住みやすいマンションの間取りのチェックポイント~シニア編

お子様が独立して夫婦二人だけでの生活になり、現在住んでいる一戸建てでは空間をもてあまし、思い切ってマンションへ住替えを決めたシニア世代の方も多いかと思います。もしくは、今のお住まいのリフォームをお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
いざ「老後に向けて住みやすい間取りにしよう!」と思っても、どこがポイントになるのかすぐには思いつかない方が多いのではないでしょうか
今回は老後を迎えるにあたって住みやすい間取りのチェックポイントをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

新築マンションの「間取り変更工事」施工事例

ポイント1:間取りはゆとりを持って、シンプルに

年齢を重ねるごとに動作がゆっくりとなってくるシニアの生活では、まっすぐでシンプルな間取りがおすすめです。玄関からリビング、トイレまでをまっすぐ一直線で移動ができると、転倒や怪我のリスクが少なくなります。
あわせてチェックしておきたいのが“ゆとりがあるか”。次の間取り図のように、日常の動作が多い場所にゆとりがあると、イスを置き、座って作業をしたり、途中で一休みすることができます。

広いサニタリーと玄関の図面

広さに余裕がない場合には、家具やものを減らしてゆとりを作り出すようにしましょう。
リビングダイニングが狭い場合には、「”ダイニング兼用ソファ”に変える」、「玄関には靴や物を出さずシューズボックスに入る量にする」など、持ち物をシンプルにすることで動線にゆとりを作り出すことができます。


ポイント2:トイレは位置と形状をチェック

トイレを中央に配置した間取り
加齢とともにトイレに行く頻度が多くなるため、トイレは必ずチェックしたおきたい重要な場所です。
夜中にトイレに行く回数が増えることを考えると、トイレは寝室の近くにあると安心です。
図のように住まいの中心にトイレがあると、リビングからも近く、また寝室がご夫婦別の場合も両方の寝室から行きやすくなります。
また、位置だけでなく出入口のドアもチェックすべきポイント。浴室での事故の方がクローズアップされがちですが、意外とトイレでもめまいや立ちくらみ等による事故が多く、トイレで失神症状を起こすこともあるのだそうです。出入口のドアがトイレの内側に開閉する形状だと、倒れた人でドアを開けられず救助が遅れることになります。ドアは外側に開く形状かと確認するようにしましょう。
元気なうちはトイレの間取りに注目することが少ないものですが、トイレの使いやすさは自立した生活を長く続けるため一番重要となる部分です。必ずチェックしておきましょう。


ポイント3日中過ごす場所の日当たり・採光をチェックしよう

お仕事をリタイアすると日中をご自宅が過ごすことが増えるため、日当たりや明るさは住みやすい間取り選びに重要なポイントとなります。
一戸建てと違ってマンションでは明るさ=採光が取れる場所が限られています。まずはご自身のライフスタイルをもとに、日中過ごす場所がどこなのかを考えましょう。

・日中を主にリビングで過ごす人は、間取りよりも目の前の建物をチェック
近年建てられたマンションでは、一番日当たりが良く、明るい位置にリビングが配置されています。リビングでの生活が主となる方は、間取りよりも「目の前に日当たりを遮る建物がないか」、また「建つ可能性があるか」を確認しましょう。

・個室で過ごすことが多い場合は、個室の位置をチェックしよう
日中を個室で過ごしたい方は、個室の位置をチェックしましょう。
明るい角部屋の間取りマンションの角住戸は、2方向に窓がとれるため日当たりや採光にこだわる人に人気の住戸です。上の間取りだと、リビングだけでなく洋室全てが明るくなります。ただし角部屋は戸数が少なく、4LDKなどの広めの住戸を設けていることが多いため、価格が高めになりがちです。また、壁部分が少なく、家具が置きにくいこともあるので注意しましょう。

