自宅でPCや書類を扱う機会が多い方は、専用の作業場所として書斎があると便利ですよね。
ただ、書斎と一言で言っても、自宅をオフィスとして使っている方、趣味の部屋としての書斎が欲しい方、子どもの面倒を見ながら仕事をささっと片付けたいという方、人によってそれぞれ欲しい機能が違います。
今回は、プロが手掛けたマンションのモデルルームの書斎を「どんな風に使いたいか」という観点から分類して解説します。
おしゃれな書斎インテリアの中で、どんなところを真似すれば自分にあった機能を持たせられるか、ぜひ参考にしてみてください。
書斎のお部屋を一から作るためのレイアウトや、趣味の部屋の考え方については、こちらの記事もご覧ください。
・男のロマン!レイアウトを攻略して理想の「書斎」を手に入れよう
・趣味のための小部屋がある間取り
部屋にこもって集中! 書斎部屋のインテリアコーディネート例
書斎部屋を一室確保することで、邪魔が入らず集中して仕事できる場所が手に入ります。
ここでは一室をまるごと書斎部屋としてコーディネートした例をご紹介します。
書斎部屋の目的は、仕事をする他に、趣味に没頭したいというという場合もあります。また、一人で仕事をする場合と二人で作業をする場合でもレイアウトが変わってきます。
仕事をしっかり片付けるための書斎コーディネート
最初は、仕事に集中する目的で作られた書斎のコーディネート例です。
かっちりした黒い本棚が、社長室のような雰囲気ですね。
特に下のコーディネートは、体への負担が少ないビジネスチェアを取り入れることで、長い時間仕事ができる環境になっています。
もう少し遊び心のある雰囲気を作りたいなら、こんな鮮やかな木の色を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
棚やデスクの黒いスチールに合わせて、床のラグやカーテンにも黒を取り入れて、雰囲気を引き締めています。
また、こんな風に好きなテーマの小物で書斎を飾るのも、集中しやすい場所を作る方法の一つです。
ここまでの例は、いずれも窓を背にドア側に向けてデスクを配置しています。
背後にドアがあるといつドアが開くかわからず作業に集中できないので、仕事に集中したいならこのようにドアに向けてデスクを置くのがおすすめです。
また、デスクの脇のすぐ手が届くところに棚があると、必要な資料にすぐ手が届くので便利ですね。
資料棚でデスクを囲んだ例がこちら。
手の届くところにたくさん棚があると、資料を広げたまま置いておく場所や、作業中にうっかり倒すと大変なことになる、飲み物置き場が確保できるのが便利です。
天井まで届くほどの大きな棚を部屋の中央に置くと邪魔なので、この例ではデスクを壁に付けていますが、こういう配置するときは、デスクの奥行きに注意が必要です。
壁にデスクを付けた場合、奥行きが浅いと足が壁に当たって、体とデスクの距離が空いてしまいます。そうなると無理な体勢になって、特にPC作業は長時間続けるのが難しくなります。
一般的にパソコン作業用のデスクは、奥行き50cm~60cmくらいを確保するのがいいと言われます。さらにデスク上に資料やノートを広げた上でPC作業をするなら、70cmくらいはあった方が良いようです。
また、デスクと椅子の高さにも配慮が必要です。椅子が低いと足を前に出す姿勢になるので、壁際に座るなら、椅子はやや高めにしておいたほうがスペースの節約になります(とはいえ、椅子が高いと作業がしづらくなるので注意が必要です)。
椅子の座面とデスクの天板の間は25~30cmくらいになるのが適正な組み合わせです。
壁にデスクをつけるときは、無理なく作業できるかを考えたデスク・チェア選びを心がけましょう。
