要件を満たせば借り換え後も住宅ローン控除は受けられる!その注意点を解説

マイホームを購入するにあたっては、筆者も含めほとんどの方が住宅ローンを利用して、住宅ローン控除を受けていることだと思います。そして悩ましいのが、金利の低い返済条件の良い住宅ローンに借り換るべきかどうかということではないでしょうか。それは「住宅ローンを借り換えた場合でも住宅ローン控除が適用されるのかどうか」が不安だからです。

結論から言うと、住宅ローンを借り換えした場合でも、一定の要件を満たせば住宅ローン控除は受けることができます!

では具体的に「一定の要件」とは何のことなのか、借り換え後の住宅ローン控除について、注意点も踏まえて解説していきたいと思います。

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要件を満たせば、借り換え後でも住宅ローン控除は受けられる

そもそも住宅ローン控除の対象となるのは、住宅の取得や増改築等のために直接要した借入金とされています。
これに対し住宅ローンの借り換えによる新しい住宅ローンは、これまでの住宅ローン(従前の住宅ローン)を消滅させるための新たな借入金であり「住宅の取得等のために直接要した借入金」に該当しなくなるため、原則として住宅ローン控除の対象とはなりません。
しかし一定の要件を満たせば、借り換え後でも住宅ローン控除を受けられます。

要件1:借り換え後の住宅ローンが、当初の住宅ローン返済のためのもの

繰り返しになりますが、住宅ローンを借り換えすると、原則的には住宅ローン控除の対象外となります。しかし借り換えによる新たな住宅ローンが、当初の住宅ローン返済のためであることが明らかであれば、住宅ローン控除の対象になることができます。
要は借り換え後の住宅ローンも実質的にはマイホーム取得に必要なものであるため、ローンの目的が同じなら、引き続き住宅ローン控除が適用されるということです。

当初の住宅ローン返済に充てることが明らかかどうかは

  • 金銭消費貸借契約書(住宅ローンの契約書)
  • 全部事項証明書(不動産登記簿に記載されている総ての内容を表示し、それが真正であることを証明する書面)

などにより確認・証明できます(※提出の必要はありません)。

要件2:借り換え後の住宅ローンが、住宅ローン控除の条件をみたすものであること

住宅ローン控除を受けるためには、

  • 借り入れした人の合計所得金額が3,000万円以下であること
  • ローンの返済期間が10年以上あること

などの要件がありますが、借り換え後の住宅ローンににおいても、これらの要件を満たしていないと控除は受けられません。また、借り換えのために新たに住宅ローンを借り入れたとしても、住宅ローン控除を受けられる期間が延びるわけではないことに注意が必要です。


借り換え後にも引き続き住宅ローン控除を受けるための注意点

借り換え後にも引き続き住宅ローン控除を受けるためには、以下の2点に注意する必要があります。

  • 住宅ローン控除期間
  • 住宅ローン控除対象

住宅ローン控除期間:借り換え後の住宅ローン期間が10年以上であること

住宅ローン控除を受けるために必要な返済期間は10年以上です。
例えば、返済期間20年のA金融機関の住宅ローンから、返済開始から3年経過後にB金融機関に借り換えをした場合(パターン1)、返済期間を15年にすれば借り換え後も住宅ローン控除を受けることができます。しかし返済期間が10年未満にしてしまうと(パターン2)借り換え後の住宅ローンは住宅ローン控除が受けられなくなります。

パターン1

(住宅購入時)A金融機関の返済期間20年の住宅ローン

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(借り換え)B金融機関に借り換えをして、返済期間を15年に変更(借り換えにより返済期間を短縮)

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借り換え後の返済期間が10年以上の場合は、引き続き住宅ローン控除を受けることができる

住宅ローン控除を受けることができる年数は、居住した年から一定期間(最長13年)です。そしてこの期間は借り換え前と借り換え後の返済期間を合算してカウントするため、借り換えによって延長されることはありません。つまりこのパターンの場合、当初ローンの返済1〜3年目と、借り換え後のローン返済1〜10年目を足した13年間について住宅ローン控除が適用されます。

パターン2

(住宅購入時)A金融機関の返済期間20年の住宅ローン

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(借り換え)B金融機関に借り換えをして、返済期間を10年未満に変更(借り換えにより返済期間を短縮)

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借り換え後の返済期間が10年未満だと、住宅ローン控除は受けられなくなる

このパターンでは、当初ローンの返済1〜3年目のみ住宅ローン控除が適用されます。
返済期間が短くなれば、その分利息を減らすことになり総返済額の負担が軽減できますが、住宅ローン控除が受けられなくなりことに注意が必要です。住宅ローン控除を受けるのか、それとも利息負担軽減のため返済期間10年未満に短縮するのか(住宅ローン控除が受けられない)、どちらがお得になるのかは、事前にシミュレーション等を行って充分に検討してださい。

