気に入った家具にめぐり会えない。
部屋やベランダのアイテムをとことんこだわりたい。
もしそんな思いがあるのなら、DIYに挑戦してみませんか?工作がちょっと苦手な方や力の弱い女性でも大丈夫。DIYの基礎知識からはじめて、木材を使った収納BOX作りまでを、DIYアドバイザーとして木工教室などを開催している番匠 智香子さんが指南します。
DIYといっても何から始めたらいいかわからない。そんな初心者のためのDIY第一歩。
自分でつくるすてきな暮らしを、気軽にはじめてみましょう!
DIYの基礎知識
DIYとは、“Do It Yourself” の略で「よりよい住まいと暮らしを自分たちの手でつくろう」という姿勢や行動を表す言葉です。男性向けのイメージがある日曜大工ですが、最近では自分好みに家具を手作り、おしゃれな空間にしようという女性のDIYファンも増えていますよね。
完ぺきではない、手作り感を楽しむことがDIYのスタイルです。
はじめてDIYに取り組むという方のために、まずはDIYを始めるまでの手順と注意してほしいことをお伝えします。
はじめてのDIY-初心者に知ってほしい4つのステップ
- STEP1:つくる前にイメージを描いてみよう
- STEP2:イメージに合う素材を探してみよう
- STEP3:まず揃えたい4つの道具
- STEP4:作業前の下準備が意外と大事
STEP1:つくる前にイメージを描いてみよう
「ここに棚があったら便利」「こういうイメージのお部屋にしたい」など身近な環境から思いつくもの、欲しいものをイメージして、ラフで構いませんので、描いてみましょう。描くことでイメージがより具体的になります。なかなか思いつかない場合はお気に入りの写真や本などを参考に、好きなイメージを膨らませて下さい。
好きなイメージが想像できたら、家具や収納を作る場合は何を入れたいか、どんな風に使いたいかの用途とどのくらいのサイズにするか大きさも一緒に考えておきましょう。
イメージを考えたら描いてみて、より具体的にしていきましょう。
イメージが出来たら、色や素材、形、用途など仕上がりの雰囲気も考えていきます。
STEP2:イメージに合う素材を探してみよう
イメージを実現するために素材を探しましょう。素材探しにはさまざまな種類がそろっているホームセンターが便利です。木材のサイズや樹種、取っ手や丁番、塗料の色など種類が豊富なので、イメージに合うような素材探しを楽しんでみましょう。
素材をみているとアイディアを思いつく場合があります。きれいなカッティングシートをみていると机の引き出しに貼ってアクセントにしようか、思い切ってキッチンのリメイクしようかなどイメージが膨らんだりもします。
どんな素材があるか見ておくことで、イメージが具体的になります。
ホームセンターによって扱っている素材が違うので時間のある時に素材探しをしてみましょう。
STEP3:まず揃えたい4つの道具
DIYにはいろいろな工具や道具があります。どんな作業をするかによって必要な道具は異なってきますが、まず最初に揃えておきたい道具はメジャーです。測る道具はDIYには欠かせません。その他に大型カッター、ドライバーセットがあるとなにかと重宝します。
イメージが具体的になったらそれに合わせて実際に必要な材料の寸法を出していきます。ホームセンターや専門書、インターネットでHOWTOを提供している場合はそれを参考に必要な道具や用意する材料を手配しましょう。
ホームセンターで無料で手に入るHOWTOパンフレットやインターネットを活用して情報を入手しましょう。
資料だけでわからない時はホームセンターに足を運んで相談してみましょう。
STEP4:作業前の下準備が意外と大事
実際に作業する時は傷つけたくないところや汚したくないところは養生(シートで保護)しましょう。養生をしっかりおこなっておくと、後片付けも楽に。
木材などのカットが家の中で難しい場合は、ホームセンターで木材のカットをしてくれるサービスを利用するという方法もあります。切り口が直角できれいなできあがりになる上、木の粉がお部屋に舞うこともないので活用したいサービスです。
作業は安定した状態で行い、怪我をしないように。できあがる工程を楽しみながら作業しましょう。
養生はしっかり行い、下準備を計画的に行うと効率よく作業が行え、後片付けがラクになります。
DIYのファーストステップ!手軽な素材で作ってみよう
はじめてのDIYにぜひ取り組んでほしい、初心者でも簡単にチャレンジできる手軽なアイテムを使ったDIYをご紹介します。
手軽な素材-まずはこの3つを使ってみよう
- マスキングテープ
- 粘着シート
- 取っ手・つまみ
[手軽な素材1]マスキングテープを使って可愛くデコろう
マスキングテープは元々、塗装の時などに汚したくないところを保護するためのもので、貼りやすく剥がしやすくできています。近年はかわいい柄や色などステーショナリーや雑貨感覚で使えるものが多くなりました。気軽に貼ったり剥がしたりできるので、どなたでもチャレンジできます。
