「自分でできる室内補修」をテーマに、アルファジャーナルでは実践しやすい補修方法をご紹介しています。前回はフローリング床の補修方法をご紹介しました。
今回は、巾木・壁紙(クロス)・木製建具の補修方法をご紹介します。
自分で補修するのは失敗が怖いし、ハードルが高いと二の足を踏んでいる方、ぜひ参考にしてみてください。
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自分で補修作業を行う前に確認しておきたいこと
自己補修を行うかどうかの判断基準
傷や凹みなどの症状が軽度のものであれば、市販の補修キットを使って補修できると判断して良いと思います。ただし、深い穴・腐食・カビなど、自分で直せる範疇を明らかに超えている状態のものはプロの補修業者にご相談いただくことをおすすめします。
また、新築住宅の場合は、売主が一定期間無償で補修する「アフターサービス」が設定されていることが多いので、保証期間内は自分で補修せずにアフターサービスの窓口に相談しましょう。保証期間内に自分で補修をすることで、その部位全体が保証対象外となってしまう場合もあります。
※保証期間や保証範囲などは、お手元にある「アフターサービス基準書」にてご確認ください(アルファマンションでは住宅購入者の故意または過失、管理の不十分で起こる不具合は保証対象外です)。
また今回ご案内する内容は、持ち家にお住まいの方向けとなります。賃貸物件にお住まいの方は、自分で補修する前に大家さんや管理会社へご相談ください。
補修の際の注意点
自分で補修を行う際に使用する補修キットは、ホームセンターや通販サイトなどで購入できます。購入・使用にあたっては下記の点に充分注意してください。
- 補修は目立ちにくい場所でテストをしたうえで実施することをおすすめします。
- 床にワックスが塗られていると剥離、ツヤ落ちする場合があります(アルファマンションではワックスは標準施工です)。
- 研磨剤が入った補修材は建材を傷付ける場合があります。
- 衣服等への色移りに注意してください。
巾木(はばき)の補修
巾木(はばき)は壁と床の境目に取り付ける部材のことです。床と壁を施工するときは、たわみなどを避けるために数ミリほど隙間を空けますが、その隙間にゴミが溜まったり隙間風が入ってくるのを防ぐ役割を担っています。
また巾木には、掃除の際に掃除機やモップなど固い物がぶつかる・雑巾が触れることによる壁紙の傷や汚れを防ぐ役割もあります。
このように壁紙の汚損を防いでくれる一方で、巾木自体に傷や凹みが付いたり、湿気による剥がれが生じてしまいます。
木製巾木の傷や凹み│ウッドパテで埋める
固いものが当たって生じた木製巾木の傷や凹みは、ウッドパテで埋める補修方法が適しています。
ウッドパテはアクリル樹脂を主成分とした木部用パテ材のことで、乾燥後は塗装・研磨・切削加工が可能になります。
用意する物
- ウッドパテ
- ヘラ(付属品)
- キズ消しクレヨン
- 雑巾
このウッドパテはチューブタイプで、必要な分だけ絞り出せるので便利です。
補修手順
その1. 補修箇所にパテ材を少し多めに絞り出す
チューブを絞ると水が出ることがありますが、品質には問題ないので拭き取ってそのままご使用ください。
その2. ヘラで空気を押し出すように埋め込む
傷や割れ目が深い場合は一度に充填せずに、2~3回に分けて少しずつ埋め込んでいきましょう。
その3. 充填後すぐに、ヘラで余分なパテ材をかき取りながら表面を平らに仕上げる
補修箇所からはみ出したパテ材は、濡れた雑巾でふき取りながら仕上げてください。
仕上げ後はそのまま乾燥させます。
- 乾燥後にひび割れが生じた場合は、ひび割れた箇所にパテ材を載せ、ヘラで表面を平らに仕上げます。
- 乾燥後、充填した箇所の凹凸が気になる場合は、紙ヤスリやカッターで削り整えてください。
その4. 乾燥後はキズ消しクレヨンを塗り、補修箇所が目立たなくなったら完成
パテ材に色を塗って、より傷を目立たなくします。
色を塗る際は、クレヨン型の固形塗料が便利でしょう。塗る前に固形塗料にドライヤーの熱風を当て、少し柔らかくしてから塗るのがコツ。
凹み傷が目立たなくなりました。
木製・ソフト巾木の剥がれ│内装用ボンドで接着
湿気などによって剥がれてきた箇所は、内装用のボンドで補修します。
用意する物
- 速乾アクリア(接着剤)
- ヘラ(無い場合はカッターや段ボールの切れ端などで代用)
- 粘着力の弱いテープ(マスキングテープなど)
- 雑巾
