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お金・住宅制度

マンションの固定資産税っていくらくらい?計算方法・軽減措置について解説します

固定資産税とは所有する土地や建物、つまり「固定資産」に対して課される地方税の一種です。
もちろんマンションを購入した場合も例外ではありません。入居後は毎年ずっと支払うものなので、購入前に仕組みや税額、支払い方といった基本的な事柄は知っておきたいところです。
今回は、マンションに住む上で必要な固定資産税のあれこれについて分かりやすく解説します。


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マンションの固定資産税の決まり方

課税対象は土地と建物

固定資産税は、土地や建物といった「固定資産」に対して課される地方税の一種です。住宅の場合は土地と建物、それぞれに課税されるので、ふたつを合算した金額を納めます。

  • 土地…マンション全体の敷地を共有持分割合によって所有している面積(売買契約書や登記簿等で確認できる)
  • 建物…所有している住戸の専有部、およびマンション共有部の共有持分割合部分

つまり専有部が広い住戸を所有している人は、同じマンションでも専有部が狭い住戸を所有している人に比べると課税金額が高くなることになります。

タワーマンションの固定資産税は同じ広さでも階数によって課税額が異なる

2017(平成29)年の税制改正により、いわゆるタワーマンションの固定資産税が見直されました。
通常のマンションでは、同じ広さであれば階数に関わらず固定資産税の課税額は同じになります。しかし税制改正により、高さ60mを超える建築物のうち複数の階に住戸があるもの=居住用超高層建築物とし、実際の取引価格(分譲価格)を反映した補正率を計算に加えるようになりました。これにより、タワーマンションでは、同じ広さであっても、階数によって固定資産税額が異なるようになっています。

不動産を所有している人に課税される

固定資産税を払う義務があるのは、1月1日時点で所有者として不動産登記簿に登記されている人、または(家屋)補充課税台帳に所有者として登記・登録されている人。この人が1年分の固定資産税を納税することになります。

1年の途中でマンションを購入した場合、その年は「1月1日時点の所有者である売主」が納税義務者となりますが、買主に対しては双方の同意により、引渡し日以降の分を日割りで精算されることが一般的です。
したがって購入した年に限っては、直接納税の通知がくることはありません。市町村から直接通知が届くようになるのは、翌年の4月以降からです。

固定資産税の計算方法

固定資産税は以下の式によって算出されます

建物
「課税標準額」×1.4%

土地
「課税標準額」×1.4%

1.4%というのは標準税率です。市区町村は必要に応じて1.4%とは異なる税率を条例で定めることができます。具体的な税率は、対象となる不動産が所在する市区町村に確認しましょう。

課税標準額とは

課税標準額とは、税額を算出する上で基礎となる課税対象の金額のことです。
建物の課税標準額と固定資産税評価額は通常一致しますが、土地の場合は軽減措置などによって固定資産税評価額とは異なり、課税標準額は固定資産税評価額よりも低い金額になります。

固定資産税評価額とは

固定資産税評価額とは、固定資産課税台帳(所在・所有者などを記載した台帳)に記載された土地や建物の評価額のことです。
どのように評価するかを定めた基準(固定資産評価基準)に基づいて、各市町村が決定します。またこの評価額は3年置きに評価が見直される「評価替え」があり、納税額も変わります。

これから取得するマンションの固定資産税を知る方法

中古マンションの購入を検討している場合は、前の所有者が納めた固定資産税額を見るという手段があります。不動産会社、または前の所有者に確認してみましょう。

新築マンションの場合は、正確な固定資産税額は分からないことが多い

当然のことですが、建物が建設中の場合は固定資産税評価額が定まっていません。したがって購入検討時に建築中であることが多い新築マンションでは、購入前に正確な固定資産税額を知ることはできません。
しかし不動産会社によっては、同じエリアのマンションの事例を参考として教えてくれることもあります。おおよその金額だけでも把握したい方は、不動産会社に聞いてみましょう。


固定資産税の軽減措置

固定資産税には様々な軽減措置が設けられていますが、それらは申告しなければ軽減を受けることができません。マンション購入を検討している人は、軽減の対象かどうかと申告の手順を確認しておきましょう。

土地の軽減措置

条件軽減内容
小規模住宅用地(1戸あたり200㎡までの部分)課税標準額 が 1/6 に軽減
住宅用地(1戸あたり200㎡を超える部分)課税標準額 が 1/3 に軽減

