あなたは毎日の通勤に、どれくらいの時間をかけていますか?
10分? 30分? 中には1時間以上かけているという人もいるでしょう。
日々の通勤時間は、一日分は少なくても、積み重なれば大きな時間。1分でも短くしたいと考えている方が多いと思います。
でも、通勤時間は短ければそれでいいのでしょうか?
筆者が実際に体験した「通勤徒歩5分」という生活を通して、短すぎる通勤時間の問題点をご説明するともに、仕事とプライベートの時間を上手に切り替えて快適な生活を送るために、通勤時間の短い人/長い人がその時間をどう過ごすべきかをご紹介します。
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理想的な通勤時間ってどれくらい?
アンケート結果から見る平均/理想の通勤時間
他の人は、どれくらいの時間で通勤したいと考えているのでしょうか。
アットホームが2014年に行った、都心部に勤務する関東・関西のサラリーマン(子持ち・住宅購入者)対象のアンケートによると、通勤時間の平均は関東:58分/関西:52分、理想の通勤時間は関東:35分/関西:32分でした。
関東(1都3県) | 現在の通勤時間 | 関西(2府4県) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
人数 | 割合 | 理想の 通勤時間 | 人数 | 割合 | 理想の 通勤時間 | |
5人 | 0.9% | 4分 | 0~9分 | 10人 | 1.7% | 5分 |
20人 | 3.4% | 11分 | 10~19分 | 44人 | 7.3% | 12分 |
22人 | 3.8% | 19分 | 20~29分 | 38人 | 6.3% | 18分 |
52人 | 8.9% | 23分 | 30~39分 | 56人 | 9.3% | 26分 |
81人 | 13.9% | 31分 | 40~49分 | 108人 | 18.0% | 30分 |
87人 | 14.9% | 32分 | 50~59分 | 64人 | 10.7% | 31分 |
120人 | 20.6% | 39分 | 60~69分 | 148人 | 24.7% | 38分 |
76人 | 13.0% | 40分 | 70~79分 | 38人 | 6.3% | 36分 |
26人 | 4.5% | 38分 | 80~89分 | 24人 | 4.0% | 40分 |
57人 | 9.8% | 47分 | 90~99分 | 49人 | 8.2% | 45分 |
14人 | 2.4% | 50分 | 100~109分 | 9人 | 1.5% | 42分 |
6人 | 1.0% | 58分 | 110~119分 | 3人 | 0.5% | 50分 |
17人 | 2.9% | 45分 | 120分以上 | 8人 | 1.3% | 45分 |
(アットリサーチ「通勤」の実態調査2014 首都圏版 関西版 より抜粋)
現在の通勤時間ごとの理想の通勤時間を見ても、現在の通勤時間より短い通勤時間が理想だと考えている人が多いことがわかります。
通勤時間は短ければ短いほど良い?
現在の通勤時間より短いほうが理想だと考える人が多いというのなら、通勤時間は短ければ短いほど良いのでしょうか?
前述のアンケート結果を見ると、通勤時間が長い人は現在の半分以下まで通勤時間を短縮できるのが理想だと回答している一方、通勤時間が短い人は、現在と同じくらいか、少しだけ短くなればそれでいいと考えているようです。
勤務先のそばに住居を構えると、街なかだと家賃や駐車場などのコストがかかりすぎる、休みの日に家の近くで会社の人と顔を合わせることが増えて気が抜けないなどといった、時間以外の問題が発生するというのはよく聞く話です。
そう考えると、理想の通勤時間を追求するにあたって、時間が長い・短いだけを考えれば良いというわけではなさそうです。
筆者も一時期、通勤時間5分という生活を送っていたことがあるのですが、便利なことだけではありませんでした。そのときの体験をご紹介しましょう。
通勤徒歩5分の生活で見つかった問題点
