いよいよ2024年も最後の月になりました。
毎年この時期になると、一年が過ぎることのなんと早いことかと驚嘆せずにはいられません。クリスマスの華やかさと、年の瀬の慌ただしさが同居した街の空気感に、ちょっと気が急くような気分にもなる今月です。
そんな12月の和名は「師走」。「師が忙しく東西を馳せる」という意味です。
この「師」とは僧侶のこと。12月は家々で僧を迎えて読経などの仏事を行うので、とても忙しかったことに由来します。
景色が枯れ色に変わり、忙しない年の瀬の空気が漂い始めるころ。
そんな12月のくらしの歳時記をお届けします。
12月のこよみ
12月7日「大雪」(二十四節気)
山間部だけでなく、平野部でも雪が降り始めるころという意味。この頃になると、お正月飾りに使う「南天」の実が赤く色づきはじめます。
大雪の七十二候(二十四節気をさらに約5日ずつに分けた期間。気象の動きや動植物の変化を表す短文)は、
- 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
- 熊蟄穴(くまあなにこもる)
- 鱖魚群(さけのうおむらがる)
それぞれ、空が厚い雲に覆われ冬の気配が強まる様子、熊が冬ごもりの時期に入って穴にこもる様子、鮭が川を遡上する様子(北国の冬を代表する風景なのだそう)を表します。
本格的な冬の到来を感じさせますね。
12月21日「冬至」(二十四節気)
太陽が軌道上の最も南に来るときで、北半球では夜が最も長く、昼が最も短くなる日です(冬至日)。
こよみ(二十四節気)の冬至は、冬半ばという意味。「冬至冬なか冬始め」という諺にもあるように、この日を境にいよいよ寒さが本格化していきます。
冬至日は南中高度が最も低くなるため、太陽の力がいちばん弱まる日と考えられてきました。
しかし冬至を境に再び力を取り戻すことから「太陽がよみがえる日」「太陽の死と復活」として、世界の各地で冬至祭が行われます。
易の考え方でも、この日は陰が極まる日であり、また翌日から再び陽に転じる(これを一陽来復といいます)ことから、上昇気運に転じる日とされています。
寒くなってきて気分が沈みがちなこの時期、「明日からは良いことがやってくる」と気分を切り替えるキッカケになりそうですね。
冬至とクリスマスの意外な関係
12月のビッグイベントといえばクリスマス。
イエス・キリストの降誕を祝う日です。
ところが実は、聖書にはイエスがいつ生まれたかについての記述はありません。にもかかわらず、この日を降誕祭として祝うようになったのは、ヨーロッパの土着信仰として根付いていた冬至の祭りから転じたから、という説があります。
ヨーロッパの土着信仰「冬至の祭り」
冬至の頃は太陽の南中高度が低くなり、北極圏では日中も太陽が沈んだままの「極夜」が続くことから、太陽の力がもっとも弱まる時期だと考えられてきました。
しかし、太陽は冬至を境に再び力を取り戻します。
その様子を「太陽がよみがえる日」「太陽の死と復活」として盛大に祝ったのが冬至祭です。
4世紀半ば「冬至祭」と「イエス降誕」が融合
時代は下って4世紀半ばごろ。当時まだ新しかったキリスト教を広めるために、冬至を境に太陽がよみがえって新しい年になることを、イエスの降誕によって新しい世界が訪れたとする信仰と重ね合わせる流れが起こります。これが現在のクリスマスの始まりです。
北欧諸国では現在でもクリスマスのことを、かつての冬至祭の名前「ユール(Jul / Yule)」と呼んでいるそう。
クリスマスのご馳走として丸太を模したブッシュ・ド・ノエルを食べるのも、ユールで大きな木の幹(ユール・ログ)を燃やして魔除けにしていた名残りとされています。
クリスマスは「24日の日没」から始まる
クリスマス・イブの「イブ」は「Evening」、夜のこと。これはキリスト教会の暦において、日が沈んだときから新しい1日が始まることに由来します。
つまりクリスマスは「24日の夜から25日の日没まで」のことを指すというわけですね。
12月の年中行事とイベント
12月13日「正月事始め」「煤払い」(年中行事)
この日は鬼宿日といって、婚礼以外は万事吉とされる日。また煤払いや餅つきなど、本格的にお正月準備を始める日でもあります。
クリスマスもまだ先なのに、もうお正月準備を始めるなんて、ずいぶんと気が早いように思えますが、「備えあれば憂いなし」といいます。
今の時期から予定を立てておくだけでも、年末になってバタバタと慌てることなく余裕を持って過ごせますよ。

