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【中古マンション選び】業界歴20年のプロが厳選!見逃してはいけない物件のチェックポイント

中古マンション市場には、様々な築年数、間取り、規模の物件が溢れています。
その中で、後悔しないですむ住宅購入をするには、どのような物件選びをすると良いのでしょうか?

住宅購入は生涯のうち、そう何度も経験できるものではありません。そのため、中古マンションを探すのに何を重視すれば良いかを経験で知ることは難しいものです。

筆者は日常業務で中古マンションの購入・売却を業務としていますが、様々な物件の取引に携わってきた経験から申し上げると、中古マンション選びでは「資産価値が落ちにくく、手放そうとしたときに早く売れる物件」であることを意識すると失敗しにくくなります。

この記事では、なぜ中古マンション選びで資産価値が重要なのかと、資産価値が落ちにくく売りやすい物件を選ぶために最低限見逃してはいけないチェックポイントを、20年不動産取引を経験してきたプロの目線から厳選して2点解説します。
もちろんこの2点以外にも、自分の叶えたい暮らしに合っているかどうかという視点からの検討も必要なのですが、最低限気にしておいて欲しい物件のチェックポイントとして、あなたの中古マンション選びの参考としてください。


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中古マンション選びに「資産価値」が重要な2つの理由

中古マンションに限ったことではありませんが、住まい選びでは、資産価値が下がりにくい物件を選んでおくと失敗しにくくなります。

これには2つの理由があります。

[1]住み替えに備えて、次の住宅購入に合わせて「早く売れる」物件であることが重要

住まいを買った後も、家族の状況は常に変化します。子供が増えたり独立したり、転勤や退職で住みたいエリアが変わったり……。そのため、住まいは「一生に一度の買い物」から「ライフステージに合わせて、今適した家に住み替えるもの」に変化してきています。
中古マンションは新築に比べて価格が手頃だったり、すぐに入居できる物件も多かったりといった理由で、この住み替えのときに検討されることが多い住宅タイプです。

住み替えが珍しくなくなった今の時代、購入する住まいは、できるだけ早く売れる物件であることが重要です。それは、住み替えのときには今の住まいを売却して次の住宅購入や新生活の資金に充てる必要が出てくるためです。
資産価値の高い物件であれば、買い手が早く見つかるため、スムーズに住み替えを行うことができます。

[2]住宅購入=資産形成。売却時に「より良い条件で換金できる」物件であることが重要

住宅購入は高いお買い物です。お金をかける以上は、住まなくなったときにはそれ以上の価値を生み出してもらいたいものです。住み替えするときや、親族に相続することになったときにそこに住まないという選択をした場合でも、資産価値の高いマンションであれば、より良い条件で売却することができます。

このように、中古マンションを選ぶときには資産価値の高い物件を選んでおけば、将来住み替えの妨げにならないだけでなく、不測の事態にも備えやすくなるのです。

中古マンションならではの、資産価値を左右する2つの要因

資産価値に影響する住まいの条件はたくさんあります。
よく言われるのが立地や建物の規模、間取りの使いやすさなどですが、これは実際に住む以上、資産価値よりも「自分が暮らしやすいかどうか」を優先するべき条件です。こういった条件も、資産価値の観点から見て一般的な評価はつけられるのですが、その評価は選ぶ人の事情や好み、価値観の変化でも変わってしまいます。

そこで、どんな場合でも評価が変わらない住まいの条件の中で、特に中古マンションを選ぶときに気をつけておいてほしい条件として筆者が選ぶのは、この2つです。

    1. 法的に合致している建築物かどうか?
    2. 管理状況がどうなっているか?

筆者が中古マンションを査定するときには、どんな物件でも必ずこの2つは確認しています。
違反建築物であったり管理状況が悪い物件は、次の人が買いにくい「安くないと売れない」「売れるまでに時間がかかる」物件となり、資産価値を下げる要因となってしまうからです。

次の章から、この2つの条件について詳しく解説します。


[資産価値を下げる中古マンションの条件1]法的に合致していない建築物である

中古マンションを検討するにあたって、まず確認しておかなければいけないことが「法的に合致している建物かどうか」です。

そもそも、マンションを建築するためには、建ぺい率・容積率・接道状況・外観・高さ等様々な規制があり、その規制をクリアしてはじめて建築することができます。
しかし、マンションによってはこの規制をクリアできていない物件が存在します。
規制をクリア出来ていない物件はこの2種類に分けることができます。

  1. 既存不適格建築物
  2. 違反建築物

この中で特に注意しないといけないのが【違反建築物】です。

※既存不適格建築物とは

既存不適格建築物は既に建築されている物件のうち、建築当時は問題なかったのですが、その後の法改正や道路の拡張などにより、基準を満たさなくなった建築物です。
改築・増築・建直しを行う場合には必ず現行法の基準を満たす必要がありますが、既存不適格建築物はそのままで売買して住み続けることができます。

