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住宅ローン一括返済
お金・住宅制度

【賢く返済!】住宅ローンを一括返済するときのチェックポイント

「そろそろ住宅ローンを一括返済しようかな…」とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
いつまでもローンを抱えておくのも悩ましいですよね。一括返済をして毎月の支払いも、気持ちも楽になりたいものです。
しかし、「住宅ローンは低金利なので一括返済しない方が良い」という声もあります。
住宅ローンは一括返済をした方がいいのでしょうか。

今回は、住宅ローンの一括返済でお悩みの方にも役立つ住宅ローン一括返済のメリットと、注意点を分かりやすくまとめました。ぜひご覧ください。


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1.住宅ローン一括返済はするべき!3つのメリット

住宅ローン一括返済3つのメリット

住宅ローンの一括返済とは、ローンの残代金を全て返済することです。特別な事情が無い場合は、一括返済できるタイミングで、返済しておくことをおすすめします。
なぜ、住宅ローンを一括返済した方がいいのでしょうか?一括返済をすることで得られる3つのメリットをご紹介します。

1-1 支払う総利息が少なくなる

住宅ローン一括返済の最大のメリット
そのまま住宅ローンを払い続けるよりも、一括返済にすることで支払う総利息が少なくなります。

どれくらいの削減効果があるのか金利タイプごとに見ていきましょう。
住宅ローンの金利タイプには、【元利均等返済】【元金均等返済】の2つのタイプがあります。

2つの違いについては、こちらの記事をご確認ください。

「元金均等返済」と「元利均等返済」はどちらが良い?その違いに迫ります!
住宅ローンの返済には元金均等返済と元利金等返済があります。今回はその違いと、それぞれの特性について触れてみたいと思います。

ご自身の住宅ローンがどちらの金利タイプか分からない場合は、銀行と交わした契約書を確認してみましょう。

〈元利均等返済の場合〉

借入額:3,000万円
金利:1%
年数:35年返済
この条件で計算した場合、下図のようなグラフになります。

元利均等返済
25年目(残10年)に一括返済した場合、緑色の枠内が削減される利息部分です。そのまま払い続けるよりも約55万円得をします。

削減できる利息は、電卓で簡単に計算できるものではないので、銀行に確認をとることをおすすめします。

〈元金均等返済の場合〉

借入額:3,000万円
金利:1%
年数:35年返済
この条件で計算した場合、下図のようなグラフになります。

元金均等返済

25年目(残10年)に一括返済した場合、緑色の枠内が削減される利息部分です。そのまま払い続けるよりも約52万円得をします。

どちらの金利タイプでも、10年分を一括返済できれば約50万円の総支払額が変わります

1-2 保証料が返金される

住宅ローンを一括返済することで、保証料が返ってくる場合があります。

保証料とは?
保証会社からの保証を受けるために、保証会社に対して支払う費用です。

住宅ローンを組む際に保証料を金利上乗せにするか、一括で支払うかを選べる銀行があります。保証料が返金されるのは、一括で支払った方のみです。
保証料は、金融機関や保証会社所定の計算方法でされます。一概に○円戻ってくるとは言えないのですが、返済するタイミングによって戻ってくる額が変わるため、残年数が少ない場合は戻ってくるお金がない可能性もあります。
ただ、契約した借入期間終了まで払い続けると返ってこないお金ですので、繰上げ返済をされる際は、いくら返ってくるか確認をしてみるといいですね。
一括返済した場合の返済額など、詳しくは金融機関または保証会社へ相談してみましょう。

住宅ローンの保証料について、詳しくはこちらをご覧ください。

住宅ローン保証料とは?仕組みと費用を解説!併せて知るべき節約法
マイホーム購入では、物件だけでなく住宅ローンも一生付き合うお買い物。今回は、ローンを組むときに出てくる初期費用のお見積にある「保証料」について、一体どんなものなのか、少しでも節約できる方法はないのかを解説します

1-3 毎月の返済が無くなる

3つ目のメリットは、毎月の生活費の確保ができることです。特に、定年退職後は支出が多いと不安になるもの。毎月の住宅ローン返済にかかる支出が減ることで、生活費に余裕も生まれますね。早めに一括返済をして不安を解消されてみてはいかがでしょうか。


