三重県にある四日市コンビナートは、1950年代から造成され始め、日本の高度成長を支えた工場地帯。近年では工場夜景が鑑賞できる場所として、全国でも有数の大人気スポットとなっています。
規模の大きさや夜景の美しさはもちろんのことですが、上空から夜景を見下ろせる展望台があること、沿岸部や近隣の公園、さらに橋や道路上からでも眺めることができるなど、鑑賞の手段・スポットが多いことも人気の理由。
今回は、海(クルーズ)・空(タワー展望台)・陸(ドライブ)からと、その多様な鑑賞手段を駆使して工場夜景を堪能してきたので、その様子をご紹介します!
※掲載の情報はすべて2023年9月現在のものです。
四日市市は、三重県の北部に位置する人口約30万人の都市。
古くは東海道の宿駅として栄え、現代では、臨海部に四日市コンビナートを擁する一大工業都市としても発展した、人口約27万人の県庁所在地である津市を抑えて県内最大の街です。
かつての宿駅、交通の要衝だけあって、四日市市は道路や鉄道などの交通インフラが充実。名古屋や大阪といった大都市へのアクセスも良く、その人やモノの流れの良さが街の発展を支えています。
「四日市コンビナート夜景クルーズ」で船から夜景観賞
四日市港では、工場夜景を鑑賞するためのクルーズ船が定期的に就航していて、海からの眺めを楽しむことができます。
今回は参加したのは、株式会社第一観光が主催する「四日市コンビナート夜景クルーズ」定番60分プランで、料金は大人ひとりあたり税込5,000円(※2023年9月時点の金額です)。
四日市港の沿岸をクルーズ船でめぐって夜景を楽しむだけでなく、同船するボランティアガイドさんから四日市コンビナートの歴史やエピソードを聞ける、工場夜景愛好者だけでなくデートのイベントとしても楽しめるツアーです。
港に到着〜乗船するまで
自家用車で集合場所へ
クルーズ船は四日市港の千歳桟橋から出港します。
集合場所までの交通手段として、近鉄四日市駅およびJR四日市駅からの無料送迎バスが用意されていますが、私たちは自家用車で向かいました。
駐車場は港に完備されているので安心。しかも無料です。
指定された場所に車を停めたら、徒歩で集合場所まで向かいます。
集合時間として指定されていた18時過ぎは、日没の少し前で、夕日の港がとても綺麗でした。
1分ほど歩くと集合場所である四日市ポートサービス埠頭ビルが見えてきます。すでに多くの参加者が、中で待機されているのも見えます。
入り口では、四日市港のマスコットキャラクター・ポルテくんが出迎えてくれました。
受付をして乗船へ
建物の中に入って受付を終えると、スタッフからライフジャケットを渡され、装着方法や乗船上の注意の説明を聞きます。
安全な運航のため大事なことですから、しっかり聞いておきましょう。
注意事項の一例を紹介しますと、当然のことながら飲酒をして酔っている人は乗船できない、雨天時の傘の使用はできない…といったことです。
特に雨天時の対応については、事前によく天気予報を確認しておき、雲行きが怪しい時は合羽など、傘以外の雨具を用意しておく必要があると思いました。
受付を終えて船に向かう頃には、すでに日が暮れ、工場に明かりが灯りはじめていました。ナイトクルーズへの期待が高まります。
おしゃれな堤防を横切って桟橋へ。
ゆらつく足場が一気に高揚感を高めます。
クルーズ船を目の前にすると、いよいよ臨場感も高まり、気持ちが前のめりに。
今回クルーズに連れて行ってくれるのは、四日市ポートサービス「第二志ほかぜ」(34名定員)。ボランティアガイドの「コンビナート語り部」さんと一緒に乗船します。
いよいよ出港
いよいよ出向です。
桟橋の上から、スタッフの方が手を振ってお見送りをしてくれました。
桟橋を離れ、徐々にスピードをあげていく「第二志ほかぜ」。
海面が近く、船が水面を割って進むのが間近に見えるのも、ワクワク感を盛り上げてくれます。
船の上から工場夜景を堪能
