4人家族が住宅を検討している際に、「4人で生活するにはどのくらいの広さが必要なのだろう?」「4人家族でマンションの場合、部屋数が足りないのではないか?」といった疑問を持つ人は多いのではないでしょうか?
「マンションは4人家族だと手狭なのかな」と感じる人もいるかもしれませんが、すでに4人家族の人はもちろん、結婚や妊娠をきっかけに将来的に4人家族になることを想定してマンション購入を決断している方も多くいらっしゃいます。
今回は、あなぶき興産が実際に販売した購入者データを元に、4人家族を想定している方に人気の間取りを、その特徴や部屋の使い方と合わせてご紹介します。
※この記事で使用したデータは、穴吹興産株式会社が2022年〜2024年に販売したマンション61棟・契約者2,831組のものです。
穴吹興産株式会社は西日本の地方都市を中心に分譲マンションを提供しており、販売している間取りのタイプや広さには偏りがございます。結果にもその偏りの影響があることを予めご承知おきください。
マンションの部屋選びでお悩みの方へ
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・生活スタイルから考えるお部屋の向き
・家事動線のよい間取りの選び方
4人家族の理想の広さと間取りとは?
国土交通省が発表している「住生活基本計画」によると、4人家族の最低居住面積は50㎡、誘導居住面積は95㎡(※)となっています。
※誘導居住面積とは、「世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現のために必要とされる住宅の面積基準」家族4人全員が10歳以上、共同住宅で計算。
参考:国土交通白書|資料8-3 住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準及び最低居住面積水準
この数値を見て、4人家族にはかなり広い家が必要だと感じた方も多いのではないでしょうか。
一方で、あなぶき興産が2022年~2024年に販売したデータによると、実際に販売されている分譲マンションの専有面積は70㎡~74.99㎡が最も多く、誘導居住面積水準である95㎡を超える広さのマンションは減少しており、住宅市場全体でも同じ傾向にあります。これは近年の建築費の上昇で広い専有面積の物件は価格が高くなっていることや、小家族の世帯が増えていることが要因です。
それでは4人家族の人は一戸建てや広い間取りのマンションを探しているのか?というとそうとは限らず、必要な広さを確保しつつ、お部屋の使い方や家具のレイアウトを工夫して生活しようと考える人が増えています。
次章では、4人家族の方が間取りを決める際のポイントについてご紹介します。4人家族がどのような条件のお部屋を選んでいるのか、またどんなことを検討しているのかについて、詳しく解説していきます。
4人家族に選ばれている人気の間取りランキング
それでは、4人家族にはどの間取り(部屋数)が人気なのでしょうか。
あなぶき興産が販売した分譲マンションの購入者約2,831組のうち「入居人数が4人」の購入者238組を調査したところ、実に9割以上の方が3LDKの間取りを選んでいることがわかりました。冒頭でお伝えしたとおり、あなぶき興産のマンションでは3LDKの間取りが多いことや購入する物件によっては3LDKしかなかったケースもありますが、実際に4人家族の方がどのような使い方を想定して選んでいるのかを、図面と共にご紹介します。
3LDK(2LDK+Sを含む)
4人家族のお客様に間取りの使い勝手を尋ねてみると、「部屋数が3つあると大人2人子ども2人の家族にちょうどいい」と納得して選んでいただいていることが多いです。1部屋を主寝室、残りの2部屋をそれぞれの子ども部屋として使うという方が多いようです。
また、4LDKに比べると購入価格が手ごろで無理のない支払い計画が立てやすいところも選ばれているポイントです。
一方で部屋をすべて使ってしまうと、親戚が泊まりに来た場合や収納スペースが欲しくなったときに物の置き場所に困る可能性があるため注意しておきましょう。
- 実際の購入者の部屋の使い方
- 1部屋は夫婦の部屋、残る2部屋はそれぞれの子ども部屋として使用。
- 夫婦の部屋が1部屋、子ども部屋が1部屋、残りの1部屋は客間や書斎として利用。
- 両親との同居を予定しており、自分たちの部屋と両親の部屋をそれぞれ1部屋ずつ使い、残りの1部屋を共用部屋とする計画。
4LDK
4LDKは、夫婦それぞれの寝室と子ども部屋が欲しい方や、夫婦の寝室・子ども部屋2つ・テレワークスペースが欲しい方に選ばれています。
4LDKの間取りは、洗面所やお風呂などの共同スペースが広いことが多く、角部屋であることが多いため、通風や採光にも優れていることがポイントです。また、親戚や両親がよく泊まりに来る家庭では、来客用として1部屋確保するために4LDKを選ぶ方も多いようです。
ただし、面積が広いため、購入価格やランニングコストが高くなることには注意が必要です。また、コンパクトな間取りのマンションが増加しているため、4LDKの間取りを持つマンションは少なくなっている点も留意しておきたいポイントです。
- 実際の購入者の部屋の使い方
- 大人4人で生活し、それぞれの部屋が必要
- 夫婦の部屋として1部屋・子どもそれぞれの部屋として2部屋、余った部屋は客間や書斎として使用
- 子どもがいる間は子ども部屋として使用するが、将来は1部屋を無くしてリビングを拡大する計画。
2LDK
購入価格やランニングコストを安く抑えることができ、教育費や貯蓄にお金を回せる点も魅力です。また、将来実家に帰る予定がある方が、賃貸や売却などを見据えて、住宅コストを抑えて広くない間取りを選択するケースも多いようです。
ただし、部屋数が少ないため、家族構成が変わったり、子どもが成長したりすると手狭になる可能性が高くなります。将来的に必要になる部屋数も考慮した上で検討することが重要です。
- 購入者の部屋の使い方や重視ポイント
- 2人の子どもが同性のため、夫婦の部屋として1部屋、子ども部屋として1部屋を使用
- リビングで過ごすことが多いため、部屋数よりリビングの広さを重視
- 4人家族だが単身赴任で夫が家にいないことが多いため、2LDKでも充分。
- 男性(父・男の子)の部屋、女性(母・女の子)の部屋に分けて使用
- 広さよりも、将来的な運用面を考えて、立地を重視
4人家族がマンションの間取りを選ぶときに考えたい3つのポイント
続いて、4人家族の方が自分たちに合ったマンションの間取りを選ぶときに、考えておいてほしいポイントを解説します。
[ポイント1] 今必要な部屋数と将来必要な部屋数を考える
間取りを考えるときに一番大事なポイントは、今実際に部屋数がいくつ必要なのかです。「子どもが2人」といっても、未就学児2人と高校生2人では部屋の必要性が大きく変わります。
また、仕事で使う書斎が必要なときや、客間が必要な場合は1部屋確保する必要があります。
例として、同じ3LDKの間取りで子供の年齢別の必要な部屋数を考えてみましょう。
子どもそれぞれの部屋は必要ないので、1~2部屋は夫婦の書斎や客間として使うことができ、3LDKで十分です。
この間取り図の例のように、家族4人で一緒の寝室を使える時期は2部屋を書斎や客間として使えます。
子どもが成長して部屋が必要になっても、しばらくは2人一緒の子ども部屋とすることもできるので、1部屋は余裕があります。
子どもそれぞれに1部屋ずつ必要というケースが多いでしょう。客間や書斎も必要だという場合は4LDKの間取りが必要になってきます。
ただし、子どもが独立したら部屋数に余裕ができるとも考えられるので、この年代の子どもがいる家族では、書斎が欲しい場合でも将来を見越して3LDKの間取りにしておくという方も多いです。
今必要な部屋数は最低限確保することと、将来必要になる部屋数を考えて間取りを決めましょう。
将来も見越した家族の部屋割りの考え方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。合わせて参考にしてください。


