マンションの修繕積立金、目安はいくら?内容と注意点を確認しよう

マンションの修繕積立金

マンションに住むとなると、本体価格のお支払いとは別に、月々「管理費」「修繕積立金」といった固定費が必要となります。
これからマンション購入を検討される方、現在お住まいの方、「管理費」「修繕積立金」の項目について、内容をきちんと確認していますか?

これらは10年後20年後のマンションの状態に直接関わってくる大切な費用です。「支払いは安い方が良い」と考える方も多いかと思いますが、これらの項目についてはそういうわけでもありません。
今回はマンションの固定費の中でも、「修繕積立金」とはどのようなものか、相場や現状についてお伝えいたします。

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1.修繕積立金は、マンションのメンテナンスや修繕工事の資金

1-1.修繕積立金の目的

修繕積立金とは、長い期間マンションを維持していくために、マンションのメンテナンスや修繕工事に充てる費用のことです。マンションで長く快適に過ごすためには、10年20年と建物が老朽化していく中で定期的なメンテナンスや修繕を行う事が大切になってきますので、区分所有者全員にて毎月決まった金額を積み立てていきます。
大規模な修繕工事等、まとまったお金が必要な際に、突発的な支出を防ぐためにも定期的に徴収しているのです。

1-2.修繕積立金と管理費は使い道が違う

分譲マンションに住んだ場合、毎月徴収される費用には、「管理費」「修繕積立金」の大きく分けて2つあります。簡単に説明すると、このような内容の費用です。

管理費
マンションを維持していくための費用(共用部の電気代・水道代、定期清掃、植栽管理、管理人さんの人件費、通信費 等)
 
修繕積立金
マンションを修繕するための費用(共用部の修繕工事、定期的なメンテナンス等)

使い道は違いますが、どちらもマンションを長く良い状態で維持していくために大切な費用です。
今回は「修繕積立金」について詳しく説明していきますが、それぞれが何に対して使われているお金なのかをしっかり理解しましょう。

管理費については、こちらの記事を参考にしてください。

「マンションの管理費とは?」賃貸も分譲も、入居後に必要なお金について解説します

1-3.入居時には、まとまった金額の修繕金が必要(修繕積立「基金」)

修繕積立「基金」とは、新築でマンションを購入した時にかかるお金です。使用目的としては修繕積立金と一緒ですが、お引渡し時にまとめて支払う費用となります(物件にもよりますが、20~50万円程)。

マンションで10~15年おきに行われる大規模修繕の備えとして修繕積立金を毎月徴収しますが、その毎月の額を抑えるためや、築年数が浅い時の突発的な修繕のために、新築マンションの場合では、修繕積立基金としてまとまったお金を最初に集めることが多いようです。


2.マンションの修繕積立金の相場とは

2-1.「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」からみる適正金額の目安

修繕積立金の目安は、2011年に国土交通省が発表したマンションの「修繕積立金に関するガイドライン」を参考に考えていくことができます。

「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」とは

修繕工事費が不足するといった指摘等を背景に、マンションを維持していくために、修繕積立金に関する基本的な知識や修繕積立金の額の目安を示したものです。

ガイドラインの目的

主として、新築マンションの購入予定者向けに、修繕積立金に関する基本的な知識や修繕積立金の目安を示し、修繕積立金に関する理解を深めていただくとともに、修繕積立金の額の水準について判断する際の参考材料として活用していただくことを目的として作成したものです。

国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」より

適正金額の目安

下の表は、月々に積み立てる一戸当たりの修繕積立金の目安を表したものです。

専有面積当たりの修繕積立金の額

階数・建物延床面積平均値事例の3分の2があてはまる範囲
15階未満5,000㎡未満218円/㎡・月165~250円/㎡・月
5,000~10,000㎡202円/㎡・月140~265円/㎡・月
10,000㎡178円/㎡・月135~220円/㎡・月
20階以上206円/㎡・月170~245円/㎡・月

機械式駐車場の1台あたりの修繕工事費

機械式駐車場の機種機械式駐車場の修繕工事費(1台当たり月額)【A】
2段(ピット1段)昇降式7,085円/台・月
3段(ピット2段)昇降式6,040円/台・月
3段(ピット1段)昇降横行式8,540円/台・月
4段(ピット2段)昇降横行式14,165円/台・月

お部屋の面積(専有面積)×平均値で目安となる金額を出すことができます。
また、機械式駐車場がある場合は、プラスで(【A】×台数÷総戸数)の金額を加算します。
例を挙げるとこのようになります。

■13階建50戸、専有面積70㎡、平均値202円、機械式2段(30台)の場合

(202円×70㎡)+(7,085円×30台÷50台)=18,391円/月

目安の幅としては14,051円~22,801円/月

※上記はあくまで目安となります。建物の形状や規模・立地、仕上げ材や設備の仕様に加え、工事単価、区分所有者の機能向上に対するニーズ等、様々な要因によって変動します。
 提示されている修繕積立金が上記の表の目安に収まっていないとしても、その金額が不適切と判断されるわけではありません。長期修繕積立計画の内容や修繕積立金の設定方法等、事前にしっかりチェックする事が大切です。

検討されているマンションの修繕積立金と、全然金額が違う!と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、新築マンションの場合、徐々に金額を上げていく方式をとっていることが多いのです。詳しくは、第3章で説明いたします。

2-2.修繕積立金の見直しは管理組合で決められる

分譲マンションの修繕積立金の徴収方法で、徐々に積立金額を上げていく方式(段階増額積立方式)をとっているマンションが多くあります。しかし修繕積立金の徴収額は勝手に上がるわけでは無く、「管理組合」の話し合いの中にて決められます。
※管理組合…建物の区分所有者によって結成される団体(マンション所有者の自治体のようなもの)