- 窓を背に、ドア側に机を向けることで、ドアが開くのを気にせずに仕事に集中することができます。
- 机を壁に向けることで、部屋を広く見せることができます。
- 窓を背にすると、背後からの光が入ってPC画面が見づらくなります。
昼間PC作業をする人は、濃い色や遮光機能があるカーテンを選ぶといいでしょう。 - 机を壁につけるときは、作業しづらい体勢にならないよう机の奥行き・椅子との高さに注意しましょう。
夫婦で使える書斎部屋コーディネート
夫婦それぞれで書斎や趣味の部屋を持つのが難しい場合は、書斎部屋を2人で使えるようにレイアウトするのも一つの解決方法です。
夫婦一緒に一つの作業に取り組むことが多い、または作業する時間帯が違うなら、一つの机を一緒に使えるように配置するとスペースの節約になります。
こんな書斎で、2人で旅行の計画を立てたりすると楽しそうですね。
こちらはデスクと棚を組み合わせ、2人で機能的に作業できるレイアウトです。
前者は温かい印象を作るために棚の中に影を多く作り、後者はすっきりした印象を作るために棚にもライトを当てて影を避けているのも注目ポイントです。
2人がそれぞれ別の作業をすることが多いなら、横並びにするか、それぞれのデスクを別に用意しましょう。
書斎部屋が狭いなら、場所を取らないよう、こんなふうに小さめの長いデスクを壁に付けて置くレイアウトがおすすめです。
ただし前述の通り、奥行きが浅い机を壁につけると作業はしにくくなるので注意しましょう。
場所に余裕があるなら、L字型や別々のデスクを用意すると、2人が別の作業をしていても快適に過ごせる書斎ができ上がります。
せっかく一緒に部屋を使うなら、コミュニケーションを取りやすくなる配慮を加えたいものです。
こちらは3人で共用できる書斎部屋のレイアウト。
- 夜に使うことが多い書斎は、照明にもこだわりましょう。
暗めの部屋にすると落ち着ける部屋に、明るめですっきりさせると部屋がより機能的に見えます。 - 複数人で書斎部屋を共用するなら、コミュニケーションを取りやすくするレイアウトを考えましょう。
- 書斎部屋が暗すぎると作業がしにくくなるので、デスクライトなど手元の明かりは確保しておきましょう。
趣味に没頭・リラックスするための書斎(アトリエ)インテリア
書斎は仕事をするだけの場所ではありません。趣味を楽しんだり、一人でリラックスする場所のために書斎を作りたいということもあります。
こちらは釣りが趣味の方の書斎部屋。
釣果を記録する机も必要ですが、釣り竿を磨くためのスペースになるソファの方をメインとした書斎です。
読書や音楽鑑賞など、リラックスして取り組みたい趣味のための書斎なら、ソファスペースが欲しいですね。
ソファがメインのコーディネートの場合、ソファの色が部屋のキーカラーになるよう周りの配色を整えましょう。また、ソファ脇にはお酒や本を置くサイドテーブルが必須ですよ。
もの作りの趣味のための書斎だと、趣味に合わせたインテリアが必要です。
絵画が趣味の方のアトリエの場合、カンバスを置いていますが、椅子をソファにするかチェアにするかは絵を描くスタイルによります。
- 音楽や読書などに書斎を使いたいなら、ソファがあるとリラックスできるスペースが作れます。
ソファがメインのコーディネートの場合、ソファの色がキーカラーになるように考えましょう。
- 特に絵を描くアトリエを作るときは、色が正しく見える光を確保した方がいいでしょう。
アトリエの場所は窓から日が差し込まない北向きの部屋がベストで、照明は自然光に近い色温度(だいたい5,000K)のものを選びましょう。
色温度についての詳しい解説は、こちらの記事をご覧ください。
→ダウンライトの種類を理解して、生活シーンに彩りを取り入れよう!
