マンションの洗濯機置き場は、ユニットバスに隣接した2畳ほどの洗面所に設けられているのが一般的。
隣の洗面化粧台は来客も利用する場所なので、洗濯機周りもパブリックスペースであるといえます。
そんな洗濯機周りの収納をすっきりさせ、来客にも慌てない空間にする収納アイデアを、住まい方アドバイザーの筆者がご紹介します。
目次
1. 洗濯機周りをすっきり快適に収納するためのポイント
洗濯物の量や洗濯用品の種類は家族構成やライフスタイルによって異なります。
ですが、どの家族にも当てはまる、限られた洗濯機周りの空間を使いやすくするためのポイントが3つあります。
1-1. 「使う物だけを厳選しておく」が大前提
洗濯機が置かれている洗面所は家の中でも最も湿気の多い場所。使わない物を置いておくと、そこに湿気(水分)が付き、さらにその上にホコリや汚れがついて固まり、定着して落としにくくなります。
清潔、衛生第一の洗面所。「使う物だけを厳選」して掃除のしやすさだけでなく、汚れがたまりにくい空間になるよう心がけましょう。
意外と「使っていると思い込んでいる=使わない物」が紛れていることも多いもの。今一度、思い込みを捨ててチェックしてみましょう。
1-2. 床に極力物を置かない
洗濯機周りで一番汚れるのは「床」。洗濯物についたゴミや髪の毛、洗剤の飛び散り、足裏の皮脂、洗面所の湿気やホコリなどたくさんの汚れが集まります。すっきりキレイ!を保つには、この床の掃除をしやすくしておくことがポイント。床に直に物を置いたり、収納ケースを並べたりするのは避けましょう。
どうしても置く必要がある場合は、キャスター付きや脚付きのものを選ぶなど掃除がしやすいよう工夫しておくのが賢明です。
1-3. 収納スペースはとにかくコンパクトにまとめよう
洗濯関連の収納はとにかくコンパクトに!が基本。洗濯用洗剤や洗濯ネットをはじめとする洗濯用品など、洗濯機周りに置きたい物のほとんどは、片手で扱える小さなサイズです。
なので、大きな収納棚をどんと置くのではなく、奥行きが浅い棚を適材適所に取り付けるのがおススメ。
どこに何があるかひと目でわかる収納を心がけましょう。
2. 洗濯の時短が叶う洗濯機周りのアイテム別収納アイデア
細々した洗濯機周りで使うアイテムは、それぞれに適した収納を設けるだけで出し入れがグンと楽に。一連の洗濯の流れをイメージして、動線も考慮して置く場所を決めれば尚良し。毎日の洗濯がスムーズに進み、家事全体のスピードもアップ!
ストレスが減るだけでなく、空いた時間をリラックスタイムに充てることもできますよ。
2-1. ハンガーはファイルケースにIN!
洗濯機周りで使う物の中でも収納しにくいアイテムの代表と言えば、ハンガー。無造作にしまうといざ使うときに絡まって数珠つなぎに出てきてイライラ……。
そんなハンガーをお利口にまとめてくれるのがボックス型のファイルケースです。紙ではなくプラスチックタイプを選びましょう。斜めにカットされたタイプや高さが半分もタイプなど種類がいくつかあるので、しまう場所や出し入れのしやすさなど使い勝手のいいものを見つけてみてください。
2-2. 洗濯ネットは洗濯ネットにしまう
洗濯ネットは家庭によって持っている数に差が出ます。毎日使う人もいれば、おしゃれ着を洗う時だけ使うという家庭もあるよう。サイズも数もまちまちな洗濯ネットは同じ洗濯ネットに入れてしまうのはいかがでしょう。
数が多い場合は、ひとつにまとめるのではなく、毎日使う物と時々使う物、大小など使いやすいように予め分けておくと使い勝手がよくなります。洗濯機の側面にタオルバーと洗濯ばさみを使って吊るしておけば出し入れも簡単。収納用の洗濯ネットは、汚れたら洗濯機に入れて洗うだけ。お手入れも楽ちんです。
2-3. 角ハンガーはからまないよう立てて収納するのがコツ
洗濯干しに欠かせないアイテム、角ハンガー。たたんで重ねると、角ハンガー同士がからみついて悲惨な状況に。立ててしまうのがおススメです。
角ハンガーを複数しまう時のポイントは、「ひとつずつ独立させる」こと。ひとつずつファイスボックスにいれてもいいですし、角ハンガーが2~3個入るボックスにブックエンドやつっぱり棒などで仕切りをつけてもOK。
洗濯機周りではなく、ベランダの近くに収納している人にもおすすめの収納法です。
3. 限られた空間でここまでできる!洗濯機周りに収納スペースをつくる方法
元々限られたスペースに、洗顔や洗濯、脱衣など作業するスペースもとる洗面所。洗濯機前を脱衣スペースとして使っている家庭も多いでしょう。
ここでは、作業する空間を保ちつつ、きっちり収納もできる、そんな理想的な収納スペースをつくる方法を伝授します。
3-1.洗濯機上のデッドスペースを活かすボックス型収納
ボックス型の収納棚は、洗濯機上の空間にもぴったり!洗濯洗剤や洗濯機周りで使う細々した雑貨が無理なく置け、出し入れも簡単。洗剤のボトルや入れ物をおしゃれに統一すれば、おしゃれ度アップ!
