「サニタリールーム」
直訳すると“衛生空間”ですが、その用途は、身支度を整えたり、洗濯をしたり、脱衣所だったりとさまざま。一般家庭の平均的なサイズとしては2畳ほどと言われています。
限られたスペースですので、思うように収納ができず頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?または、あまり人に見られない場所だからと、つい物置チックな空間になっていたりしませんか?
綺麗ですっきりとしたサニタリールームは、使う人に快適な心地良さをもたらすだけでなく、収納を上手く工夫することで身支度や家事などの作業効率もUPするんですよ。
サニタリールームの収納テクニックを知って快適な暮らしを手に入れませんか?
目次
サニタリールームの特徴
サニタリールームは、リビングやベッドルームに比べて範囲が狭く、使っているものと使っていないものがはっきりしているので、片付けの苦手な人には一番に取りかかりやすい場所と言われています。
しかし、他の部屋の収納とは異なった特徴を持っているので、それを頭に置いて収納計画を進めていく必要があります。
特徴1:使用用途が多様な空間
手を洗ったり、顔を洗ったり、歯を磨いたり、髭を剃ったり、髪を乾かしたり、メイクをしたり、着替えをしたり、洗濯をしたり、ちょっとした家事室になっていたり…。ぱっと思い浮かぶだけでもたくさんの用途がありますね。また、そのほとんどが毎日行われるもの。狭い空間の中で、それぞれの作業の効率性が求められます。
特徴2:2畳ほどの限られた空間
サニタリールームの一般家庭の平均的なサイズは2畳ほど。そのうち収納に割けるスペースはごくわずかということになります。しかし多くの用途に付随して使用するものがそれぞれにあるため、おのずと収納する物は多くなります。
特徴3:PrivateでありPublicの側面もある空間
プライベートな空間と思われがちなサニタリールーム。でもちょっと考えてみましょう。来客時には「ちょっと手を洗わせてね」といった具合でお客様が立ち入る可能性があり、実はパブリックなスペースであるとも言えます。家族の使い勝手や効率性ばかりを優先するのではなく、お客様の使い勝手、快適さも考えておきたい空間です。
特徴4:予算の優先度が低くなりがちな空間
直接目に触れる収納ケース、収納グッズ、タオル等に統一感がなく、ちぐはぐなものになっていませんか?前段のプライベートな空間と思われがちということが関係しているのでしょうか、家の間取りやインテリアをプランニングする際、サニタリーの収納にかける予算の優先順位は低くなってしまいがちです。
サニタリールームの特徴から考える空間作りと5つの収納テクニック
これらの特徴を踏まえて、
「限られたスペースにすっきり収納する」
「それぞれの用途に応じて効率よく使用できる」
「清潔感があり使う人にとって心地いい」
を目指して収納計画を進めていきましょう。
目指すは7割収納。サニタリールームに収納するものの優先順位をつける
限られた収納スペース。まずは収納するものの優先順位を決めることが一番のポイントです。
1.その場所でしか使えないもの
2.毎日使うもの
3.手が届くところにストックが必要なもの
上記の3点に絞ると限られた収納の中で何を収めるのか決めやすいです。
1、2は洗面所で使うコップやハブラシ、歯磨き粉、タオル、洗濯機周りで使用する洗剤、洗濯ネット、ランドリーバスケットなど。3はシャンプーや石鹸、タオルなどですね。
これ以外のものは、他の収納場所に収納できないか一度検討してみましょう。
よく下着類やハンカチ・ティッシュなどの日用品もサニタリールームに収納している方がいますが、お客様も出入りする空間と考えると個室に収納するのがベスト。サニタリールームでメイクをするという人もメイク用品はボックスにひとまとめに個室で管理できればいいですね。手元になくても困らないストック品やバケツや雑巾などの掃除用具は廊下収納や屋外収納などで検討してみましょう。
また、長い間使っておらず「いつか使う」とサニタリールームに眠っているものは思い切って処分してしまいましょう。
目指すのは7割収納。はじめはなかなか難しいかもしれませんが、容量の7割までと決めておくと、見た目が綺麗なのはもちろん、物ぎっしり詰まっていないので使うときにすぐに取り出せますし、ストックの量も一目で分かります。収納に余裕を持たせることで水気と埃がたまりやすいサニタリールームの掃除も一気に楽になります。
