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お金・住宅制度

マンションの管理費が払えない!滞納した場合の対応方法を解説します

分譲マンションを所有するには「管理費・修繕積立金」の負担が必要となりますが、さまざまな事情によって支払いが滞ってしまう人もいます。
近年は新型コロナウィルスの影響もあり、以前より管理費・修繕積立金を滞納されているマンションが増えているのではないかと感じています。
では、管理費・修繕積立金の負担が苦しく、滞納してしまった場合、どのような事態になるのでしょうか?今回は、管理費・修繕積立金を滞納した場合の流れと対策について解説いたします。


管理費・修繕積立金を滞納した場合、家を失ってしまう可能性がある

住宅ローンや税金は滞納してしまうと、最終的には家を失ってしまうかも、と思われている方は多いと思います。実は管理費・修繕積立金を滞納してしまった場合も同じように、家を失ってしまう可能性があります。

滞納して家を失ってしまう場合の流れ

管理費・修繕積立金の滞納が起きた場合の流れを詳しくご説明します。

管理費を滞納した場合の流れ

1. 滞納状況の確認・督促

滞納が起きると、まず管理組合で状況の確認・督促などの対応が行われます。具体的にはこちらのような対応が行われます。

滞納状況を把握する

多くのマンションでは、管理組合の事務を管理会社に委託しており、契約による滞納状況報告が行われるのが一般的です。管理組合の理事による協議会(理事会)では、滞納状況の把握後、法的手続きを含めた対応が協議・検討を行っていきます。

電話、書面や訪問などによる督促を行う

前述の協議・検討と並行して管理会社や管理組合から、未払いになっている管理費・修繕積立金について電話や文書、自宅への訪問などによる督促があります。滞納が解消されないと内容証明郵便による支払いの催告が行われることもあります。

総会で滞納についての報告が行われる

管理組合は少なくとも年に1回、区分所有者の集会(総会)を開催しています。総会の中で年間の収支報告があり、その中で滞納が発生している状況等の報告がなされます。また、今後の法的手続きをおこなうかどうかの対応方法についても協議されることがあります。

2. 管理組合による法的対応

電話、文書や訪問による督促を続けても滞納が続いている場合には、法的手続きに進む可能性があります。
法的手続きはいくつかあります。

支払督促

管理組合からの裁判所への申し立てにより、滞納者に未払いについての支払いを求める手続きになります。
書類審査の結果、裁判所にて請求が認められたにもかかわらず、滞納者側から異議申し立てがなく、また支払いにも応じなかった場合に、管理組合側は仮執行宣言の申し立てをすることができますので、これに基づいて、財産などが差押えられてしまう強制執行の手続きへとなっていきます。

少額訴訟

60万円以下の金銭の支払いを求める場合に限り利用できる簡易な訴訟手続きで、原則として1回の審理で判決となる訴訟手続きです。少額訴訟は同じ裁判所に申し立てできる回数が年間10回までと定められています。裁判所は、判決において被告の資力その他の事情を考慮して、支払猶予、分割払い、訴え提起後の遅延損害金の支払い免除などを命じることができます。判決の結果、裁判所にて請求が認められたにもかかわらず、滞納者側から異議申し立てがなく、また支払いにも応じなかった場合には同じく強制執行へとなっていきます。

通常訴訟

少額訴訟では対応できない場合などは、通常訴訟となります。
判決の結果、裁判所にて請求が認められたにもかかわらず、滞納者側から異議申し立てがなく、また、支払いにも応じなかった場合には、同じく強制執行へとなっていきます。

3. 強制執行・競売

法的手続き後、それでもなお、未払いが続いている場合には、銀行口座や保有資産などを差押える強制執行手続きや担保不動産を強制的に売却してしまう競売手続きがあります。

このように、管理費・修繕積立金の滞納を続けてしまった場合、最終的には競売手続きによって家を失ってしまう可能性があります。

家を失う以外にも滞納のリスクはある

前述したように管理費・修繕積立金を滞納し続けると、最終的に家を失うことになりかねません。では滞納し続けても法的手段を進む前に滞納を解消すれば問題ないのか?というと、そうではありません。支払いまでの遅延損害金や違約金を支払わなければならない負担も強いられることになりますし、以下のような「家を失う」以外のペナルティ等があります。

駐車場や駐輪場が使えなくなる可能性がある

一般的に分譲マンションの駐車場は、管理組合と契約を締結し利用できるようになっています。そしてその利用料は、管理費・修繕積立金と併せて支払います。
管理組合に支払うべき費用を滞納してしまった場合は、駐車場等の使用料も滞納となってしまうため、駐車場契約を解約されてしまう可能性があります。
すぐにマンション周辺で駐車場などの確保ができれば良いですが、確保出来なかった場合には保管場所を失うことになります。

駐車場に限らず、駐輪場や共用部分(トランクルーム等)の利用のため管理組合と契約し、利用料の負担がある場合は同じように解約され、使用できなくなる可能性があります。

他のマンション住民への迷惑となる

前述したように、滞納があった場合には管理組合の理事による協議会(理事会)や総会で報告されます。

 

