今年、一気に注目を集めるようになった「在宅勤務」「リモートワーク」。
通勤がない、仕事に集中できるなどのメリットも多く聞かれる中、家族がマンションにいる中でワークスペースを確保して仕事をすることに
「スペースが狭くて作業しづらい」
「デスク周りの環境が整っていないことで、作業に時間がかかる」
「仕事と家事と育児の切り替えがうまくできず、仕事に集中できない」
などリモートワークの難しさを感じた人も多くいらっしゃるでしょう。
今回は、マンションにワークスペースを作る方法と実例アイデアを紹介します。
オンとオフの切り替えができて仕事に集中できる、新しい生活様式を象徴する快適なマンションワークスペースづくりにチャレンジしてみてください。
目次
マンションに快適ワークスペースをつくるポイント
デスク天板の奥行きを最低40㎝確保しよう
「部屋をできるだけ広く保つためにデスクはコンパクトにしたい」と考える人も多いでしょう。ではどれくらいのサイズのデスクを選ぶのが良いのでしょうか。
奥行きは40㎝が目安と言われています。なぜなら、肘から手を軽く握った先までの長さは大体40㎝。奥行きがそれよりも小さいと、肘のおさまりが悪く長時間の作業がしづらくなることがあるからです。
マンションの造り付けの棚の一段を作業スペースにしようと考えている人は、ぜひ一度奥行きをチェックしてみてください。
部屋本来の機能を邪魔しない椅子を選ぼう
リビングや寝室など本来の機能が別にある場所に設置するデスクコーナーは、デスクや椅子が、部屋本来の使い方をしている時に邪魔にならないことが大切です。
特に目につきやすい「椅子」を選ぶ時は、座り心地だけでなくスペースにあわせたデザインを選ぶことにも注意しましょう。
狭小スペースで選ばない方が良い椅子の例
背もたれの高いキャスター付きの立派な椅子や全くデスクの下におさまらない椅子は、狭小スペースでは選ばない方が無難です。
狭小スペースでも邪魔にならない椅子の例
デスク天板におさまる、背もたれが低い、空間になじむデザインの椅子を選ぶのがおすすめです。
お籠り型デスクは手元に明るさをプラスする
部屋の入隅にデスクコーナーを作る場合、部屋の照明だけだと、自分の体で照明を遮ってしまい手元が暗くなります。照明環境を整えないとパソコンモニターの光の反射で目が疲れやすくなるので、適宜、スタンドライトなどの照明を足しましょう。
「点」で光るものより「面」で光る照明の方が、手元に影ができにくいのでおすすめです。光の色は「電球色」の赤いものより「蛍光色」「昼光色」の白い光の物を選びましょう。一般的に「デスクライト」と呼ばれているものを選ぶと安心です。
嫌でも入ってくる生活の雑音は、音と香りでシャットアウト
リビングやダイニング、寝室などにワークスペースを作ると、嫌でも目や耳に入ってくる「生活の雑音」。普段の生活では気にならなかったのに、急に部屋中の散らかりや汚れ、においなどが気になって、仕事に集中できなくなる場合があります。
まずはデスクの向きを変えたり、折り畳み式の簡易パーテーションを置いて必要な時だけ使ったり、視覚から入ってくる情報をシャットアウトしましょう。
そして次に効果的なのが、「音」と「香り」を利用することです。音楽を聴いたりお香を焚いたり、仕事を始めるスイッチを五感を使ってONにするイメージで取り入れてみてください。
ちなみに、著者は2年前から在宅ワークをしていますが、経験上、音楽を仕事始めに数曲イヤホンを使って聴くのが一番効果的でした。逆に、仕事中に音楽をかけ続けるのは、集中力を欠いてしまい合いませんでした。
香りはアロマよりお香の方がしっくりきたので、そちらを愛用しています。音や香りは好みが分かれるので、自分に合った仕事モードスタイルを探してください。
火を使わずに、自分の周囲30cmだけで楽しめるお香についてこちらの記事でも紹介しています。
限られた空間を活用したマンションワークスペース実例15
日中一人で作業ができるならダイニングがベスト
ダイニングテーブルは広さもあり、新たにデスクスペースを作らなくてもいいので、日中一人で作業ができるなら一番おすすめの場所です。夕飯時には一度テーブルを片付けないといけないので、オンとオフの切り替えも強制的に行えます。
仕事で使う道具をひとまとめにして置いておくカゴやバッグ、収納スペースを確保しておくとすぐに仕事に取り掛かれて便利です。
実例01
