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<JR別府駅から歩いていける温泉オススメ8選>温泉道七段(56湯制覇)保持者が厳選しました!

別府は言わずと知れた温泉地。
温泉施設が数多点在しており、どこに行けばいいか迷うほどです。でもせっかく別府に行くなら、満足度の高い、思い出に残る温泉に入ってみませんか?

別府八湯温泉道 七段(56湯制覇)!名人を目指して日々温泉三昧の筆者が、別府駅から歩いていけるオススメ湯をご紹介したいと思います。健康を気遣い歩き始めた散策が高じて、いつしか温泉巡りが趣味になった経験を踏まえ、必ず押さえておきたい定番の温泉から地元の方に愛される隠れ家的ディープ温泉までを含めた8カ所を厳選しました。

掲載の情報は2019年8月時点のものです。最新の情報は各施設にてご確認ください。


これでディープ別府も大丈夫!独特のシステムと入湯マナーを知っておこう

別府市内の温泉施設は、地元の人たちが日常的に使う「共同温泉」、いわゆるジモ泉が圧倒的に多いです。それだけに独特のマナーが存在しています。また観光ナイズされていない昔ながらの共同温泉の設備は、スーパー銭湯のような施設を想像していくとビックリするかも。

別府の湯けむり

だからといって怖がる必要はありません。事前に知っておけば大丈夫。お互いが気持ちよく利用できるように、要点を押さえておきましょう。

基本編

別府のジモ泉で多く見られるのが、浴室と脱衣所が一体化しているスタイル。
出入り口にあたる部分のドアがないものから、完全に一体化したものまで形態は様々ですが、なかなか開放溢れるつくりです。初めての人は少し戸惑うかもしれません。
また脱衣所から階段を降りて、半地下(または地下)にある浴槽に行く造りになっているところもあります。これは、ポンプがなかった時代に作られた温泉は、温泉が湧いている地点より低いところに浴槽を作らざるをえなかったことが理由です。歴史ある温泉の証ですね。

駅前高等温泉

浴室と脱衣所が一体化、かつ階段を降りて行くスタイル
(駅前高等温泉)

こういった施設が多いことから、別府の温泉めぐりをするに当たっては、持ち物などの準備は入念に行いましょう。

  • カギのかかるロッカーは設置されていないことが多いので、貴重品は極力持ち歩かない
  • タオル・洗面器・石けん・シャンプーは自分で用意して持っていく(市営・町営温泉では用意されていません!)
  • 受付にて入湯料(お金)を支払う。無人のところでは集金箱に支払う
  • 脱衣室および浴室内での携帯電話の使用は不可(緊急時を除く)

脱衣〜入湯編

  • 元気な声でほかの入湯者に挨拶する→「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」(筆者の同僚が、挨拶をするようにと洗礼を受けたことがあります…)
  • 温泉施設によっては「あつ湯」「ぬる湯」に入り口が分かれている(が、ぬる湯でも42℃程度と、別府の温泉は全体的に湯温が高め)
  • 脱衣場は狭いところが多い。脱衣箱は1箱にまとめる(2箱使用はしないように)
  • 浴槽の湯でかけ湯をし、体をよく洗ってから浴槽に入る(ほとんどの温泉施設でシャワーは見かけません)
  • 体は立って洗わず、座って洗う。体を洗った後は、その周りの床を湯で洗い流す。浴槽内や周囲の人にはねたお湯がかからないように!
  • 浴槽にタオルをつけない
  • 浴槽の縁に腰掛けない(浴槽の縁は頭を置くところです!)
  • 浴槽に水を入れる(加水)際は、周りの人に一言聞いてから入れる(温度調節はお互いの譲り合いの心が大切です)

湯あがり編

  • 浴室のすみで体についている水気を取って脱衣室にあがる
  • 脱衣室にあがる際は挨拶を忘れずに。「お先に失礼します」あたりが妥当かと…
  • 脱衣室の床が濡れないように細心の注意を(濡れた洗面器等も!)

最後に忘れものがないか確認して、おいとまします。湯あがり後は水分補給も忘れないようにしてくださいね!


