家族が集い、語らい、くつろぐリビング。家族みんなが集まる場所ゆえに、物が増え散らかりがちな場所です。
特に子供が小さいうちは、リビングがメインの遊び場や学習スペースになることもあり、さらに物が増えることに。
リビングに隣接した部屋があれば、そちらを活用したいところですが、リビングダイニングが独立している場合はそうはいきません。
物が多いリビングをすっきりまとめるには、部屋のレイアウトを見直しましょう。物を置く場所分けて、人が過ごす空間を確保するようにレイアウトすると、格段に過ごしやすくなりますよ。
とはいっても、部屋のレイアウトを1から作るのは難しいものです。
今回は、大人も子供も気持ちよく過ごせるリビングレイアウトを考えるときのコツを、住まい方アドバイザーの筆者がご紹介します。
家族の気配を感じながら自由に過ごせるリビングレイアウト
リビングに子供のスペースをつくるメリットは、大人と子供が別の事をしていても大人の目が行き届き、子供の安全に気を配れること。子供もまた、親の気配を常に感じられるので安心感を得られます。
どちらもリラックスしつつ集中もできる、そんな快適なリビングレイアウトをするのに大切なのは、ずばり「視線」です。
視線の行き先がレイアウトの決め手
ゆっくり休憩しようと思っても、つい家族のすることが気になってしまうのは、人の動きが視界に入ってしまうのが原因。
視界に入らないよう、視線の行き先がお互いにぶつからないように家具をレイアウトするだけで、自分の時間に集中できるようになります。
ソファ、ダイニングチェアの配置で視線をずらす
円形のダイニングテーブルは椅子の位置を自由に変えられるので、視線を外すという意味では使い勝手のいい家具です。
両面使いの家具でリビングを程よく区切る
そんな時は、両面使いの棚で境界を設けるのはいかがでしょう。子供の目線が隠れるくらいの高さがあれば十分。階段状のデザインや棚の一部に抜けをつくると圧迫感を押さえられます(赤い矢印は視線の方向)。
リビングの「子供のスペース」をレイアウトするコツ
リビングにオープンな子供のスペースをつくる場合、収納家具の選び方やアイテムの選び方、置き方を工夫するだけで、スッキリ見せることができます。
まずは色数をおさえるところからスタート
ビビットカラーやパステルカラーなど、子供のおもちゃはとにかくカラフル!
この色の氾濫が子供のいるリビングが「散らかって見える」一番の原因です。
リビングの雰囲気に合う色合いのおもちゃは並べて見せて、それ以外のおもちゃは収納ケースに。この時、外から中身が分からないと子供が自分で出し入れできなくなるので、ステッカーや中身の写真を貼っておくといいですね。
おもちゃの種類やきょうだい別に収納ケースの色を分ける方法もありますが、この場合もケースの色は2~3色におさえるといいでしょう。
収納家具は高さと奥行きを揃えてレイアウトする
おもちゃ箱、本棚、洋服掛け、お絵かき用の小机など、高さも奥行きも異なる家具を並べる場合、使い勝手を考えることも大切ですが、空間をすっきり見せるためには、高さや奥行きをできるだけ揃えた家具でコーディネートするのがおススメ。
どうしても高さに違いがあってしっくりこない場合は、低い方の家具の上に小物を置いて高さを揃えるというテクニックも。奥行きも家具の手前のラインを揃えることで、サイズを合わせているように見せられて家具全体にまとまりが出ます。
床にラグを敷いて、散らかりブロック!
