分譲マンションの床面積には色々な種類があります。そしてこの床面積は販売図面や契約書類、住宅ローン控除の申告や不動産取得税の申告、固定資産税、都市計画税の課税明細など様々な書類で登場します。
マンションの床面積の種類は、減税措置の要件などに関わってくるため実は非常に重要で、きちんと調べていないと後で失敗した…となることもあるので要注意。
この床面積について、マンション事業に従事して22年の筆者が分かりやすく解説いたします。
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1.マンション床面積は全部で4つ
マンションの床面積には4種類あります。
- 専有面積(壁芯面積)
- 登記面積(公簿面積)
- 現況床面積(課税床面積)
- 延床面積
この章では、それぞれの面積について説明いたします。
1-1専有面積とは?
専有面積は販売図面やパンフレットに記載されている面積です。
壁の中心から計測された面積になることから「壁芯面積」とも言われています。
バルコニーやアルコーブ、ポーチなどは含まれませんが、MB(メーターボックス)やPS(パイプスペース)を含むかどうかは物件により異なります。ちなみに当社、あなぶき興産のアルファマンションシリーズではMBは専有面積に含まれませんが、PSは含む場合が多いです。
最近の新築マンションではこの専有面積を基準に共用部分の持分割合を設定しているケースが多くなっております。また管理費や修繕積立金、修繕積立基金の金額設定もこの専有面積を基準に算出されていることが多いです。
検討している物件の面積が微妙な場合には軽減措置が受けられるかどうかは販売担当者でも判断できません。微妙な面積の場合には軽減措置が受けられない可能性があることをしっかりと認識した上で購入を判断しましょう。
1-2登記面積とは?
登記面積とは登記簿謄本に記載されている面積になります。そのため「公簿面積」とも言われます。
登記簿謄本の面積は登記法に基づき算出されますが、算出方法は壁の内側を測った内法面積となります。
室内にあるPS(パイプスペース)を面積に含むかどうかは登記所の見解により異なります。
専有面積は壁芯面積ですが、登記面積は内法面積なので、登記面積の方が専有面積より数㎡程度は小さくなります。
- 登録免許税の軽減
- 住宅ローン控除
- 住宅取得資金贈与の特例
- 居住用財産の買換え特例
- 相続時精算課税の特例
1-3現況床面積(課税床面積)とは?
毎年納付する固定資産税、都市計画税などの納付税額の算出に用いられる面積です。
東京都の場合は「現況床面積」と言われていますが、行政によっては「課税床面積」とも言われております。
マンションは専有部分と共用部分に分かれます。現況床面積は、共用部分の持分面積(按分)を1-2の登記面積に加えた面積となります。
この面積は登記手続きに必要となる評価証明書に記載があります。
- 新築住宅の固定資産税軽減
- 不動産取得税の軽減
1-4延床面積とは?
マンションの床面積の種類に「延床面積」があります。これまでお部屋ごとの面積の考え方をご説明してきましたが、延床面積はマンション建物全体の床面積のことを意味します。
登記簿謄本に記載されている各階の床面積全て足した面積となります。
この延床面積は売買契約書に記載されます。
延床面積は、1-1専有面積・1-2登記面積・1-3現況床面積とは違い、他に利用されるケースはほとんどありません。
2.減税措置や各種特例について
1章にも記載しましたが、減税措置や特例を受ける場合には、床面積の要件を満たしていることが条件になることがあります。他の要件を全て満たしていても、この面積要件を満たしていなければ減税や特例は受けることができませんので、注意が必要です。
ご自身のマンションがこの対象になるのか事前に確認しましょう。詳しくは次の3章にてまとめております。
3.減税措置や各種特例を受けるための面積要件一覧
減税措置や特例を受けるための申請などに必要な床面積は以下の通りです。
(以下はマンションの場合の表になります。戸建住宅等、物件により対象となる面積が異なる場合がありますのでご注意ください。)
項目 | 対象床面積 | 対象となる面積 |
---|---|---|
新築住宅の固定資産税軽減 | 50㎡以上280㎡以下 | 現況床面積 |
不動産取得税の軽減 | 50㎡以上240㎡以下 | |
登録免許税の軽減 | 50㎡以上 | 登記面積 |
住宅ローン控除 | ||
住宅取得資金贈与の特例 | 40㎡以上240㎡以下 | |
居住用財産の買換え特例 | 50㎡以上 | |
相続時精算課税の特例 | 40㎡以上 |
現況床面積は登記面積に共用部分の持分面積を加えた面積のため、登記面積とは大きく異なります。
軽減措置の対象となるかは事前にきちんと確認しましょう。
4.まとめ
マンション購入を検討するにあたり、立地や価格、間取り、ローンなど様々な重要な事項がありますが、床面積は比較的重要視されていないことが多いです。ただし、この記事で説明したように、税金の軽減など優遇要件については面積も重要な項目になります。
購入した後で「軽減が受けられない」ということにならないよう、事前に確認しましょう。
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