例えば、お部屋の壁の雰囲気を変えたいと思ったとき、壁紙を貼り替えたり、ペイントするのはなかなか大変そうで勇気も必要ですよね。
そこでスイッチボックスをマスキングテープでデコレーションするだけで、手軽にお部屋のイメージチェンジができます。
他にも誕生会、クリスマスなどのイベントの飾りつけにもマスキングテープは大活躍!壁を大きなキャンバス代わりにして楽しむことができます。
マスキングテープは、壁面の状態や貼り付け方法、長期間貼りっぱなししてしまう等の貼った後の状況によっては、壁紙にしっかりくっつきすぎてしまうことがあります。壁紙から剥がすときは気をつけてください。
壁に貼るときは、一度見えない箇所で試し貼りすることをおすすめします。
[手軽な素材2]粘着シートでイメチェンしよう
表面が古くなってしまった家具やキッチンの扉などイメージチェンジをしたい場合には、粘着シートがおすすめです。粘着シートは裏側がシールになっていて手軽に貼れるわりに、ある程度の擦れにも強く、汚れを拭くこともできて、長持ちします。最初は机の引き出し面などちょっとしたところに貼ってみましょう。
粘着シートを貼るにはまず、霧吹きとタオル、カッターを用意します。
霧吹きには水を入れ、そこに中性洗剤を1、2滴いれます。
シートは貼る面よりも一回り大きめにカットしておきます。
そして霧吹きを貼る面に吹いて、10cmくらい剥離紙を剥がして端から貼ります。空気を中央から外側に逃がすように丸めたタオルを当てて気泡ができないように押し出してゆきます。最後に余分なところをカッターで切ってでき上がりです。
貼るときは一気に貼らず、少しずつ。
また、霧吹きをしないとシートが貼り付いてしまって、位置合わせが大変になってしまいます。
[手軽な素材3]ドライバー1本でできるつまみ&取っ手チェンジ
家具の取っ手やつまみは簡単に交換ができるのはご存知でしょうか?
引き出しの内側を見てネジの頭があれば、緩めるだけで取っ手が取れる仕組み。ドライバー1本で簡単に交換ができるので、お気に入りのものに付け替えるだけです。
つまみを探すときには注意が必要。1本ネジのタイプは同タイプ、2本ネジで固定するタイプはネジの位置が合うものを選びましょう。位置が合わない場合は穴を開け直さなければ付けられませんが、前面からネジをとめるタイプであればドライバーで取り付けることができます。
つまみが違うだけで全く違う印象になるので、お部屋のインテリアに合わせて簡単なリメイクを楽しんでみてください。
木製、陶器製、ガラス、アンティークなど大きさもデザインもさまざま。
2本ネジタイプは位置に気をつけましょう。
ステップアップDIY! 収納BOXを作ろう
続いては、ステップアップして実際に家具を作ってみましょう。
家具と聞くとできるか不安になってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は初めての方でも作りやすい収納BOX作りをご紹介します。
収納BOX作りの4ステップ
- STEP1:収納BOXのサイズを決める
- STEP2:ホームセンターで材料を購入
- STEP3:コツを押さえて組み立て開始
- STEP4:組み合わせが楽しいディスプレイ
STEP1:収納BOXのサイズを決める
収納BOXをDIYで制作をするために大事なものはサイズです。まずそのBOXに何を入れたいか、どこに置きたいかを決めてからサイズを考えましょう。
入れたいものがある場合はそれが基準になり、家具の間のように置くスペースが決まっている場合はその外寸が基準になります。
今回はわかりやすいようにA4サイズの雑誌が入るシンプルな四角いBOXを例にとって制作します。
A4サイズ(横21×縦29.7cm)よりも内寸は2,3cmほど余裕をとって大きめに。高さ32cm、奥行23.5cm、幅は見た目が正方形になるよう32cmとします。
大事なのはサイズ。寸法を出したら図を書いてみましょう。
ある程度決めてからホームセンターに行くとスムーズです。
STEP2:ホームセンターで材料を購入
ホームセンターの木材売り場に行くと様々な材料が販売されています。目的に合った幅23cm以上の材料を探してみましょう。
比較的安価で手に入りやすい材料はホワイトウッド(SPF)と呼ばれる材料。今回の制作物には1×10材(ワンバイテン:幅23.5cm×厚み1.9cm×長さ182cm)がちょうどいいサイズです。
さらに、背板用に45.0cm×45.0cmのベニヤ板も必要です。
専門用語でわかりづらい場合は、㎜単位で寸法が表記されていますので、売り場の表記を確認しましょう。材料の寸法に合わせてサイズを決めると無駄なく材料が使えます。
材料が決まったら、いよいよ購入です。
でもレジまで運ぶのにも大きすぎてとまどってしまうのに、自分でカットするのはもっと大変です。
