クーラーやエアコン、ヒーターといった室温調節家電は、暑い夏や寒い冬を快適に過ごすための必須アイテムですよね。手軽で便利なエアコンですが、案外効きムラを感じたりしませんか?
実は筆者もその一人です。
そんな問題を解決してくれるのがサーキュレーターです。サーキュレーターを冷暖房と併用することで、部屋全体をまんべんなく快適な温度にすることができますよ。
扇風機をサーキュレーター代わりとして空気を循環させているという方もいるかと思いますが、それは間違った使い方。サーキュレーターは、扇風機と見た目は似ていますが、生み出す風の性質が異なります。
扇風機は幅広く拡散する風で、基本的に人に風を当てるために使います。一方、サーキュレーターは狭い幅で直進する風で、人に当てず、室内の風を循環させる使い方に適しています。
つまり、そもそもサーキュレーターと扇風機は用途が異なるということです。
今回は、サーキュレーターの効率のよい使い方からあっと驚く使い方、さらにはサーキュレーターの選び方までをご紹介いたします。正しい使い方を守って、より快適なお部屋を作りましょう!
1. 〈季節で異なる〉サーキュレーターの効果的な設置方法
暖かい空気と冷たい空気の特性が異なるため、サーキュレーターは、季節に応じて設置場所を変えると室温を均一に保つ効果が上がります。
この章では、夏と冬に分けて設置方法をご紹介いたします。
1.1 〈夏〉冷房編
冷たい空気は下におり、たまる特性があります。冷房を上手に使うには、この下にたまった冷気を上手に循環させることが大切です。冷たい空気を下から上に流れるようにするために、エアコンと対面する壁にサーキュレーターを置き、エアコン下の壁に空気を流すように設置します。こうすることで、下にたまっている冷気が壁にぶつかって上に向かい、上にたまっている暖かい空気が押し出されるようにして天井や壁を伝って下りてきます。その結果、エアコンの冷気がスムーズに循環します。
1.2 〈冬〉暖房編
暖房の設定温度を上げても足元は冷たいまま、という経験をされた方もいらっしゃるかと思います。暖かい空気は天井付近、上部にたまる特性があるため、サーキュレーターの風を使って暖気を下におろし、効率よく空気を循環させる必要があります。暖かい空気が上から下に流れるようにするために、エアコンの下にサーキュレーターを置き、対面の壁に向かって風を押し出します。暖かい空気が対面の壁に届くと、そこから壁を伝って上昇していくので、上にたまっていた空気は押し出され、エアコンから再び下に吹き出されます。そうすることで、よりスムーズな空気循環が生まれます。
サーキュレーターの置き場所や風向きは、部屋の状況によって変わってきますが、エアコンから吹き出す空気の流れを妨げないようにすることが重要です。窓やエアコンの位置、家具の位置などを確認し、スムーズに空気が動くよう、最適な置き方を検討してみてくださいね。
2. 他にも大活躍!サーキュレーターの便利な使用方法
室内の空気を循環させ、室温を均一にする役割以外にも、サーキュレーターには便利な使い方があります。目的別にいくつかご紹介いたしますので、是非参考にしてみてください。
2.1 洗濯物の乾燥
「雨の日や梅雨の時期に部屋干しをしたいけれど、乾きにくいから困る…」とお悩みの方はいませんか?そんなときに役に立つのがサーキュレーターです。
扇風機は、横には首をよく振れますが、上方向に向くことはあまりできません。しかし、サーキュレーターは上下方向にも首振りできるものが多く、部屋干しの時に洗濯物に風向を向けて配置していると、直接洗濯物に風を当て水分を飛ばすことで、いつもより早く乾かすことが可能です。なお、タイマー付きのサーキュレーターであれば、数時間タイマーをかけておくだけで洗濯物が乾くので、外出時等にとても便利ですよ。
2.2 お部屋の換気
サーキュレーター利用の主な目的は、室内の空気を循環させることです。つまり、部屋の中の空気をかき混ぜるだけではなく、部屋の空気と外の空気の循環もスムーズに行えます。2つの手順で効率よくお部屋の換気が可能なので、是非試してみてくださいね。
- サーキュレーターの置き場所を窓側にする。
- 外の風が室内に入ってくるように部屋の内側に向けてサーキュレーターを設置する。
※一見窓の方へ向き、部屋の中の空気を外へ逃がすのが良いような気がしますが、実はこれは違います。サーキュレーターは、後ろの空気を吸い込み、その空気を前へ放出する機能がある家電製品なので、窓側に置き、外の空気を部屋の中に取り込むようにすると換気も早くなります。
2.3 梅雨の“湿気対策”や冬場の“窓の結露の軽減”
◇湿気対策
じめじめと湿っぽい梅雨。外出するのがおっくうな季節だからこそ、湿気対策を万全にして、家の中はさらっと快適な空間で過ごしたいものです。なんと、サーキュレーターの強力な風は湿気対策にも向いています!