これで実現!サニタリールームが心地の良い空間になる5つの収納テクニック
サニタリールームが心地の良い空間になるために5つの収納テクニックをご紹介いたします。
ただものを収めることだけでなく、その空間で過ごす人の心地よさを実現することが重要です。
その視点でご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.色や質感を統一する
すっきりした空間を演出するために、入れ物の色や質感を統一してみましょう。
例えば、洗剤類などはたくさんの色や文字が氾濫していて、空間をゴチャゴチャと煩雑な雰囲気にしてしまいます。白っぽい容器に移し替えるだけですっきり感が違ってきます。
その他、収納ケースやかご、タオルも、白やベージュなどで統一してしまうのがおすすめ。色味を持ってきたいなら、暖色系よりは青色などの寒色系淡色をベースにすると清潔感が出て、また圧迫感を感じずおすすめです。
シンプルなかごや入れ物なら、ニトリや無印良品に様々な大きさや種類が取り揃えられており調達しやすいですよ。
2.見えるところには毎日使うものを。基本は“吊るす”
見える範囲に物を置く場合は、毎日使っている物だけに厳選しましょう。
また吊るせるものは基本吊るして収納します。
これには理由が2つあります。
- 毎日使うものをワンアクション収納(扉を開いたりかごを引き出したりする動作を伴わない収納)とすることで作業の効率を高めます。
- 床や洗面台のドライエリアに直置きするものを減らすことで水気を飛ばし、また掃除の手間を省きます。
ハンガー、洗濯ネット、ゴム手袋
洗濯機横のスペースなどにタオル掛けやS字フックを使ってハンガーや洗濯ネット、ゴム手袋などを収納しましょう。
コップ、ハブラシ、歯磨き粉、石鹸
洗面台のドライエリアに直置きしがちなこれらものも、吸盤付きフックやクリップ付きフックを使うことで吊るして収納することが出来ます。石鹸はソープホルダーを使うことで吊るすことが出来ますよ。
ドライヤー、ヘアアイロン
洗面台の鏡面扉裏に吊るすとすっきり収納出来ます。忙しい朝に熱いままでもひっかけるだけでOK。
3.洗面台下の収納を上手く活用する
洗面台下の収納は思っている以上に容量があり、何でも詰め込んでゴチャゴチャになりやすい場所です。せっかくの容量を活かせる使い方をしたいですね。収納棚やA4ファイルボックスを使って空間をしっかり仕切って物を収納していきましょう。ストック品を保管するのが一般的ですが、容量を活かしてタオル収納にしてしまうのもおすすめです。その際は除湿対策をしっかりと。その他、ランドリーバスケットの収納位置とすることで空間をすっきりさせ、さらに汚れ物を人目から隠すことが出来ます。
4.洗濯機横のデッドスペースを有効活用する
洗濯機横にはどうしても20cm程のスペースが出来てしまいますね。ここも上手に活用することが限られたスペースですっきり収納を実現するコツ。デッドスペースにうまく収まる専用のワイヤーラックなども売られていますが、せっかくなら、洗濯機の配管は木材をDIYして隠してしまいましょう。掃除もグンと楽になりますよ。その上に収納ケースを置いたり、バスマットや折りたたみ式のランドリーバスケット、ピンチ付き物干しなどを置いたりして工夫しましょう。
5.“つっぱり棒”を活用する
物は出来るだけ減らしたけどそれでも収納が足りない…そんなときにはつっぱり棒が活躍してくれます。特に洗濯機周りに配置すると収納面、家事効率面でも嬉しい効果が。洗濯機専用のラックをわざわざ購入しなくても、上部につっぱり棒を通すだけで収納棚になります。また洗濯用ハンガー掛けにも使えて、収納はもちろんのこと、洗濯物を干すときに、ベランダに移動する前に洗濯物を吊るしてから移動した方が家事の時短になりますよ。
まとめ
サニタリールームはその家の個性が出る、とも言われている場所です。
それは、毎日の暮らしに直結する場所だからこそ、家族構成や暮らし方が反映されやすいから。あたりまえになっている暮らしのクセを客観的に振り返るのはなかなか難しいものですが、サニタリールームの在り方や収納テクニックのポイントを押さえて、使う人みんなが心地いいと感じる空間を作ってみてください。
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