基本から特殊な事例まで!住宅ローン控除の条件をパターン別に解説!

住宅ローン控除のイメージ

住宅を購入し入居を控えているという方の多くは、「住宅ローン控除」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、住宅ローンを利用して住宅を取得する場合に適用となり、毎年の住宅ローン残高の1%が、10年間にわたり所得税から還付される制度となります(控除額は最大で40万円)。
また、所得税から控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます(住民税からの控除額は最大で136500円)。
この制度は、住宅ローンを借り入れて住宅を取得する際に、取得者の金利負担の軽減をはかるための制度です。

※本記事は201810月現在の税制を基に執筆しています。

1 住宅ローン控除の条件とは

住宅ローン控除にはいくつかの適用条件があります。
取得する物件の種類や、取得する人の所得によってローン控除が適用されないケースもあります。

1-1 基本的な条件

住宅ローン控除は新築の戸建てやマンションを取得する以外にも、中古住宅を取得した場合や増改築、リフォームをした場合も対象となる場合があります。

まずは新築・中古住宅に共通している基本的な条件から解説します。

<基本的な条件>
●自ら居住すること
●床面積が50㎡以上であること
●住宅ローンの借り入れ期間が10年以上であること
●年収が3,000万円以下であること

自らが居住すること

住宅ローン控除を受けられるのは「自己の居住の用に供した場合」とされています。
住宅の引渡しまたは工事の完了から6ヶ月以内に、控除を受けようとする者が自ら居住する必要があります。
また、居住しているかどうかはその年の1231日の住民票にて確認することとなります。
このため、本人が住んでいることが前提であり、別荘やセカンドハウスや賃貸用の住宅は対象外となります。

床面積が50㎡以上であること

建物については、対象となる住宅の床面積が50㎡以上であることが要件となっています。
この床面積の測定方法は不動産登記上の床面積と同じであり、戸建住宅の場合は壁芯面積、マンションのような共同住宅は内法面積により測定することとなっています。

床面積のはかり方

住宅のパンフレットやチラシなどには壁芯面積が記載されていることが多いですがマンションのような共同住宅の場合、登記簿上には内法面積が記載されます。
上記で述べたとおり、マンションの場合パンフレットに記載されている面積ではなく、「登記簿上の内法面積」が住宅ローン控除の指す床面積となります。
例えば1LDK55㎡とパンフレットに記載のあるマンションの場合、内法面積だと50㎡を下回る可能性があるので注意が必要です。

住宅ローンの借り入れ期間が10年以上であること

住宅ローンを利用して住宅を取得する方の多くは、10年以上の返済期間を設定し、返済をしていくことと思います。ですが、注意が必要なのは繰り上げ返済を行うことによる、返済期間の短縮です。
国税庁のホームページでも、
償還期間が10年以上の割賦償還の方法により返済されるもの又は割賦払の期間が10年以上の割賦払の方法により支払われるものであることとなっています。
これは「実際に返済をする期間が10年以上あるかどうか」を指しています。
繰り上げ返済後の残りの借り入れ期間ではなく「返済開始から実際に返済をした期間」と「期間短縮後、完済までの返済期間」の合計年数が10年以上であれば問題ないということになります。
また、住宅ローンの借り換えによる返済期間の変更にも注意が必要です。この場合、引き続き控除を受けるには借り換え後の新しいローンの返済期間が10年以上であることが必要です。

年収が3,000万円以下であること

年収(所得金額)が3,000万円を超える年は、住宅ローン控除の対象から外れてしまいます。
ここでの年収は「給与所得控除後の金額」、確定申告をされる方は「合計所得金額」を指します。
ただ、これは稀なケースで、一般の会社員でも所得金額3,000万円を超えることはほとんどないかと思いますので、頭の片隅にでも入れておいてください。
ちなみに給与の方の場合、給与総額が3,220万円の方が給与所得控除後の金額が3,000万円になります。

1-2 中古物件の場合の条件

中古住宅を購入する場合は基本的な条件に加え、以下のいずれかの要件に該当していれば控除を受けることができます。

築年数が一定年数以下であること

1)耐火建築物(マンションなど鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造のもの)の場合、25年以内に建築されたもの
2)耐火建築物以外(木造住宅など)の場合20年以内に建築されたもの

