「すっきり片付いた家で暮らしたい」と思ったとき、まず始めにどの部屋を片付けますか?
やはり、家の中心であるリビングではないでしょうか。
しかし、家族や来客など複数の人が利用するリビングは、家の中でも物が集まりやすく、片付いていても散らかって見えてしまう場所。片付けが行き届いてすっきりしたリビングに見せるためには、ちょっとしたコツが必要です。
今回は、住まい方アドバイザーの筆者がリビングが散らかる原因とその解決法をご案内します。
家族みんなで片付け方法を定め、散らかりにくいリビングを完成させましょう!
【原因1】「色の氾濫」で片付かないリビングは、見え方の調整で解決!
「物が多いから散らかっているのではなく、色の氾濫が散らかって見せている」。
これが、リビングの散らかりの特徴。
リビングは家の中でも空間が広く視界が広がるため、目に入るものが増えます。どんなに整理整頓されていても、色があふれているだけで散らかっているように見えてしまうのです。
「リビングの『色の氾濫』を防ぐ」といっても、全てを扉のある収納庫にしまえばいいというわけではありません。全てを隠してしまうと却ってどこに何があるか分からなくなり、使いにくくなることも。
「見せる」と「隠す」をバランスよく取り入れることが、使い勝手のいいリビングをつくる第一歩です。
オープンな収納棚は中が見えないよう配置にひと工夫
頻繁に使う日用品や使用中の書類や本などは、パッと見てどこに何があるか分かるオープン棚が便利です。
この時、ソファなどくつろぐ場所からの視線を意識して、位置や向きを決めるのがポイント。ゆっくりしている時に、棚に並ぶ色の数々が目に入るとそれだけで落ち着けなくなり、結果「片付いていない=散らかっている」印象を与えてしまいます。
どうしても視界に入る場所に棚を配置する場合は、棚に余白を持たせて小さな観葉植物を置くなど「見せる」スペースをつくるようにしましょう。
視線の先の家具の色と素材を揃えてすっきり見せる
テレビボードやリビングテーブル、ソファなど、スペースが広い分、置かれる家具も多いリビング。全ての家具の色や素材を揃えるのは難しくても、入り口からのリビングを見た時やソファに座った時など主要な視線に入るものは揃えましょう。それだけで空間全体がすっきり見えるから不思議。
リビングでどんな風に過ごすことが多いかを、一度チェックして、どこからの見た目を整えるかを考えてみましょう。
とりあえず布をかけて隠すと余計に散らかって見えるのでやめる
機能や使い勝手のいい家電や子供のおもちゃなど、リビングに置いておきたいけれど見た目がちょっと…という時、よくやりがちなのが「ちょっとステキな布をかぶせる」という対策。実はそれ、やりすぎると逆効果ですよ。「ここに見せたくない物を隠してまーす!」と自ら宣伝しているようなもの。散らかった場所も潔く見せるか、別の部屋に移動しましょう。
おもちゃ箱は蓋つきで「色の氾濫」をシャットアウト
子どものおもちゃはとってもカラフル。しかも、同じ赤や青でも素材が木かプラスチックかでその物が放つ雰囲気は全く異なり、色が氾濫することに。なので、おもちゃは気になる時にサッと隠せる蓋つきの収納がベストです。扉つきの収納だと開けたまま遊んだ時にケガのリスクも出てきます。子供が持てるサイズの蓋つき収納ボックスなら、自分で好きな場所に持ち出して遊べますし、片付けも楽なので自分で片付ける習慣づけもしやすいでしょう。
【原因2】物を戻せなくて散らかるリビングは、片付けのルール作りで解決!
爪切りや耳かき、家族が使う小さな日用品の置き場を誰か一人でも知らない人がいると、それだけで散らかりの原因に。人が出しっぱなしにした物を片付けるのは意外と面倒なもの。他の家族もつい見ないふりをしてしまい、次に使うときに見つからず、結局新たに買ってしまい物が増えるスパイラルに陥りかねません。
これを解決するには、家族全員の協力が不可欠。誰か一人が出しっぱなしになっている物を片っぱしからしまうのでは意味がありません。誰もが出し入れできる収納のルールをつくれば、すっきり片付いたリビングを保ち続けることができますよ。
使う場所に使う物を」。家族が想像しやすい場所に片付けよう
いざ物を使おう、しまおうとした時、ピンポイントの収納場所が分からなくても、「この辺かな」と見当がつけられるようにしておくことが大切です。
一番イメージしやすいのは「使う場所に使う物を収める」こと。文房具や電池のストックなど物別に分類したり、梱包セット、来客用食器セットなど生活のシーンでまとめたり。より家族がイメージしやすい方法で収納の仕方を工夫してみてください。
爪切り、耳かき、文房具…。みんなで使う細かい物はざっくり収納がポイント
時々しか使わないけれど家族全員が使い、小さくてどこでも収納できてしまう。そんな爪切りや耳かきなどの小さな生活用品は、リビングをさすらいがちな物のひとつです。きちんとした指定席を用意することは必要ですが、あまり細かく分類してしまうと長続きしない可能性があります。「引き出し〇段目の手前」くらいざっくりまとめておくのがコツです。
ゆるっとラベリングで長続きする書類整理を
日々増える書類も、あまり細かく分けてしまおうとすると、ラベリングばかりが増えて「ラベルを分類するためのラベル」が必要になってしまいます。せいぜい「家族の人数+α」くらい数も少ない方が、整理するタイミングを計りやすく、書類の整理作業も短時間で終えられて効果的。
ラベリング方法も、普通のクリアファイルに油性ペンで直書き、くらいシンプルな方がファイルの増減や変更にも柔軟に対応できておすすめです。不要になったら消しゴムで簡単に消せますよ。
【原因3】リビング以外の場所から集まる物は、「はみだし物」を見逃さないルールで解決!
