレンタインディナーなんて無理だな…」という方にもおすすめのレシピです。
今年はおうちでゆっくり本格的なバレンタインディナーを楽しみましょう!

◆「バレンタインに関するアンケート」の調査結果を公開中

「誰にあげる?」「どこで用意する?」「いくら使う?」…バレンタインの気になるアレコレについてヒアリングしたアンケートの結果を公開しています!
他の人の回答を参考にして、ステキなバレンタインをお過ごしください。

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