中住戸でも次の間取りのように、バルコニーに面して個室が多いと光を取り込みやすく日当たりも良くなります。

共用廊下側の洋室は、バルコニー側のお部屋に比べて暗くはなるものの、外の暑さの影響を受けにくく夏場は過ごしやすい位置。個室は夜しか使わないという方には共用廊下側のお部屋の方が過ごしやすく感じられるかもしれません。
和室で過ごしたい場合は、和室が窓に面しているかどうかを確認するようにしましょう。


ポイント4:水回りは集約されていて、動線が短いと使いやすい

毎日使う、キッチンやバスルーム、サニタリー(洗面所)といった水回り。これらが集まって配置されていると炊事・洗濯といった家事の負担が軽減されますね。
次の間取りですと、煮物をしながら、洗濯や浴室の掃除ができますし、重たい洗濯物もバルコニーへすぐに運ぶことができます。水回りが集約した間取り
使用頻度の高いサニタリーに出入口が2ヶ所あるところも使いやすいポイント。朝の慌ただしいときでも、家族同士がぶつからずスムーズにそれぞれの作業を行うことができます。
またこの間取りのように、リビングとバスルームが近いと転倒やヒートショックといった思いがけない事故にも気づきやすく、すぐに対処することができますので、安心です。

水回りが集約した間取りは生活動線が短くてすむ、というだけでなく無駄なスペースがないということでもあります。マンションという限られたスペースだからこそ効率よく配置された間取りかどうか、重要なチェックポイントと言えるでしょう。

家事動線についてはこちらの記事も詳しく書いていますので、ご参考までにこちらもご覧ください。
→これで解決&満足!家事動線の良い間取りの選び方


ポイント5:収納は”量”も”出入口”も、大きいと使いやすい

大型収納のある間取り子供が小さいときの思い出の品や処分し難い頂きもの、お孫さんたちのベビーグッズ…などなど。お二人住まいなのに物が多くて大変!という方も多いのではないでしょうか。衣類よりも物が多い場合には「納戸」や「ウォークインクロゼット」といった大型収納があると便利です。
なんでも収納できて便利な大型収納ですが、一方で一度収納してしまうと整理するのが大変になるという側面もあります。物を入れる前にキャビネットや棚を設置するなどして収納内を整えておくと、使い勝手がよくなり、整理整頓もしやすくなります。
また、右図のように「収納への出入口が大きい」や「出入口が2ヶ所ある」など出入口に特徴のある大容量クロゼットもおすすめです。出入口が一か所だと、奥のモノが取り出しにくく、片づけが億劫になってきます。出入り口が2ヶ所あると、収納内全体を見渡しやすく、出し入れも簡単です。


ポイント6:リビングは状況に応じて広く使えるか

子どもや孫が集まり大人数で食事ということも多いのではないでしょうか。夫婦2人の生活では広いリビングが必要ないかもしれませんが、大人数で食卓を囲むとなると ある程度の広さがないといけません。
そんなときにオススメなのが、リビングと隣接する居室との戸を引き戸にしてつながりを持たせた間取り。人が集まったときには戸を開けて、居室をリビングの延長として使うことができます。
リビングに隣接する居室が洋室だと、リビングの一角にある趣味コーナーや書斎として使えますし、来客時には戸を閉めて隠すといった使い方もできます。
また和室だと足をのばして寛ぐスペースやお孫さんたちの遊び場、客室などの用途にも利用でき、状況に応じて幅広い使い方が可能です。
リフォームで居室部分をリビングにすることも可能ですが、広いリビングは暖房などの空調の効きが悪く、光熱費が高くなる傾向にあります。状況に応じて仕切れる間取りの方が経済的でおすすめです。

新築マンションの「間取り変更工事」施工事例

まとめ

子育て中や仕事が中心だったときと比べて、シニアの方の「住みやすい間取り選び」は怪我なく、いかに快適な生活が送れるかがポイントになってきます。
この記事が、長く快適なセカンドライフを送るご参考となれば幸いです。

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