以下のいずれかにより、現行の耐震基準に適合していることが確認された住宅であること

1)耐震基準適合証明書を取得する
2)既存住宅性能評価書を取得する
   住宅性能評価において、耐震等級1以上が確認されたもの
3)既存住宅売買瑕疵保険に加入する
   住宅瑕疵担保責任保険法人による、中古住宅の検査と保証がセットになった保険に加入していること。
   なお保険への加入には現行の耐震基準に適合していることが要件とされている。

2 パターン別、住宅ローン控除を受けられる条件

ここまで住宅ローン控除を受けるために必要となる、基本的な条件についてご紹介しました。ここからはいくつかのパターンを例に、住宅ローンを受けるための条件を注意点とともに解説します。

そもそも住宅ローン控除の条件のひとつに、
個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等をし、各年12月31日までに「自己の居住の用に供した場合」とあります。
つまり原則として本人が住み続けなければ、住宅ローン控除は受けることができないということになりますが、下記の場合は対象になることがあります。

2-1 単身赴任でも家族が住み続ける場合は、控除の対象となる

住宅ローン控除の適用期間中に転勤が決まった場合、どうなるのか。
単身赴任の場合、本人以外の家族が住み続けることで「所有者が引き続き居住しているもの」として扱われ、住宅ローン控除を受け続けることができます。

<注意点>
単身赴任の場合は「勤務先からの転任の命令その他これに準ずるやむを得ない事由があること」とあります。
基本的に会社からの命令で転勤の場合はOKです。しかし、転職といった自己都合での引越し・移動の場合は適用されない可能性があるため注意が必要です。

2-3 転居先から戻ってくる場合は、残りの期間で控除を受けることができる

住宅ローン控除の残りの期間内に、家族全員もしくは本人以外の家族が戻ってきて再入居した場合は残りの期間分の控除が再適用となります。

例)当初3年間控除を受けたのち、会社都合の転勤により家族で転居し、4年後に戻って再入居した場合。住宅ローン控除の期間は10年間のため、残りの3年分の控除を受けることができます。

<注意点>
家族で転居することになった場合や、家族と一緒に転居をすることになり戻ってきた際に再適用を受けようとする場合は、以下の手続きが必要となります。

転居前までに済ませておくこと

  • 「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」
  • 未使用分の「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」

上記2点を所在地の税務署長に提出。

転勤が終わり再居住する場合

戻ってきた年から住宅ローン控除を受ける場合は、その年分の確定申告が必要となります。
その際に添付する書類が3点あります。

  • 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(再び居住の用に供した方用)」※インターネットでダウンロード可能。
  • 「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書」
  • 給与所得者の場合は、「給与所得の源泉徴収票」

2-4 建物の新築・取得後、6ヶ月以内に入居すればローン控除の対象となる

住宅の購入を検討もしくは既に購入している方の中には、すぐに入居できないという方もいらっしゃるかもしれませんが、住宅の引き渡しから6ヶ月以内に入居することが、住宅ローン控除を受けるために必要な条件となります。
それに加えて、控除を受けようとする年の1231日まで引き続き住んでいることも条件となります(居住しているかどうかはその年の1231日の住民票にて確認するため)。
特別な理由がない限りは、新築時より6ヶ月以内に入居される方がほとんどかと思います。

2-5 【番外編】2回目の住宅購入でも住宅ローン控除は適用される

住宅は一生に一度の買い物…という認識の方は多いはずです。住宅を購入する方の多くは「終の棲家」として検討されると思います。ですが、現在の住環境に不満がある方や家が古くなってきたという方の中には、住み替えを検討される方も少なからずいらっしゃるはずです。
住宅ローンを借り入れて住宅を購入するのが2度目の場合、適用されるかどうか気になるところではないでしょうか?
結果からお伝えすると、2度目の住宅購入でも住宅ローン控除は適用可能です。
ただし、これまでと同様に注意の必要な部分があります。

<注意点>
今住んでいる住宅を売却し、新しく住宅を購入する場合は注意。
「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」との併用はできません。
住居の売却後に新築の購入をする際、売却した利益が3,000万円以下の場合、税金がかからないという制度になります。居住した年とその前後2年ずつ(計5年間)の間に、もとの住まいを売却し上記の特別控除を受けていた場合、住宅ローン控除は適用できないので注意が必要です。