[ポイント2] 家族の過ごし方で必要な部屋の広さを考える
部屋数とともに気をつけておきたいのが、部屋の広さのバランスです。
それぞれの部屋やリビング・ダイニングの広さは、家族が普段家でどんな過ごし方をするかで考えましょう。
例えばリビング・ダイニングの広さでいうと、部屋よりリビング・ダイニングで過ごすことの多い家族は、広めのリビング・ダイニングを選びましょう。寝室は寝るときしか使わないということなら広い部屋は必要なく、場合によっては一人一部屋確保する必要もないかもしれません。
逆に、それぞれ部屋で過ごすことが多い家族は、リビング・ダイニングの広さよりも広めの個室が確保できる間取りを選びましょう。
[ポイント3] 今ある荷物が収納スペースに収まるかを考える
2人や3人家族と比べて、4人家族では一般的に衣類などの荷物も多くなります。
部屋数や部屋の広さだけを考えて間取りを選ぶのでなく、収納スペースも必ず確認をしましょう。
まず、今ある荷物の量が、実際に収納スペースに収められるか考えます。マンションの間取りには大きな納戸や、ウォークインクロゼットを備えたものもあるので、荷物が多いご家族には収納が充実したプランがお勧めです。もっと荷物が多い方では、1部屋丸々を収納部屋にすることもあります。
また収納場所を確保するだけでなく、引っ越しの際に不要物を処分し、それ以上物が増えないよう心がけることも大切です。
4人家族におススメ!3LDK田の字プランの間取り
筆者が4人家族におススメする3LDKの間取りは「田の字プラン」です。
田の字型間取りは玄関から奥に伸びる廊下の左右に洋室、突き当たりにはLDKと洋室または和室ひと部屋が配置された、マンションでは最もよく目にするタイプの間取りです。
玄関からバルコニーまでの縦のライン、お部屋の真ん中にある水回り(キッチン・バスルーム)が配置される横ライン、その2つのラインで仕切られた形で居室とリビング・ダイニングが配置されているのが基本のレイアウトとなります。
アルファジャーナル「多彩なライフスタイルに対応!田の字型間取りの魅力を徹底公開」より
この田の字プランは、幅広い家族構成に合わせることができる上、家族の成長とともに間取りの使い方を変化させられるおススメの間取りです。


