お部屋の中をすっきりさせたり、インテリアとしておしゃれ度UPに役立ったりする『ピクチャーレール』。
実は分譲マンションでも設置が可能です。
しかし、設置方法や費用、どのようにレイアウトすればよいかなど、ご不明な方も多いはず。
今回は、ピクチャーレール設置に関するマンションならではの注意点や設置方法、費用についての疑問を解決するとともに、実例を交えながらレイアウトの紹介をいたします。
マンションでピクチャーレールを設置したいという方は、ぜひ参考にしておしゃれなインテリアを楽しんでください。
1.分譲マンションでもピクチャーレールの設置は可能
先にも説明したとおり、ピクチャーレールはマンションでも取り付けることができます。
ただし、壁の場所やタイプによっては取り付けできなかったり、タイミングによって選べるタイプが異なったりしますので、まずはそこから解説します。
1-1.設置できる壁の場所と種類を確認しよう
一戸建てと違って、マンションでは規約で個人が工事ができる範囲が決められています。そのため、ピクチャーレールも壁の場所と種類によっては取り付けができません。
まずはマンションの壁の種類について確認しましょう。色分けされたそれぞれのラインを下記図面にてご確認ください。
分譲マンションの場合、赤ライン=戸境壁(隣住戸との境の壁)にはピクチャーレールを設置できない場合があります。これは、住戸と住戸を隔てる壁は「共用部」で、個人が勝手に工事することができないからです。ただし、物件によっては戸境壁にネジなどが打ち込めるボードが施工されていることがあり、その場合は設置可能となります。
この壁にピクチャーレールを取り付けたい場合は、管理会社や管理組合に工事をしていいか確認してみましょう。
次に、黄ライン=間仕切り壁(構造上建物を支える必要のない壁)には設置可能です。
同じく、青ライン=戸境壁でも間仕切り壁でもない壁でも、コンクリート壁にボードが張られていれば設置可能です。
1-2.変更工事やオプションで設置するのが最もおすすめ
上記の赤ライン=戸境壁でボードが張られていない場合でも、新築マンションの変更工事や追加オプションが申し込めるタイミングなら取付可能です。このタイミングを逃すと、壁になにか掛けたいときは耐荷重の低い粘着テープのフックを使ったり、コンクリート壁の前に壁を追加したりして対処するしかありません。
実際に筆者がマンション営業担当として対応したお客様の中にも、入居後にピクチャーレールを導入しようとしても希望の場所に設置できず、「購入時にオプションで頼んでおけばよかった」と後悔される方もいらっしゃいました。
お部屋に絵やものを壁に飾る可能性が少しでもあるなら、新築マンション購入時に、変更工事やオプションで設置しておくことをおすすめします。
この時点であれば、壁や天井に埋め込む先付けタイプを選ぶこともできるのに加えて、一般に購入時のオプションで申し込むと設置費用を安く抑えることもできます。ピクチャーレールの設置費用については、次章にて詳しく解説します。
ピクチャーレールの先付け(埋め込み型)と後付けについて
ピクチャーレールには壁や天井に埋め込むタイプの「先付け」と、後から壁に取り付ける「後付け」の2つの施工方法があります。
この写真はどちらも下がり天井に設置した例です。少しわかりにくいですが、先付けの方は下がり天井の中に白いレールが埋め込まれており、後付けの方は下がり天井の外にレールがついています。
先付け・後付けのそれぞれのメリット/デメリットは以下の通りです。
先付け | 後付け | |
---|---|---|
施工のタイミング | ・新築マンションの変更工事や追加オプション対応が可能な期間 ※事業主や施工会社、工事の進捗具合によっては対応できない場合もあります | ・制限なし |
メリット | ◯壁や天井に埋め込むので目立たない | ◯完成後でも取り付けできる ◯後からフックを追加できる |
デメリット | ✕取り付けできるタイミングが限られる ✕フックを追加できない場合がある(商品による) | ✕レールが壁や天井についているので目立つ |
1-3.ピクチャーレール選びのその他のポイント
マンションに限らず、ピクチャーレールの商品選びや取り付けにおいて考えておきたいポイントを紹介します。
天井付け・壁付けはレール自体も見せたいかどうかで決める
ピクチャーレールには大きく分けて「天井付け」「壁付け」の2つのタイプがあります。
ピクチャーレールの商品選びは、レール自体もインテリアとして見せたいかどうかで判断するといいでしょう。
- 天井付け:レールが目立たないように設置したい方に
- 壁付け:ピクチャーレール本体もインテリアの一部としたい方に
吊るしたいものを先に想定して、重さに耐えられる商品を選ぼう
取り付け方や位置、そして商品によって違いはありますが、家庭用のピクチャーレールの一般的な推奨荷重は10~30kg程度です。
それ以上の重さのものを吊るしたい場合は、レールやフックが丈夫な商品を選ぶ必要があります。
取り付けを依頼するときは、どんなものを吊るすかを考えて、設置する商品で大丈夫かお店・施工業者等に相談しておきましょう。
2.マンションでのピクチャーレール設置費用の目安
続いては、ピクチャーレール設置費用について解説します。
2-1.商品自体の価格