際限なく、おもちゃを広げてしまう子供たち。
これには、子供スペースにラグを敷くのが効果的です。そして、おもちゃを出していいのは、ラグの上だけだというルールを決めれば、ラグに乗っていないおもちゃは「はみ出たおもちゃ」と認識されます。
この場合のラグには、床の色になじみすぎない色やデザインを選ぶのがポイントです。
子供コーナーの上部の壁には親好みのアイキャッチを飾ろう
ダイニングやリビングから見える子供コーナーの壁の上部は大人の目線の高さ。そこには大人好みのデザインの時計や絵を飾ってみてください。家族写真を飾る場合も、キャンバスプリントやモノクロ写真など大人っぽい雰囲気の物を。
子供が寝た後や育児から離れてほっと一息つきたい時、飾ったアイキャッチに目が行き、心から落ち着けますよ。
子供が自分で片づけられるシステムをつくろう
いつでもスッキリ片付いたリビングを目指すなら、家族で協力することが必至。自分の物は自分で、子供も自分で片づけられるシステムを作っておきましょう。
色やマークでラベリングをする、出し入れはできるだけワンアクションで、なるべく身長より高い場所に物を置かないなど。
収納のルールを子供と一緒に決めると本人のやる気を引き出すきっかけにもなりおすすめですよ。
お片付けのルールの考え方については、こちらの記事も参考にしてください。
一極集中の収納スペースを作ると収納家具のレイアウトに悩まずリビングすっきり
月日がたち、家族が増え、物が増える。それに伴い収納家具を買い足し続けて、リビングがまとまらなくなってしまう。
そんな負のスパイラルを避けるため、いろんなものを置いておける一極集中のリビング収納を作るという方法があります。
「ママ楽クロゼット」をリビング収納として使う
こちらのイラストは「ママ楽クロゼット」という衣替えが楽にできるよう開発されたあなぶき興産のオリジナル商品です。
今回はこのママ楽クロゼットを利用してリビングに置きたいあらゆる物を一括して収める収納スペースを考えてみたいと思います。
こんな間取りの2LDKのお部屋を想定して、一極集中リビング収納のメリットをご紹介します。
おもちゃなどよく使うものはリビング側から取り出す
まず、「ママ楽クロゼット」内の収納をこのように考え、変更を入れました。
折れ戸側のハンガーパイプを60~100㎝程残して奥行き15~30㎝程度の収納棚2本を背中合わせに置きます。リビング側にはおもちゃやゲーム、救急箱などリビングでよく使う物を、反対側には日用品のストックや本、書類などを置くスペースに。
元々ある可動棚部分はパントリーとして利用。その隣に奥行き40㎝程度の小さな机を置けばちょっとした書斎や作業スペースとして利用できます。
突き当りのL型のコーナーには掃除道具のほか、扇風機や加湿器などの季節家電を置くスペースにすると空間を無駄なく使えますよ。
出入口2か所+通路幅で物と人の吹き溜まりを防ぐ
実はこの「ママ楽クロゼット」がリビング収納として利用できるのには、大きなポイントがあります。それは出入り口が2つあること。それにより物と人が回遊して吹き溜まりができず、空間の隅々まで使うことができます。
また、両側に洋服を掛けても十分通れる通路幅が確保されているのもポイント。ここは「使わない物をただ置いておく場所」ではなく、「使うものをスタンバイさせておく場所」。出し入れするスペース(通路幅)も大事な要素です。
リフォームで間取りを変えるなら、こんなリビング収納もおすすめ
リフォームなどで間取りを変更できる環境にあれば、上のイラストのように、通り抜けできるリビング収納をつくってみるのはいかがでしょう。
内部はこのように、ものが溢れがちな書物スペースとちょっとした収納を設けます。
リビング側の壁面をテレビを置くスペースにしたり、壁紙やタイルを貼ってアクセントウォールにすれば、リビングの雰囲気もグンとおしゃれになりますよ。
※この写真はリビング収納ではなく、リビング横の和室をリビングとつなげたイメージです。
ソファいらずでリビングすっきり!ダイニングソファのすすめ
最近の住宅はリビングとダイニングがひとつの空間になっていることがほとんど。部屋を広く効率よく使うため、あえてソファを置かない選択をする家庭も増えています。
ソファがなくてもくつろげる新しいくつろぎの形「ダイニングソファ」をご紹介します。
ダイニングソファの特長
ダイニングソファとはダイニングテーブルの高さの合うよう、一般のソファより座面が高く設定された椅子のこと。
食事をするための椅子なので通常のソファより座面がしっかり作られていて、パソコン作業や読書などで長時間座っても姿勢が崩れにくく疲れにくいという特長があります。
子供が小さいうちはベンチタイプの椅子が使いやすい
子供が小さい場合は、椅子タイプの他にベンチタイプを選ぶと、何かと使い勝手がよくなります。親がしっかり横について食事を見てあげることができますし、子供が複数でも詰めて座れます。
壁につけて置けば、後ろに落ちる心配もありません。ファミリーレストランのソファ席のようなイメージで食事を楽しめますよ。
晩酌派やパソコン作業をする人は肘付きタイプを!
毎晩晩酌をするご家庭やパソコンなどのデスクワークをするなど、ダイニングにいる時間が長い方におすすめなのは、椅子の座面が広めで肘付きのタイプ。座面は長時間座っても痛くならないクッション性のあるものがいいですね。
肘付きのタイプはテーブルの中にしまえないと敬遠する方もいますが、肘掛けが少しだけついたタイプなら、座っていない時はコンパクトに収められます。
それでもソファは捨てがたい!という人はL型レイアウトをチョイス
コーナー用の椅子も置いてL型にレイアウトすれば、足を伸ばして座ったりとソファに近い感覚で寛ぐことができますよ。
ダイニング兼リビングの使い方をすれば、元のリビングの空間にゆったりと子供スペースをつくってあげることもできますね。
ソファを使ったダイニングのメリット、選ぶときのポイントについては、こちらの記事も参考にしてくださいね。
まとめ
何かと散らかってしまうリビングも、家具の選び方やレイアウトひとつで、物の管理がグンとしやすく、見た目もすっきり!
今回の記事を参考に、大人も子供もストレスフリーで過ごせる、最高に快適な空間をつくってみてください。
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