2月の和名は「如月」。
厳しい寒さに耐えるため、更に衣を重ねることから「衣更着(きさらぎ)」
草木の芽が張り出す時期であるから「草木張月(くさきはりづき)」
陽気が更に来る時期であるから「気更来(きさらぎ)」
など、由来は諸説ありますが、いずれも寒さの中にも春に向けての息吹を感じるような、晩冬から初春に移ろう2月らしい謂われです。
陽の光の明るさや、ほのかに緑を帯びた青い海の色に、新しい季節の気配を感じることが増えてきました。そんな春待ちの2月の歳時記をお届けします。
2月のこよみ
2月2日「節分」(雑節)
元は各季節の始まりの日の前日のことでした。今のように立春(旧暦で1年の始まり)の前日のことを指すようになったのは、江戸時代のことです。
豆まき
節分といえば豆まき。これは、季節の変わり目には鬼(=「邪気」の象徴)が出やすいと考えられていたことに由来します。鬼に豆をぶつけて鬼を追い払い、かわりに福を呼び込もうというわけですね。
追い払うのに豆を用いるのは、穀霊(穀物の精霊のこと)が宿るとされ、魔除けの呪力が備わっていると信じられてきたからです。
とはいえ、豆まきはあとの掃除が大変で……という方には、「散らばらない豆まき」がおすすめ。変わり種の恵方巻きレシピとあわせて、節分の楽しみ方を紹介します。