レール、フック、ハンガーセットを合わせて、どのメーカーでも10,000円前後/1mから用意されています。
必要な長さ分の費用がかかると考えておいてください。
また、フックやハンガーセットを増やすとその分の費用がかかります。
[参考]ピクチャーレールの部品構成
- レール
- フック…レールにはめ込むワイヤーを引掛ける部品
- ハンガーセット…フックに引掛けて、装飾品などを直接掛ける部品
※メーカーによって名称は異なります。
2-2.取り付け費・下地補強費用
取り付け作業については、後付けの場合であればご自身でDIYすることもできます。
ただ、取り付け時には、下地の壁に補強工事をする必要があるので、その工事は業者に任せましょう。
下地補強工事
ピクチャーレールを取り付けるにあたっては、1章にて説明している通り、壁の種類が問題になってきます。
取付工事ができるボードが張られている壁でも、下地がないとビスで固定ができないので、下地を補強する工事が別途必要です。下地補強工事の相場は30,000円~40,000円程度になります。
先付の取り付け費
先付けの場合は、マンションの販売会社にて工事を手配します。
会社にもよるので一概には言えませんが、後付けよりも安く取り付けられるでしょう。費用は10,000円~20,000円が多い印象です。
後付けの取り付け費(DIYにて設置)
DIYで後付けする場合は、取り付けるためのビスなどを調達する必要があるため、その費用を考えておきましょう。数百円から数千円で揃うでしょう。
DIYで取り付ける場合でも、先にも説明している通り、壁面の下地補強工事が必要です。工事は業者に依頼して、その上からDIYでピクチャーレールを取り付けましょう。
筆者が販売を担当しているあなぶき興産の新築分譲マンションで採用している「TAKIYA株式会社」様のピクチャーレール設置方法の動画を紹介します。DIYで取り付ける作業の参考にしてください。
後付けの取り付け費(業者に設置依頼)
業者に依頼する場合はピクチャーレールの提案内容に差があるため、価格にも差が出てきます。
とはいえ、施工費や諸経費込で20,000円~30,000円というのが相場のようです。
3.ピクチャーレールの活用例
この章では、ピクチャーレールの活用例を紹介します。
3-1.額縁を飾ったオーソドックスな使用例
最初はオーソドックスな使い方です。
リビングの天井に後付けタイプを施工した例です。
戸境壁は一般に広い面積を占めるので、ピクチャーレールを設置しておくとインテリアの幅が広がります。
こちらも、中部屋の両側の戸境壁に天井付きのピクチャーレールを設置した例です。
こちらは壁の幅いっぱいにピクチャーレールを設置した例。
全面にピクチャーレールを渡しておくと、部屋の模様替えをしたときも、変わらず壁面を活用することができます。
絵画をおしゃれに飾る方法については、こちらの記事を参考にしてください。
3-2.ピクチャーレールを使って壁面収納を作った例
ピクチャーレールの用途は、絵画や時計を飾るだけではありません。
ここで紹介する活用例は、ピクチャーレールを収納目的で設置したケースです。
ピクチャーレールを活用して壁面収納を作ることで、お部屋もすっきりし、おしゃれ度も上がって一石二鳥ですね。
(※画像提供:荒川技研工業株式会社様・TAKIYA株式会社様(50音順))
正面の壁では装飾目的、側面の壁ではピクチャーレールを収納目的に使っている例です。
バーをピクチャーレールに吊るすことで、簡易のハンガーラックにしています。
ピクチャーレールで作るハンガーラックは、このような構造になっています。
こちらは収納BOXを吊るして収納棚にした例です。床においておくと散らばりがちな子どものおもちゃも、壁に吊るすことですっきり収納できます。
マガジンラックを吊るして、おしゃれな収納を作った例です。
4.まとめ
設置したい場所やタイプによっては、設置できるタイミングなどに制限が出ることがありますが、ピクチャーレールは分譲マンションでも設置は可能です。
マンションでピクチャーレールを設置する場合、確認しておきたいのはこの4点です。
- 設置箇所(壁・天井)
- 設置方法(先付け・後付け)※タイミングによって選べる方法が変わる
- 耐荷重
- 費用
新築マンションで建設前であればオプション対応してくれる物件もありますので、担当スタッフに確認してみるのが一番間違いないと思います。
中古で購入したマンションや、入居後にピクチャーレールの設置を検討したいという方は、まずは管理組合や管理会社に相談してみましょう。
ピクチャーレールは棚を造作したりするより、はるかに楽で費用も抑えられます。インテリアにも収納にも利用できるピクチャーレールを、ぜひ検討してみてください。
取材協力(敬称略/50音順)
荒川技研工業株式会社 大阪オフィス・ショールーム | |||
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電話 | 06-6262-1891 | FAX | 06-6262-1892 |
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TAKIYA株式会社 | |||
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