狭い部屋でもおしゃれにしたい!事例と実例で学ぶレイアウトテクニック

「部屋が狭いからおしゃれなインテリアにできない」
「うちは狭いから、生活しづらくてもしょうがない」
なんて諦めていませんか?実は、お部屋の使い勝手に広さはあまり関係がありません。大切なのは生活動線の考え方。そして生活動線を邪魔せず、空間の広がりを感じさせるレイアウトです。

それを実現するためのポイントは、大きく分けて4つ。
狭い部屋でもおしゃれに、快適に。手狭さを逆手に取って「コンパクトにまとまって、なんだか居心地の良いかんじ」のお部屋を目指してみましょう。実際にマンションのモデルルームでも使われているプロの手法・実例をまじえて解説します。

Point.1 │ 一直線の通路を作る。生活動線を邪魔しない家具レイアウト

生活動線とは、日常生活を送る上でリビングや浴室、キッチンなどの間を移動する線のこと。これが暮らしに最適化されていることが、暮らしやすさのポイントです。
ここで言う「暮らしに最適化されている」とは、具体的には「動線がシンプルで、曲がりくねっていないこと」ことを表します。何かをするたびに同じところを何度も行き来したり、家具の間を縫って歩いたりするような動線は、作業の効率を下げるだけでなく、動きづらさがストレスとなり、快適な住空間とはいえなくなりますからね。

レイアウトを考える時は、最短距離で目的の場所に行ける・作業ができる動線を確保するのが鉄則です。広さに余裕がある場合は、動線ごとに部屋の使い方や家具レイアウトを整えるという手段がとれますが、そうでない部屋の場合は、ズバリ「部屋の中に直線の通路を作ること」で解決を図ります。

つまり、家具を一方に寄せて配置し、部屋の奥に向かってできるだけ一直線になるように連続する空間を作るのです。これは単に移動しやすくなるというだけでなく、視線に「抜け」を作るので、部屋が広く見える効果も。その空間の先に開口部(窓など)がくるようにレイアウトできれば、さらに抜け感が出るのでモアベターです。

Point.2 │ 合言葉は「シンプル」広さを感じる空間の作り方

スペースに余裕のない部屋のインテリを考える上で大切なことは「シンプル」ということ。単純に、たくさんの家具を並べて圧迫感が出てしまうのを避けるという意味もありますし、目の錯覚を利用して、空間の広がりを感じさせるためのテクニックでもあります。

スペースには余裕を。「家具を置かない」決断も必要

一般的に、家具を置く時の空間占有率は、部屋の広さの3割程度がベターだと言われています。これ以上だと、部屋が家具でぎゅうぎゅうになっている、という印象が出てしまうわけですね。これは視線の抜けを考える上でも重要なポイント。部屋を埋めるように家具が並んでいると、圧迫感が出て実際以上に部屋が狭く見えてしまうからです。

このことを念頭に家具レイアウトを考えましょう。
まず間取り図を作成して、そこに家具と動線を書き込むことからスタートです。
これは、前段で確認した生活動線を阻害しないレイアウトであることを確認するとともに、日常動作で必要になるスペースが確保できているかを確認するためのものです。日常動作とは、椅子やソファに座ったり、棚に入ったものを取り出したりする動作のこと。この動作のために必要なスペースを確保することは、生活動線を整えることと同じくらい、快適な住空間を作る上での重要な要素です。
必要なスペースの一例を挙げると

  • 人が通る:60cm〜
  • 人と人がすれ違う:110cm〜
  • 椅子を引いて座る:60cm〜
  • ソファとテーブルの距離:30cm〜

といったところでしょうか。ただしこれは絶対的なものではなく、例えば椅子に座っている人の後ろを通ることがある場合には、テーブルから壁面まで1m以上のスペースが必要になるなど、動線やレイアウト計画によって数字は変わってきます。

この数字をベースに、家具レイアウトはスペースに余裕を持たせて計画しましょう。そのためには、余分な家具を置かない決断も必要です。
単純に、物を置かなければスペースは空きます。たとえば、リビングにはソファを置かなければならない、ダイニングテーブルは絶対に必要なもの、といった「これが一般的なインテリア」という先入観をいったん捨ててみましょう。移動が容易な大きいクッションをソファ代わりにする、ダイニングとリビングを兼用スペースにする、などの自由な発想を取り入れてみても良いかもしれませんね。

色とデザインは最大限シンプルに

次に考えるべきは、お部屋に置くものの色とデザイン。
お部屋を広く見せるために外せない要素は、淡色をインテリアのメインカラーにすること。そして、部屋に置く物は厳選して統一感を持たせることです。そしてどちらにも共通するルールは、シンプルであるということ。

淡色をインテリアのメインカラーにする

部屋を広く見せたいなら、インテリアのメインカラーには絶対に淡色を使うべきです。具体的には、白やアイボリー、クリーム色など。こういった明度が高かったり暖色系だったりする色は、膨らんだり広がったりするように錯覚する色=膨張色と言われる色。この錯覚を利用して、お部屋をより広々した空間に演出するわけです。

一般的な日本の住宅の壁紙は、膨張色を採用していることが多いので、お部屋に置く家具やカーテンも同系色を選べば抜け感のある開放的な印象に。他の色を取り入れたい場合は、クッションやフロアランプなど、面積の小さい物で足していくと膨張色の効果を損なうことなく良い感じにまとまりますよ。