2.タイミング別で見る、住宅ローン一括返済のデメリット

タイミング別一括返済のデメリット
住宅ローンを一括返済できるのであればした方がいいとお伝えしましたが、一括返済をする前にしっかりとデメリットについても確認しておきましょう。

2-1 【老後の収入に不安】手元の資金が大幅に減る

当然のことですが、住宅ローンの残債全てを返済することは、残った借入額分のお金を支払うことになり、結果として手元からその分のお金は無くなります。
特に老後の収入に不安を感じられている方は、一括返済しても充分な資金が手元に残るかしっかり考える必要があります。
現状のような低金利で借りられるローンは、住宅ローン以外にはなかなかありません。低金利の恩恵を活かして、あえて借りることを継続するという選択肢もありますので、返済した後の生活設計を見据えて判断することも大切です。

2-2 【他の借入れをしたい】住宅ローンより金利が高い場合がある

次のようなケースでは、一括返済をしない方が良い場合があります。
住宅ローンの残高が300万円で、一括返済をして車の借入れを新たに200万円する場合などです。実際に比較してみましょう。

住宅ローンの場合車の場合
住宅ローン残高300万円借入れ希望額200万円
残年数3年希望年数5年
金利1%金利2%
3年間の総利息46,474円5年間の総利息103,331円

住宅ローンの金利が1%に対し、車のローンの金利が2%で計算されているため、比較すると住宅ローンで借入れしていた方が得になります。

POINT
住宅ローンは借金の中でも、最も金利が低いと言われています。

住宅ローンを一括返済して、新たな借入れをしようとお考えであれば、銀行や販売員と相談をして、どちらが得になるのかを計算した上で選択されることをおすすめします。

2-3 【住宅ローン控除を受けている】利息より控除金額の方が大きい場合がある

住宅ローンの借入れをして13年未満の場合は、一括返済をしない方が良いケースがあります。住宅ローン控除を受けていると、支払う利息よりも控除される金額の方が大きいことがあるからです。

住宅ローン控除は、ローン残高に1%を掛けて計算します。下図の場合だと金利が1%未満ですので、全額控除できる方であれば、一括返済をしない方が得になります。減税期間が終わるまでは、一括返済をしないという選択をする方も多いようです。

ローン控除

現在、控除期間中の方はこちらの記事をご覧ください。

基本から特殊な事例まで!住宅ローン控除の条件をパターン別に解説!
令和4年以降の住宅ローン控除を受ける条件を解説。さらに、色んなシチュエーションごとにローン控除がどうなるかをご紹介します。転勤がある場合は?2回目住宅取得の場合は?細かな疑問を解説します。

3.住宅ローン一括返済の手続きにおける注意点

一括返済の手続き

住宅ローンの一括返済手続きにおける注意点をご紹介します。

3-1 一括返済には手数料がかかる

一括返済では、手数料がかかる場合がほとんどです。手数料の金額は、銀行によって変わります。一般的な銀行では一括返済に54,000円ほどかかります。どれくらい手数料が必要かは、住宅ローンを受けている銀行に確認をしてみましょう。
また、手数料は店頭返済をする場合とネット返済をする場合で金額が異なることがあります。こちらも併せて確認をしてみましょう。

3-2 抵当権の抹消登記をする必要がある

抵当権とは、支払いができなくなった時のために、住宅ローンで購入した家や、土地を担保にできる銀行側の権利です。
抵当権は、銀行が抹消手続きをしてくれるものではありません。一括返済をしたら必ず、抵当権の抹消登記をしましょう。抵当権を抹消していない場合、その家を担保に新しく借入れをすることができなくなったり、相続の際に相続人が新たな借入れをすることができなくなってしまうことがあります。

抵当権抹消登記を申請するには、登録免許税という税金がかかります。不動産1物件につき1,000円かかります。
※2019年7月1日現在


まとめ

住宅ローンの一括返済は、ご自身が可能なタイミングでされた方がいいでしょう。
返済をせずに預貯金で貯めておくよりも、一括返済をして利息をできる限り抑えた方が得策です。
住宅ローン減税期間中で他の借り入れを検討されている場合には、一度金融機関に相談されることをおすすめします。

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