管理費は共用部分の光熱費や管理委託費に、修繕積立金は共用部分の修繕などに必要となる、とても重要な費用です。
そのため、滞納が続き、マンション全体の管理に必要な費用が不足するような状況になってしまうと、マンションの所有者全員に迷惑をかけてしまうことになります。
さらに、毎月きちんと支払っている人からみれば、不公平感を感じてしまう方もいるかもしれません。
滞納が続いてしまうと、マンション内でのコミュニティに重大な影響を与えてしまうリスクがあります。


滞納した場合にはどうすれば良いのか?取るべき対応について

滞納した場合、どのような手続きがとられるかは、管理組合にて決定されます。
だからこそ、管理組合との関係性が重要です。

管理会社、組合からの連絡は必ず受ける

筆者の経験上、滞納してしまった人は、後ろめたい気持ちなどから、だんだんと管理会社、管理組合からの連絡を避けるようになっていき、最終的には音信不通となっていることが多いです。
前述したように、法的請求の進め方についての決定権は管理組合側にあります。連絡が取れなくなってしまうと、関係性は大幅に悪化し、管理組合は早々に法的対応を検討してしまう可能性があります。
少しでも関係性を悪化させないために、連絡が取りあえる状況を継続することが重要です。

今後の支払いについて相談する

管理組合に状況を説明し、今後の支払いについて相談をしましょう。
どのような理由で支払いが遅れてしまったのかを他人に言うのは非常に言いにくいことです。しかし、正直に今の状況を説明し、今後の対応を協議していただくようお願いしなければいけません。

管理組合によっては、分割で支払う、一時的に支払いを伸ばす、などの対応を検討していただけることもあります。
いずれにせよ、管理組合との関係性が重要であり、そのうえで、誠意をもって話し合いをおこなうことが必要になります。


滞納額によっては売却も検討しよう

滞納が続いてしまい、支払いが厳しくなってしまった場合には、売却することも検討しましょう。
売却方法には、中古物件として売却し、別に住まいを探す方法と、売却するもののそのまま賃貸物件として居住し続けることができるリースバックという方法があります。
どちらも注意しないといけないポイントがあります。

中古物件として売却する場合

不動産会社に売却を依頼し、売却代金を得ることができる一般的な売却方法です。
しかしこの方法には、次のような注意すべきポイントがあります。

中古売却の注意点1|購入検討者が嫌がってしまうことがある

区分所有法では、管理費等の滞納分は購入者に承継されます。そして、購入者が支払った滞納分を前所有者に請求できるようになっております。売買が完了したあと、前所有者から購入者に支払いがあればいいのですが、支払いがなかった場合にはトラブルになってしまいます。

そのため、通常の取引では、売主が受領した売買代金から直接管理組合に支払うように契約で取り決めていることが一般的です。しかし本当にきちんと支払っていただけるか、といった不安を感じてしまう方もいらっしゃいます。

中古売却の注意点2|売却に時間がかかると、滞納額の増加や法的対応の可能性がある

売却期間中も管理費・修繕積立金の支払いは必要です。売却に時間がかかれば、その分滞納額が増えてしまいます。また場合によっては、売却期間中に管理組合から法的対応をされてしまう可能性があります。

中古売却の注意点3|引越し先、引越し費用などを確保しなければいけない

売買を完了させ、売買代金を受け取るためには今の住まいを購入者に引き渡さなければいけません。そのため事前に次の住まいを探し、引越しをすることになります。つまり、売買代金が入金になる前に引越し費用等を別途捻出することが必要です。
また売買契約を締結しておきながら、引渡し日までに引越し先が見つからず、引渡しが出来なかった場合には、契約違反になり違約金がかかってしまうリスクもあります。

リースバックで売却する場合

リースバックは、売却はするものの、賃貸物件としてそのまま住み続けることができる方法です。
リースバックには、中古物件として売却するのとは違った利点があります。

リースバックのメリット

  • 引越し先の確保や引越し費用が必要ない
  • 売却先が決定しているため、いつ売れるか?という心配がない

リースバックの内容について、より詳細な解説はこちら(外部サイトに移動します)
あなぶきのリースバック│【2024年版】リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく徹底解説

一方で、リースバックにも注意することがあります。

リースバックの注意点1|中古物件として売却するより安くなる

リースバックは主に不動産業者に売却し、その後、毎月の賃料をお支払いする方法になりますが、一般的な中古物件として売却するよりも価格が安くなってしまいます。

リースバックの注意点2|ご近所関係も継続される

そのまま住むことができるのがリースバックのメリットではありますが、その反面、ご近所関係も継続されます。滞納によりマンション内の入居者と関係が気まずくなり住みづらく感じることもあります。
そうならないためにも滞納前に売却することが望ましいですが、もし滞納してしまった場合には、管理組合との関係性が重要であり、悪化させないようにご注意ください。


まとめ

管理費・修繕積立金の滞納してしまった場合、その後の対応は全て管理組合にて決定いたします。そのため、管理組合との関係性が最も重要であり、関係性を損なうようなことは避けるべきです。また、支払いが難しいようでしたら、売却も検討していかなければいけません。どこの不動産会社に依頼するかも重要ではありますが、今回ご紹介したリースバックという方法もありますので、どの売却方法を選択するかもぜひご検討していただければと思います。

住宅ローンや固定資産税の滞納について知りたい方はこちらもご覧ください。

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