会社が徒歩5分の場所に来た
筆者は現在の会社に入社するときに、少し郊外のアパートに入居しました。街なかの会社まで通勤時間15~20分程度(自転車15分またはバス10分+徒歩10分)となる自宅です。
その生活を4年ほど続けたある日、会社ビルの耐震メンテナンス工事のため、会社が一時的に移転することになりました。そして、その移転先が自宅から徒歩5分の場所だったのです。
自宅から出て大通りの信号待ちがありますが、アパートのエレベーターと信号の待ち時間が少なければ、走って4分ほどで会社に着く距離感。
通勤時間で言えば10分程度の短縮ですが、会社が自宅のそばにやってきたことで、生活は大きく変わりました。
通勤徒歩5分で良かったこと
通勤時間が短くなって、もちろんいいこともたくさんありました。
問題がおきてもすぐに家に帰って対応できる
例えば朝、席について初めて忘れ物に気づいても、短時間の外出で取りに帰ることができます。
特に便利になったと感じたのが、出勤後に天気が悪くなったのに気づいた日に、お昼休みを使って洗濯物を取り込みに帰ることができたときでした。
朝寝できる
一般的に、通勤時間が短いときの一番のメリットですが、筆者の場合は10分程度しか変わらないのであまり大きな差はありませんでした。
それでも、公共交通機関を使わずに通勤する生活は、少し寝過ごしてしまった朝でも、自分が急げば出社時間に間に合わせられるのが心強いものでした。
出張前に会社に立ち寄って準備できる
早朝から出張に出なければならないとき、必要書類を持ち帰っておくのを忘れてしまっても、会社が家から徒歩5分なら、少しだけ早く家を出て会社に立ち寄れば解決です。
前日の夜に、会社まで無駄な往復をする必要はありませんでした。
通勤徒歩5分で見えてきた問題点
一方、通勤時間が短いことに起因する問題も見えてきました。
出勤時間が日に日に遅くなった
急げば4分で出社できると思うと、朝家を出るのが日に日に遅くなっていました。
家ではぐずぐずとテレビを見ているだけだったので、朝の時間をとても無駄にしていたと思います。
残業が増えた/休日出勤することが増えた
最終バスを気にしなくていいと思うと、深夜まで残業することが増えました。
また、ある休日の朝にクライアントから緊急対応依頼の電話が入ったことがあったのですが、寝ぼけた頭で出てきた返答は「(身支度の時間に)1時間いただいたらなんとかします」。
後から冷静に考えれば、出社しなくても対応のしようのある案件だったのですが、「会社にはすぐに行けるから対応できる」という考えが先に立って、ついつい休日に会社に立ち寄って仕事を片付けてくることが増えました。
服装、持ち物に無頓着になった
通勤途中で買い物に立ち寄る機会が減ったことで、服飾や持ち物にお金を使うことが減りました。通勤徒歩5分生活中の服飾費を見返してみると、それ以外の時期のおよそ1/2。節約の面ではいいことかもしれませんが、それだけ身なりに無頓着になっていたということです。
日ごろ街なかを歩かないと、人の目を意識し、周りの人の様子から刺激を受けることが減ってしまいます。
そんな生活を続けていると、自然と世間で起きていることや季節の移り変わりにも疎くなってしまいがちです。
また、家が近いのですぐに取りに帰ることができるという意識が先立って、忘れ物も増えていたように思います。
問題の原因は、オンとオフの気持ちの切り替えができていないこと
通勤徒歩5分という生活でのこれらの問題の原因は、一言で言えばオンとオフとの切り替えができていなかったことです。
おうち気分で出勤するから忘れ物をする、身なりに無頓着になる。仕事気分で家にいるから休日にもだらだらと仕事をしてしまう。
そんな行動様式が常態化してしまうと、毎日の生活が平坦な、退屈な人生になってしまいそうですね。
この問題を解決するために何よりも大事なのは、オンとオフの領域を明らかにすることです。
ここまでは仕事、ここまではプライベートという線引きを自分の中で明確にしましょう。
理想の通勤時間は、時間の長短にかかわらず過ごし方で決まる
それでは、オンとオフの狭間の時間である通勤時間は、どんな過ごし方をするべきでしょうか?
