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くらしのヒント

春の味たけのこ 下ごしらえと旬を楽しむレシピ5選

春の到来を感じさせてくれる味のひとつ、たけのこ。真空パックされた水煮は通年で手に入りますが、採れたてだからこそ味わえるみずみずしい風味と軽やかな食感は、収穫時期が短いからこそ、ぜひとも食べておきたい旬の味覚でもあります。

今回は、そんなたけのこ料理の肝ともいえる下処理から、大豊作にも対応できる保存法、そしてアレンジいろいろな美味しいたけのこ料理のレシピをご紹介します。


お店で買うならコレを選ぼう 美味しいたけのこの見分け方

実はいろいろ、たけのこの種類

ひと口に「たけのこ」と言っても、種類によって形状や味わい、採れる時期が違うのをご存知でしたか?国内に生育する竹の中でも、食用にできるのは実は数種類しかありません。
その中でも、最もポピュラーな3種類を追ってみましょう。

孟宗竹(もうそうたけ)最盛期3~4月

もっともポピュラーな、太身で肉厚なたけのこ

たけのこの代表格といえば、この孟宗竹。ずんぐりむっくりとした形が特徴の孟宗竹は、中国江南地方の原産。1736年、琉球経由で薩摩に輸入された株が植えられたのが日本での起源と言われています。
最盛期は3〜4月。肉厚で食べ応えがあり、肉質も柔らかく、香りがいいのが特徴です。

淡竹(はちく)最盛期5〜6月

ほっそり美肌、軽やかなサクサク食感

孟宗竹に比べて、薄い赤茶色で産毛がほぼなくツルツルとした皮と、細長い形が特徴の淡竹。呉竹や唐竹とも呼ばれるように、こちらも中国が原産です。
最盛期は5〜6月で、孟宗竹が地面を掘って採るのに比べ、地表から40cmほど引っこ抜くようにして採取します。加食部の厚みは薄いですが、肉質は柔らかく、シャキシャキとした食感が心地よいたけのこです。

真竹(まだけ)最盛期5〜6月

メンマでおなじみ、コリコリ食感

古事記の時代から食べられていたのではといわれる真竹は、淡竹同様細めの肉付きで、まだら模様の皮が特徴。
最盛期は5〜6月、梅雨前の夏の初めの頃。別名「苦竹」とも呼ばれ、時間が経つとアクが強くなるのが難点ではありますが、コリコリとした食感がクセになるたけのこです。

美味しさの肝は鮮度にあり! たけのこを選ぶポイント

たけのこのおいしさを左右するのは、何をさておいて、その鮮度。成長の早い竹は、たけのこの状態でも時間が経つにつれて成長が促され、えぐ味や硬さが出てきてしまいます。
そこで知っておきたいのは、鮮度のよいたけのこ見分け方。ポイントは5つあります。

付け根が太くて重い

栄養がよく行き渡っているため、柔らかい傾向が。また、採取後水分が抜けるにつれて筋っぽくなってしまうので、持ち比べてなるべく重みのあるもの(=水分の含んだもの)が◎。
逆に、サイズの割にスカスカだったり、品種の割にほっそり縦長のものは避けて。

皮にツヤがあり、色が薄い

皮からもみずみずしさをチェックできます。パリパリに乾いていたり内側に曲がりかけているものより、やわらかそうでツヤのあるものを。土にもぐっている若々しい竹だと日光が届かず皮の色が白っぽいので、色味も淡い色のものを選ぶのがオススメです。
日光を浴びると身が硬くなるのと同時に皮が黒ずむことから、全体的に色が濃く出ているもの、特に下側の色の塩梅に目を向けてみてください。

先端が黄色ないし黄緑色

この写真は、土の先から顔を出してきた たけのこ。この様子のとおり、芽を出したばかりの穂先の色は黄色なんです。したがって、先端の色味が黄色いほど若く、若いほど身が柔らかくてえぐ味も少ない可能性が大。
反対に緑色が濃かったり穂先が大きかったりすると、先の項目同様、成長に伴って色素沈着が起こります。店舗によっては既に切り落とされているものもありますが、できれば穂先の様子も見ておきたいポイントです。