また、3LDKで3つの部屋を確保できるため、家族の成長に合わせてそれぞれの部屋の使い方を変えることができます。2人の子どもそれぞれに部屋を与えたいという時期が必ず出てくる、4人家族の方に特におススメしたい間取りです。
家族の成長に合わせて、3LDK田の字プランの部屋をどう使い分けていくかは、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ合わせて参考にしてください。


コンパクトな間取りでも部屋を広く見せる収納方法や家具のレイアウト
前述のように、マンションに住んでいる4人家族は限られた広さの中で部屋の使い方を工夫することで快適に生活されています。この章では、部屋を快適に使うための家具の配置やレイアウトについてご紹介します。
生活の基本となる4つの行為を元に、必要な広さや配置を考える
生活の基本行為とは以下の4つです。
- 食べる
- くつろぐ
- 仕事・勉強をする
- 睡眠をとる
4人家族の場合、これらの基本行為を同じ部屋の中で複数行わなければならないことが多いと思います。そのため、それぞれの行為の組み合わせの中で気をつけるべきポイントを押さえ、家具を配置する必要があります。
例えば、「食べる」際にはキッチンからスムーズに料理を運べる動線や、立ったり座ったりする時に椅子が自由に動かせるスペース、隣の人とぶつからないサイズのテーブルが必要です。「くつろぐ」場合は、家族でゆったりとテレビを見たり語らったり、疲れたときは横になったりできる広めのスペースが求められます。「食べる」と「くつろぐ」を同時に行う場合、家具を壁際にまとめて配置するなどの工夫することで、狭くてもお互いの動線を邪魔せず、快適に過ごすことができます。
こちらの記事では、他にも家具の配置で生活を快適にするテクニックをご紹介しています。


「シンプル」な部屋づくりを心掛ける
スペースに余裕のない部屋のインテリアを考える上で大切なのは「シンプルさ」です。シンプルにすることには、単にたくさんの家具を並べて圧迫感が出てしまうのを避けるだけでなく、目の錯覚を利用して空間の広がりを感じさせるためのテクニックも含まれています。
シンプルな部屋づくりには、「家具を置かない」という選択も考慮する必要があります。
一般的に、家具が占める空間の割合は部屋の面積の約3割程度が理想だと言われています。部屋を埋め尽くすように家具が配置されていると、圧迫感を生み出し、実際以上に部屋が狭く見えてしまいます。
この点を踏まえて、家具のレイアウトを検討してみることをおすすめします。


まとめ
4人家族がマンション購入を検討するときの間取りの選び方について解説しました。
あなぶき興産のマンションギャラリーにも、たくさんの4人家族のお客様が来場されます。
4人家族の方が間取りを検討するときに、筆者がマンション営業としてお伝えしたいことはこの2つです。
- 4人家族が自分に合った間取りを選ぶポイントは3つ
- 今必要な部屋数と将来必要な部屋数を考える
- 家族の過ごし方で必要な部屋の広さを考える
- 今ある荷物が収納スペースに収まるかを考える
- 私が4人家族におススメしたい間取りは、3LDK田の字プランの間取り
ぜひ参考にして、快適なマンションライフを実現してください。
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