通勤時間の中で、うまくオンとオフの領域を規定してやれば、時間の長短にかかわらず、理想的な通勤時間を過ごすことができるでしょう。
会社から家の間に気持ちの切り替えスポットを設定する
通勤時間の途中で気持ちを切り替えるには、そのための場所を設定してしまうのが一番簡単です。
コンビニでコーヒーを買って一口飲んだらここから仕事、帰りに公園でジュースを飲みながら花壇を眺めたらここからはプライベート。
そんな習慣を作って、オンとオフを切り替えましょう。
就職や転職のタイミングで引っ越すという方には、通勤の間にそんなスポットがあるかどうかをチェックしておくことをおすすめします。
通勤時間が短い人が取り入れたい習慣
以前の筆者のように通勤時間が短すぎる人は、仕事場と生活の場の区別がつけ辛く、プライベートの時間が仕事に飲み込まれてしまいがちです。
通勤途中で切り替えスポットを作る他に、プライベート時間の領域をしっかり取れる習慣を心がけましょう。
仕事の終わりに翌日の仕事の予定を立てる
仕事が終わったら、帰る前に翌日に何をするか予定を立ててから帰りましょう。
気になる案件も、いつやるかを決めておけば、一旦頭から離してオフモードに切り替えることができます。
オンとオフで服装や持ち物を分ける
気持ちを見た目から切り替えるために、体に触れる衣服や目に入る持ち物を仕事とプライベートで分けてしまいましょう。普段仕事着が決まっている人や、仕事ではスーツを着用するという方は毎日実践していることと思います。
ジャケットを着たから今日は仕事、ジーンズをはくのはプライベートのときだけ。かばんは仕事用と休日用に分ける。
そんな意識付けをしておけば、気分が落ち込んでいるときでも、仕事用の服と持ち物を手に取れば気を取り直していつもの調子で仕事に出ることができるでしょう。
休日はできるだけ遠出する
家の周りが仕事場なので、平日はどうしても仕事から意識を離すことが難しいでしょう。
それならば、休日はできるだけ場所を変えて、仕事場とは違う景色を見るようにしましょう。
休日は社用携帯の電源を切る
社会人としては当たり前のことですが、筆者の実体験からこちらもおすすめします。
安易に休日に仕事を持ち込まないために、休日の連絡はメールをにしてもらえるよう、休日には電話対応はできないことを関係者にアピールしておきましょう。
通勤時間が長い人は、家での作業を通勤時間に持ち込む
オンとオフの切り替えをはっきりするという観点から考えたとき、通勤時間が長い人はどんな点に気をつけて過ごせばいいでしょうか。
通勤時間が長い人は、睡眠時間や家に帰ってからの余暇といったプライベート時間が移動時間のために圧迫されています。
前述の気持ちの切り替えスポットを、できるだけ会社の近くに設定して、通勤時間の大半を家でやっていることをする時間にあてるようにしましょう。
寝るのも時間の有効活用
公共交通機関で長い時間をかけて通勤するのなら、寝るのも立派な時間の使い方です。
限られた時間でも、質の良い深い睡眠が取れれば十分脳を休めることができます。
読書/勉強時間にあてるのにちょうどいい時間
長い通勤時間は読書や勉強にはちょうどいい時間です。
通勤時間はこの勉強をする/読書する、と決めてしまえば毎日決まった時間を割り当てることになるので、成果に繋がりやすいでしょう。
家での作業の準備をやっておく
冷蔵庫の食材管理アプリの情報を更新して、夕飯の献立を決めておく。家事のノウハウを調べておいて、家に帰ってからする作業を決めておく。週末に行く旅行のために、予約や周囲の下調べをしておく。
そんな下準備を通勤時間に済ませておき、家でスムーズに行動できるようにすれば、少し早く眠れるようにもなりますね。
車通勤なら、周りを気にせず音を楽しみましょう
長い通勤時間を車で過ごすという人も多いと思います。車を運転している最中は、眠ったり作業したりすることは当然できません。
それならば、車通勤ならではの時間の使い方をしてみましょう。
車内という密閉された個室なら、周りの迷惑を気にせずに音楽を楽しむことができます。また、運転時間を思索の時間と決めて、思いついたことを録音メモしておくという使い方もいいでしょう。
歌ったりしゃべったりすることで緊張をほぐしてリラックスすることができ、仕事にかかる準備にもなるはずです。
まとめ
ご自身の通勤時間に、不満や不安がある方は多いと思います。それでも、住む家や職場を変えることは簡単にはできませんよね。
通勤は仕事場と自宅を繋ぐ境界の時間。必ずしも仕事のためだけに費やされてしまう時間ではありません。
まずは、ご自身の通勤時間のどこでオンとオフを切り替えるかを考えましょう。そうすれば、通勤時間を何をして過ごせば一日の時間を有効に使えるかが見えてきます。
また、引っ越しで家を探すときには、その家からの通勤経路にオンとオフを切り替えられるスポットがありそうかどうかも検討材料にいれておくといいでしょう。
通勤時間の長い/短いにかかわらず、その時間を有意義に過ごすことで、快適な一日を過ごせるよう心がけたいですね。
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