ダイニングにデスクコーナーを設けた例。対面キッチンのマンションの方におすすめの場所です。スペースに余裕がない場合は、椅子をダイニングチェアと兼用にするといいでしょう。
実例02
ダイニングとリビングの境目にデスクコーナーを設置しています。
窓から光も入りつつ、リビングからは死角になっているので、作業に集中できそう。長時間座る場合は、クッションを利用したり、ダイニングチェアを利用したりするのもいいですね。
実例03
キッチンとダイニングの中間にデスクコーナーを設置した例。
キッチンやダイニングは目に入らないようデスクをセッティングしています。2人目の作業スペースとしても活躍しそうですね。
実例04
グリーンをたくさん並べた、今どきのおしゃれオフィスのような雰囲気のワークスペースです。仕事の合間のリラックス&リフレッシュに期待が持てますね。
寝室の書斎コーナーは深夜に作業しない人におすすめ
寝室は比較的静かな場所に位置していることが多いので、集中して仕事をしたい人にはおすすめ。しかし深夜まで作業が及ぶ場合は、家族の睡眠の妨げになるので避けたいところです。
どうしても夜に作業をしなければならない時は、パーテーションを置いたり照明を手元だけに光が届くタイプに変更するなどの工夫をしましょう。
実例05
壁にマグネットボードを飾り、オフィス風の演出をすると、グッとワークスペースが引き立ちます。寝室にしかワークスペースを作れないけど、ベッドの誘惑が気になる人はぜひお試しあれ。
実例06
こちらは、デスクにミニグリーンやアロマディフューザーを置いて、リラックスできる空間にしつらえた寝室ワークスペースです。椅子も座り心地を重視してセレクト。
実例07
寝室内にコンパクトなデスクを設置した例。パソコンを専用の傾斜台に置き、長時間の作業も楽に行えるように工夫しています。
リビングに壁付けのデスクを設ける
スペースに余裕があるなら、部屋の一面にカウンターを後付け造作するのも手です。収納スペース、デスクスペースなど、その時々に合わせてフレキシブルに活用できますよ。
実例08
リビングのワークスペースは、使わないときはきれいに片づけておきたいもの。デスクと一緒に収納スペースも確保しておくと、ストレスなく出し入れができて便利です。
実例09
リビングのベランダ横の一角は、ワークスペース候補に挙げられやすい場所です。こんな風に椅子をベンチにすると、ソファに座った時にサイドテーブルとしても利用できそうですね。
実例10
こちらもリビングに設けたワークスペースの例。上部に飾った子どもの作品は、仕事場感を抑え、リビングとの一体感を演出する効果が得られます。
実例11
「新しい生活様式」を見込んで、思い切ってワークスペースを造作したいと考えている方におすすめ。仕事で使わないときも、家事スペースとしても活躍してくれるはず(あなぶき興産施工例)。
実例12
リビングを半分オフィスにしたような、ガッツリ系ワークスペース。家で仕事をすることにストレスを感じている人や、仕事をする時間の方が長いという場合には、このくらい思い切ったレイアウトを試してみてもいいかもしれません。
限られた空間でもワークスペースはできる
収納家具を移動してワークスペースをつくる、収納スペースを改造する、デッドスペースを有効利用する、など空間の使い方を変えることでワークスペースを生み出すこともできます。
実例13
収納家具を移動して家具の裏に空間を作り、そこをワークスペースにするという方法。個室は取れないけど、できるだけ籠って仕事をしたい人におすすめです。
実例14
アクセントウォールの裏側は収納スペースになっています。奥の壁を活かし、カウンターを延長して作ったワークスペースです。
実例15
押し入れをワークスペースに改造し、一間をデスクに、残りの一間を収納スペースにした例。押し入れの中段の高さは70㎝程度が一般的で、一般的な机の高さと同じ。そのままデスクとして利用することが可能です。
まとめ
限られたスペースでも、工夫次第で快適なワークスペースは作ることは可能です。
ポイントは、天板のサイズ、椅子の選び方、照明環境、仕事モードスイッチの切り替え方を知ること。ぜひ、仕事に集中できるあなただけの在宅ワークスタイルを完成させてください。
「落ち着く部屋」と感じるための3つの条件もこちらの記事で紹介しています。ワークスペースを作る際、あわせて参考にしてみてくださいね。