12月24日「クリスマスイブ」25日「クリスマス」
待ちに待ったクリスマス!クリスマスカラーでデコレーションされた街並みや、美しいイルミネーションに心が躍ります。自宅にクリスマスツリーやリースを飾る方も多いでしょう。
クリスマス飾りはショップで選ぶ楽しみもありますが、DIYすれば愛着もひとしおです。アルファジャーナルの記事から、大人も子供も楽しめるDIYレシピを紹介します。
クリスマス気分を盛り上げるデコレーション
アドベントカレンダー
アドベントカレンダーは、12月1日からクリスマスまでをカウントダウンするカレンダー。
本来なら、今から作るには少し時期を逸してしまっているのですが、逆に、手作りだからこそ好きな日から始めてしまっても大丈夫なのです。
子供と一緒に工作できる簡単なものから、少し凝った作りのものまで、型紙付きで5つ紹介します。

クリスマスオーナメント
身近な材料で、子供と一緒に楽しめるクラフトアイデア。
作ったオーナメントが映えるツリーの飾り方もあわせて紹介します。

生花で作るスワッグやリース
クリスマスらしさが出て、お部屋もぐっと華やぐスワッグやリース。
生花で作ればさらに存在感が出ます。


12月31日「大晦日」「大祓」
旧暦では毎月の最終日を晦日(みそか)と呼びました。
一年の最後の晦日だから「大晦日」です。
かつては各家々にやってくる年神様をお迎えするために、寝ないで待つ習わしがありました。ウッカリ眠ってしまうと白髪やシワが増える(!)という恐ろしい俗信などもあったようですよ。
大晦日の歴史は古く、平安時代ごろから様々な行事が行われてきたようです。
もとは6月の夏越しの祓のように、一年の間に受けた罪や汚れを祓うための大祓の儀式を行ったり、年神様をお迎えし、食事をともにするために「年籠り」をして家で過ごしたりなど、神様をお祀りするものでした。
やがて仏教の浸透とともに、寺院で除夜の鐘をつくなどの風習も生まれたそうです。年越しそばを食べる風習はさらに新しく、はじまったのは江戸時代ごろなんだそう。
12月の自然を表す「ことば」
冬晴れ
太平洋側の地域の冬は、日射しが眩しく、晴れが続くことが多いもの。その晴れの日の中でも特に、木枯らしが吹かず、日中は少し暖かいくらいの穏やかな日のことを「冬晴れ」と呼びます。
「冬晴れ」はまた「冬日和」と言われることも。
暖かく穏やかな晴れの日のことを、晩秋から初冬にかけては「小春日和」と呼びましたが、12月も上旬を過ぎた仲冬の頃からは「冬日和」と呼ぶようになるのです。
風花
冬の晴天時、雪が風に舞うようにチラチラと降る様子を表す言葉。
冬型の気圧配置が強まり日本海側で雪が降っているとき、その雪雲の一部が山を越え、太平洋側に流れ込むことで発生します。
しんしんと降ったり、積もったりすることのない、はかなげな雪の様子を表した、美しい冬の季語です。
山眠る
冬の山が、眠ったように静まりかえった様子を表す言葉。
中国宋代の画家・郭熙が、画論著書で「冬山惨淡として眠るが如し」と著したのが出典です。
「惨淡(さんたん)」とは、ぼんやり薄暗く、もの寂しい風情のこと。冬枯れの野山、雪深い冬山、どちらの山の様子にも当てはまる、冬の季語です。
雪風巻
雪風巻(ゆきしまき)とは、雪交じりの強い風のこと。
いわゆる吹雪のことです。
風に乗って雪が渦巻く様子は、その美しい字面も相まって、なんだか風情があるように思えます。
しかし実際は、視界が効かなくなって運転や歩行に支障をきたしたり、雪の吹きだまりで建物に閉じ込められたりなど、日常生活に影響を及ぼすものであり、注意が必要です。
今月のアンケート