2-6 共有名義の場合、夫婦で住宅ローン控除を受けることができる

現在夫婦共働きで住宅を検討している方の中には、共有名義で融資を受ける方もいらっしゃるかと思います。
その場合、夫婦それぞれが債務者となる「連帯債務」の形をとれば、住宅ローン控除を夫と妻それぞれで適用することが可能です。

<注意点>

  • 債務者は夫のみで、妻の収入を合算(収入合算)して借り入れをする場合は、妻は連帯保証人となり、夫だけが控除の対象となります
  • 夫婦それぞれで借入額全額の控除を受けることはできない。

 住宅ローン全額が対象になるわけではなく、あくまでも「借り入れた金額のそれぞれの持分割合分」が対象となります。

  • 連帯債務の場合、将来的に妻が出産やその他の理由で仕事を辞め、支払うことが難しくなるといったケースにも要注意。

 このような場合に夫が妻の分の返済も負担すると、妻の分は住宅ローン控除の対象から外れたり、贈与税の対象となったりする可能性があります。

3 注意!パターン別、住宅ローン控除を“受けられない”条件

3-1 家族そろって転居する場合、控除は適用されない

単身赴任の場合は適用対象となりますが、転勤が決まり家族全員で転居することとなった場合どうなるのでしょうか?
家族全員で転居する場合は住宅ローン控除の対象外です。控除を受けることはできません。

3-2 入居前に転勤等の理由で住めなくなった場合はローン控除の対象外

しばらく転勤がなかったため、しばらくはここに住めるだろうと考え住宅を購入される方も多いはずです。
しかし、入居直前で転勤になってしまい後戻りのできない状況になった方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか?
また、そのようなことが起こるのではないかと、不安を感じている方もいらっしゃるかと思います。
仮に入居目前にして転勤になってしまい、6ヶ月以内に一度も入居していない場合は残念ながら住宅ローン控除を受けることができません。
途中で戻り、入居を開始したとしても対象にはなりません。
もしそんな状況下でどうしても住宅ローン控除を受けたいという方は、可能であれば6ヶ月以内に一度入居することをおすすめします。
ご家族がいらっしゃる場合、ご家族にしばらく入居していただくことで、再入居のときに住宅ローン控除の適用が可能となります。

POINT

住宅ローン控除の適用期間は10年間なので、戻って再適用を受ける際には、残りの期間にご注意ください。

 

3-3 親族や知人からの借り入れは住宅ローン控除の対象外

親族や知人からの借り入れは、住宅ローン控除の対象外です。控除を受けることはできません。
銀行などの金融機関、住宅金融支援機構、勤務先などからの借り入れで、都市再生機構や建設業者などに対する債務が控除の対象となります。

4 住宅ローン控除を受ける際の注意点

4-1 勤務先からの借り入れの場合は金利に注意

住宅購入の際、勤務先から借り入れする方は、金利にご注意ください。
勤務先から無利子(0%)もしくは0.2%未満の利率で借り入れた場合、住宅ローン控除の対象にはなりません。
低金利での融資というのは非常に魅力的ですが、注意しておくべきポイントです。

4-2 税理士・税務署に確認

住宅購入は初めてという方で「銀行などの金融機関から融資を受ける」「しばらく引っ越す予定はない」「基本的な条件を満たしている」といった方のほとんどは問題なく住宅ローン控除の対象となるかと思います。
ですが、控除を受けたいと考えている方の中に、解説してきたパターンに当てはまる方・ここには記載のないパターンの方は税理士や税務署にて確認されることをおすすめします。
なお、法律の改定等により条件が変わる場合があるため住宅ローン控除の適用可否を知りたい方についても、事前に税理士もしくは税務署にご相談されることをおすすめします。

まとめ

今回は住宅ローン控除の条件について、パターン別にご紹介しました。
住宅ローン控除の控除額の計算方法や、手続きの方法などについて気になる方はこちらの記事をご覧ください。

マイホームを持ちたい方必見!今知りたい住宅ローン控除とは

また、住宅ローン控除の内容については、住宅展示場やマンションのモデルルームで確認することができますのでお気軽にお尋ねください。

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