管理組合は、長期修繕積立計画に基づき運営を行っています。多くは5年ごとの見直しで、実際に増額するかしないかの判断は所有者の方が集まる総会で決めていきます。
増額する金額については長期修繕積立計画に基づき話合いが行われ、基本的に普通総会にて過半数の賛成で議決されます。長期修繕積立計画にて具体的な金額(例えば、70~80㎡のお部屋で2000~4000円程度※)が出ていますが、あくまで金額を決めるのは所有者の方々なのです。
※マンションの規模や平米数、機械式駐車場・タワーパーキングの有無により加算額は様々です。


3.修繕積立金に関する注意点

積立方式

3-1.積立方法は段階増額積立方式・均等積立方式の2種類

2章でも少し触れたように、修繕積立金の徴収方法には、「段階増額積立方式」「均等積立方式」の2種類があります。
それぞれこのような特徴があります。

段階的に徴収額が上がる段階増額積立方式

段階増額積立方式は、文字通り段階的に徴収額が上がる方式です。
ほとんどのマンションがこの方式を採用しており、マンション購入時は修繕積立金の額を抑えて設定されていることが多いです。

メリット
新築の場合、入居時の月額負担を抑えることができます。
また、数年で売却を考えている人にとっても「その時の所有者にて必要な金額を徴収する」という方式なので、負担になりにくくなります。
 
デメリット
入居当初の資金計画より上がっていくので、その都度家計の見直しが必要となります。
また、計画的に増額に踏み切れないと、修繕積立金が不足してしまう可能性も出てきます。

毎月の金額が変わらない均等積立方式

長期修繕積立計画中、毎月の金額が変わらないのが均等積立方式です。

メリット
長期間負担金額が変わらないので、資金計画を立てやすいです。当初から一定の金額を徴収するので、段階方式のように上がらなかったら足りなくなる!という心配がいりません。
 
デメリット
一定の額を決めているため、突発的な修繕で万が一増額が必要になった時に、金額を上げることが難しい可能性があります。値上げが難しいと、一時金を支払うこととなるリスクも生まれます。

現在は、「段階増額積立方式」を採用しているマンションが多いですが、国土交通省は、安定した金額を徴収できるということから、「均等積立方式」を推奨しています。

3-2.修繕積立金が低すぎる・高すぎるマンションは要注意

実際には、修繕積立金が不足しているという指摘が多数報告されています。
そのため、物件の購入を迷っているときに、月々の支払いが安いからという理由で決めてしまうのは注意してください。当初は安くても、修繕積立金が上がる可能性は十分にあります。また、当初が安い→増額に踏み切れない→大幅に足りなくなるという事態になってしまうと、マンションを維持するのも難しくなってしまいます。
また、あまりにも高すぎると、マンションの修繕以外の事に使われている可能性もあります。

マンションの規模も様々なので、「低い」「高い」の定義は難しいですが、周りのマンションと比較してみたときに、あれ?と思われる金額であれば、どうしてこの金額なのかを管理会社にて確認してみると良いかもしれません。
マンションの資産性は管理体制と適切な修繕によって決まります。管理費・修繕積立金が低すぎる・高すぎるマンションは注意が必要かもしれません。

3-3.予期せぬ修繕費の変動にも注意が必要

計画的に増額されるのが基本ですが、中には急な修繕が必要になることもあります。
急な修繕の要因としては、このようなものが挙げられます。

  • 建物、設備の経年劣化
  • 駐輪場が足りないので数を増やす
  • 宅配BOXを設置する
  • エレベーターの入れ替え  等

そうした事態になった場合、このような対策が取られます。

  • 修繕積立金の金額を上げる方法
  • 一時金としてまとまった額を徴収する方法 等

急に大きな支払いが発生するのを防ぐためにも、毎月の積立は重要になってきます。

3-4.中古物件購入時は修繕状況・修繕計画を確認しよう

中古物件を購入する時は、過去の修繕履歴や修繕積立計画を確認するようにしましょう。積立金の滞納の有無や、近々大規模修繕を控えている時期だと金額が一気に増額したりする可能性もあります。
マンションの規模が様々なので、金額がいくらの物件は危ない!と線を引くことは難しいですが、購入前には管理会社や管理組合に長期修繕積立案や修繕履歴を提示してもらい、運営状況が大丈夫かどうかしっかり確かめておきましょう。

管理費も含め、マンションを維持するためのお金が適切に集められ使われているか、購入前に確認することが肝要です。

3-5.払った修繕積立金は返ってこない

マンションを売却する時でも、一度支払った修繕積立金は手元には戻ってきません。管理費についても然りです。
理由は、マンションの運営に関わってくるからです。修繕積立金や管理費は管理組合へ支払われ、その時点で管理組合の財産となります。これは管理規約にも定められており、マンションを維持していくための大切な資金となりますので、退去するからといって返ってくるものではないのです。

もし滞納をしたまま売却をすると次の区分所有者に請求されます。しかしその所有者は前回の区分所有者に請求を求めることができます。トラブルを避けるためにも、決められた金額をきちんと支払うようにしましょう。


4.まとめ

修繕積立金はマンションを購入すると毎月掛かってくる費用です。メンテナンスや修繕工事のために必要な資金で、将来的なマンションの資産性を保つためにも重要になってきます。
目安の金額や注意点等をしっかり理解した上で、検討するマンションの修繕計画の確認も行うようにしましょう。

こちらの記事でも、修繕積立金と管理費の違いや、これらの金額が実際の生活に与える影響について詳しく解説しています。ぜひマンション選びの参考にしてください。

分譲マンションの「管理費」と「修繕積立金」のすべて

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