今年もまた春がめぐってきました。長く厳しい冬を越え、生命が一斉に目覚めるこの月は、自然界だけでなく人間たちにとっても新たなスタートの季節となっています。
進学、異動、引越しなど、誰もが新しい一歩を踏み出す時期だからこそ、春という季節の「新しさ」をみずみずしく感じることができるのだといえるでしょう。
4月の和名「卯月」は、卯の花が咲く月「卯の花月(うのはなづき)」の略。卯の花とは空木(うつぎ)の別名で、白く小さな可愛らしい花が、春の到来を知らせるかのように咲き続けます。
4月のこよみ
4月5日「清明」(二十四節気)
春分から数えて15日目。桜をはじめとする様々な花が咲き揃い、いよいよ春の盛りを迎える時期です。

「清明」の由来
清明とは、江戸時代の書物「暦便覧」に出てくるこの一文中にある「清浄明潔」を略した言葉。
万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也
現代語に訳すと、「全ての草木が芽吹き、陽光が明るく清々しくなると、この芽は一体何の草木のものか明らかになる」という意味です。
春先の清らかで生き生きとした様子を端的に表現した、美しい言葉。全てが芽吹き、全てが輝く季節です。
4月17日〜5月4日「春土用」(雑節)
雑節のひとつ「土用」は、土公神(どくじん)という土を司る神様が支配する期間のこと。立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指し、期間中は土を動かす作業(土いじり、地鎮祭、井戸掘りなど)を避けるべきとされてきました。
しかし18日間もの間、ずっと作業ができないのは実生活に支障をきたします。そこで土公神が地上を離れる日を設け、その日に限っては作業をしても差し支えないとされました。これを「間日(まび)」と呼びます。
2026年の春土用の間日は、4月17日・25日・26日・29日。この日を利用すれば、庭仕事や家の基礎工事なども進められます。
4月20日「穀雨」(二十四節気)
穀雨は「五穀豊穣をもたらす雨」という意味。
この時期に特に雨の日が多くなるわけではありませんが、春雨で潤った田畑は田植えや種まきの好機を迎えます。
清明の頃まで降りていた霜もなくなり、本格的な農作業のスタートにふさわしい時期。種を蒔けば芽を出し、苗を植えれば根を張る——大地が命を育む準備を整えた季節です。

また穀雨は、春季最後の節気でもあります。日差しも強まり、いよいよ春は終わりを告げ、初夏へと移り変わっていきます。
4月の年中行事とイベント
4月5日「イースター」
イースターは「十字架にかけられたイエス・キリストが死後3日目に復活したことを祝う」キリスト教最古にして最大の祝日。
復活の日が日曜日であったことから、「春分の後、最初の満月から数えて最初の日曜日」がイースターと定められています。毎年日付が変わるので、春が来たらチェックしてみてください。

イースターってどんなお祭り?
イースター(Easter)の表記は、ゲルマン神話の春の女神「Ēostre」、あるいはゲルマン人の用いた春の月名「Eostremonat」が由来。イエス・キリストの「復活」と、冬が終わり春が訪れる「再生」のイメージを結びつけたものと考えられています。
つまりイースターは、キリストの復活を祝うと同時に、春の訪れを喜び、豊穣への予祝を行うお祭でもあるのです。
イースターのシンボルである「イースターエッグ」は、殻を割って生まれ出る生命力の象徴。「イースターバニー」(ウサギ)は、多産であることから豊穣の象徴とされています。
ヨーロッパでは祝日になる国が多く、イエス・キリストの受難日であるグッドフライデーからイースター当日、さらにその翌日のイースターマンデーまで、4日間ほど休暇になる国も。そのため、クリスマスのように家族で過ごすことが多いようです。
イースターの気分を自宅で楽しむ
春を寿ぐイースターの雰囲気を、自宅のデコレーションに取り入れてみましょう。
アイテムを手作りする
毎年この時期になると、100円ショップや雑貨店の店頭にはたくさんのイースターグッズが並びます。そのまま飾れるアイテムもたくさんありますが、様々なパーツを組み合わせてオリジナルの飾りを作るのも、愛着がわいて楽しいものです。


イースターにちなんだお花を飾る
お部屋に飾る花を、イースターにちなんだものにしても素敵です。
イースターらしさを出すポイントは、イースター飾りに多く使われるチューリップやスイセン、ネコヤナギを取り入れること。春の花々が、部屋に明るい雰囲気をもたらしてくれます。