違反建築物となるマンションの例

違反建築物って本当にあるの?販売されていることなんてあるの?と疑問に思われるかもしれませんが、古くからマンションが建てられてきた大都市圏内には意外とよく見かけます。
ではどのような物件が違反建築物になるか、その例を挙げてみます。

  • 敷地の一部を第三者に売却したことにより、建蔽率、容積率がオーバーしている
  • 1階ピロティ、駐車場を店舗や住居などに改築している
  • 敷地内に別の建物を建築している

事例で見ると、結構ありそうだと感じるのではないでしょうか。

ただし、上記のような行為をおこなっていたとしても、事前に行政機関から許可を受け、工事完了後の検査に合格していれば全く問題はありません。
許可を取ること無く勝手に工事をおこなう、あるいは、検査に合格していない建築物が違反建築物になります。

違反建築物は罰則や是正義務が課せられ、「買いにくい」物件に

違反建築をおこなったことが発覚した場合には、罰金等の罰則が適用されることがあります。また、行政指導により是正工事も行わなければなりません。
買っても工事をしなければならないとなると、このようなマンションは当然、誰もが欲しいとは思わないでしょう。購入希望者が少ないということは、つまり資産価値を下げてしまうことに繋がります。

また、このような違反建築物の場合には、住宅ローンを利用することがほぼできないのも大きなデメリットです。ローンが組めないことで、資金の問題から、さらに購入できる人が限定されていしまいます。

違反建築物の見分け方

その建物が違反建築物かどうかを見分けるには、「台帳記載事項証明書」「建築概要書」の2つの書類を確認します。いずれも、仲介の不動産会社に依頼すれば確認させてもらえます。

[1]台帳記載事項証明書で審査を合格していることを確認

「台帳記載事項証明書」は建築確認済証や検査済証の番号や交付年月日が建築確認台帳に記載されていることを証明する書類で、各役所の建築指導課で発行してもらうことができます。この証明書には「建築確認番号及び日付」「検査済証番号及び日付」などが記載されています。

「台帳記載事項証明書」に下記の2つの記載があれば、「建築当時」はきちんと行政機関の審査を合格した、法的に合致した建物である証明となります。

建築確認番号
地方自治体の行政機関である建築主事、あるいは建築確認を行なった民間の指定確認検査機関が審査をして、建築確認を終えた建物に発行される番号のこと。
 
検査済証
建築物およびその敷地が、建築基準関連規定に適合していることを証明する文書。工事完成後、検査に合格すると発行される。

建築確認番号と検査済証が出ていれば安心というわけではありません。検査を受けている当時と現在の状況が変わってしまっている場合もありますので、合わせて建築概要書と現在の状況を比較しておくことが大事です。

[2]建築概要書で審査時の情報を確認

台帳記載事項証明書と同様に、各役所より「建築概要書」という書類が発行されます。「建築概要書」とは、行政機関に審査を提出した建築内容の概要が記載されたものです。
土地の面積や建物の概要が記載されておりますので、現在の状況と相違がないか確認しましょう。

相違がでている場合は、検査後に違反建築となってしまっている可能性があります。相違の理由について不動産会社に調べてもらい、違反建築物になっていないかどうか確認してもらいましょう。


[資産価値を下げる中古マンションの条件2]管理状況が悪い

マンションは管理が重要と言われています。
なぜ管理が重要かというと、このような理由が挙げられます。

  • 建物の修繕がきちんと行われていないと建物寿命が短くなる
  • 集合住宅という特徴のため、住民同士でのトラブルがないよう、きちんとしたルール作りが重要

管理が行き届いているマンションは、住み続けられる期間が長く、安心してくらすことができるため、資産価値が落ちにくい物件といえます。

この章では、中古マンションの管理状況を見極める3つのチェックポイントを解説します。

[管理状況のチェックポイント1]修繕履歴が保存されていて、問題がない修繕内容か

きちんと管理されているマンションでは、過去にどのような共用部分の修繕がなされているかが、記録として残っています。
ただし、共用部分の修繕履歴がきちんと記録されているからといって安心はできません。なかには、外壁からの漏水が頻繁に起こっており、修繕履歴として記載されていることがあります。

マンションの構造はコンクリート内に鉄筋を配した鉄筋コンクリート造が一般的です。
鉄筋コンクリート造は、非常に強度の高い構造ではありますが、雨水に対しては非常に弱い性質があります。漏水が頻繁に起こってしまうと、コンクリートは中性化が進み、鉄筋は酸化によって腐食が進み強度が落ちてしまいます。

