マンションをおしゃれに演出したいものの、どうすれば良いかわからない。あるいは、お部屋が寂しくて物足りないと感じているという方もいることでしょう。そんなときには、インテリアアートがおすすめです。
インテリアアートとは絵画やアートポスター、写真など、空間をおしゃれにする装飾品のこと。上手く活用すれば、素敵なお部屋ができるでしょう。ただし、インテリアアートを飾る際には注意するポイントもあります。そこで、本記事ではインテリアアートの種類や選び方、失敗しない飾り方を詳しくご紹介します。インテリアアートに興味がある方、部屋の雰囲気をより洗練されたものにしたい方は、ぜひ参考にしてください。
インテリアアートの種類
インテリアアートにはさまざまな種類があり、代表的なものとして「絵画」「ポスター」「写真」などが挙げられます。それぞれの特徴を理解し、ご自身の部屋に合ったものを選びましょう。
絵画
絵画はインテリアアートの代表的な種類の一つです。使用される技法や素材には「油彩」「水彩」「アクリル」などがあり、これらは異なる質感や色彩表現を可能にします。
絵画は空間に深みや個性を与え、部屋の雰囲気を一変させる力があります。例えば、クラシックな絵画は落ち着きや優雅さを演出し、モダンアートはスタイリッシュで現代的な印象を空間にもたらしてくれるでしょう。
水彩画
水彩画は、水に溶ける絵具を使って描かれる絵画の一種です。美術の授業でも習うので、慣れ親しんだ方は多いでしょう。水彩画は薄い色合いや柔らかなタッチが特徴で、軽やかで繊細な印象を与えます。
色の重なりが美しく、ふんわりとした風合いがリビングや寝室などリラックスしたい空間にぴったりです。著名な水彩画家として、ウィリアム・ターナーや、いわさきちひろなどが挙げられます。水彩画はシンプルで優しく、洗練された美しさが魅力的なアートです。
油彩画
油彩画は油絵具を使用して描かれる絵画で、豊かな色彩と重厚な質感が特徴です。絵具の層が厚く塗られ、立体感や深みのある表現が可能で、見る人に強い印象を与えます。特にモダンなスタイルやクラシックなインテリアに合っており、空間に存在感と高級感をもたらしてくれるでしょう。時間とともに絵具が硬化し、美しさが長く保たれるため、アートとしての価値も高いです。
有名な油彩画として、フィンセント・ファン・ゴッホの「ひまわり」などが挙げられます。油彩画はお部屋の良いアクセントになるでしょう。
水墨画
水墨画は墨と水を使って描かれる伝統的な絵画で、日本や中国などの東アジアで発展した芸術形式です。濃淡や筆の動きを生かしたシンプルで洗練された表現が特徴で、自然の風景や植物、動物などがよく描かれます。白と黒の対比やぼかし技法を使い、奥行きや情緒を感じさせる仕上がりになります。
襖や屏風に描かれることもあり、和風のインテリアやモダンな空間に、静けさや落ち着きを加えるのに最適です。シンプルながらも、深みのある雰囲気を演出してくれるでしょう。著名な作品としては雪舟の「天橋立図」などがあります。
スケッチ画
スケッチ画は鉛筆やペンなどで簡素に描かれる絵画の一種で、下書きや素描としても知られています。線や陰影を使って、物の形や輪郭をシンプルに表現するのが特徴です。美術の授業で、リンゴや手などをスケッチした経験のある方もいるかもしれません。
スケッチ画には軽やかで洗練された雰囲気があり、モダンなインテリアやカジュアルな空間に適しています。近年ではアートポスターとして、ファッションや建築、人物のスケッチが人気です。シンプルな美しさが、お部屋をスタイリッシュに演出してくれます。余白を生かしたデザインが、空間に洗練さと軽やかさをもたらすでしょう。
パステル画
パステル画は、パステルという粉状の顔料を固めた棒を使って描かれる絵画です。チョークのような見た目のパステルは、柔らかく優しい色合いが特徴で、明るく温かみのある表現ができます。色の混ざりやぼかしがしやすいため、繊細なグラデーションや柔らかな陰影を作り出すことが可能です。
パステル画はリビングや子ども部屋など、温かくリラックスしたい空間にマッチします。北欧やナチュラルスタイルのインテリアにもよく合い、部屋全体に穏やかな雰囲気を演出します。優しい質感で親しみやすいアートです。
