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お金・住宅制度

住宅取得等資金の「贈与税非課税制度」と「相続時精算課税制度」の活用方法

マイホーム購入の際には両親や祖父母から資金援助があるという方は多いのではないでしょうか。
住宅ローンの借入金額を減らすことができたり、検討できる住宅の幅が広がったりと大変ありがたいことですが、気になるのは贈与税。

実は、住宅取得の贈与には税金が軽減される2つの制度があります。

1つは「贈与税の非課税制度」、もう1つは「相続時精算課税制度」です。

ここでは、この2つの制度の違い利用する場合の注意点併用の可否についてご説明します。

この記事では出来るだけわかり易く紹介したいため、制度の適用条件などについては代表的な項目に絞って記載をしています。すべての記載ではありませんので、あらかじめご了承ください。

↓記事の内容を動画で分かりやすく解説しています↓


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「住宅取得等資金贈与の非課税制度」とは~これだけは知っておきたい7つのポイント

父母または祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与がある場合に適用できる制度です。
知っておきたいポイントは下記の7点。

(1)使用用途は贈与を受ける人が居住する住宅の取得等であること


贈与を受けた年の翌年の3月15日までに物件の引渡しを受けることができなければ、適用は受けられません。また同日までに住み始めるか、または住むことが確実であると見込まれ同年の12月31日までに住み始めなければいけません。

【注意】
ここでいう住宅の取得とは契約ではありません
住宅の所有権移転(自分の名義になった)を取得としています。

(2)対象物件は40㎡以上240㎡以内の新築住宅または既存住宅(中古物件)


取得する新築または既存住宅(中古物件)の登記簿上の床面積(マンションの場合は専有部分の床面積)が対象となります。

また中古物件の場合は、新耐震基準に適合している住宅用家屋が対象です。ただし、登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降の家屋は、新耐震基準に適合しているものとみなされます。

(3)贈与を受ける人は、贈与のあった年の1月1日時点で18歳以上であること


贈与を受ける人は、贈与のあった年の1月1日時点で18歳以上である必要があります。

贈与する方については年齢を問いません。

【注意点】
18歳、19歳は令和4年4月1日以後の住宅取得資金贈与の場合に適用となります。

(4)贈与を受ける人の年間所得金額が2,000万円以下であること


贈与を受ける人の所得金額にも制限があります。
贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下(
床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)が対象となります。

(5)非課税限度額は取得する住宅の性能によって異なる


非課税限度額一覧
住宅用家屋の新築等に係る
契約の締結日
省エネ等住宅左記以外の
住宅
令和4年1月1日~令和5年12月31日1,000万円500万円

【注意】

「省エネ等住宅」に該当するかどうかは、断熱性・耐震性・高齢者等配慮などの性能によって分かれます。どちらに該当するかは、検討している物件の営業担当の方に確認をしましょう。

(6)暦年課税制度または相続時精算課税制度併用が可能


非課税制度適用後の残額から、暦年課税の場合は基礎控除110万円、相続時精算課税の場合は特別控除2,500万円(※)を差し引くことができます。

(※) 前年までに特別控除額を使用した場合には、2,500万円から既に使用した額を控除した残額。

(7)申告が必要


この制度の適用を受けるためには最寄りの税務署に申告が必要です。
申告の時期は贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日です。


「相続時精算課税制度」とは~これだけは知っておきたい3つの注意点

贈与税には暦年課税制度相続時精算課税制度があります。

暦年課税制度とは、贈与財産の価額から110万円を控除した残額に税率を掛けて贈与税額を計算する制度です。贈与者(贈与をする人)や受贈者(贈与を受ける人)の年齢や続柄により税率は変わりますが、どなたでも適用を受けることができます。

一方、相続時精算課税制度では、贈与財産の価額から贈与者ごとに特別控除額2,500万円(※)を控除できます。
(※)前年までに特別控除額を使用した場合には、2,500万円から既に使用した額を控除した残額。
ただし、利用にはいくつか注意点があります。

注意点 1:贈与者と受贈者の条件


原則として、贈与者60歳以上の父母または祖父母受贈者は18歳以上の子や孫でなければなりません。

ただし、住宅取得等資金の贈与である場合には、贈与者が60歳未満であっても適用できます。これを「相続時精算課税選択の特例」といいます。

注意点2:暦年課税制度への変更は不可


相続時精算課税を選択すると、その贈与者から贈与を受ける財産については、それ以降全て相続時精算課税が適用され、暦年課税へ変更することはできません。

注意点3:相続時に精算しなければならない


贈与者が亡くなったときには、相続時精算課税制度を適用した贈与財産は相続財産に含められて相続税が計算され、納付済みの贈与税と清算されます。

この制度は特別控除額が大きいのが魅力ですが、ご利用にあたっては十分注意が必要です。
「相続時精算課税制度」は相続発生時の相続税にも関係する制度ですので、お手持ちの財産で、既に相続税納税の可能性がある方がこの制度を利用する場合は、専門の税理士の方への相談をお勧めします。


まとめ

仕事柄、住宅取得に関する様々なデータをよく目にしますが、近年は資金贈与の利用率が上昇しているように感じます。相続税制の改定などにより、「親/祖父母から子や孫に対する財産分与を、生前から適切に行いたい」と考える方が増えているという背景もあってのことと思います。

さて、今回は「住宅取得等資金贈与の非課税制度のポイント」および「相続時精算課税制度について」を中心にお話しましたが、ご理解いただけましたでしょうか。
制度の細かい点まではお話していませんので、細部まで知りたい場合は専門の税理士の方に相談いただきたいのですが、住宅取得を検討し始めたばかりの方は、この記事の内容を知っておけばまず大丈夫かと思います。
このお話が、皆様の住宅取得の際にお役立ていただけると幸いです。

引用元

国税庁:https://www.nta.go.jp/

当記事については、令和4年度税制内容を元に執筆しております。
詳しい制度内容につきましては、上記URLページをご参照ください。

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