空気が滞りやすい天井に向けてサーキュレーターを使用することで、部屋の空気が循環し、効率よく除湿をすることができます。主に湿気のこもりやすいお風呂場、押し入れの中、クローゼット、湿気やすい部屋など、湿気が気になる場所にサーキュレーターを置き、除湿機と併用することで効果を高めましょう。
お部屋の湿気対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
合わせて参考にしてください。
◇窓の結露の軽減
冬に部屋の窓に結露ができて、窓際が水浸しになってしまうことがよくありますよね。冬場、外の気温が非常に低いときに、部屋の中の温度をエアコンやストーブなどで上げると中と外の温度差で窓に結露ができます。しかし、サーキュレーターの置き場所を結露のひどい窓の前に配置し、窓付近で空気の停滞を起こさないようにすれば、少しは予防が可能です。なお、カーテンがあると空気の流れを遮断してしまう恐れがあります。カーテンを開けてより効果的に結露を予防しましょう。
窓の結露の対策は、こちらの記事でも詳しく解説しています。
合わせて参考にしてください。
※使用上の注意※
- あくまでも空気循環アイテムとして使う
そもそもサーキュレーターは、冷暖房器具ではありません。あくまでも部屋の空気を循環させ、湿度や温度を一定に保つためのツールとして利用されることをおすすめいたします。正しく使用しないと効果が得られない場合がありますので、ご注意くださいね。 - 小さな子どもがいる家庭では、手の届かない場所に設置しよう
海外製の製品や、日本の一部のメーカーの製品のなかには、サーキュレーターのファンを囲っている格子(外側の部分)の目が粗いものもあります。こういった製品の場合、幼児が指を入れてしまったり、衣類を巻き込んでしまったりすると非常に危険ですので、使わないようにするか、手の届かない場所に設置するなどの配慮が必要です。
3. サーキュレーターはこうやって選ぶ!5つのポイントをご紹介!
3.1 風音を確認しよう!
扇風機やパソコンのファン、他家電のモーター音などもそうですが、高速で回転する音というのは、意外と気になるものですよね。静音モデルとして販売されているものでも、実際に使ってみると意外とうるさかったということもよくあるようです。
心配な方は、口コミやレビューを見たり、直接販売している店舗へ伺い、実際の音の大きさを確認しましょう。
3.2 洗濯物の乾燥や扇風機代わりに使いたいなら首振り機能付きを!
空気循環の邪魔になるため首振り機能を搭載していないものも多いですが、衣類乾燥や扇風機代わりに使いたい時には、ぜひ押さえておきたい機能です。風をまんべんなく当てることで洗濯物が乾きやすくなりますし、生乾きも防ぎやすくなります。エアコンなどと併用して部屋干しをしたい方は、首振り機能付きを選んでみてください。
3.3 切り忘れ防止にはオフタイマー機能が便利!
睡眠時やお出かけ前のスイッチの切り忘れを防止してくれるのが、オフタイマー機能です。特に洗濯物を乾かしたい時など、うっかりつけっぱなしで過ごしてしまうのを防ぐのにも役立ちますよ。運転時間を限定することで節電にもなります。
3.4 お手入れのしやすさも忘れずに!
ホコリを吸い込みやすいサーキュレーターは、定期的にお手入れが必要です。そのため、カバーや羽根が取り外せるものがおすすめです。羽根の部分にはホコリが貯まりやすく、取り外さないとお手入れすることが難しい部位でもあります。ホコリを溜めたままでは、サーキュレーターの寿命も短くなってしまいますので、楽にお手入れができるものを選べるといいですね。
3.5 リモコン付きでより便利に!
リモコンがあれば、風力調整、首振り機能、タイマー調節などの機能をらくらく操作できます。 広い場所での使用に便利なことはもちろん、寝室でも手元で操作ができるため、電源の切り忘れや強風モードのまま就寝することを防げます。
4. まとめ
サーキュレーターは、部屋全体をまんべんなく快適な温度にしてくれる機能以外にも、様々な使い方ができます。また、用途に応じて設置方法も異なります。どの機能を優先するのか、好みと照らし合わせながら、ベストパートナーを見つけてくださいね。そして、より快適な暮らしづくりのお役に立てれば幸いです。
サーキュレーターなどを使ってエアコンの運転効率を上げると、光熱費の節約にも繋がります。エアコンの上手な使い方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
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