アクリル画
アクリル画は、速乾性のあるアクリル絵具を使用して描かれる絵画です。絵具が水溶性なので水彩画に似ていますが、アクリル絵具は乾くと耐水性になります。そのため、色の重ね塗りや質感の表現がしやすく、鮮やかな発色が長く保たれるのが特徴です。
アクリル画はモダンでダイナミックな作品が多く、現代的なインテリアやスタイリッシュな空間にとてもよく合います。。また、アクリル絵具は厚く塗ることができ、油彩画のように立体感や力強い表現を楽しむこともできます。明るく大胆な空間演出に適したアートです。
版画
版画は木や金属、石などの素材に絵を刻み、インクを使って紙や布に転写する技法で作られるアートです。複数枚の同じ作品が作れるのが特徴で、リトグラフやエッチング、シルクスクリーンなど、さまざまな種類があります。その独特の質感や線の美しさが魅力で、クラシックからモダンまで幅広いデザインが楽しめます。インテリアとしては限られた枚数の作品が多いため、希少性と芸術性を兼ね備えたアートとして人気です。国内の著名な版画家として、棟方志功(むなかた しこう)などが挙げられます。版画は素朴で温かみのある空間演出に適しています。
写真(フォトグラフ)
アートとしての写真(フォトグラフ)は、風景や都市のシーン、ポートレートなど、テーマが多岐にわたります。例えば森林やビーチなどの風景写真、夜のビル群や繁華街の写真なども人気のテーマです。
また、自分で撮影した写真を引き伸ばして飾ることもできます。個性や思い出をインテリアに反映させられるため、取り入れやすいインテリアアートと言えるでしょう。また、モノクロ写真やアート性の高い作品は洗練された雰囲気を演出し、特にモダンや北欧スタイルのインテリアに最適です。
ポスター
ポスターも写真と並び、手軽に取り入れやすいインテリアアートです。映画や音楽、ヴィンテージポスター、ポップアートなど、さまざまなデザインがあります。バスキアやアンディ・ウォーホルといった有名な作家の作品であっても、ポスターなら比較的安価に購入できることも特徴です。こうしたポスターは、インテリアショップやネットショップなどで購入できます。
アートポスターはモチーフやカラーも豊富で、さまざまなテイストのお部屋にマッチします。フレームに入れて飾れば雰囲気も変わり、気軽におしゃれな空間を演出したい方におすすめです。
アートパネル
アートパネルは壁紙や和紙などの素材を土台に張り付けて作られたインテリアアートです。土台には木や発泡スチロール等が用いられ、素材の多様さによって独特の質感や色合いを楽しむことができ、部屋に個性を加えられます。例えば、お気に入りのファブリック(生地)を土台に貼り付けたファブリックパネルも人気のアートパネルです。オーダーカーテンを扱うインテリアショップであれば、ファブリックパネルも注文できるかもしれません。
軽量で扱いやすいため、壁に負担をかけずに設置できる点も特徴です。カーテンやクッションと同じ生地で製作したファブリックパネルを飾ると、お部屋に統一感が出せます。パネルアートはモダンな空間から和風のインテリアまで、幅広いスタイルにマッチするインテリアアートです。
飾り皿(壁掛けプレート)
飾り皿は、装飾目的で使われるデザイン性の高い皿です。陶器やガラス、麦わらなどで作られ、絵画や彫刻のように芸術的なデザインが施されています。複数枚を壁に掛けることで、リビングやダイニング、玄関などに上品で洗練された印象を与えます。
特にアンティークや民族調のデザインの飾り皿は、空間に異国情緒や歴史的な雰囲気を演出し、独自のスタイルを楽しむことができる人気のアイテムです。なお、重みのある飾り皿を壁に掛けるためには、専用のプレートハンガーが必要になります。
インテリアアート選びのポイント
アートは個人の好みを優先して選んでも、間違いではありません。しかし、お部屋の目的に調和したインテリアアートを選びたいのであれば、いくつかのポイントに気をつけることで失敗のリスクを減らせます。
部屋に合わせる