今回選んだ「速乾アクリア」は、速乾性に優れた水星タイプの接着剤です。木や皮、布のほか、金属や塩化ビニール材も接着が可能なので、木製巾木だけでなくソフト巾木の補修にも適している商品です。
補修手順
その1. 巾木と壁紙にテープを貼って保護する
壁紙と巾木の接着面ギリギリの部分に貼るのがコツです。
またこのときに使用するテープは、マスキングテープ(紙テープ)など粘着力が弱いものがおすすめ。
テープの粘着力が強いと感じる時は、ドライヤーの温風で温めたり、手にくっつけるなどして粘着力を弱めてから使うと後ではがしやすいです。
ただし、粘着力が弱すぎると接着剤がはみ出しやすいので注意してください。
その2. 浮きがある部分にヘラを使って接着剤を少量塗り込む
接着剤がはみ出した部分は濡れた雑巾で拭き取ってください。
その3. 巾木と壁紙を圧着させる
巾木を手で押さえながら、壁紙と圧着させます。くっ付きづらい時はドライヤーで温めながら圧着させると接着強度が増します。
接着剤が乾ききる前にテープを剥がして完成。
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壁紙(クロス)の補修
壁紙(クロス)には、インテリアとして空間の印象を決める役割の他に、壁の下地を傷や汚れから保護する役割があります。
室内の湿気や乾燥、経年劣化、地震や台風の影響によってひび割れやはがれが発生するほか、着色汚れや穴傷など、様々な原因で補修が必要になる場面が多いでしょう。
画鋲や釘などの穴傷│充填材で埋める
画鋲などで開いてしまった穴が目立つと感じるときは、充填剤で補修します。
用意する物
- クロスの穴埋め材スーパー(充填剤)
- ヘラ(付属品)
- ドライヤー
クロスの穴うめ材スーパーは、クロスにできた画鋲や釘の抜き穴をワンタッチで簡単に補修できる充填剤です。バルーン材と熱膨張材が配合されているため、ドライヤーで温めることで、クロスの自然な膨らみの凹凸も再生できる※という優れもの。
※施工乾燥後(表面10分で乾燥・気温20℃)、ドライヤーで70度以上に温めると5倍に発泡し、より自然な膨らみの凹凸が再生可能
補修手順
その1. ボトルにノズルを取り付けて、ノズルの先端を穴にあて、充填剤を軽く押し出す
その2. 穴が埋まったら付属のヘラですき取り、布やスポンジではみ出した部分を拭き取って乾燥させる
その3. 乾燥したらドライヤーで温める
着色や熱膨張をする場合は、完全に乾燥させてから行いましょう。
充填剤が発泡することで、自然に穴が目立たなくなりました。
クロスの剥がれ│補修セットで接着
地震が原因でクロスにヒビが入り、そこからはがれが広がってしまいました。このまま放置するとクロスが破れる恐れもありますので、はがれを抑える補修をします。
※今回のような地震由来のものだけでなく、一般的な壁紙のはがれ・めくれも補修できます。
用意する物
- クロスのはがれ補修セット(クロス専用のり)
- ハケ(付属品)
- ローラー(付属品)
- 雑巾
クロスのはがれ補修セットは、密着度の高いクロス専用ののりと、ハケ・ローラーがセットになってる商品です。接着部分はテカリも少なく綺麗に仕上がり、速乾性で作業しやすいのが特長です。
補修手順
その1. 接着する面の古いのりやゴミなどを拭き取る
水分が付着している場合は充分に乾かしてください。
その2. 付属のハケを使って「クロス専用のり」を薄く均一に塗る
ノズルを壁紙に当て、直接のりを出します。
付属のブラシを使って塗り広げましょう(使用後のハケはすぐに水洗いしてください)。
塗り終わったら壁紙を貼り合わせて手でしっかり押さえます。接着しにくい場合はテープで仮押さえすると効果的です。
その3. 貼り合わせた壁紙の上にローラーを置き、数回転がしながら接着させる
このとき、のりがはみ出してしまったら、乾く前に拭き取ってください。
乾いたら完成です。剥がれが目立たなくなりました。
入隅の隙間やひび割れ│コーキング材で埋める
入隅(いりすみ)とは、二つの壁と天井が内向きに入りあってできる角の部分のことです。
壁の下地や壁紙(クロス)が湿気や温度で収縮を起こすと、入隅に隙間が目立つようになります。この隙間はコーキング剤で補修します。
用意する物
- ジョイントコーク・A(コーキング剤)
- メラミンスポンジ
- 雑巾
「ジョイントコーク・A」は内装用コーキング剤です。乾燥前はペースト状ですが、乾燥後はゴムのように固まり弾力性が出ます。
チューブから搾り出して隙間や溝の箇所を埋め、固まった後は防水や補強の効果を発揮する商品です。