みんなの暮らし聞いてみました! \こんなとき、どうしてる?/
わざわざ聞かない。聞けないけど、ずっと気になっている日常生活のアレコレ…「そういえば、みんなどうしてる?」をリサーチしてお届けします!
今月のお題は「フリマアプリの利用」
エコへの関心が高まる中で、リユース商品を取り扱う「メルカリ」「楽天ラクマ」「Yahoo!フリマ」といったフリマアプリユーザーが増加しています。興味はあるものの、個人間取引のハードルの高さから利用したことがない人も多いかもしれません。
今回はフリマアプリの利用状況についてお聞きします。
回答期限:2024年12月19日(木)
アルファあなぶきStyleのサイトに移動します
先月の「洗濯」の集計結果をみる
生活スタイルや環境の変化から、洗濯のやり方も昔とは変わりつつあります。時短や効率化、環境への配慮など重視するポイントも人それぞれ異なりますね。
今回はみなさんの「洗濯スタイル」についてお聞きしました。
アルファあなぶきStyleのサイトに移動します
次回の「くらしの歳時記」は1月・睦月編。
いよいよ2025年、新しい年の始まりです。お楽しみに!
アルファジャーナルの「今読みたい記事」がメールで届く!
アルファジャーナルのメルマガが届く「アルファあなぶきStyle会員」に登録すると、数ある記事の中から今読みたい厳選記事や、最新情報のメールが届きます。
会員限定の抽選プレゼントやオンラインセミナーのアーカイブ視聴など、会員特典もたくさん。
今すぐ登録して、アルファジャーナルをもっと楽しもう!
その他の記事はこちらをCHECK
https://journal.anabuki-style.com/
編集・発行

<著作権・免責事項等>
【本紙について】
・メディアサイト「アルファジャーナル」に掲載された記事を印刷用に加工して作成しております。
・アルファジャーナルにはあなぶきグループ社員および外部ライターによって作成される記事を掲載しています。
【著作権について】
・アルファジャーナルが提供する情報・画像等を、権利者の許可なく複製、転用、販売など二次利用することを固く禁じます。
・アルファジャーナルに登録される著作物に係わる著作権は特別の断りがない限り、穴吹興産株式会社に帰属します。
・「あなぶき興産」及び「α」(ロゴマーク)は、穴吹興産株式会社の登録商標です。
【免責事項】
・アルファジャーナルに公開された情報につきましては、穴吹興産株式会社およびあなぶきグループの公式見解ではないことをご理解ください。
・アルファジャーナルに掲載している内容は、記事公開時点のものです。記事の情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性・信頼性等を保証するものではありません。
・アルファジャーナルでご紹介している商品やサービスは、当社が管理していないものも含まれております。他社製品である場合、取り扱いを終了している場合や、商品の仕様が変わっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。
・アルファジャーナルにてご紹介しているリンクにつきましては、リンク先の情報の正確性を保証するものではありません。
・掲載された記事を参照した結果、またサービスの停止、欠陥及びそれらが原因となり発生した損失や損害について、当社は一切責任を負いかねますのでご了承ください。
・メディアサイトは予告なく、運営の終了・本サイトの削除が行われる場合があります。
・アルファジャーナルを通じて提供する情報について、いかなる保証も行うものではなく、またいかなる責任も負わないものとします。