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【最新の制度内容で検証】実はマンションは現金一括購入がお得!

マンションの現金一括購入を検討した時、実は住宅ローンを利用して購入した方がお得になるかもと考える方もいらっしゃるでしょう。たしかに長く続く低金利の恩恵や、住宅ローン控除の制度を利用によって、条件によっては住宅ローンを利用した方がお得になるケースもありました。

しかし、2022年度の税制改正以降にマンションを購入する方にとっては、現金一括購入の方がお得になるケースがほとんどです。
その大きな理由は、住宅ローン控除制度の改定。そこで今回の記事では、現行の住宅ローン控除制度を基にシミュレーションし、住宅ローン利用と現金一括購入のどちらがお得に購入できるかを見ていきます。

年齢的に住宅ローンを組めない場合や、自己居住用ではなくセカンド住宅などとしてマンションを購入する場合は、住宅ローン控除適用外となります。住宅ローン控除適用外の場合は、そもそもどちらがお得という考えでは無くなるので、今回の比較の対象外となります。


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現金一括購入は本当にお得か。一括購入するかどうかを決めるための指標

住宅ローンを利用するのと現金での一括購入、どちらがお得になるか考える指標として次の3つがあります。

  1. 住宅ローン控除の還付額
  2. 住宅ローンの金利
  3. 住宅購入時の資金調達方法(貯蓄または贈与)

住宅ローン控除が適用できるかどうかが重要なポイント

住宅ローン利用と現金一括購入のどちらがお得なのかは、住宅ローン控除が適用できるかどうかが大きなポイントとなります。

住宅ローン控除が適用できない場合は、現金での一括購入が断然お得です。まずは住宅ローン控除を適用できるかどうか確認しましょう。

住宅ローン控除の対象外となる場合(一例)
  • セカンド住宅や賃貸住宅として購入する
  • 住宅ローンの借入期間が10年未満
  • 購入者の合計所得金額が2,000万円超
  • 昭和56年以前に建築または現行の耐震基準に適合していないマンションを購入する
  • 2024年以降に建築確認を受ける新築住宅を購入する場合、省エネ基準適合を満たしてないマンションを購入する場合
  • 2024年以降に床面積50㎡未満の新築住宅を購入する
  • 2023年中に建築確認を受けた新築住宅を購入する、かつ床面積40㎡以上50㎡未満の住宅の場合で、購入者の合計所得金額が1,000万円以上

取得する住宅の種類や入居時期などによって要件は異なりますが、上記に当てはまる項目があれば住宅ローン控除の適用外となります。

住宅ローン利用時の支払い負担額をシミュレーションする

住宅ローン利用時に、現金一括購入とどれくらいの支払い負担が発生するかを、借入額別・借入年数別にシミュレーションしてみましょう。

借入額別シミュレーション

  • 50㎡以上の住宅を購入
  • 借入時年齢48歳
  • 月々払いのみ(ボーナス払いなし)
  • 借入期間30年
  • 元利均等返済
  • 還付額は年末残高の0.7%として計算(13年間)
  • 省エネ基準適合住宅を購入
  • 一括購入時諸費用概算が80万円〜100万円、住宅ローン利用時の諸費用概算が100万円〜200万円と仮定し、双方の諸費用差額を下記の通りとする
借入額1,000万円30万円の差があると仮定
借入額2,000万円50万円の差があると仮定
借入額3,000万円80万円の差があると仮定
借入額4,000万円100万円の差があると仮定
借入額5,000万円120万円の差があると仮定
借入額6,000万円140万円の差があると仮定
2023年までに入居する場合

いずれの場合も住宅ローンを利用するより、現金一括購入でマンション購入する方がお得になります。また借入額が少ないほど、現金一括購入時との差額は小さくなります。

2024年以降2025年までに入居する場合

2024年以降2025年までに入居する場合は、住宅ローン控除の上限額が少なくなります。
取得する住宅の性能によって上限額が異なりますが、ここでは省エネ基準適合の住宅(上限額3,000万円)でシミュレーションしました。