切り口が白くてみずみずしい

獲れたてのたけのこは、水をたっぷりと含んでみずみずしく、それが一番わかるのが根元の切り口です。切り口が白くてみずみずしいものを選びましょう。
収穫から時間が経つにつれて、切り口が乾燥したり、緑色に変色して筋張ってきたり、腐って茶色く変色してきます。店頭で見分ける場合は、切り口の状態をお忘れなく。

イボ状の斑点が少なくて色が薄い

節のところに赤いつぶつぶが生えているのがわかるでしょうか? これは竹の根っこになる部分。成長とともに色は無色→赤→紫→黒と変わっていき、大きさも小→大と大きくなって、数も徐々に増えます。なるべく数が小さくて少なく、色が鮮やかなうちのものを選びましょう。
ただ、多少付いていても、下茹での際にそぎ落としてしまえばOK。あまりにも出っ張っている場合は、節から切り落とし、上部だけ食べるようにすれば大丈夫です。


美味しさの鍵を握る たけのこの下処理

基本の下茹で方法 道具と手順

さあ、新鮮なたけのこが手に入ったら、今度は重要な下処理の「下茹で」。
面倒に思われがちですが、道具と材料さえ整っていれば、あとは茹でるだけなんですよ。

材料

  • たけのこ……1~2本
  • 米糠……2カップ
  • 唐辛子(種を取る)……1本
  • 水……たけのこがかぶるまで

準備するもの

  • 包丁
  • 鍋(たけのこがかぶる深さ)
  • 陶器の皿(鍋の円周より一回り小さめのもの)
  • 竹串

手順

  1. たけのこはよく洗い、穂先を斜めに切り落とし、先端に1~2cmの深さのに切れ目を入れる。このとき、包丁の刃が身に到達しないように気をつける
  2. 鍋に(1)と残りの材料を入れ、たけのこが浮かないよう、皿を落とし蓋にしてかぶせる
  3. 中火にかけ、沸騰したら火を弱める。吹きこぼれないよう、注意!
  4. 吹きこぼれに注意しながら、2時間ほど茹でる。途中、蒸発してたけのこが出てきてしまったら、お湯を注ぎ足して常に煮汁にかぶっているようにする
  5. 竹串を根元に刺して、すっと通るようになったら火を止める
  6. 完全に冷めるまで、そのまま置いておく
  7. 皮をむく。イボ状の斑点が大きい場合はそぎ落とす

たけのこの「えぐ味」とは?

たけのこの下処理と切っても切れない「えぐ味」。このえぐ味、いったい何が元で起こるものなのか……。その正体を紐解いていきましょう。

えぐ味の原因

たけのこにおける「えぐ味」の代表的な原因は、シュウ酸とホモゲンチジン酸といわれています。
シュウ酸はホウレンソウや紅茶にも含まれている物質で、結石でもおなじみ。カルシウムと結合する習性があります。一方、ホモゲンチジン酸は、たけのこに含まれるチロシンが酸化した物質。アルカリ性の水で中和することができます。

下茹での際に米糠を入れるのは、米糠がアルカリ性かつ、カルシウムを含んでいるから。たけのこのえぐ味を出すのにとても理にかなっているんです。

ちなみに、節の中などによく見られる白いモロモロとした固まりは、先述のチロシンというアミノ酸の一種が結晶化したもので、食べても無害。チロシンは神経伝達物質のアドレナリンの原料でもあり、ストレス軽減作用があることから、サプリメントとして市販されてもいます。
ただ、たけのこの調理の際に溶けきらないと、舌ざわりが悪くなります。気になるようなら下ごしらえ時に潰すか、洗い流すといいでしょう。

えぐ味が抜けきらないときは

下茹でが終わった! いざ、調理!! と張り切ったのに、えぐ味が取りきれてなくて舌がビリビリ。せっかくのお料理が台無し……なんて経験、ありませんか?