魔除け
また節分では、鬼を追いやると同時に、魔除けも行います。
有名なものでは「柊鰯」。
鬼は臭いものと尖って痛いものを嫌うとされているため、焼いた鰯の頭を柊の小枝に刺して門口に飾り、鬼が入ってこないようにするものです。
恵方巻き
そして忘れてはならない恵方巻き。元は関西のごく一部のエリアの風習でしたが、今では節分といえば、恵方に向かって恵方巻きを食べる日、というほどに定着しましたね。
なお、気になる2025年の恵方は「西南西、やや西」です。
みんなの暮らしのこだわりが聞けちゃうアンケート「こんなとき、どうしてる?」でも、恵方巻き・節分行事についてお尋ねしています。意外な風習・行事を覗いてみませんか?
※2021年12月15日~2022年1月13日にアルファあなぶきStyle「くらしのアンケート」で行ったアンケートです
2月2日「冬土用明け」(雑節)
雑節のひとつ「土用」は、土公神(どくじん)という土を司る神様が支配する期間のこと。立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指し、期間中は土を動かす作業(土いじり、地鎮祭、井戸掘りなど)を忌むことになっています。
2025年の冬土用は2月3日の立春の前日、2月2日に明けを迎えます。
2月3日「立春」(二十四節気)
二十四節気の第1番目。
旧暦ではこの日が新たな一年の始まりであり、雑節の八十八夜・二百十日・二百二十日の起算日(第1日目)です。
暦の上では春が始まります。この日からは挨拶が「余寒見舞い」に変わり、「寒中見舞い」ではないことに注意。
春とはいうものの、まだまだ寒い日は続きます。
しかし、じきに梅の花もほころんで、春の気配も感じられるようになりますよ。この日から春分の間に今年初めて吹く南寄りの強い風が「春一番」です。
2月6日「初午」(雑節)
2月最初の「午の日」。
各地の稲荷神社で五穀豊穣や商売繁盛、開運の祈願が行われる日です。
稲荷社の本社である伏見稲荷大社の主祭神・宇迦御霊神(うかのみたまのかみ)が、伊奈利山の三箇峰に降臨された日が和銅4年(711年)の午の日だったことが由来。
宇迦御霊神は五穀豊穣を司る神様であることから豊年祈願、転じて商売繁盛や開運を祈願するようになったとされています。
また、立春を迎える2月最初の午の日は、1年で最も運気の高まる日でもあるんだとか。
2月18「雨水」(二十四節気)
空から降るものが雪から雨に変わり、氷が溶け始めるという意味。春一番が吹いたり、鶯の声が聴こえる地域も出てくるころです。
ただし本格的な春の訪れにはまだ早く、大雪が降ることも。三寒四温を繰り返しながら、少しずつ春に向かっていきます。
冬に3日間ほど寒い日が続き、次の4日間は暖かい日が続き、また寒くなる…というように、7日周期で寒暖が繰り返される現象のこと。
シベリア高気圧の影響を受ける中国北東部などで見られる、典型的な冬の気候です。
太平洋高気圧の影響も受ける日本の冬では、三寒四温がハッキリ現れることはほぼありません。
そのため本来の意味を外れて、2月の終わりから3月にかけての、低気圧と高気圧が交互にやってきたときの気温の周期的な変化を指すようになってきています。
2月の年中行事とイベント
2月11日「建国記念の日」(国民の祝日)
建国を祝う日。日本では実際の建国日が明確ではないので、日本神話を基にこの日を定めています。
戦前までは日本の紀元(歴史が始まる最初の日)として「紀元節」と呼んでいました。
…
ちなみに神武天皇は、古事記によると137歳、日本書紀によると127歳まで生存されたそうです。このように古事記や日本書紀には神話的な内容が見られること、また神武天皇の存在そのものに関して考古学上の確証が現段階ではないことから、建国神話の筋書きが、ありのままの史実だとは考えられていません。
…
そのため「建国記念日」ではなく「建国記念 ”の” 日」、つまり建国された日とは関係なく、建国されたこと自体をお祝いする日という名称になりなした。
2月14日「バレンタインデー」
聖ウァレンティヌスに由来すると言われるバレンタインデー。
その歴史はローマ帝国時代にまで遡ります。
時の皇帝クラウディウス2世は、兵士の結婚を禁じていました。「家族」という守るものができると、士気が下がると考えたからです。
その禁令に背いて恋人たちの結婚式を執り行ったのが、キリスト教の司祭だったウァレンティヌス。しかし、それはやがて皇帝の知るところとなり、捕らえられ、殉教者となってしまいます。
かくしてウァレンティヌス司祭は聖人となり、「聖ウァレンティヌス(英語読みでヴァレンタイン)」と呼ばれる愛の守護神として祀られることになりました。2月14日の日付は、ウァレンティヌスが殉教した日です。
手作りでお祝いする、バレンタインデー向けレシピ
バレンタインデーにピッタリな本格的なディナーレシピと、ホットケーキミックスをベースにした手軽に作れるおやつレシピを紹介します。
どちらもチョコレートを使ったバレンタインらしいレシピ。ぜひ挑戦してみてくださいね。
鶏もも肉のロースト オレンジ風味のチョコレートソース
ひとつ目は、チョコレートを使った本格ディナーのレシピです。教えてくださったのは、「現代の名工」にも選ばれた高松国際ホテル 洋食総料理長の松原勉シェフ。
本格ディナーレシピといっても、材料はすべて普通のスーパーで購入できるものばかりです。作り方も簡単なので、ぜひレパートリーのひとつに加えてみてくださいね。
準備する材料はこちら。
詳細な分量や手順は、こちらの記事から。
記事後半では、ホワイトチョコレートを使った苺のムースのレシピも紹介してます。

たこ焼き器で作るチョコレートベビーカステラ
ホットケーキミックスで生地をつくって、たこ焼き器で小さく焼くと、ひとくちサイズのカステラに。その中にチョコレートを入れると、ほどよくとろけてフォンダンショコラ風の仕上がりになりますよ。
基本の生地レシピはこちら。
- ホットケーキミックス …300g
- 卵(M〜Lサイズ)…2個
- 牛乳 …150ml程度
- バター …30g程度
詳細なレシピはこちらから。