4月8日「花祭り」
花祭りは、仏教の開祖であるお釈迦様の誕生日を祝うお祭り。灌仏会(かんぶつえ)・降誕会(ごうたんえ)などとも呼ばれます。

花祭りの由来
お釈迦様が生まれたときに甘露の雨が降ったという故事にちなみ、たくさんの花で飾った花御堂(はなみどう)に安置した誕生仏に、甘茶を注いで礼拝します。
もとはインド古来の行事でしたが、日本でも7世紀初め頃、推古天皇の時代には行われていたようです。各地の寺院では参拝者にも甘茶が振る舞われ、春の訪れと共にお釈迦様の誕生を祝う、穏やかな一日となります。
4月13日「十三参り」
旧暦の3月13日(現在の4月13日)に、男女ともに数えで13歳で行う、主に関西地方に伝わる習慣。
数えで13歳というのは、生まれた年の干支が初めて巡ってくる年にあたります。特に女の子は初めての厄年に当たることから、厄落としの意味も兼ねて、子供の多福と開運を願い、近くの社寺にお参りします。

大人への第一歩
女の子の装いは、本裁ち(大人の寸法)の晴れ着。十三参りを機に、初めて大人の装いをスタートさせます。
十三参りは、男女ともに子供から大人へと成長する節目とされてきました。そのため、大人としての自覚を込めた装いをするようになったと言われています。七五三が子供の成長を祝う行事なら、十三参りは大人への一歩を踏み出す儀式といえるでしょう。
4月の自然を表す「ことば」

上旬:雨と冷え、花の名残が同居するころ
菜種梅雨│なたねづゆ

3月下旬から4月上旬の頃、冬の名残の北風と春の暖かい風がぶつかり、太平洋沿岸地域に前線が停滞することで発生する長雨を「菜種梅雨」と呼びます。
菜の花(菜種)が咲く時期に降ることから、この名がつきました。菜の花をはじめ、様々な花を催す(咲かせる)雨として、「催花雨(さいかう)」と呼ばれることもあります。
梅雨のようにしとしと降り続く雨ですが、この雨が春の花々を一斉に咲かせる恵みの雨でもあるのです。
花冷え│はなびえ

立春を過ぎた後に冬のような寒さになることを「寒の戻り」と呼びますが、特に晩春に起こる一時的な寒の戻りを、桜の咲く時期になぞらえて「花冷え」と表現します。
関東では雪が降るほど冷え込むこともあり、慌てて冬のコートを引っ張り出すことも。せっかく暖かくなったと思った矢先の冷え込みは、少し残念な気持ちにさせられます。
しかし花冷えが起こると、桜の咲く期間が長くなるという嬉しい効果も。冷え込みによって桜の花が長持ちし、ゆっくりとお花見を楽しめるのです。
春の宵│はるのよい

春が深まるにつれて日が長くなり、夕暮れがゆっくりとほどけていく時間帯を「春の宵」と呼びます。冬の夜のように切り替わりが早くなく、光が名残を惜しむかのようにやさしく大地へ溶け込んでいきます。
昼と夜の境目がやわらぐこの時間帯は、街の灯りさえもが普段より優しく見えるもの。薄明かりの中で世界全体が息づいているような、春ならではの幸福感を感じずにはいられません。
この儚い瞬間こそが、春という季節の本質を教えてくれるのだといえるでしょう。
中旬:空が澄み、風が整い、春が「本番」になる
清明風│せいめいふう

春分を過ぎた後、東南(巽の方角)から吹く温かく心地よい風を「清明風」と呼びます。北風が支配していた冬の季節が終わり、本格的な春へと季節が移ろい始める合図となる風だといえるでしょう。
清明は二十四節気のひとつで、万物が清く明るくなる時期のこと。清明風に乗ってやってくるのは春の光そのものです。
田畑を潤し、草木を勢い付ける優しい風は、冬のコートを脱ぎ捨てたくなるような温もりを携えています。昔の人々は、季節のこうした微妙な変化を敏感に感じ取っていたからこそ、季節の言葉を多く残したのです。
発火雨│はっかう

二十四節気の「清明」のころに降り注ぐ雨を「発火雨」と呼びます。この時期に咲く桃の花へ降り注ぐ雨が、遠目に見ると火を発したように輝いて見えることから、そう呼ばれるようになったと言われています。
発火雨が降るたびに、草木たちは新しい命を芽吹かせ始めます。ひと雨ごとに大地が目覚めていくのを感じるのは、春という季節ならではの喜びといえるでしょう。
しかし、春が深まるにつれてその表情は大きく変わってゆきます。桜の花が満開を迎える頃には降り足が強まり、花弁をさっと散らすほどになるのです。この時期には「花散らしの雨」と呼ばれるようになり、同じ春の雨でありながら季節とともに役目を変えていく、そうした妙味が春にはあるのだといえます。
風光る│かぜひかる