いざ温泉へ。別府駅近オススメの湯8選♨

では、いよいよ別府の温泉56湯を制覇した筆者によるオススメ湯を紹介していきましょう。
別府の駅から歩いて行ける全8カ所。前半(1〜4)は必ず立ち寄りたい温泉観光王道コース後半(5〜6)はちょっとディープな穴場温泉コースを選んでいます。

1.砂湯も楽しめる別府温泉のシンボル的温泉「竹瓦温泉」

明治12年(1879年)に創設された歴史ある温泉施設です。建築当初は竹屋根葺きの浴場でしたが、その後、瓦葺きに改築されたため、竹瓦温泉の名称がついたと伝えられています。

竹瓦温泉正面

存在感ある正面は唐破風造(からはふづくり)の豪華な屋根!
現在の建物は昭和13年(1938年)に建設されたもので、国の登録有形文化財(建造物)に登録、近代化産業遺産に認定されています。その印象的な外観は別府温泉のシンボル的な存在です。

竹瓦温泉の砂湯

名物の砂湯は、浴衣を着て砂の上に横たわると「砂かけさん」と呼ばれるスタッフさんが温泉で暖められた砂をかけてくれます。源泉かけ流しの普通浴と珍しい砂湯、ぜひセットで体験してみてください。

竹瓦温泉
住所大分県別府市元町16-23
連絡先0977-23-1585
料金100円、砂湯1,030円
利用時間6:30~22:30
砂湯8:00~22:30(最終受付21:30)
泉質塩化物泉、炭酸水素塩泉
別府駅(徒歩)10分

2.深夜24時まで利用できるレトロ温泉「駅前高等温泉」

別府駅から駅前通りを歩くこと2分の場所にあるのが、駅前高等温泉。
大正13年(1924年)に地元の人達の寄付で建てられたという洋館風のレトロ建築は、約95年間そのままずっと使われているもの。先日、会長さんとお話をさせていたいた際に「雨漏りがあるし、建物の維持・管理が大変」とうかがいましたが、これからもずっと姿を変えずにいて欲しい温泉です。

駅前高等温泉

アクセス抜群の駅前立地で、館内の2階には休憩や格安宿泊もできます。深夜24時まで利用できるのも便利ですね。
タオルや石鹸なども館内で販売しているので、手ぶらで訪れても安心。仕事終わりに同僚たちと利用する機会もあり、湯あがり後の一杯が格別にうまい!思い出深い温泉です。

駅前高等温泉
住所大分県別府市駅前町13-14
連絡先0977-21-0541
料金あつ湯、ぬる湯 各200円
2階に宿泊施設あり(1人1,600円~)
利用時間6:00~24:00
泉質単純温泉
別府駅(徒歩)2分

3.別府中心地にある公園に隣接した共同湯「海門寺温泉」

市民の方だけではなく観光客の方にも親しまれている温泉です。古くは海門寺公園温泉と呼ばれていました。
平成22年(2010年)2月にリニューアルした現在の海門寺温泉は、施設全体をバリアフリーとし、別府の温泉施設では珍しいシャワーも設置されています。

海門寺温泉

温度の異なる「あつ湯」(44℃)と「ぬる湯」(42℃)の2種類の浴槽を設けており、熱い温泉に慣れていない方も入湯しやすく、別府温泉の魅力を身近に感じられる施設になっています。

海門寺温泉外観

外観は隣接する海門寺公園と調和した、落着きと風情を感じられる和風のたたずまい。
ここは筆者が家族で頻繁に訪れる温泉で、子供たちを海門寺公園で遊ばせ、汗だくになったあとに温泉に浸かるというのがお決まりのコースとなっています。

海門寺温泉
住所大分県別府市北浜2-3-2
連絡先0977-22-3625
料金100円
利用時間6:30~22:30
泉質炭酸水素塩泉
別府駅(徒歩)5分

4. 昭和天皇も入湯!歴史ある名湯「不老泉」

皇太子時代の昭和天皇が訪れており、別府を代表する温泉のひとつです。
明治に入ったころからあったといわれており、観光客の増加に伴い明治、大正時代に改築を行い、昭和32年(1957年)には鉄筋コンクリート3階建ての建物に改築されました。平成26年(2014年)8月にリニューアルした現在の施設は、歴史ある温泉にふさわしい風格ある魅力的な意匠を取り入れています。

不老泉

市営温泉の中でもっとも広い浴槽を確保し、好みに合わせて入浴できるよう「あつ湯」(44~46℃)と「ぬる湯」(42~43℃)を設けています。どちらのお湯も、湯あがり後は汗が止まりませんが、この爽快感が癖になります。

不老泉
休憩スペースもあり、湯あがりに一息つくことができますので適度に水分補給を行ってください。
筆者の別府八湯温泉道のスタートが、ここ不老泉だったなぁ…と懐かしい思いです。

不老泉
住所大分県別府市中央町7-16
連絡先0977-21-0253
料金100円
利用時間6:30~22:30
泉質単純温泉
別府駅(徒歩)3分

5. 白壁に斬新なデザインの湯屋「田の湯温泉」

田の湯温泉という名前の通り、元は田んぼの中に湧いていた湯で、湯屋の創設はなんと江戸時代に始まるといわれています。かつては上の田の湯・川の湯・野田ノ湯などとも呼ばれ、古くから村人の憩いの場だったようです。