つまり、漏水を繰り返しているマンションは建物寿命が短くなってしまいます。そもそも、漏水を繰り返しているのがわかっているマンションは、ほとんどの方が欲しいとは思わないですよね。

このようなことから、修繕履歴は資産価値を大きく左右しますので、内容までしっかり確認しましょう。

[管理状況のチェックポイント2]管理方式も一つの判断材料に

管理方式には次の3つがあります。

  1. 全部委託
  2. 一部委託
  3. 自主管理

管理会社にマンションの管理を委託する「全部委託」あるいは業務の一部を委託する「一部委託」の物件が多いのですが、自分達で管理している「自主管理」物件もあります。

自主管理物件は特に管理状況のチェックが必要

筆者の経験上、「自主管理」の物件は注意が必要です。
もちろん「自主管理」の物件全てが悪いわけではありません。管理に対しての意識が非常に高く、きちんと管理されている物件もあります。しかし、自分たちだけで管理しているために、このような問題を抱えた「自主管理物件」も多いというのが現状です。

  • 長期の修繕計画がない
  • マンションで生活していくためのルール「管理規約」の内容が不十分
  • 定期的に修繕がされていない

また、自主管理の場合、所有者皆さんで管理していかなければいけませんので、管理費や修繕積立金の管理、共用部分の修繕手配など、手間が増えてしまいます。
逆に、管理会社に委託されている物件全てが安心という訳ではありませんが、比較的きちんと管理されている物件が多いため、良いかどうかの判断材料の一つとして、管理会社が入っているかどうかをまずは確認しましょう。現在の所有者に、実際の管理状況がどうなのか、管理会社の対応などを尋ねてみるのも良いかもしれませんね。

[管理状況のチェックポイント3]重要事項調査報告書を確認しよう

修繕履歴や管理方式は管理会社から発行される「重要事項調査報告書」に記載されています。
販売を委託されている不動産会社は管理会社より「重要事項調査報告書」を取得していますので、確認することができます。

また、重要事項調査報告書には、修繕履歴や管理方式以外にも重要な内容が記載されています。

  • 管理費、修繕積立金の月額及び改定予定の有無
  • マンション全体の修繕積立金の貯蓄額及び滞納額
  • ペットの飼育可否、室内演奏の規定、リフォーム規定の概要

などは重要な項目になります。

管理費や修繕積立金の値上げが予定されているかどうかは当然重要ですが、その他にも滞納額がいくらあるかの確認も必要です。滞納額が多いということは、予定されていた積立金が貯蓄できず、定期的な修繕ができなくなってしまう可能性があります。
また、ペットの飼育や室内演奏の規定などは生活するにあたり守らなければならないルールがきちんと定められているかどうかも管理体制を判断する材料になります。


まとめ

今回は資産価値の観点から、中古マンションを実際に取引する時に見逃してはいけないチェックポイントを2つ紹介しました。

  1. 違反建築物でないか
  2. 管理状況が悪くないか

今回挙げた2点のうち、違反建築物かどうかは、資産価値に大きな影響を及ぼす項目ですが、現地を見て判断できるようなものではありません。そのため、検討初期に不動産業者を通じて書類を確認してもらっておくことをおすすめします。

2番めの管理については、一般的にもよく言われるように、とても重要です。
何度も申しますが、マンションは共同住宅なので、共用部分が存在します。共用部分の維持管理は所有者全員で行う必要があり、維持管理が徹底されていなければ建物寿命が短くなってしまい、大きく価値を下げてしまいます。また、一つの建物で多くの方が生活しているため、快適に生活するためのルール(管理規約)が定められています。そのルールがあいまいだとマンション内の秩序が守られず、価値を下げてしまう要因になってしまいます。

今回挙げた2点の他にも、中古マンションの資産価値を決める重要ポイントはたくさんあります。
中古マンションに限らず住宅購入は生涯のなかでも高額なお買い物になります。失敗しないためにも、見落としのないよう、物件の条件をしっかり確認しましょう。

資産価値が高い=誰もが住みたいマンション!プロが教える、資産価値が落ちにくい物件の条件
マンション購入を検討する際、物件の住み心地や価格だけでなく、資産価値が高いかどうかも重要です。この記事では、プロの視点から資産価値の落ちにくいマンションの条件を解説します。また、都心部と地方都市で変わる資産価値の評価基準についても筆者の経験を元に説明しています。

これからマンション購入を検討されている方へ

初めてのマンション購入。
たくさん手続きがあって不安になることがあると思います。
マンションという大きな買い物だからこそ、ミスなく・不安なく・効率よく、そしてお得に、購入手続きを進めたいですよね。

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