出港して数分ほどで、さっそく幻想的な工場の灯が見えてきました。
撮影ポイントに近づくと船の速度を落とし、説明とともに撮影タイムが始まります。
皆がひととおり写真を撮り終えると、また船のスピードは上がり、次のスポットに向かいます。
船上で受ける夜風は心地よく、お気に入りの音楽を聴きながら浸りたい気持ちになりました。
数分ほど進んだ先では、工場用の長い通路が見えてきました。
もっと長い通路もありました。視覚いっぱいにイルミネーションが広がります。
さらにその先には「四日市ドーム」が見えてきました。
広いアリーナを持ち、スポーツだけでなくコンサートや展示会、コンベンションなどのイベントが開催されるお馴染みのドームですが、海上から眺めるのは初めてということもあり、なんだか新鮮で感動しました。
テニスコートや野球場のナイター照明が海に反射してとてもきれいです。
大きな工場用のスポット用船も見ることができました。
近づくと、思っていた何倍もの大きさ。
その大迫力振りに、私も含め多くの乗客から「おぉ!!」という感嘆の声が挙がります。
あまりの迫力に見入ってしまい、取材を忘れてしまう同行者たち……。
大きな船の奥には、さらに工場夜景が広がります。
下船〜ツアー終了
四日市港の沿岸をひととおり巡ったら、綺麗な工場夜景をあとにして、元の桟橋まで戻ります。
無事に到着。
四日市の素敵な景色を見させてくれた「第二志ほかぜ」、ありがとう。お疲れ様でした。
船を降りたら、最初の集合場所に戻ります。
60分はあっという間でしたが、工業都市ならではの風景が見られたり、工業港のことを知ることができる貴重な体験でした。
スタッフにライフジャケットを返却したら、ツアーの全行程は終了です。
終了時刻は、ちょうど20時でした。
20時からなら四日市の「食」を楽しむにもいい時間ですので、デートや観光のスケジュールもばっちりだと感じました。
また事前の注意事項にも書いてありますが、クルーズ船は揺れるので、動きやすい恰好で行くことをおすすめします。
四日市コンビナート夜景クルーズ | |
---|---|
住所 | 三重県四日市市京町2-13萬古工業会館(株式会社第一観光) |
電話番号 | 059-327-5377 (四日市コンビナート夜景クルーズ専用デスク) |
WEB | http://ykyc.jp/ |
営業時間 | 平日10時~17時(土日祝休み) ※WEBサイトからは24時間受付 |
アクセス | 近鉄四日市駅・JR四日市駅から無料送迎バス運行 車でのアクセスは:三重県四日市市千歳町37番地 |
駐車場 | 指定場所に駐車(無料) |
地上約90m!四日市港ポートビルの展望室から夜景を見下ろす
どこから見ても魅力的な工場夜景ですが、少し高い場所から全景を眺めるのは、なんだか近未来SFの世界を見ているようで引き込まれます。そのため多くの工場夜景の鑑賞スポットには、高台から見晴らすことのできる展望台が含まれています。
四日市の工場夜景も例外ではなく、高所からの鑑賞スポットがあります。
それが「うみてらす14(フォーティーン)」。
四日市港の開港100周年を記念して建てられた「四日市港ポートビル」の最上階14階に位置する、全国でも珍しい、ビルの展望室からの夜景観賞スポットです。
会議室や港湾関係事務所のテナントが入るオフィスビルですが、1階と14階に四日市港の歴史と概要を学べる展示室が開設されているので一般人も入場可能となっています。
ただし基本はオフィスビルなので、平日の開館時間は午前10時から午後5時まで。土日祝日に限って夜9時まで開館時間が延長されるので、夜景観賞を目的に出かける際は曜日に注意してください。
四日市市内から出発
四日市港ポートビルは、近鉄四日市駅から車で約15分ほど。
隣接した駐車場は、普通乗用車76台・大型バス5・車椅子利用車3台まで収容可能と、かなり広く停めやすい平置きで安心。もちろん無料で利用できます。