そこで、可能であればホームセンターのカットサービスを利用するといいでしょう。1カット数十円程度で、きれいな直線を機械でカットしてくれます。
ここで必要なのが木取り図。元の素材(今回はワンバイテンの木材・ベニヤ板)から、どういう風に必要な部材を切り出すか書いたものを木取り図と呼びます。
木取り図を書くときに注意したい点が1つ。木材を切るときの刃の厚みが3mmあるので、計算上ピッタリだと切れなくなります。少し余裕をみてください。
今回の収納BOX制作では、以下のパーツが必要です。
- 32cm×23.5cmの板…2枚
※側板用。幅23.5cmの1×10材(ワンバイテン:幅23.5cm×厚み1.9cm×長さ182cm)から切り出し
- 35.8cm×23.5cmの板…2枚
※天板と底板用。幅23.5cmの1×10材(ワンバイテン:幅23.5cm×厚み1.9cm×長さ182cm)から切り出し
※厚みが1.9cmなので32+1.9+1.9 - 4mm厚のベニヤ板36cm×36cm…1枚
※背板用。写真の白い板です。
慣れないと書くのに時間がかかる、計算が面倒、苦手という声を聞きますが、カットをお願いする時には必要です。頑張って書きましょう。
STEP3:コツを押さえて組み立て開始
まずは材料を組み立てる形に置いて、完成形をチェックします。そうするとその後の制作がスムーズに進みます。底板の上に側板がのって、天板がのる構造になります。
完成形がイメージできたら、いよいよ組み立てです。
まず側板と底板に木工用接着剤を塗りましょう。接着剤はベッタリつけるとたくさんはみ出してしまうので、ヘラや厚紙などを使って薄く伸ばします。材料同士をグッと押して貼りつけた時に少しはみ出すくらいが適量です。
接着剤が乾くまではテープでしっかりととめます。その時、はみ出した接着剤を濡れ雑巾で拭きましょう。そのまま残して固まってしまうとその部分だけ塗料が塗れなくなってしまいます。
接着剤だけでも形はできますが、ネジや釘を使うとかなり丈夫になります。
ネジの長さはとめる板の厚さの2倍、釘なら3倍が目安です。
両端から2cmくらいの箇所と真ん中の3ヶ所にネジを下穴をあけてからとめます。
今回は細ネジ(スリムビス)の3.3mm×35mmから40mmくらいの長さを使いましょう。
背中のベニヤ板も1辺につき3ヶ所ずつネジをとめていきます。
ネジどめは手廻しのドライバーでも作れますが、電動ドライバードリルは早くて便利です。店舗によってはホームセンターにレンタルサービスがあることもあるので、これを機会に利用してみてはいかがでしょうか。
STEP4:組み合わせが楽しいディスプレイ
今回の収納BOXは、たくさん作るとBOXだけでディスプレイが楽しめます。
時間のある時にマイペースに必要な数が作れるのもいいところ。作り続けることで木取りにも電動工具にも慣れてくるので、サイズ違いを作って組み合わせの幅を広げることができます。
基本のBOXから棚や収納ベンチなどにアレンジができるので、どんどんチャレンジしてみましょう!
- 1個で使うとき
ローソファのサイドテーブルに。
底面にキャスターをつけると、移動が出来るミニテーブルにも!
- 2個で使うとき
BOXを上に重ねたり、横に並べたBOXに棚板を渡してサイドボードのように。4個で使うとき
2×2に組み合わせて大きな収納として。
前面を外側に向け、4つを組み合わせると大きなテーブルに変身します。
- 1個で使うとき
- 6個で使うとき
3+2+1の階段状に組み合わせると、お部屋の間仕切りとしても使えるサイズに。
同じサイズのBOXでも、サイズ違いのものでも、いくつか作ると模様替えを楽しめます。
キャスターを付けると、さらに用途が広がりますよ。
まとめ
DIYの基礎知識と手軽に取り組めるメニュー、そして少し本格的な収納BOXの作り方をご紹介しました。
今回の収納BOXと同じ作り方でサイズを変えて組み合わせると、ベンチや大きな収納など、作れるものの幅が広がりますよ。
※ただし、上に座ったり重いものを載せるときはBOXの強度に注意。座る前に体重をかけたりして問題ないか確認しておきましょう。
計画を立てるところから工程を楽しめるDIY。はじめの一歩を踏み出して、身の回りを自分好みにカスタマイズしてみませんか?
自分でつくるすてきな暮らしを、今日からはじめてみましょう!
番匠 智香子(ばんしょう ちかこ)
DIYアドバイザー免許を取得後、電動工具メーカーに勤務。
家族が楽しめる木工をテーマに、木工教室や雑誌等にデザインや作り方、道具の使い方を紹介している。NHK「住まい自分流」に番組講師として出演のほか、著書に『木工ガールはじめてのDIY』(美術出版社)など。
※この記事は、2013年8月~2013年10月に公開されたアルファあなぶきStyle内コンテンツ記事を再編集したものです。
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