春の風が光を含み、きらりと感じられる現象を「風光る」と呼びます。実際に風が光を放っているわけではなく、空の明るさや新緑の反射が、透明な風そのものをさらに輝かせているのだといえるでしょう。
4月という春本番の季節。冬の重さから解放された空気の清らかさ、みずみずしい透明感を、短い言葉で敏感に掬い取ったのがこの季語です。同じ風でも、冬の北風と春の風では、人の心に映り込む景色が全く異なるもの。古人たちの繊細な感性が、季節の微妙な変化をこれほど見事に言葉にしていたとは——この一語から、季節を見つめる眼差しの豊かさを感じずにはいられません。
下旬:山が笑い、緑が増え、季節が一段明るくなる
山笑う│やまわらう

春になって山野の草木がいっせいに芽吹き、明るく生気溢れる情景を「山笑う」と表現します。春の季語として用いられる、最も洗練された言葉のひとつといえるでしょう。
冬の間、沈黙を守っていた山々が、春の光に照らされて一斉に息吹き返す——その様子はまるで大地全体が笑顔を浮かべるような、生動感に満ちた情景です。古人たちはこうした季節の微妙な変化を敏感に感じ取り、心に映った風景を言葉として遺してきました。
正岡子規が故郷である愛媛県松山市の春を詠んだ
故郷や どちらを見ても 山笑う
という句は、季語としての「山笑う」の本質をみごとに映し出しています。どこを見ても春の喜びに満ちた景色を見つけることができる、そうした幸福感こそが、この句の心髄なのです。
若葉│わかば

芽吹いたばかりの柔らかな葉を「若葉」と呼びます。新緑よりもさらに瑞々しく、透き通るような薄緑色をしており、光に透かすと輝くもの。風に揺れるたびに、春から初夏への季節の移ろいを感じさせます。
春の後半に訪れるこの若葉は、冬の沈黙から目覚めた生命が最も輝く瞬間です。やがて深まり濃くなっていく緑へ向かう前の、この儚い瑞々しさこそが「緑の始まり」を象徴する季語なのだといえるでしょう。
花散らし│はなちらし

桜や春の花を散らしてしまう雨や風を「花散らし」と呼びます。美しいものが終わっていく寂しさを含みながらも、散った花びらの後には若葉が勢いよく芽吹き、季節は静かに次の段階へ進んでいくもの。この現象は、春という季節の時間の流れそのものを映しているといえるでしょう。
花散らしが起こるのは、桜の花が最高に美しく咲き誇ったその直後です。儚い美しさが終わりを告げる瞬間、それはけれども同時に、新しい季節への確実な歩みでもあります。終わりは決して喪失ではなく、次の始まりの合図なのです。こうした季節の循環を知ってこそ、春という季節の本当の豊かさが見えてくるのだといえるでしょう。
今月のアンケート

わざわざ聞くほどでもない。でも聞きにくい。そんな日常生活のちょっとした疑問——「そういえば、みんなどうしてるんだろう?」。
気になっているけど誰にも聞けなかったアレコレを、リサーチしてお届けします!
今月のお題は「省エネ・エコ活動」

脱炭素社会の実現に向けて、省エネ基準の見直しや住宅・家電の高性能化が進む中、私たちの暮らしにおける「省エネ」や「エコ」への関心も少しずつ変化しています。
一方で、日常生活の中でどのように取り入れているかは人それぞれ。こまめに電気を消す、エコバッグを使う、節水を心がけるなど、無理なく続けられる工夫や自分なりのスタイルがあるのではないでしょうか。
あなたは普段、省エネやエコを意識していますか?皆さんの取り組みや考え方について教えてください。
回答期限:2026年4月28日(火)
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前回の「手帳」の集計結果をみる

予定を書き込み、日々の出来事を記録する手帳は、暮らしを支える身近な道具のひとつです。
最近はスマホでスケジュール管理をする人も増えていますが、紙の手帳ならではの良さを感じている人も多いのではないでしょうか。書き込む楽しみ、ページをめくる手触り、一年を振り返る時間——手帳には、デジタルにはない味わいがあります。
皆さんの手帳との付き合い方についてうかがいました。
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※集計結果の公開日が変更になり「回答締切日の翌月10日頃」となりました。今月は2025年12月23日~2026年1月26日に実施した「手帳に関するアンケート」のお届けいたします。
次回は5月・皐月編。
若葉がいっそう深まり、風がさらりと心地よくなる頃の、明るい空気と初夏の光をお届けします。
どうぞお楽しみに。
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