ビルの周辺は公園やコンテナターミナルが広がり、その先に工場プラントが建ち並んでいるので、見晴らしが良く、すでに夜景ポイントになっています。
ビルの中へ〜1階展示室
いよいよビルの中へ。
入ってすぐの展示に、改めて「四日市港は国際貿易港なんだな〜」と思わされます。
明治32年に羊毛や綿花の輸入拠点として開港した四日市港は、現在では中部圏の重要な貿易港として、また中国や東南アジア諸国へのコンテナ定期航路の拠点として重要な役割を担っています。
オーストラリアのシドニー港とは羊毛の貿易を通じてつながりが深く、そのことから昭和43年に姉妹港となっています。
その縁で寄贈されたカンガルーの剥製がお出迎えしてくれました。
あまり知られていませんが(少なくとも筆者は初めて知りました!)、四日市港の輸出貨物の43%を占めているのは自動車。自動車専用船で海外に向けて運ばれています。
その一部としてFIT HV(本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所提供)の展示が。
こちらの展示物はコーヒー豆。ブラジル・コロンビア・インドネシアなどから四日市港に輸入されています。
コーヒー豆のほか、海外で生産された雑貨や日用品もこの四日市港に輸入されているそうで、自分にとっては縁の遠いものだと思っていた貿易港ですが、実は意外と身近なものだったのだと驚きました。
展望展示室から夜景を堪能!
1階の展示室が興味深く、思わず当初の目的を忘れそうになりましたが、もちろん夜景を堪能しに行きます。
エレベーターで14階へ!
エレベーターホールにある券売機で利用券を購入して入ります。
料金は、高校生以上310円、中学生以下は無料(※2023年9月時点の金額です)。
中に入るとすぐに視界いっぱいに工場夜景のイルミネーションが広がります!
まずは南西側。
次に南東側から。
続いて北東側から。
北西側からは、内陸の夜景も見えます。。遠くには鈴鹿山脈の存在感も。
どの方角も地形がよくわかるので、青空が広がるお昼時にも見てみたいと思いました。
展望室の四方には無料で使える双眼鏡が設置されています。
工場プラントの細部まで観察できて楽しかったです。
スタンプラリーにも挑戦
入り口で利用券を購入したときに、スタンプラリーの台紙をもらいました。
せっかくなので、展示室を見学がてらコンプリートしていきます。
14階の展望展示室の中央には、四日市港を中心とした地形模型が展示されています。
その周囲に港の歴史や役割を展示したコーナーが並んでいるので、学びがてらスタンプを押していく仕組みです。
クイズや体験型ナビゲーションの展示を楽しんでいるうちに、スタンプもコンプリート。
滞在時間は1時間半ほどでしたが、見どころが多く、あっという間に時間が過ぎたという感覚です。
展望展示室内にはトイレや自販機が設置されているので、デートはもちろん、子連れでの夜景観賞場所としても手軽でおすすめだと思いました。
うみてらす14(四日市港ポートビル内) | |
---|---|
住所 | 三重県四日市市霞二丁目1-1 |
電話番号 | 059-366-7022 |
WEB | http://www.yokkaichi-port.or.jp/ut14/index.html |
営業時間 | 10:00~17:00 土曜日・日曜日・祝日は21:00まで |
入場料 | 一般(高校生以上)310円 中学生以下 無料 |
駐車場 | 76台(無料) |
港沿いをドライブしながら夜景観賞
筆者が個人的に素晴らしいと思っている四日市の工場夜景のポイントは、特別な観賞スポットまで出かけなくても、日常での移動の際に車窓から美しい工場夜景を堪能できるところです。
私の同僚たちも通勤路上に「それぞれのお気に入り夜景スポット」を持っていて、毎日の退勤時の楽しみになっているそう。
国道23号線を「浜の公園」に向かってドライブ