借り換え以外にも、繰り上げ返済によって住宅ローン控除の対象外となる場合がある

繰り上げ返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2つの方法がありますが、注意したいのが、「期間短縮型」による繰り上げ返済です。繰り上げ返済で期間を短縮することによって住宅ローン控除を受けるために必要な返済期間10年を切ってしまい、住宅ローン控除の対象外となる可能性があります。
期間を短縮して利息分を減らすか、住宅ローン控除を受け続けるか、よくご検討ください。

住宅ローン控除対象:借り換えにおける新たな住宅ローンの金額によって控除対象額が変わる

住宅ローン控除の額は、基本的に住宅ローンの年末残高を控除対象額とし、これに1%をかけて算出されますが、借り換えをした場合はこれと異なることがあるので注意が必要です。

ポイントは「借り換え前の住宅ローン残高と比べて、借り換え後の住宅ローンの借入額が多いか少ないか」です。新しい住宅ローンの借入額が、借り換え前のローン残高以下であれば、通常通り新しい住宅ローンの年末残高が控除対象額となります。

しかし、借り換えの場合には新たに住宅ローンを組みなおす際に必要な登記費用や保証料などの諸費用がかかり、借入金額が借り換え前よりも増える場合があります。
ただしこれらの諸費用はあくまで借り換えに要した費用であり、住宅取得等のために要した費用ではありません。したがって新しい住宅ローンの借入額のうち、この諸費用分については住宅ローン控除の対象にはなりません。
そのため、借り換え後の住宅ローン控除対象額を調整する必要があります。

以下の場合をもとに、実際に計算してみましょう。

A:借り換え直前の住宅ローン残高→3,300万円
B:借り換えによる新たな住宅ローン等の借入金額→3,500万円
C:借り換え後の住宅ローンとの年末残高→3,400万円

A<Bの場合の対象額の計算式は C×A/B なので

3,400万円(C)×3,300万円(A)/3,500万円(B)≒3,205万円

控除対象額は約3,205万円となります。

(参考)国税庁>住宅ローン等の借換えをしたとき
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1233.htm


借り換え後の年末調整や確定申告はどうなる?

借り換え後も住宅ローン控除を受ける場合は年末調整で申請可能

住宅ローン控除を受ける最初の年は確定申告が必要ですが、給与所得のみの人の場合、2年目以降については年末調整で手続きを行うことができます。借り換え後も住宅ローン控除を受ける場合は、引き続き会社の年末調整で申請ができます。

借り換え直前の住宅ローン等の残高(A)≧借り換えによる新たな住宅ローン等の借入金額(B)であれば、「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」に実際の年末残高(C)を記載すれば問題ありません。
借り換えによる新たな住宅ローン等の借入金額(B)が借り換え直前の住宅ローン等の残高(A)よりも増えていたら、計算式(C×A/B)を用いて出した金額を記載しましょう。

必要な書類と記入方法は、年末調整の住宅ローン控除申請に必要な書類と記入方法(記入例付き)で解説しています。

借り換えによる住宅ローン控除が年末調整に間に合わない時は確定申告

住宅ローンの借り換えを11月や12月などの年末近くに行った場合、会社での年末調整に間に合わないことがあります。その場合は確定申告で住宅ローン控除を申請しましょう。


借り換えにおける住宅ローン控除 Q&A

よくいただく質問についてまとめました。

借り換えの際に、妻から夫へローン名義の変更をした場合、住宅ローン控除は引き継げるのでしょうか?

住宅ローン控除の計算時に住宅の持分割合を使用するため、ローン名義の変更による住宅ローン控除の引継ぎは難しいと考えます。仮に持分割合の贈与をした場合であっても、その部分は「贈与による取得」となりますので、住宅ローン控除は受けられません。

4年前に父と息子の連帯債務による借入(共有名義)で住宅を購入しました。息子を債務者、父を連帯保証人とする住宅ローンの借り換えをする場合、住宅ローン控除はどうなるのでしょうか?

父は借入金残高がなくなるため、借り換えをした場合は住宅ローン控除を受けられなくなります。
一方、息子は借入金が増加することになるのですが、当初の家屋の持分に相当する借入金の部分のみが住宅ローン控除の対象となるので控除額が増えることはありません。
なお連帯保証人の父が返済負担をしなくなると、父の負担を息子が負担することになるため、住宅の持分を変更しないと贈与の問題が発生する可能性があります。連帯債務の借り換えには注意が必要です。

 


まとめ

住宅ローン控除の控除額は大きな金額なので、借り換え後も引き続き住宅ローン控除を受けられるように適用要件を確認したり、注意点を把握しておくことが大切です。
借り換え後も住宅ローン控除が受けられるポイントは2点。

  1. 借り換え後の住宅ローンが当初の住宅ローン返済のためのもの
  2. 借り換え後の住宅ローンが住宅ローン控除の条件を満たす

借入金額が借り換え前のローン残高よりも増えた場合は、住宅ローン控除の対象額が調整されることを覚えておきましょう。
また借り換えは住宅ローン控除額に影響が出ることもあるので、事前によく検討しておくことをお勧めします。税金に関する詳細及び具体的な取り扱いについては、税理士など専門家にご確認ください。

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