いずれの場合も住宅ローンを組んでマンションを購入するより現金一括購入でマンション購入する方がお得になり、借入額が少ないほど現金一括購入時との差額は小さくなります。また住宅ローン控除上限額が少なくなることから、借入額が3,000万円以上の場合は、一括購入との差額がより大きくなります。

借入年数別シミュレーション

  • 50㎡以上の住宅を購入
  • 借入時年齢40歳
  • 月々払いのみ(ボーナス払いなし)
  • 借入額4,000万円
  • 元利均等返済で計算
  • 還付額は年末残高の0.7%として計算(13年間)
  • 省エネ基準適合住宅を購入
  • 一括購入時諸費用概算が80万円〜100万円、住宅ローン利用時の諸費用概算が100万円〜200万円と仮定し、借入金4000万円の場合の双方の諸費用差額を100万円と設定
2023年までに入居する場合

いずれの場合も、住宅ローンを組んでマンションを購入するより、現金一括購入でマンション購入する方がお得になります。借入期間が短い方が利息額が少なくなる為、現金購入時との差額は小さくなります。

2024年以降2025年までに入居する場合

2024年以降2025年までに入居する場合は、住宅ローン控除の上限額が少なくなります。
取得する住宅の性能によって上限額が異なりますが、ここでは省エネ基準適合の住宅(上限額3,000万円)でシミュレーションしました。

いずれの場合も、住宅ローンを組んでマンションを購入するより現金一括購入でマンション購入する方がお得になります。

住宅ローン控除については専門家(FP・税理士)に相談を
住宅ローン控除額については、ファイナンシャルプランナーや税理士に相談することをおすすめします。
住宅ローン控除の控除額は、扶養家族の人数やペアローンなどの借入内容、取得する住宅の省エネ性能などによって大きく異なります。個々の状況によってどれほどお得になるか異なりますので、最終的にはお金のプロに相談した上で決めることをおすすめします。

資金調達の手段として、資金贈与の税制を活用する場合

両親や祖父母など、直系尊属から住宅取得のための資金贈与を受ける場合は、税制が優遇されます。
資金援助を受けて一括購入をすれば、利息やローン手続きの費用をかけず、また贈与にかかる費用を抑えてマンションを取得することが可能です。

税制の優遇を受けるためには、購入後に確定申告を行う必要があります。
また各種制度は記事公開時(2023年9月)の情報です。制度利用時には事前に専門家に相談することをおすすめします。

住宅取得等資金贈与の非課税制度

直系尊属から住宅取得のための資金贈与を受ける場合、贈与税の非課税枠が優遇されます。

2022年1月1日から2023年12月31日までの間に直系尊属から住宅取得等資金を取得した場合、住宅の性能によって非課税枠が異なります。

  • 省エネ等住宅の場合:1,000万円まで住宅取得等資金贈与が非課税
  • その他の住宅の場合:500万円まで住宅取得等資金贈与が非課税

※「省エネ等住宅」に該当するかどうかは、断熱性・耐震性・高齢者等配慮などの性能によって分かれます。どちらに該当するかは、検討している物件の営業担当に確認しましょう。
※消費税10%の物件であることが条件です。

住宅取得等資金贈与とは別に、1年間にもらった財産の合計額が110万円(基礎控除)以内であれば贈与税はかかりません(暦年課税)。

つまり取得する住宅や贈与を受ける人などの条件を満たし、消費税10%の物件を購入した場合、省エネ等住宅では最大1,110万円まで贈与税が発生せず、その他の住宅では最大610万円まで贈与税が発生しないことになります。

相続時精算課税制度

住宅取得の資金贈与では「相続時精算課税制度」も利用できます。
これは父母または祖父母からの贈与について、相続時までの贈与額を相続財産に加算し、納めた贈与税を相続税で精算する制度です。

相続時精算課税制度を選ぶと、それ以降同じ贈与者から受けた贈与については暦年課税の基礎控除(110万円)は使えなくなりますが、累計の贈与税が2,500万円までかからない特別控除額が利用できます。

また、この制度は前述の住宅取得等資金贈与の非課税制度と併用可能で、例えば省エネ等住宅を購入の場合3,500万円までは贈与税が発生しないこととなります。

ただしこの制度は、相続発生時の相続税にも関係する制度です。贈与者の財産の内容によっては、相続税納税の可能性がありますので、よく確認しておきましょう。

購入を検討しているマンションの販売価格とそれぞれの税制を考慮しつつ、自分に合った制度を選んでいくのが一番のポイントです。

住宅取得等資金の「贈与税非課税制度」と「相続時精算課税制度」の活用方法
住宅取得を検討し始めた方へ、贈与の非課税制度と、相続時精算課税制度について解説します。

マンションを現金一括購入するメリットとは?

