「壁飾り」という意味のスワッグ。リースと同じように、壁や棚を彩る植物のインテリアを指します。
飾っているうちにドライフラワーになって、植物の柔らかな色合いを楽しむことができるスワッグは、秋のインテリアにぴったり。季節の花を飾ることで模様替えのような効果も期待できますよ。
スワッグは植物を飾っていても水替えが要らないので、実はとっても気楽。スワッグを飾るのは初めてという方も、ぜひこの季節に挑戦してみてくださいね!
秋はスワッグに挑戦しやすい季節
スワッグに使われることが多いドライフラワー。ドライフラワーはどんな種類の花を使っても、秋めいた印象になってインテリアに季節感が出るため、秋はスワッグに挑戦しやすい季節です。
置いて飾るものとは違って、壁に掛けるものが空間にあるだけで、場所をとらない上に、立体感や奥行き感が出てインテリアとしても少し上級者になった気分になりますよ。
また、空気が乾燥していて、かつ換気がしやすい気温の秋は、生花のスワッグをドライに加工するのにもちょうど良い気候。生花からドライフラワーになっていく時間による変化を楽しむこともできます。
ドライフラワーの作り方については、こちらの記事も参考にしてください。
秋のスワッグにぴったりの花材の選び方
秋のインテリアに合うスワッグにするためには、どんな花材を使うかが最も重要です。
まずは、スワッグ作りのための花材を選ぶポイントを紹介します。
ドライフラワーにしやすい水分量が少ない花材を選ぶ
季節に関わらず、スワッグに向いている花材とそうでない花材があります。スワッグに向いているのはドライフラワーにしやすい花材です。スワッグは壁に掛けて飾っているうちにドライになっていくので、ドライフラワーとして長く楽しめるものが向いているのです。
ドライフラワーに向いている花材の条件は、その花材自体に含まれている水分量が少ないことです。花に含まれる水分量が少ないほど、綺麗にドライフラワーになります。
例えばミモザのように、もともとパサパサしているような花材はドライフラワーにしやすく、反対にチューリップのような、茎もみずみずしくまるで春野菜のような花材は、ドライフラワーにしにくいということです。
穀物や実ものを取り入れて実りの秋を表現
秋といえば収穫や実りの秋をイメージしませんか? 穀物や実ものなどを入れると一気に秋らしいスワッグになりますよ。
しかも、ほとんどの穀物は、もともとの水分が少なめなのでドライにしやすいのがうれしいポイント。実ものであれば、その植物がもつ水分量に注意しておきましょう。分かりやすい見分け方は、硬いかどうか。熟していくにつれて水分が多くなる実ものは、熟す前の硬い状態を使うときれいにドライにしやすいはずです。
様々な形や質感を組み合わせるのが上級者への道
植物のもつフォルムや質感も意識してみると、上級者のスワッグに近づきます。正解はありませんが、いろいろな形状や質感の植物を組み合わせるほど、個性的で深みのある作品になると思います。
迷ったときは、例えば縦長な花材、フワッとした花材、ゴツゴツした花材、など3種類くらいを数本ずつお花屋さんに相談しながら選んでみてはいかがでしょうか?
鮮やかな花が色あせていく過程も楽しもう
フレッシュフラワーのときは鮮やかであった色も、ドライフラワーになると色が褪せていきますね。
つまり、フレッシュフラワーのときに普段選ばないような派手な色の花材を選んでも、ドライになるにつれて秋らしいアンティークな雰囲気に馴染んでいくということです。その色あせる過程を楽しむのも、スワッグの醍醐味なのです。
最終的にすべての花材が茶色になっても、それぞれの植物がつくりだす様々な茶色のグラデーションが素敵だったりもしますよ。
スワッグづくりのためにフレッシュフラワーを選ぶときは、最終的に退色してしまうことを念頭にいれて、発色のよい花材も積極的にとりいれてみることもポイントの1つです。
基本のスワッグ作りのコツ
続いては、基本的な壁掛け用のスワッグの作り方を紹介します。
材料・道具
- お好きな花材
- 輪ゴム
- 紐
- ハサミ
花材は1種類でもそれ以上を合わせても作ることができます。
初めての方は1種類で作ってみるのがおすすめ。例えば写真のようなユーカリだけを束ねてみても簡単にすてきなスワッグができ上がります。
2種類以上を使う場合は、花材それぞれのフォルムを生かすように合わせていきます。
作り方のコツ
利き手で追加していく花材を持ち、利き手ではない方の手に次々と花材を載せていきます。
壁に掛けるので、背面がある花束のような形にまとめていくのがポイントです。
2種類以上の花材でつくるときは、最初の方にのせていく花材は長めで線の細いもので、その後どんどん頭のボリュームがあるような花材をのせていくとバランスよく仕上がります。花頭を少しずつずらして配置していくのもポイントです。
全体のバランスを整えたら、輪ゴムで束ね、その上から紐で結びます。一度輪ゴムで束ねることで、生花からドライフラワーにする過程で水分が抜け茎が痩せてきたときに、抜けにくくする効果があります。
気軽にスワッグを取り入れて、インテリアに秋らしさを
お部屋に花や植物があるだけで、空気感はぐんと変わります。スワッグはリースよりも手軽に作れて、しかも基本的には吊るしておけば良いだけなので、気負わずに取り入れやすいものです。
ご自身で作れば、自室のインテリアに合わせたサイズや形にできるだけでなく、作っている間の花の香りや手の感触から、愛着が湧くスワッグになると思います。ぜひ気軽に作って、秋のインテリアに取り入れてみてくださいね!
監修専門家プロフィール
岡本 典子(花生師、「Tiny N」主宰)
恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒業後、イギリスに留学し、花コンペティションにて多数の優勝・入賞を果たし、国家技能資格上級を取得して帰国。ゴトウフローリストに勤務後、アイ・スタイラーズの立ち上げを経て、二子玉川に自店を構える。
2015年にアトリエ「Tiny N Abri」を三軒茶屋にオープン。
テレビ・雑誌・広告などのフラワースタイリングほか、カルチャースクールの講師、婚礼や展示会、パーティの装花、イベント出店など多方面で活躍中。
※この記事は、2017年8月~2017年10月に公開されたアルファあなぶきStyle内コンテンツ記事を再編集したものです。
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