「ながら仕事」に最適。リビング・ダイニングに作る書斎スペース
書類仕事をする必要はあるけれど、家事が忙しくてまとまった仕事の時間が取れないという方もいるかと思います。そういう方が書斎部屋を作ってしまうと、キッチンやランドリールームとの往復に時間を取られて結局仕事になりません。
そんなときは、リビングダイニングに書斎スペースを作るのがおすすめ。
モデルルームの書斎スペースでは、キッチンやリビングの様子を見ながら仕事ができるようになっていたり、逆にみんなが集まるリビング脇でも仕事に集中できるようになっていたりと、リビングダイニング内の書斎スペースならではの配慮が見られます。
子どもの勉強を見ながらお仕事も。家事と仕事を両立させるレイアウト
食事の用意の合間に仕事をしたいという方は、キッチンが見える場所に書斎スペースを作りましょう。
こんな配置なら、料理の状況を見逃さずに「ながら仕事」で書類仕事を片付けることができます。
ただ、この書斎スペースだと、書類仕事の方に集中するのは難しそうです。
もう少し書類仕事を片付けることに重点を置くなら、こんな風に書斎スペースとリビング・ダイニングをガラス窓で仕切ったレイアウトがおすすめです。
窓の高さを少し高くすると、デスクでの仕事中は窓の向こうが視界に入らないので、より書類仕事に集中しやすいスペースになります。
リビング・ダイニング脇の書斎スペースは、2人で使えるレイアウトにしておくと、子どもの勉強を見ながら料理をしながら書類仕事をするといったマルチタスク仕事ができますよ。
こちらは子どもの面倒を見ながら仕事することを目的とした書斎スペース。
集中しやすいよう棚で仕切った書斎スペースですが、上部がオープンラックなのでリビングの様子はわかるようになっています。
こちらはリビング脇に書斎スペースを作っている例です。
仕切りを一面の壁にしてしまうと、空間が分断されて、リビング・ダイニングが狭く見えてしまいます。
書斎スペースを作るときにリビング・ダイニングと仕切りがほしいときは、こんな風に、棚や隙間のある仕切りがおすすめです。
こちらは書斎スペースに仕切りを作らずオープンスペースにしている例です。仕切りが無いのでリビングダイニングの広さが強調されますね。
自宅をオフィスにしている方は、こんなレイアウトにしておくと、書斎スペースで打ち合わせした後に、リビングスペースで歓談することができますね。お客様をお通しする部屋が一部屋ですむのが機能的です。
- 家事で書類仕事の時間が取りづらい人は、リビングダイニングに書類スペースを併設するのがおすすめです。
書類スペースを2人で使えるようにしておくと、子どもの勉強を見ながら仕事をすることもできますよ。
- リビングダイニングと書類スペースに仕切りを作るときは、部屋を狭く見せないよう、オープンラックや柵などの隙間のある仕切りがおすすめです。
キッチン・リビング・ダイニング脇の小部屋を使った家事室兼書斎のインテリア
キッチン脇やリビングダイニング脇にに書斎を作るなら、書斎内で家事もできるようにしておくと便利です。
こちらはアイロンや服の修繕ができるスペースです。
家事部屋を兼ねた書斎スペースの場合、家事道具を収納するための棚を多めに確保しておくといいでしょう。
- 書斎スペースに、家事をこなす機能を持たせても便利です。
家事道具を収納するための棚を多めに確保しておきましょう。
- 家事をすることも考えた部屋なので、家事動線についても配慮しておきましょう。パントリーやレシピを考える部屋を兼ねるならキッチンと、アイロン部屋を兼ねるなら物干し動線と関連をもたせる必要があります。
家事動線の考え方については、こちらの記事を参考にしてください。
→これで解決&満足!家事動線の良い間取りの選び方
和室スペースを利用した書斎インテリア
マンションの和室スペースは、リビングダイニング脇に配置されていることが多いですが、この和室スペースも、実は書斎として使うのに適した場所です。
特に、たくさんの資料を参照しながら書類をまとめることが多い人は、床に資料を広げておける和室を書斎にするのがおすすめです。実際に、膨大な資料を参照しながら執筆する歴史小説家には、仕事場は和室に限ると言う方もいるそうです。
ただ、床に座っていると棚に手が届く範囲が狭いので、資料棚の配置には注意が必要です。
また、前述したように書斎で子どもの勉強も見たいという方にも、和室スペースは書斎として最適です。
子どもが小さいうちはじっと椅子に座っていることが難しいので、和室スペースで遊ばせながら面倒をみるといいでしょう。
子どもだけでなく大人も、書斎で常に椅子に座っていたいわけではありません。読書に疲れたときなどに休憩できるよう、すぐに横になれる和室スペースを書斎にするのは合理的です。
和室の使い方については、こちらの記事も参考にしてください。
→今こそ見直されるマンションの和室、その魅力と使い方
- 和室スペースは、実は書斎として使うのに最適です。書斎が欲しい方は、和室を書斎に使うことも検討してみましょう。
- 床に座るのは、椅子に座るより腰に負担がかかりやすくなります。
背筋を伸ばした姿勢で座れるよう、座椅子やクッションなどで工夫しましょう。
まとめ
今回は、マンションのモデルルームの書斎を例に、どんな部屋を書斎にするか、自分の使い方にあった書斎を実現するために、どんなレイアウトにするべきかということを解説しました。
おしゃれなモデルルームのインテリアでも、必ず「どんな人がどんな使い方をする部屋なのか」という部屋の目的が設定されています。
真似をしたいインテリアコーディネートを見つけたら、その部屋の目的が自分の目的と合致しているか意識して、ポイントを絞って取り入れるようにしましょう。
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