インテリアアートを選ぶ際には、お部屋の用途に合わせた作品を選ぶことがポイントです。例えば、寝室にはリラックスできる柔らかなトーンのアートを選ぶことで、落ち着いた空間を作り出せます。淡い色合いや穏やかな風景の作品が適しているでしょう。
一方、リビングやダイニングには明るく活気のある作品を飾ると、空間が華やかに引き立ちます。鮮やかな色彩やエネルギッシュなデザインのアートを飾れば部屋全体が明るくなり、家族の会話が弾んだり、ゲストを迎えるための雰囲気を演出したりできます。
インテリアスタイルに合わせる
インテリアアートは、お部屋のインテリアスタイルに合ったものを選びましょう。例えば、モダンなスタイルの部屋にはシンプルで洗練されたデザインのアートが、ナチュラルな空間には自然をテーマにしたアートがよく合います。
また、カラーコーディネートを意識することも重要です。お部屋の主な色調に調和するアートを選ぶことで、統一感のある空間が生まれます。例えば、モダンスタイルの部屋にアクセントカラーを使った作品を取り入れると、部屋にリズムが生まれます。あるいは、ナチュラルテイストのお部屋にアースカラーのインテリアアートを飾ると、より一層落ち着いた空間になるでしょう。
サイズと配置場所を考える
インテリアアートを選ぶ際は、サイズと配置場所をしっかり考えることが大切です。部屋の広さや壁の大きさに合ったアートを選ぶと、空間全体がバランスよく仕上がります。例えば、広いリビングの壁には大きなアートが、狭い空間には小さなアートの方が調和します。
飾る高さは、床から140cmの位置にアートの中心がくるようにすると、自然と目線を集める高さになりバランスが良いとされています。また、壁面の30%~50%程度をアートで埋めるイメージで飾ると、アートと壁面の余白のバランスがとりやすくなります。事前に壁のスペースを測り、適したサイズのアートを選ぶことで、部屋に圧迫感を与えずおしゃれにインテリアアートを楽しめます。
【スタイル別】おすすめのインテリアアート
インテリアアートは、部屋のスタイルに合わせて選ぶことで統一感を生み出し、空間をより魅力的にします。特に、家具や他のインテリアアイテムとの調和を意識することがポイントです。以下に、インテリアスタイル別におすすめのアートをご紹介します。
インテリアスタイル | 特徴 | おすすめのアート |
---|---|---|
ナチュラルスタイル | シンプルなデザインとナチュラルカラー | 水彩画、パステル画、写真 |
アメリカンスタイル | カジュアルなデザイン | 写真、ポスター |
モダンスタイル | シンプルさと機能性を重視したデザイン | スケッチ画、アクリル画、油彩画、(水墨画) |
北欧スタイル | 明るい色調とシンプルなデザイン | 水彩画、パステル画、アートパネル |
カントリースタイル | アメリカの田舎の風景を感じさせる、温かみのあるデザイン | 油彩画、飾り皿 |
アジアンスタイル | エキゾチックな雰囲気 | 版画、水墨画、飾り皿 |
ナチュラルスタイル
ナチュラルスタイルは木材や自然素材を多く使用し、温かみのある落ち着いた雰囲気を持つインテリアです。シンプルなデザインとナチュラルカラーが特徴で、リラックスできる空間を演出します。
このスタイルにおすすめのアートは、優しい色彩の「水彩画」や「パステル画」、「写真」です。植物や動物など、自然をモチーフにしたものを選ぶとよいでしょう。
アメリカンスタイル
アメリカンスタイルはカジュアルなデザインが特徴です。SOHOをイメージさせる開放的な空間には、レンガの壁やビンテージ家具が使われ、温かみを持たせます。またミッドセンチュリーのアイテムも多く取り入れられ、レトロ感と現代的なセンスが融合しています。
このスタイルには、色のコントラストが際立つ「写真」や「ポスター」が映えるでしょう。例えば、アメリカの倉庫街や自動車の写真、英字で書かれたヴィンテージポスターなどがおすすめです。
モダンスタイル
モダンスタイルは、シンプルさと機能性を重視したデザインが特徴です。直線的なフォルムや中立的なカラーパレットが洗練された雰囲気を醸し出し、クリーンでスタイリッシュな空間を作ります。