下茹でをした段階でえぐ味が取れていないと感じたときは、下茹でのときに使った煮汁や、米のとぎ汁とともにタッパーに入れて、冷蔵庫で一晩寝かせましょう。糠臭さが気になる場合は、水に食用重曹を多めのひとつまみを溶いたものに浸すのでも構いません。
弱アルカリ性の液にさらに浸すことで、えぐ味を煮汁に解け出させることができます。

ただし、液に含まれる水分が腐りやすいので、毎日取り替えるようにしてください。


和洋中エスニックまで! 万能たけのこ料理レシピ5選

たけのこを使った料理といえば、たけのこごはんや青椒肉絲が定番ですよね。ここでは安定の和の煮物をはじめ、生から茹でたたけのこだからこそおいしい、洋風やエスニックでいただく手軽で簡単なレシピをご紹介します。

旬同士を出汁で炊いた春ならではの味「若竹煮」

材料(3人前)

  • 茹でたたけのこ……1本(250g程度)
  • 生わかめ(湯通し済みのもの)……60g
  • だし汁……2カップ
  • 酒……大さじ2
  • みりん……大さじ1
  • 薄口しょうゆ……大さじ1
  • 塩……少々
  • 木の芽……お好みで

作り方

  1. たけのこを上部5cmほどを切り、穂先はくし形切り、根本は1cmのいちょう切りにする。わかめは硬い部分を取り、一口大に切る
  2. だし汁、酒、みりんを鍋に合わせて中火にかけ、沸騰したら醤油を加えて(1)を入れ、落とし蓋をして煮る
  3. 汁気が半分ほどになったら、わかめを加えてさっと火を通し、火を止める
  4. 皿に盛って木の芽を添える

わかめにはミネラルがたっぷり。カルシウムも豊富に含まれているため、たけのこのシュウ酸が体内にたまるのを防いでくれます。先人の知恵の食べ合わせですね!

高知の郷土料理「たけのこ寿司」

材料(2人前)

  • 茹でたたけのこ(小さめのもの)……1本
  • だし汁……400ml
  • しょうゆ……大さじ2
  • 日本酒……大さじ2
  • みりん……大さじ2
  • ごはん……1合
  • すし酢……大さじ1
  • お好みのかやく(ごま、紅ショウガなど)……適量

作り方

  1. たけのこは節をさけてぶつ切りにする。
  2. 鍋にだし汁、日本酒、みりんを入れて沸騰させ、しょうゆを加えたら(1)を加えて落し蓋をし、煮含める
  3. 炊き立てのごはんにすし酢をまぜ、お好みのかやくをまぶし、冷ます
  4. (2)の荒熱がとれたら節の中にたまった汁気をかるく拭き(3)を詰める

たけのことお寿司というとちらし寿司やかやくのイメージが強いですが、高知では土佐の田舎寿司として大活躍。
淡竹や真竹などの細身のものはレシピ通りに、孟宗竹の場合は、縦半分に切って節を取り除き、酢飯と合わせて“巻きす”で巻いてひと口サイズに切ると食べやすいですよ。

鶏ガラの旨味とごま油の香りが絶品「メンマ風炒め」

材料(3人前)

  • 茹でたたけのこ……1/2本
  • ごま油……大さじ1
  • 鶏がらスープ……100ml
  • 紹興酒……大さじ1
  • しょうゆ……小さじ2
  • 唐辛子(輪切り)……お好みで

作り方

  1. たけのこは縦に細かく刻む
  2. フライパンを温めてごま油を入れて(1)を中火で炒める
  3. 油が全体に回ったら、鶏がらスープ、紹興酒、しょうゆを入れて、汁気がなくなるまで炒める。お好みで唐辛子を散らす

サッと炒めてサッと出来上がる一品。作りたてもいいですが、一晩置くと味がなじんでさらに美味しくなります。そのままおかずやお酒の肴はもちろん、ラーメンのトッピングや炒飯にも。

タイ料理でたけのこといえばこれ「パッ ノーマイ(タイ風たけのこ炒め)」

材料(3人前)

  • 茹でたたけのこ……1本
  • 豚ひき肉……100g
  • サラダ油……大さじ1
  • にんにく……1片
  • 砂糖……大さじ1
  • オイスターソース……大さじ1
  • ナンプラー……大さじ1

作り方

  1. たけのこは食べやすい大きさにスライスする。にんにくは叩いて細かく刻む
  2. 熱したフライパンにサラダ油を広げ、にんにくを炒め、香りが立ったら豚肉を炒める
  3. 豚肉に火が通ったら(1)のたけのこを加え、砂糖、オイスターソース、ナンプラーを加えて、軽く混ぜる。