炊飯器で作るチョコレートケーキ
板チョコとホットケーキミックスを混ぜて、炊飯器にイン。それだけでフンワリ甘いケーキが完成します。
基本の分量はこちら。
- ホットケーキミックス …200g
- 牛乳 …100ml
- 砂糖(または蜂蜜)…大さじ2〜4杯
- 卵 …2個
- 板チョコ …50g
- バター …20g
- バターかサラダ油 …少々(釜の内側に塗る用)
詳細な作り方はこちらから。
チョコレートの代わりにココアを使ったレシピも紹介しています。

板チョコで簡単ガトーショコラ
面倒なメレンゲ作りはなし。ずっしり濃厚なガトーショコラをホットケーキミックスで手軽に作れるレシピです。
基本の分量はこちら。
- ホットケーキミックス …50g
- 板チョコレート…50g(1枚)
- バター(マ―ガリン)…40g
- 砂糖 …30g
- 牛乳(生クリームでも可能)…大さじ4
- 純ココア…10g
- 卵…1個
- シュガーパウダー
詳細なレシピはこちらから。

計量楽ちん!フォンダンショコラ
ホットケーキミックスと、コンビニでも買える生チョコを組み合わせたフォンダンショコラ。面倒な計量もなく、思い立ったらすぐに作れるレシピです。
基本の分量はこちら。
- ホットケーキミックス…100g
- ココアパウダー…大さじ2
- 砂糖…大さじ1
- 卵(LLサイズ)…1個
- 牛乳…100ml
- バター…10g
- 生チョコレート…6粒
詳細なレシピはこちらから。

2月の自然を表す「ことば」
余寒
余寒(よかん)は、寒が明けてからも残る寒さのこと。
ちなみに「寒」は小寒(二十四節気)から節分までの約ひと月間です。
春の兆しはどこか感じられるものの、まだまだ寒い、そんな季節の変わり目を表すことば。立秋以降も暑い「残暑」に対応する季語でもあります。
寒明けの雨
立春を過ぎたころに降る雨のこと。2月はじめの、まだ冷たい春の雨です。
気温が下がってみぞれ交じりになると「春霙(はるみぞれ)」へと名前が変わります。
梅ふふむ
「ふふむ」は花のつぼみが膨らんでいる様を表すことば。
固く結ばれていた梅のつぼみが柔らかく膨らんで赤みが差し、もう今にも咲きそう……そんな春の兆しを表現したのが「梅ふふむ」です。
東風
東風(こち)は春に吹く風のこと。
陰陽五行において春は東を司るため、春に吹く風は方角に関係なく、まとめて「東風」と呼びます。
そのため「東風」には春の様々な事象や時間などと組み合わせて、多くのバリエーションが存在します。
朝に吹く風は「朝東風」、吹き荒れる風は「荒東風」、雨交じりなら「雨東風」。
椿が咲いている時期に吹く風なら「椿東風」、桜が咲いている時期なら「桜東風」。
ほんの一例ですが、このように「東風」は早春から晩春にかけて長く使われる季語です。
今月のアンケート
みんなの暮らし聞いてみました! \こんなとき、どうしてる?/
わざわざ聞かない。聞けないけど、ずっと気になっている日常生活のアレコレ…「そういえば、みんなどうしてる?」をリサーチしてお届けします!
今月のお題は「外食」
みなさんは普段、どのくらい「外食」をしていますか?
生活スタイルの変化や物価上昇などにより、外食の頻度や店舗選びの重視ポイントにも変化が出てきているようです。
今回は「外食」についてお聞きします。
回答期限:2025年2月20日(木)
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先月の「年賀状」の集計結果をみる
郵便はがきの値上げに伴い「年賀状じまい」の動きが加速しています。費用や作成の負担を感じる一方で、年賀状特有の良さを感じている人もいると思います。
皆さんの年賀状事情についてお聞きしました。
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次回の「くらしの歳時記」は3月・弥生編。お楽しみに!
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