逆に黒っぽい色や濃い寒色系の色は「収縮色」といって、実際より小さかったり縮んだように錯覚します。こういった色は、重厚感のあるシックなイメージのインテリアになり格好良いのですが、広く見せたい場合には不向きです。

置くものを厳選して統一感をもたせる

視覚から入ってくる情報が多いほど、圧迫感や狭さを感じます。そういった面からも本当に必要な家具のみを置くことが大切です。
同時に、デザイン面でも視覚の情報量を減らす工夫をします。

  • デザインやテイストがチグハグにならないよう、揃える
  • デコラティブなデザインは避けて、できるだけシンプルなものにする
  • ファブリック類はできるだけ無地を選ぶ。柄を取り入れたい場合は、圧迫感のない小ぶりで主張しない色柄を選ぶ

デザインが凝っていて素敵な家具や、店頭でぱっと目を引く華やかな柄のカーテンなどはつい手に取ってしまいがちですが、部屋を広く見せたい場合は避けた方がベターです。

Point.3 │ 視線の「抜け」を意識したレイアウト

すでに何度か出ている「視線の抜け」・「抜け感」という言葉。これには「視線の先を遮るものがない、開放感のある空間」という空間的・視覚的な意味合いと、「作り込みすぎず力の抜けたスタイルでありながら、全体としてはまとまっている」というスタイリング面での意味合いがあります。今回必要なのは前者の考え方。

視線を開放するレイアウト

では、抜け感のあるレイアウトを実現するためのポイントは何かというと、その部屋で過ごす人の視線の先を意識することにあります。部屋の入り口に立ったとき、いつもの寛ぐ場所に座ったとき。大まかにはこの2つの視線が遮られることなく、また開放感を感じるようなレイアウトを意識しましょう。

<◎GOOD!!>視線の抜けの良いレイアウト

部屋の入り口から奥の窓までが見通せて視線の抜けは抜群。
いつもの寛ぐ場所=ソファに座った時も、奥の部屋に視線が届くので圧迫感がありません。

<△WRONG!!>視線の抜けの悪いレイアウト

窓をソファが塞いでしまうので、視線の抜けが悪くなります。
ソファに座った時もリビングの入り口しか見えないので、開放感があるとはいえませんね。

背の低い家具を配置して、空間を広く演出

もちろん、レイアウトの仕方だけでは開放感を演出することはできません。
視線の抜けのためには、自分の目線よりも高い家具を選ばないことも重要です。ポイントは圧迫感を感じさせないこと。そのためには、腰高ほどのロータイプの家具を選ぶようにすると良いでしょう。

また、横方向のラインは部屋の横幅が伸びたような錯覚を与える=部屋が広がったように見えることから、リビングボードやキャビネットは水平ラインを強調するようなデザインのものを選ぶこともポイントです。

床面を見せて広さを演出

見える床面が多い=部屋が広く見える、というのはインテリアテクニックにおいて基本中の基本。そのためには部屋に置くもの自体を減らすと同時に、デザインにも工夫のあるものを選びたいところです。
例えば足のあるソファやキャビネット、トップ部分がガラスのテーブルなら、あまり広くない部屋でも見える床面を増やすことができますね。

Point.4 │ 奥行きを感じさせるアイテムを使う

実はPoint.3までで「ある程度は」開放感のある、快適なお部屋を作ることができます。でも、もうワンアイテム。広さと同時におしゃれな雰囲気もプラスできるアイテムを取り入れてみましょう。

部屋に奥行きを付け足す鏡

ある意味では「力技」かもしれません。でも効果絶大なのが、鏡を置くというテクニック。

空間が続いているように錯覚させるので、一気に部屋が広くなったように感じます。置き場所は、入り口や開口部(窓など)が映る位置がベスト。部屋がより長くなったように見えますよ。その位置に置くのが無理そうなら「部屋の中でも特にスッキリ見える部分」が映る場所を探しましょう。物の多いごちゃごちゃした場所が映ると、その”ごちゃごちゃ感”が増幅されてしまいますよ。
「部屋のきれいな部分を増やす」を心がけるのが、設置のポイントです。
鏡を置くことに抵抗があるなら、奥行きを感じるようなアートを飾ってもOK!

間接照明を効果的に配置して奥行きをプラス

お部屋にほどよい陰翳を与え、おしゃれな雰囲気をもたらす間接照明。これを効果的に配置することによって、奥行き感をもプラスすることができます。
そもそも人の目は、暗いところよりも明るいところに視線がいくもの。そのため、部屋の隅などに光量の足りない部分があると、奥行きが感じられず「そこに空間が広がっている」と認識しづらくなる=狭く感じるようになります。
そこで出番になるのが間接照明。フロアスタンドなどで光量の足りないところに明るさを足すと、部屋の隅を認識できるようになり、奥行き・空間の広がりが生まれる=広く感じる、というわけです。

さらに、周囲よりも特に強い光を設置すると、より効果的に空間の広がりを演出することができるので、実際よりも部屋が広くなったように錯覚します。上のモデルルーム例なら、右側の飾り棚、そして左奥に強い光が当たっていて、空間に広がりを感じられますね。

さいごに

お部屋のサイズを変えることはできませんが、使い勝手や見た目は工夫次第で向上することが可能です。「狭いから仕方ない」と諦めてしまわずに、まずはプロのテクニックを試してみませんか?

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