そこで最後に紹介するのは、気軽に工場夜景を眺めながら気持ちよくドライブできる、港沿いのルートです。今回は「四日市市 鈴鹿川ラグビー・サッカー場」あたりから国道23号線を北上して「浜の公園」を目指すルートを走ってみました。
19時ごろにスタート。
時間によっては渋滞ぎみになる国道23号線ですが、この日も若干混んでいました。
車を走らせていると、右手側から工場地帯の風景が見えてきます。
夜景が見えてくるのは、JR四日市駅を過ぎたあたりから
JR四日市駅を過ぎたあたりから、工場プラントの夜景が見えてきます。
筆者の拙い写真では伝わらないのですが、走っている車の中からはイルミネーションが動いているように見えて、とてもきれいです。
路肩に車を停めて、ちょっと撮影。
途中、何本かの橋を渡りますが、少し高いポイントから夜景が見えます。
今回のドライブコースは、渋滞が無ければ約20分、渋滞があれば約30分ほどのコース。夜景を横目に走るなら、渋滞しているくらいがちょうどよいなと感じました。
また、JR四日市駅から四日市港ポートタワー付近までが綺麗に夜景が見えるスポットが多いように思います。
まとめ
四日市のように、海・空・陸からと様々な角度から工場夜景を鑑賞できるのは、他エリアを比較すると珍しいことで、愛好家の間では「3D夜景」と呼ばれているそうです。
市街地からのアクセスも良く、手軽に楽しめるので、ぜひ夜のお出かけのバリエーションとして楽しんでみてください。
徒歩10分圏内に生活利便施設が集積したエリアに、全72邸南向きのレジデンス誕生
- 近鉄「中川原」駅 徒歩4分(約300m)/近鉄「近鉄四日市駅」まで1駅3分
- 敷地内平面駐車場率122%確保/駐車場使用料1台目0円~(予定)
三重エリアでの生活に興味があるあなたへ
その他の記事はこちらをCHECK
https://journal.anabuki-style.com/
編集・発行
<著作権・免責事項等>
【本紙について】
・メディアサイト「アルファジャーナル」に掲載された記事を印刷用に加工して作成しております。
・アルファジャーナルにはあなぶきグループ社員および外部ライターによって作成される記事を掲載しています。
【著作権について】
・アルファジャーナルが提供する情報・画像等を、権利者の許可なく複製、転用、販売など二次利用することを固く禁じます。
・アルファジャーナルに登録される著作物に係わる著作権は特別の断りがない限り、穴吹興産株式会社に帰属します。
・「あなぶき興産」及び「α」(ロゴマーク)は、穴吹興産株式会社の登録商標です。
【免責事項】
・アルファジャーナルに公開された情報につきましては、穴吹興産株式会社およびあなぶきグループの公式見解ではないことをご理解ください。
・アルファジャーナルに掲載している内容は、記事公開時点のものです。記事の情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性・信頼性等を保証するものではありません。
・アルファジャーナルでご紹介している商品やサービスは、当社が管理していないものも含まれております。他社製品である場合、取り扱いを終了している場合や、商品の仕様が変わっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。
・アルファジャーナルにてご紹介しているリンクにつきましては、リンク先の情報の正確性を保証するものではありません。
・掲載された記事を参照した結果、またサービスの停止、欠陥及びそれらが原因となり発生した損失や損害について、当社は一切責任を負いかねますのでご了承ください。
・メディアサイトは予告なく、運営の終了・本サイトの削除が行われる場合があります。
・アルファジャーナルを通じて提供する情報について、いかなる保証も行うものではなく、またいかなる責任も負わないものとします。