不動産を所有すると必ず支払わないといけないのが、毎年1月1日時点の所有者に対して課税される固定資産税です。
しかしさまざまな事情により、支払いが滞る事態になることもあります。特に近年では感染症や物価高などの影響によって収入や支出が安定せず、支払いが厳しくなっている方も少なくありません。
そこで今回は、固定資産税を滞納するとどうなるのか。また、そういった事態への対応方法についてまとめました。現在お困りの方はもちろんですが、これから住宅購入を検討しようとお考えの方にも、ぜひご参考にしていただければと思います。
通常、固定資産税は都市計画税と合わせて納付します。この記事では、この固定資産税と都市計画税をまとめて「固定資産税」とし、支払えなかった場合の対応について解説しています。
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固定資産税を滞納し続けると、住まいを失う可能性がある
固定資産税は税金ですので、必ず納付しなければなりません。そのため、納付されない場合には法律に則った滞納処分が取られるようになります。
ここでは実際に滞納してしまった場合の流れについてご説明します。
固定資産税を滞納した場合の流れ
[1] 督促状の送付
固定資産税の納付期限を過ぎると20日以内に督促状が送付されます(地方税法371条)
督促状が届いてすぐに支払う場合でも、未納分の固定資産税だけでなく、期限翌日から納付するまでの期間分の延滞金を合わせて納付しなければなりません。
また督促状が送付されてから10日以内に完納されない場合には、市区町村は法律に則り、財産の差押えをしなければならなくなります(地方税法373条)
[2] 財産の調査
財産の差押えにむけて、滞納者にどのような財産があるか、などの調査が入ります。この調査も法的措置となることから、納税義務者の承諾は不要でおこなわれます。調査対象は、預金口座や給与などです。
[3] 財産の差押え
調査が終われば、まず「差押予告書」という書類が送られてきます。期日が設定されており、その期日までに支払わなければ差押えがおこなわれます。
差押えはまず、給与や預貯金に対して行われます。給与や預貯金で滞納額に満たない場合には車などの動産、それでも足らない場合には不動産が差押えとなります。
不動産が差押えられた場合には差押登記が行われ、登記簿謄本に「差押」と載るようになります。
[4] 差押えた動産、不動産の売却
差押えた車や不動産は競売(公売)となり、売却した金銭が納税に充てられます。
通常の競売とは異なり、裁判所の許可が不要のため、非常に短期間で進んでいきます。また、住まいが競売(公売)になった場合には、強制退去となってしまい、住まいを失うことになります。
固定資産税の支払いが厳しくなったら、まず役所に相談する
固定資産税は税金のため、必ず支払わなければなりません。仮に自己破産という手続きを取られたとしても、税金の支払いは免除されないのです。
また前章で述べたように、固定資産税を払わなければ住まいを失ってしまうことにもなりかねません。そうならないための対応方法をご紹介します。
役所に相談する
支払いが厳しくなった場合にはまずは役所に相談してください。役所では支払いが困難になった方への対応方法があります。
分納
一括支払いではなく毎月支払いに変更し、少しずつ納税していきます。
徴収猶予
自然災害や疾病など特別な事情がある場合には1年間、徴収を猶予されます。
換価の猶予
既に差押えがなされており、徴収猶予などの特別な事情がないなど、一定の条件を満たす場合、競売(公売)いわゆる換価手続きを1年間猶予してもらえます。
役所への相談で注意すべき2つの点
役所に相談する場合、注意すべき点が2つあります。
- 滞納する前に早期に相談に行く
- 自ら相談に行く
すでに手続きが進んでいる段階、あるいは滞納額が多額となった場合には、役所に相談しても対応してもらえないことがあります。
また役所では「なぜ支払いが難しくなっているのか」など理由・状況の説明、「どうやって支払っていくのか」といった今後の支払いの見通しなどを相談しないといけないため、必ずご自身で相談に行くようにしましょう。
継続して納税できない場合には、売却を検討する
固定資産税は不動産を所有している限り、課税され続ける税金です。
いったんは分納などの対応をしてもらったとしても、それはあくまでも一時的な対応ですので、継続して納税ができない場合には、売却を検討することをおすすめいたします。検討する際には次のことを知っておきましょう。
役所から差押が入ってしまうと売却が難しくなる可能性がある
役所から差押が入ってしまうと、差押の取り下げをする必要があります。売却の検討にあたっては、事前に取り下げが可能かどうかを確認しましょう。
また競売(公売)の手続きが始まる前に売却しないといけないので、場合によっては難しくなることがあります。
中古物件として売却する場合は、引っ越し先を確保しなければならない
「売買が完了」となる決済(残代金の支払い)時には、住まいを引き渡す必要があります。そのため決済前に引っ越しをしなければいけません。
リースバックとは、売却する住まいを不動産会社が購入し、もとの所有者はその住まいを賃借して住み続けることができる売買方法です。
リースバックの場合、中古物件として売却するより売却価格は安くなってしまいますが、そのまま住み続けることができるため、引越しに伴う費用がかからないというメリットがあります。また引越し費用だけでなく、引越しにともなった手続きも不要ですし、生活環境を変えることもなく生活をすることができます。さらに、短期間で手続きが完了できるというメリットもあります。
固定資産税を滞納すると、その後の役所の手続きは法律に則って進んでいきます。住まいや給与、預金が差し押さえになる前に、早期に売却することをおすすめします。固定資産税の納付が厳しいと感じたら、ぜひリースバックでの売却方法をご検討ください。
リースバックの内容について、より詳細な解説はこちら(外部サイトに移動します)
あなぶきのリースバック│【2024年版】リースバックとは?仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく徹底解説
まとめ:動画で解説
固定資産税は不動産を所有している限り、納めなければならない税金です。延滞が続いた場合には住まいを失ってしまうことになるかもしれません。
支払いが厳しくなった時点での相談が望ましいですが、既に滞納してしまった場合でも早めに相談することが重要です。
また、売却することも同時に検討いただくことをおすすめします。売却する場合も、どの方法を選ぶか、どの不動産会社に依頼するのか?といったことも考えなくてはいけないため、どうしても時間が必要になります。
いずれにせよ、対応方法がなくなる前に早く行動することが重要です。
こちらの記事の内容を動画にまとめています。ぜひご覧ください。
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