マンション価格が高騰※している今、所有しているマンションを売却される方も増えています。
しかし、マンションを売却することは生涯の内にそう何度もあることではありません。
マンションを売却するとなると「どのような流れになるのか?」と不安になる方も多いのではないでしょうか?
実際のところ、具体的な手続きなどを知らなかったため、マンション売却のお話が進んだあと、引き渡し直前でバタバタと慌ててしまったというお話もよく耳にします。
そこで今回は、マンション売却の具体的な流れとポイントについて取り上げてみました。
ぜひ、参考にしてみてください。
※住宅、特にマンションの不動産価格指数(2010年を100とした指数)は140を超えました。
国土交通省:不動産価格指数(平成30年9月26日公表)より
1.マンション売却の流れ
マンションを売却される場合の流れは、一般的に以下のようになります。
- 不動産会社にマンションの査定依頼を実施
↓ - どこで売却活動をおこなってもらうか、不動産会社の選定
↓ - 販売価格の決定、売却依頼の契約締結
↓ - 不動産会社にて売却活動開始
↓ - マンション購入者が決定
↓ - 売買契約締結
↓ - 決済(引渡し)
それではこの流れをセクションごとに詳しく見ていきましょう。
2.不動産会社に売却するマンションの査定を依頼
査定依頼をおこなうには以下のような方法があります。
- ネットにて査定依頼
- 電話やFAXにて査定依頼
- 不動産会社に直接訪問し、査定依頼
また、数社にまとめて一括査定をすることもできます。一括査定により査定額の精査をおこなうこともできますよ。
3.マンション売却を依頼する不動産会社の選定
数社に査定の依頼をかけたあと、実際にどの不動産会社に売却を依頼するのか?は非常に大きなポイントです。
多くの方は1社のみに販売の依頼をしますが、複数社に依頼することもできます。
後で詳しくご説明いたしますが、この複数社に依頼する契約を「一般媒介契約」と言います。
不動産会社の選定として、重要なポイントは
- 売却する物件と不動産会社(店舗)との距離
- どのような販売活動をおこなってもらえるのか?
だと私は思います。
売りに出した物件を購入されるのは、物件から離れたところにお住まいの方もいらっしゃいますが、大半は物件近くにお住まいの方です。
そのため、物件から近くに店舗がある不動産会社の方が売却しやすいと言えます。
また、不動産会社でどのような販売活動をしてもらえるか?は、必ず事前に確認しなければならない事項だと思います。
何も確認しないまま売却活動をお願いした後で、満足のいく売却活動をおこなってもらえないというトラブルを避けるためにも重要なことだと思います。
4.マンション売却価格の決定、売却依頼の契約締結
4-1 売却価格の決定
売却価格の決定は、販売活動をおこなう場合の最も重要なことです。
少しでも高く売って利益を出したいと思うのは当然ではありますが、逆に高すぎると、全く売れない物件になってしまいます。
そして、物件相場、周辺相場をきちんと把握した上で販売価格を決めましょう。
相場を把握するということが最も大切です。
4-2 売却依頼の契約
販売価格が決まれば不動産会社と売却依頼の契約を締結します。
契約には3種類あります。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
それぞれの特徴についてまとめてみました。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
他社への売却依頼 | 不可 | 不可 | 可 |
不動産流通機構(レインズ)への登録義務 | 必要(5日以内) | 必要(7日以内) | 不要 |
自分で購入者を見つけることは可能? | 可能だが直接契約は不可 | 可能 | 可能 |
状況報告 | 1週間に1回以上報告 | 2週間に1回以上報告 | 不要 |
契約期間 | 最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 | 規定無し |
[1]専属専任媒介契約と[2]専任媒介契約では他社への売却依頼は認められず、1社のみの売却依頼契約となります。
ここでご注意いただきたいのが、数社にも売却の依頼をかけた方が売りやすいと考える方が多いのですが、実際のところは、1社に売却を任せた方が売却はしやすくなります。
不動産会社がおこなう売却活動には経費がかかります。
数社に売却活動を依頼する[3]一般媒介契約の場合、不動産会社からすると、経費をかけて売却活動をおこなったにもかかわらず、他社で売却された場合、今までの経費が無駄になってしまうことになります。
そのため、経費をかけてまでの売却活動をおこなってもらえない可能性があります。
一方、1社に依頼する[1]専属専任媒介契約、[2]専任媒介契約の場合、経費をかけて売却活動をおこなっても、他社に売却されてしまうリスクがないことに加え、定期的に状況報告をおこなわないといけないことから、売却活動に注力することができます。
そのため、[1]専属専任媒介契約と[2]専任媒介契約の方が売却はしやすくなります。また、一般的には[2]専任媒介契約を締結するケースが多いです。
4-3 売却にあたっての仲介手数料について
仲介手数料は、不動産業者が不動産の売買をおこなった場合の報酬となります。
4-2に記載した媒介契約書には全て仲介手数料の金額が記載されます。
仲介手数料には法規則があり、上限が設定されております。
法定仲介手数料上限 | |
---|---|
取引価格 | 仲介手数料 |
200万円以下 | 取引額の5%+消費税 |
200万円超~400万円以下 | 取引額の4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 取引額の3%+6万円+消費税 |
一般的には、仲介手数料は決済(引渡し)時に不動産業者に支払う場合が多いのですが、契約時半金、決済時半金というケースもあり、いつ、いくら支払うかは媒介契約書に記載されます。
5.購入者決定
不動産業者より、購入者が決まった旨の連絡があります。
その後、いつ契約をするか?といった日程調整等が必要になります。
6.マンション売買契約締結
売買契約締結時には、売主、買主ともに契約書等に署名捺印が必要になります。