「スケッチ画」や「アクリル画」、「油彩画」がこのスタイルにはおすすめです。和モダンであれば「水墨画」も良いでしょう。建築物のスケッチ画や、お部屋のキーカラーが含まれた作品を探してみてください。
北欧スタイル
北欧スタイルは、明るい色調とシンプルなデザインが特徴です。木の温もりや優しい色合いを重視し、快適な空間を演出します。シンプルな家具と優しい光の照明を組み合わせることで、心地よいインテリアが完成します。
北欧スタイルには「水彩画」や「パステル画」がおすすめです。抽象画や、自然モチーフのものを選びましょう。また、北欧ブランドのファブリックを使用した「パネルアート」もマッチします。
カントリースタイル
カントリースタイルはヨーロッパやアメリカの田舎の風景を感じさせる、温かみのあるデザインです。ウッドやチェック柄の布地を用いた家具が多いことも特徴で、アットホームで親しみやすい空間を演出します。
カントリースタイルには「油彩画」や「飾り皿」がおすすめです。田園風景が描かれた油彩画や、白磁器に青い絵具で描かれた絵皿などは、壁面を美しく演出するでしょう。
アジアンスタイル
アジアンスタイルは、東アジアや東南アジアのようなエキゾチックな雰囲気が特徴。竹やラタンといった自然素材を使用し、深い色合いや手作り感のあるアイテムが多いです。心を落ち着ける空間が、心身をリラックスさせてくれます。
アジアンスタイルには「版画」や「水墨画」など、東洋的な美を感じる作品を飾ると良いでしょう。また、麦わらで編まれた「飾り皿」は、東南アジアのヴィラのようなオリエンタルな雰囲気にぴったりです。
マンションでのインテリアアートの飾り方
マンションでアートを飾る際には、まず管理規約でルールを確認しましょう。
設置することが認められていれば、規約に従って部屋に合わせたディスプレイ方法を検討します。たとえば粘着テープで付けるフックは、凹凸のある壁紙に使用すると接着が甘くなり落下の恐れがあるため不適切です。また、コンクリート壁にビスを打つことは、規約により禁止されているケースが多いでしょう。以下で、マンションでのインテリアアートの一般的な飾り方をご紹介します。
ピクチャーレール
ピクチャーレールは、壁に穴を開けずにアートを吊るすための専用レールです。あらかじめお部屋に備えられていない場合は、リフォームで後から設置することも可能です。吊り下げる位置や個数の自由度が高く、大きめの作品や重みのある作品を飾るのに適しています。
ウォールシェルフ
ウォールシェルフは壁に取り付ける簡易的な棚で、DIYで棚板1枚から設置することもでき、小さめのアートや写真を飾るのに便利です。リビングはもちろん、トイレや玄関など、ちょっとしたスペースも有効活用できます。ただし、耐荷重には注意してください。
壁掛けフック
壁掛けフックを使えば、ポスターフレームや軽めのアートを簡単に飾ることができます。ホームセンターやネットショップで購入でき、粘着タイプやピン固定タイプなどがあるので、賃貸マンションでも使用可能です。近年では、ピン穴がほとんど目立たない商品も市販されています。使用の際には説明書をよく読み、耐荷重の制限を超えることがないようにしましょう。
まとめ
インテリアアートは、マンションのお部屋をおしゃれに演出する、インテリアコーディネートの最後の仕上げとなる要素です。アートには絵画、版画、写真、パネルアートなどがあり、それぞれが独自の魅力を持っています。特に、アートポスターや写真は比較的安価に購入できるため、初心者の方でも挑戦しやすいでしょう。ただし、設置前にマンションの管理規約で禁止されていることはないか、確認することを忘れないようにしてください。
インテリアアートを選ぶ際には、お部屋のスタイルや用途、サイズ、配置場所に注意し、統一感を持たせることが大切です。さまざまなスタイル(ナチュラル、アメリカン、モダン、北欧、カントリー、アジアン)に合わせたアートを取り入れることで、世界にひとつだけの自分だけの空間を実現できます。ぜひ、インテリアアートをお部屋に取り入れてみてください。
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