リビングには、帰宅時に持ち込まれるコートやカバン類、自室から持ち込んだ本やゲームなど、リビングに置き場のない物も集まってきます。もちろん決まった収納場所はないので出しっぱなし。
「また明日使うから」とそのまま置かれたよそ者達が、リビングに収納場所のある物さえも片付けなくていい雰囲気を生み出してしまいます。
この問題は、特に家族全員で取り組まないと解決できないこと。「リビングに置いておけないはみ出し物」を見つける仕組みとルール作りがポイントです。
床の切り替えで置いてもOKな場所をマーキングしよう
つい雑に放ってしまいがちなカバンは、初めから置く場所を決めてしまうのも一手。この時役に立つのが小さなラグマット。マットがマーキングとなり、そこに置かれていない物ははみ出し物として認識できるようになります。
これと同じ要領で、棚の上にバラバラと置かれた財布や時計などの小物も下にトレーを置くだけで、あら不思議。まとまりが出てれっきとした「収納場所」になります。
自室に持ち帰ってほしいものをいれる専用のお持ち帰りボックスを用意
使う物は気軽に持ち込みますが、使い終わった物を自室に持ち帰るのは面倒なもの。ですが、好き勝手に物を持ち込んではリビングがあふれてしまいます。
そこで、リビングに専用ボックスを家族の人数分用意して、持ち帰ってほしい物はそこに入れるようにするのはいかがでしょう。寝る前など決まったタイミングでそのボックスを持ち帰るルールにすれば、いちいち「片付けて!」と声を荒げることもなくなり、リビングもすっきり。ストレスも軽減しますよ。
マチの広いエコバッグや布製のランドリー袋をお持ち帰りボックスにすると、不要な時はコンパクトにたたんでしまっておけるので便利です。
【原因4】動線が交差して物があふれるリビングは、まず動線を整理!
特に空間をやんわり区切って使うLDKによく見られるのですが、キッチンとダイニング(料理と食事)、ダイニングとリビング(食事と寛ぐ)といったように行為の異なる空間の境目は動線が重なったり交差したりして物が散乱しがちに。
意識して物を整理しないと、あっという間にカオス状態になり、どこから手を付けていいかわからなくなってしまうのです。
「動線の交差が原因で物があふれてしまっている」状態の解消法を伝授します。
リビングとダイニング、リビングとキッチンなど異なる生活行為が並ぶLDKをすっきり片づけるための秘訣はズバリ、「動線を整理すること」です。
ダイニングテーブルの近くに書類置き場をつくろう
ダイニングテーブルは食事をするだけでなく、書類を書いたり子供が宿題をしたり「書く」作業場としても使われる場所。近くに書類を置く場所がないと、食事をするときにテーブルに置かれた紙類はリビングに侵食してしまいます。
トレーやファイルボックスで書類の一時避難場所を作っておくと、リビングはきれいな状態を保てますし、山のような紙の中で食事することも防げます。
冬場のコート類をかける場所をリビングに用意しよう
寒い冬の日に外から帰ってきてコートを脱ぐなら、やっぱり暖かいリビングで…。それなら気持ちよくリビングにコート掛けを用意してはいかがでしょう。一年中置いておく必要はなく、期間限定でOK。著者の家では、アウターを着る季節はリビングに置いてコート掛けとして、梅雨時期~夏は臨時の室内干し場としてコンパクトなコート掛けを利用しています。
まとめ
物であふれて「片付け」に消極的になりがちなリビングも、散らかる原因をひとつずつ見極めていけば、誰でも無理なくすっきり快適な空間に変えることができますよ。
ぜひ、チャレンジしてください。
リビングだけでなく、家をすっきり片付けたいと思ったら、暮らしそのものをシンプルに見直してみましょう。
暮らしをすっきりさせるためのルールについて、こちらの記事を参考にしてみてください。
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