さらに余白をつくって飾りとなる物を置くと、それだけで余裕のある空間に様変わりするのでおすすめです。
3-2.壁を効果的に収納スペースに変えるバータイプの引っ掛け収納
1-2で説明した通り床に物を置くのを極力避けたい洗面所。ならば壁を有効に使いましょう。
よく玄関などで見かける4~5連の引っ掛けバーを洗濯機周りの壁に取り付ければ、あっという間に収納スペースに変身。洗濯バッグを引っ掛けて洗濯物入れスペースにしたり、ループ付きの洗濯ネットを引っ掛けたり多用途に使えます。
あまり奥行きのある物を掛けないことと、低めの位置に取り付けて視界に入りにくいようにするという2点を守れば悪目立ちしません。
3-3.著者おススメ!つっぱり棒とワイヤーネットで作る究極のすき間収納
棚も壁も使えない!という間取りにおススメ。洗面化粧台と洗濯機のすき間に注目した間仕切り収納です。
用意するのは突っ張り棒とワイヤーネット、結束バンドだけ。突っ張り棒を2本床と天井の間に突っ張り、間にワイヤーネットを結束バンドで固定するだけで完成です。
洗濯機側と洗面化粧台側それぞれから使うことができます。使いたいものが手の届く場所に全て納められるまさに「コックピット収納」です。
(写真は縮小バージョンです)
3-4.2×4材でつくる奥行き10㎝の万能収納棚で洗濯機の後ろ側の壁を徹底活用
これだけで、洗濯洗剤から洗濯雑貨、タオル、洗剤ストックまでたっぷり収納できます。
また、棚として使うだけでなく、突っ張り棒を渡して足ふきマット掛けにしたり掃除道具置き場にしたり、工夫次第で使用用途が広がります。
転落防止のバーを渡すと安心安全ですね。
※設置の際は、木材・DIYパーツの商品説明をよく読み、注意事項に従って設置してください。
4. 来客にも困らない、洗濯機周りをおしゃれに魅せるコツ
さあこれで、洗濯機周りで使う物はコンパクトに収まりました。
仕上げにおしゃれに見せる工夫をひとさじ!いつでも来客を歓迎できる、洗濯機周りをワンランクアップさせるアイデアをご紹介します。
4-1.見える場所の色数をおさえよう
物がたくさんある場所が、すっきり見えるかごちゃごちゃして見えるかの違いは、ずばり、色使い。ハンガーの色や素材を統一する、洗剤類を同じ容器に入れ替える、タオルやマットの色を揃えるだけで見た目の印象が異なります。
歯ブラシなど色違いであることが便利な道具は扉のある場所にしまうようにするといいですね。
4-2.グリーンを置くだけでおしゃれ度アップ
無機質な物が多い場所にグリーンを置くだけで、空間が生き生きと見えてくるから不思議。植物のパワーを活用しましょう。
水換えなどのケアに自信がないという方は、空気中の水分で生きるエアプランツという選択もあります。
4-3.収納道具に自然素材を使う
上級者向けのテクニック。目につく場所の収納かごを自然素材のものに変えてみましょう。
湿気に強くお手入れしやすいという理由で、ついプラスチック製を選びがちですが、そこに敢えて自然素材を投入するとこだわりが演出できます。
お手入れの事を考えると、ラタンは上級者向け。竹などの表面がつるっとしたタイプがおススメです。
4-4.洗濯機の奥の壁をアクセントウォールに
アクセントウォールにすることで、洗面所の細かいアラに目から視線を逸らし、好みの世界観を印象付けられます。
4-5.洗濯機の側面に簡易掃除道具を忍ばせて
掃除の行き届いた洗面所は、それだけで最高のおもてなし。気づいたときにサッと掃除できる環境をつくっておきましょう。洗濯機の側面にフックをつけてちりとりセットや小型のコロコロ、ウェスなど掃除道具をまとめておくのはいかがでしょう。
来客の目に届かず、気づいたときにサッとお掃除でき、日々の管理が苦になりません。ぜひお試しあれ。
まとめ
洗濯機周りの収納環境を「効率よく」「見栄え良く」「使い勝手よく」の観点から整える方法をご紹介しました。
毎日の洗濯のしやすさに加えて、来客へのスマートな対応にも繋がる洗濯機周りの収納。ぜひ、いつでも人に見せられるサニタリーを実現してくださいね。
サニタリーに加えて、お風呂も人に見せられるバスルームに。こちらの記事を参考に、「褒められ」バスルームを目指してみてください。