タイのフードコートでおなじみの、たけのこ炒めです。ひき肉の代わりに、大きめの炒り卵で作るのも美味しくできます。ご飯泥棒のこの一品。可能であれば、ジャスミンライスを添えてどうぞ。

キンと冷やした白ワインにピッタリ!「たけのことホタルイカのアヒージョ」

材料(2人前)

  • 茹でたたけのこ……中サイズ1/3本
  • ボイルホタルイカ……100g
  • にんにく……1片
  • 鷹の爪……1本
  • オリーブオイル……80ml
  • 塩……小さじ1/4
  • パセリ……適量

作り方

  1. たけのこはホタルイカのサイズに合わせて賽の目切りにし、ニンニクは叩いてつぶす。鷹の爪は種を取っておく。パセリは刻む。ホタルイカは目・口・骨を取る
  2. 直火対応の耐熱容器にオリーブオイルを入れ、にんにくと鷹の爪を加えてから中火にかける
  3. にんにくと鷹の爪の周りにふつふつと気泡が出てきたら、塩を加え、たけのことホタルイカを加える
  4. 沸騰したら火を止め、パセリを散らす

スペイン料理のアヒージョを和素材でアレンジ。ホタルイカの肝の甘さと、たけのこのサクサクとした食感がたのしいおつまみです。残った旨味の詰まったオイルは、パスタやシーフードカレーに有効活用できますよ。


一度に食べきれない……冷蔵・冷凍 保存方法あれこれ

たけのこをわんさかご近所から頂戴したり、自宅で大豊作だったり。あるいは、特売でうっかり多めに買ってしまったり……。
その問題、保存で解決! 幅広いジャンルの料理に対応できるたけのこのこと、便利な保存法もいろいろあるんです。

香りと食感を楽しみたいなら「冷蔵保存」

たけのこの大振りな食感や香りを楽しむ料理に使いたいときは、水に浸して冷蔵保存が最適。
毎日水を変えて、1週間ほどは美味しくいただけます。ただ水を変えるごとに香りは飛んでしまうので、なるべく早く使い切るのがベターです。

長期保存したいなら「冷凍保存」

長期保存におすすめなのが、冷凍での保存。ただ、たけのこは凍らせると冷凍焼けしやすく、水分が抜けることでたけのこの繊維質が強調されてしまい、食感が悪くなってしまいます
そのため冷凍保存の場合は、繊維に対して垂直かつ薄めに切るようにするのが基本になります。

だし汁に浸す

スライスしたたけのこを、だし汁と一緒に軽く茹でたのち、ゆで汁とともにフリーザーバッグに入れて冷凍させます(若竹煮の作り方2の状態)。
水分とともに冷凍するため、冷凍焼けを防げます。凍ったままお鍋に移して火にかけて調味すれば、煮物も手早く簡単に!

砂糖をまぶす

砂糖の保水性を活かした保存法です。
薄切りにしたたけのこに砂糖をまぶしてからフリーザーバッグに入れておくと、たけのこに染み込んだ砂糖が作用し、水分が繊維内にとどまろうとして乾燥を防いでくれます。
量は軽くまとわせる程度でOK。凍ったまま煮物や炒め物、かやくご飯の素などに使えます。調理に活用する際は、糖分を調節してくださいね。

肉そぼろ

もうワンランクアップした小技。
たけのこはあられ状に刻み、おろし生姜と豚ひき肉と一緒に炒め、軽く塩コショウをして、フリーザーバッグで冷凍保存する方法です。油でコーティングされ、蒸発を防いでくれます。
炒飯の具材に、鶏がらスープとテンメンジャンを合わせてとろみをつければジャージャー麵の餡に、春きゃべつと一緒に炒めてボリュームおかずに、と変幻自在に大活躍!忙しいときの救世主となってくれますよ。


まとめ

竹冠に旬と書く、筍。旬とは約10日間の意があり、それほどに短い期間でしか楽しめない食材といえます。こんな貴重な美味しさ、楽しまない手はありません。ぜひ心ゆくまで堪能してみてくださいね。

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