この時に交付される書類は以下のようなものがあります。
- 不動産売買契約書
- 重要事項説明書・・・物件の説明
- 物件状況報告書・・・物件の室内状況などを記載した書類
- 設備表・・・物件の設備を一覧にした書類
- 契約付属書類・・・謄本等契約に関係する書類
また、当日は手付金を受領いたします。
7.決済(売却マンションの引渡し)
決済に必要な手続きには以下のようなものがあります。
- 登記手続き
- 残代金等受領
- 住戸鍵等お渡し
7-1 登記手続き
登記手続きはそのほとんどが司法書士に委任する形式となっております。
売却する場合には、下記の書類に実印で捺印をする必要があります。
- 委任状
- 登記原因証明情報
また、登記手続きには下記の書類が必要です。
- 印鑑証明書
- 評価証明書
- 身分証明
- 登記識別情報(権利証)
7-2 残代金等受領
残代金等の受領についてですが、残代金以外にこのような費用が発生します。
- 固定資産税、都市計画税の日割精算金額
- 管理費、修繕積立金の日割り精算金額
決済より前に不動産会社がこの金額の基となる精算書を作成します。
その内容に基づき、上記の金額を支払います。
7-3 住戸鍵等お渡し
住戸の鍵を買主が受領することで、手続き完了となります。
8.マンション売却手続き前にご確認いただきたいこと
売却をお考えの方に、事前にご確認いただきたい点が2点あります。
8-1 過去にリフォームをおこなっている場合
過去にご自身でリフォームをおこなっている場合には、その具体的な時期及びどのようなリフォームをおこなっているのか?が分かる詳細資料を必ず保管しておいていただきたいと思います。
詳細資料があれば、売却活動をおこなう場合にいつ?どのような?リフォームをしているのかを売却用の広告等に記載することができます。そのため、売却価格をUPできる可能性があります。
ぜひ大切に保管いただきたいと思います。
8-2 登記識別情報(権利証)
登記識別情報(権利証)はとても大切な書類です。もし、紛失した場合には再発行はできません。
ただし、無くても売買できないわけではなく、登記識別情報に代わる書類の発行をおこなっていただくようになりますので、その費用と時間がかかります。
また、登記されている住所と現住所が違っている場合にも住所移転費用が別途必要となります。
事前に登記識別情報があるのかないのか?登記情報に変更があるのかないのか?それを確認しておくことが必要です。
9.マンションを高く売りたいとお考えの方へ
売却をおこなう上で最も大切なことが4-1でも書きました【価格】です。
少しでも安く買って、少しでも高く売りたいという気持ちは当然だと思います。
しかし、相場より相当高く売りに出し、そして相当期間売れず、最後は相場価格より大幅に下げて売却したというケースもあります。
私は中古物件の売買をおこなう場合、【価格】だけでなく【期間】も大切だと考えております。
高く売りたいとお考えになるのも分かりますが、どのくらいの期間で売却するかということにも十分考慮する必要があると思います。
時間をかけての売却にならないように、その都度、価格の見直しをおこなうことが重要だと思います。
10.これからマンション売却をお考えの方へ
中古マンションの購入を検討されているお客様にとっては、内覧でその物件を見たときの第一印象も重要な決定要因です。
そこで、将来、ご自身のマンションを売却される際に、ぜひともおこなっていただきたいのが、「室内の清掃」です。
少しでも綺麗に見せることによって、第一印象を良くすることができ、よりスムーズなお取引ができると思います。
誰でもできる簡単な作業です。ぜひ心がけていただければと思います。
みんなの暮らし、住まい探しをリサーチ!
「住宅ローンを組むには年収はどれくらい?」
「頭金はどれくらい出すのが妥当?」
「収納が足りないけど、みんなどうしてる?」
あなぶき興産が運営する「アルファあなぶきStyle」では、住宅購入にまつわるアンケート調査から、わざわざ人に聞かないけどずっと気になっている日常生活のアレコレまで、独自リサーチをお届けしています。
会員登録してみんなの「どうしてる?」をキャッチしよう!
あなたのアイデアもぜひ聞かせてください!
その他の記事はこちらをCHECK
https://journal.anabuki-style.com/
編集・発行
<著作権・免責事項等>
【本紙について】
・メディアサイト「アルファジャーナル」に掲載された記事を印刷用に加工して作成しております。
・アルファジャーナルにはあなぶきグループ社員および外部ライターによって作成される記事を掲載しています。
【著作権について】
・アルファジャーナルが提供する情報・画像等を、権利者の許可なく複製、転用、販売など二次利用することを固く禁じます。
・アルファジャーナルに登録される著作物に係わる著作権は特別の断りがない限り、穴吹興産株式会社に帰属します。
・「あなぶき興産」及び「α」(ロゴマーク)は、穴吹興産株式会社の登録商標です。
【免責事項】
・アルファジャーナルに公開された情報につきましては、穴吹興産株式会社およびあなぶきグループの公式見解ではないことをご理解ください。
・アルファジャーナルに掲載している内容は、記事公開時点のものです。記事の情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性・信頼性等を保証するものではありません。
・アルファジャーナルでご紹介している商品やサービスは、当社が管理していないものも含まれております。他社製品である場合、取り扱いを終了している場合や、商品の仕様が変わっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。
・アルファジャーナルにてご紹介しているリンクにつきましては、リンク先の情報の正確性を保証するものではありません。
・掲載された記事を参照した結果、またサービスの停止、欠陥及びそれらが原因となり発生した損失や損害について、当社は一切責任を負いかねますのでご了承ください。
・メディアサイトは予告なく、運営の終了・本サイトの削除が行われる場合があります。
・アルファジャーナルを通じて提供する情報について、いかなる保証も行うものではなく、またいかなる責任も負わないものとします。