田の湯温泉

現在の白を基調とした特徴的な形をした建築は、平成11年(1999年)に建てられたもの。内部は天井も高く、広々とした雰囲気です。

田の湯温泉

ここはいつ入湯しても熱めの湯の印象ですが、お湯自体は柔らかく、湯あがりはさっぱりしています。
観光向け温泉から一歩進んで「別府ならでは」感を手軽に体験してみたいと思われている方に、特にオススメしたい温泉のひとつです。

田の湯温泉
住所大分県別府市田の湯町4-23
連絡先0977-21-1381
料金100円
利用時間6:30~22:30
泉質炭酸水素塩泉
別府駅(徒歩)5分

6. 路地裏 情緒満点の風格漂う湯「紙屋温泉」

別府駅から徒歩12分、別府の路地裏にある共同温泉の典型と言っていいでしょう。
♨温泉マークのある建物1階部分が紙屋温泉です。
江戸時代から続く湯を明治7年(1874年)に一般開放。周辺に印刷用の紙屋があったことからの由来で「紙屋温泉」という名になったそうです。

紙屋温泉

ここの湯は比較的熱いと評判の温泉です。美肌効果がある温泉なので湯あがり後はお肌のスベスベ感もお楽しみください。

紙屋温泉

入り口そばには小さな足湯と飲み湯が設けられています。別府でも数少ない飲み湯(持ち帰り2リットルまで100円)があります。ミネラルたっぷりの泉質は、胃腸や糖尿などへの効果が期待できると言われています。
さっそく備え付けのひしゃくで飲んでみると、ほんのり硫黄の香りがして、ちょっと甘めの味がしました。温泉に浸かる楽しみだけではなく、体の中から楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。

紙屋温泉
住所大分県別府市千代町11-27
連絡先ーーー
料金100円
利用時間13:00~23:00
泉質炭酸水素塩泉、塩化物泉
別府駅(徒歩)12分

7.女性アーティストが描いた壁絵が素敵な「末広温泉」

別府駅から南に徒歩10分の末広温泉は、中央にある受付は無人で、集金箱と温泉道のスタンプが用意されています。
男女それぞれの入り口は施錠されており、自分でドア横にある入り口の鍵を開けて入る、入ったら内側から鍵を閉めるという珍しいスタイル。筆者も、初めて訪れた時には大変とまどった、記憶に残る温泉のひとつです。

末広温泉

内部は別府では珍しく、脱衣室と浴室が分かれています。2015年の芸術祭「混浴温泉世界」で女性アーティストが描いた壁絵が印象的です!

末広温泉 男湯(鶴見岳)

男湯(鶴見岳)

山には男山(おやま)と女山(めやま)があるそうです。由布岳は男山、鶴見岳は女山だそうで、男性は女性に見守られながら、そして女性は男性に見守られながら、共に生きられたらという願いを込めて描かれたそうです。

末広温泉 女湯(由布岳)

女湯(由布岳)

浴槽の縁に頭を置くと、壁絵を良い角度で眺めながら温泉に浸かる至福の時間を過ごせます。心も体も安らぐ癒しの空間で、最高の贅沢を味わってください。

末広温泉
住所大分県別府市末広町4-20
連絡先ーーー
料金別府市内100円、市外200円
利用時間7:00~22:00
泉質単純温泉
別府駅(徒歩)10分

8.地元に愛される公民館併設の共同湯「錦栄温泉」

別府駅西口より徒歩12分。住宅地の一角に錦栄(きんえい)温泉はたたずんでいます。半世紀前に誕生したこの温泉施設は、1階が温泉、2階が公民館という別府の典型的な区営温泉の造りです。
地域に愛されるこの温泉は、入り口を開けると番台があり、レトロ感あふれる空間が目の前に広がります。

錦栄温泉

脱衣室と浴室の間に間仕切壁やガラス扉が無い、脱衣室と浴室が一体となった別府の標準スタイル。浴室の中央には、ポツンと大きな浴槽が一槽設けられています。

錦栄温泉

泉質は単純温泉。無色透明で、くせのない香りとまろやかな肌触りが親しみやすい温泉です。

錦栄温泉
住所大分県別府市光町20-2
連絡先ーーー
料金100円
利用時間6:30~10:00 / 12:00~22:30
土・日曜6:00~22:30
泉質単純温泉
別府駅(徒歩)12分

<目指せ名人!>さらに楽しむなら「別府八湯温泉道」に参加しよう

せっかく別府の温泉に入るのなら、別府八湯温泉道に参加してみましょう。
別府八湯温泉道とは日本一の温泉地・別府の温泉を味わい尽くすためのスタンプラリーのような体験型イベントで、市内にある約150湯もの共同温泉やホテル旅館の温泉が参加しています。

温泉に入って「スパポート」と呼ばれるスタンプ帳にスタンプを集めることで段位取得、88湯を巡れば「別府八湯温泉道名人」の称号が与えられるという仕組み。
また「温泉本」は温泉道参加施設の紹介をはじめ、マップや無料入場券、観光施設案内などのお得情報満載の必携本!温泉道を究めるなら必ず持っておきたいアイテムです。

左:スパポート(110円)/右:温泉本(500円)

そもそも別府温泉郷「別府八湯」って?