利息や経費の支払いを抑えることができる

当然のことですが、利息を支払わない分、余計な支払いが発生しません。
住宅ローンは長く低金利が続いていますが、それでも借入金額が大きく返済期間も長期になる分、支払う利息の額は大きくなります。

また住宅ローンを利用しないことで、金融機関に支払う融資手数料・保証会社に支払うローン保証料・抵当権設定登記の登録免許税などのローン経費も不要となり、購入時に必要となる諸経費(諸費用)を抑えることができます。

購入手続きが少なく済む

現金での一括購入の場合は、お引渡しまでの諸手続きが少なく済みます。
住宅ローンを利用する際は、借入先の金融機関とのやりとりが少なくとも3回はあります。また必要書類の準備の手間なども発生しますが、一括購入ではこれらの手続きが一切不要になります。

売却や賃貸などの処理活用がスムーズにできる

住宅ローンの残債がある状態で売却や賃貸に出そうとすると、残債の返済や抵当権の抹消登記などの手続きに手間と時間がかかります。
一方で一括購入している場合は、思い立ったらすぐに売却等の処理活用ができます。処理活用に手間がかからずスムーズに行えるのも、一括購入のメリットです。


マンションを現金一括購入する際の注意点

住宅ローン控除が受けられない

住宅ローンを利用しませんので、住宅ローン控除は受けられません。
冒頭のシミュレーションではローン控除を踏まえても現金一括購入のほうがお得でしたが、還付される額は人によって異なります。住宅ローン控除の要件を満たす場合は、ローン控除の金額も確認したうえでどちらにするかを考えましょう。

手持ち金が減り、いざという時に資金不足になる可能性がある

当然のことながら、現金で一括購入すると手持ち金が減ります。
そのあとに急に入院費が必要になるなど、予測できない事が起きた際に資金不足とならないように、購入に使っても良いお金とは別に貯金を残しておきましょう。

税務調査が入る可能性がある

対象は現金での一括購入者だけとは限りませんが、購入資金をどのように調達したかを調査するため、税務署から連絡がある可能性があります。

税務署から連絡があった場合には、どのように資金調達したかを答えられるようにしておきましょう。

主に以下のような内容が確認されます。

  • 資金がどのように調達されたのか
  • 誰かからの贈与かどうか
  • 贈与税の課税対象かどうか
  • 不正な資金が使われていないか

税務署から連絡があっても、落ち着いて対応しましょう。持分の妥当性を確認しておくほか、以下の書類を準備しておくと対応がスムーズに進みます。

  • マンションの売買契約書
  • 贈与に関する書面や資金の流れが分かるもの
  • 贈与ではない場合は金銭消費貸借契約書(借用書)

まとめ

現金での一括購入をするかどうかを決定するポイントは、住宅ローンの控除額と、現金一括購入で省ける利息や経費のどちらの額が大きいかという点です。

シミュレーションの結果、現行の税制では現金一括購入の方がお得になることが分かりました。
とはいえ多くの人にとって、分譲価格の全額を現金で用意するのはなかなか難しいもの。現金一括購入はできないまでも、無理のない程度に自己資金を用意し住宅ローンの借入額を減らすだけでも、月々の支払いの負担は軽くなります。

また現行の制度では取得する住宅の種類や性能によって適用の有無や控除限度額が変わりますし、控除される金額も人によって異なります。上手に制度を活用するためにも、最終的な判断は専門家にアドバイスをしてもらうことをおすすめします。

マンション購入のキホンを学びたい方へ

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