補修手順
その1. 補修箇所のゴミやほこりを雑巾で拭き取る
水分が付着している場合は、充分に乾かしてから作業を行ってください。
その2. 補修箇所にコーキング剤を塗り伸ばす
コーキング剤はノズルが密閉されていますので、はさみやカッターでノズルの先端を切り取ってから使用します。切り取る際は、斜めに細く切り取るとコーキング剤を塗りやすくなります。
力を入れずにスーッと手早く塗り伸ばすのが、きれいに塗るコツです。
その3. 濡れたメラミンスポンジでなぞり、隙間に馴染ませる
スポンジが用意できない時は、指でなぞって馴染ませても大丈夫です。指に付いたコーキング剤は、濡れたふきんなどでこまめに拭き取ってください。
その4. 壁紙側にはみ出したコーキング剤を雑巾で拭き取る
隙間が埋まり、目立たなくなりました。
壁紙(クロス)の着色・汚れ│補修材で塗りつぶす
どんなに気を付けて生活していても、いつの間にか汚れてしまうのが壁紙(クロス)です。
汚れが目立つ場合は、補修材を塗って隠してしまいましょう。
用意する物
- クロスタッチ
クロスタッチは、壁紙(クロス)に付いた手あかなどの汚れに塗って隠す補修材です。
使用にあたって難しい工程は特に無く、ただ塗るだけなので補修作業に不慣れな方にもおすすめです。また水性タイプで乾燥も早いので、作業性にも優れています。
ちなみにクロスタッチには2種類あり、ボールペンや落書きかくしに特化した「クロスタッチ落書きかくし」という商品もあります。そちらも使いやすくておすすめですよ。
補修手順
クロスタッチをカラカラとかくはん球の音がするまで振り、直接汚れに対して薄く均一に塗りましょう。
汚れが目立ちにくくなりました。
木製建具の補修
木製建具(もくせいたてぐ)とは、主に部屋や廊下との仕切り等に用いる、開閉できる木製の扉やクロゼット扉などの総称です。
ドアに固いものをぶつけて凹んでしまったり、ドア枠に引っかき傷を付けてしまう、というような原因で補修が必要となることが多いです。
引っかき傷│クレヨン系の補修材を塗り込める
気がついたらできている引っかき傷。このような場合には、クレヨン系の補修材で塗って隠します。
用意する物
- キズ消しクレヨンミニ
- ヘラ(付属品)
- ふきん
キズ消しクレヨンミニは、家具やフローリング床・扉・柱・建具など木製品の傷補修におすすめの補修材です。傷に直接塗りこむだけで手軽に補修できますし、カラーバリエーションが豊富なので補修箇所の色味に合わせやすいのも便利です。
また1本単位での購入はもちろん、ナチュラル・ミディアム・ダークなど同系色のセットを購入することもできます。
補修手順
その1. 補修面の汚れを拭き取り、傷に対してクレヨンを直角に塗り込む
一気に塗るのではなく、細かく上下に動かして少しずつ塗るイメージで作業すると上手くいきます。
その2.傷の周りについた余分なクレヨンをヘラですき取り、乾いたふきんで拭き上げる
傷が目立たなくなりました。
欠けや凹み│ウッドパテで埋め込む
固いものが当たって欠けてしまった扉の角。このような箇所も、ウッドパテで埋め込むことで補修が可能です。
用意する物
- ウッドパテ(パテ材)
- ヘラ(付属品)
- 紙ヤスリなど研磨できるもの
木製建具の欠けや凹みの補修には、巾木の補修方法でも紹介したウッドパテが最適です。
補修手順
その1. パテ材を絞り出し、欠けた部位に盛るようにして塗る
埋める部分が深かったり範囲が広い場合は、1回塗っただけだと乾燥後にパテの痩せが目立ってしまいます。2~3回程度重ね塗りし、少し盛るようにすると仕上がりが綺麗になります。
その2.付属のヘラでパテ材をすき取り、平たくして乾燥させる
盛りすぎた分をすき取り、表面を均して充分乾燥させましょう。
その3.乾燥しパテ材が硬化したら、紙ヤスリなどで研磨して完成
パテ材が硬化したのを確認し、紙ヤスリで表面を滑らかに整えます。
木材用の塗料や家具補修用の着色マーカーで塗装すると、補修部位が自然に見え、よりきれいに仕上がります。
まとめ
経験がない方でも手軽にできる、巾木・壁紙(クロス)・木製建具の補修方法補修方法をご紹介しました。慣れるまでは「思ったように仕上がらない」ということもあるかもしれませんが、補修した箇所もマイホームのいい味となりますし、補修の回数を重ねるうちにどんどんコツも掴んでいきます!
皆さまの「マイホームライフ」が更に素敵なものとなりますように。
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