別府八湯とは、市内8つの代表的温泉地の総称です。

  1. 別府温泉
  2. 浜脇温泉
  3. 観海寺温泉
  4. 堀田温泉
  5. 明礬(みょうばん)温泉
  6. 鉄輪(かんなわ)温泉
  7. 柴石(しばせき)温泉
  8. 亀川温泉

全て市内にあるにもかかわらず温泉地ごとに泉質や風景が異なるので、それぞれの趣を楽しむことができるのが別府のすごいところ。また入湯形態も様々なので、一度にいろいろな温泉を満喫することができます。

湧出量・源泉数ともに日本一、国内にある源泉の約1割にあたる2,300あまりの源泉が別府にあるといわれていますが、さらに日本に存在する10種類の泉質(2019年8月時点)のうち、なんと7種類の泉質をここ別府で巡ることができるのは驚きです!

温泉道のはじめ方と、段位の認定

スパポートを購入したら、温泉道に指定されている温泉施設へ出発。入湯マナーをしっかり守って温泉を満喫し、湯あがりに設置されたスタンプを押したら一湯制覇です。

スタンプ2ヶ所で別府八湯温泉道”初級”、8ヶ所で”初段”、 40ヶ所で”五段”….など各段位によって色別の認定タオルと認定証がもらえます。そして88ヶ所温泉巡りをすると”名人”となり、鉄輪の温泉殿堂に自分の写真が名人肖像として永年展示されるのです!!

2019年10月20日まで温泉施設の改修工事に伴い、期間中は温泉殿堂(名人写真)がご覧いただけません。

段位スタンプ数タオルの色
初段8種
二段16種
三段24種
四段32種
五段40種
六段48種
七段56種
八段64種
九段72種
十段80種
名人88種

スタンプ88種を11巡達成すると「永世名人」に認定、88巡達成すると「泉聖」という称号もあるようです。

段位認定には、申請と申請料が必要です。
ーーー
お問い合わせ:別府八湯温泉道事務局(別府市観光協会内)
〒874-8511 別府市上野口町1-15(別府市役所内)TEL:0977-24-2828

スマートフォンでも楽しめる

スパポートのかわりに、スマートフォンのGPS機能を使って別府市内に点在する♨温泉♨というお宝を探していく「温泉ハンター」も利用できます。
これは現在地から半径1km以内の温泉施設を検索できるだけでなく、利用時間や料金、泉質なども調べられる便利なWEBアプリ。もちろんスパポート同様に、温泉スタンプを集めて名人を目指すこともできます(1度の入湯でスパポートと温泉ハンターの併用はできません。)。

画面表示にしたがってスマートフォンのホーム画面に追加し、そこから温泉ハンターを起動します(GPS機能を使用するので、許可を求められたらOKしてください)。

「スパポート」と「温泉ハンター」、どちらを利用して温泉道を極めるかは、あなた次第です!!(ちなみに筆者は温泉ハンターを利用しています)
先日、晴れて七段となりましたが、まだまだひよっこです**

段位認定状とタオル

「表泉家」と「裏泉家」があるらしい!?

「表泉家」とは

お金を支払えば自由に入湯でき、加盟している湯を88箇所巡り温泉道名人を目指す流儀

出典:別府八湯温泉道

のこと。入浴マナーを守る・温泉施設を大切にする・自分の体調管理に気を配るなどの、温泉を心から楽しむための心得などもあります→ http://onsendo.beppu-navi.jp/kokoroe

そして「表泉家」で名人になれば参加できるイベントが「裏泉家」。
日ごろは入ることができない、例えば地元の専用温泉(ジモ泉)や、ご家庭のプライベート温泉などを巡るツアー(不定期開催)に参加できる権利を与えられるそう。なんとも興味をそそられる話ですね。
聞くところによると、裏泉家のスパポートもあるらしいです。


まとめ

今回ご紹介させていただいた湯は、日本一のおんせん県おおいた”別府”の、ほんの一握りです。
この記事をきっかけに、バラエティ豊かな別府温泉郷の魅力を体感していただけたら嬉しいです。また、別府八湯温泉道スタンプラリーにも参加して、お気に入りの温泉を見つけていただけたら幸いです。

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