マンションにおける「土地の持分」は、敷地全体の面積を居住用住戸の数で割り、1戸あたりの土地を計算します。
多くの場合は200㎡以下に収まるため、評価額が6分の1に軽減される可能性が高いでしょう。200㎡を超えた場合、仮に課税対象の土地が300㎡の場合は、200㎡までが1/6に軽減、残り100㎡が1/3に軽減されます。

建物の軽減措置

条件軽減内容
  • 居住部分の床面積が1戸あたり50㎡以上280㎡以下
  • 2024年3月31日までに新築されたもの

新築後3年間、床面積120㎡までの部分が固定資産税額 × 1/2に軽減
※マンションの場合は、3階建て以上の耐火構造・準耐火構造住宅に該当するので、新築後5年間

マンションは鉄筋コンクリート造や鉄骨造のため耐火構造・準耐火構造住宅に該当し、新築後5年間、固定資産税額が1/2に軽減されます。ただし床面積が50㎡未満の住戸の場合、軽減の対象にならないことに注意です。
また床面積が120㎡を超える部分は減額されません。

さらに劣化対策や耐震性、バリアフリー性など9つの項目で判断される「認定長期優良住宅」に認定されると、新築後5年間ではなく新築後7年間、固定資産税額が2分の1に軽減されます。一般的に「認定長期優良住宅」に該当するマンションは少ないと言われています。気になる方は不動産会社に検討しているマンションが該当するか確認してみましょう。

土地・建物共に非課税になる場合もあります。課税標準額が、土地30万円未満、建物20万円未満の場合が該当します。

実際に計算してみよう

以下のマンションを例にして、実際に固定資産税額を計算してみましょう。

新築マンション 床面積80㎡
土地の固定資産税評価額:1,500万円
建物の固定資産税評価額:1,000万円

軽減措置の対象要件を満たしている場合、標準税率で計算すると以下のようになります。

(土地)
1,500万円 × 1/6= 課税標準額250万円
250万円 × 1.4% = 35,000円
(建物)
1,000万円 × 1.4% × 1/2 = 70,000円

(合計)105,000円

土地の軽減措置は築年数によらず受けられるものですが、建物の軽減措置には新築5年間(※3階建て以上の耐火構造・準耐火構造住宅の場合)という制限があります。
建物の評価額は減価償却により徐々に下がっていきますが、それでも新築5年間の軽減措置が終了した後は支払金額が高くなるということを覚えておきましょう。

一般的には都市計画税も合わせて課税されます。したがって実際の納付額とは異なることに注意してください。

申告を忘れないように注意

「認定長期優良住宅」に該当した場合、新築後5年間ではなく7年間の軽減措置が受けられますが、市区町村への申告が必要になります。申告を忘れると軽減措置が受けられないので、忘れないように注意が必要です。

申請には「長期優良住宅認定通知書」の写しと「認定長期優良住宅に対する固定資産税減額申告書」を提出します。


固定資産税の払い方

4回の分割払い、または一括払いで払う

一般的には、4月から5月頃に1年分(4期分)の納付書が市区町村から届き、5月頃から年4回の納付が始まります。
基本的には年4回の分割払いですが、市町村によっては一括払いが可能な場合もあるので、一括払いを希望する人は納付書に記載されている役所に問い合わせてみましょう。

分割払いの場合は1期ごとに納付期限が定められおり、その期限までに支払います。一括払いの場合は、第1期の支払い期限までに4期分をまとめて支払います。
一括払いでも分割払いでも総支払額は変わらないので、無理のない支払方法を選択することをおすすめします。
また納付期限は市区町村によって違います。納付書が届いたら、まずは納付期限を確認するようにしましょう。

支払方法は選べる

支払い方法は、自分が都合の良い方法を選択することができます。

  • 窓口での現金払い
  • 口座振替
  • ペイジー(Pay-easy)
  • クレジットカード払い
  • スマートフォン決済アプリ

利用可能な支払方法は市区町村によって異なります。可能な支払方法を事前に確認しましょう。

窓口での現金払い

市区町村の役場や金融機関・郵便局の窓口で現金で支払う方法で、手数料を支払うことなく納付できます。
納付書にバーコードが付いている場合はコンビニでも支払いが可能です。

口座振替

事前に市区町村の窓口で手続きをしておくと、水道などの公共料金の支払いと同じように口座振替が可能になります。自動引き落としになりますので預金残高が不足しないように注意しておく必要がありますが、払い忘れの心配がなく、安心な方法といえるかもしれません。

ペイジー(Pay-easy)

Pay-easyは、窓口やコンビニに並ぶことなく、銀行ATMやPC・スマホ(事前にインターネットバンキング・モバイルバンキングの契約が必要)から払えるサービスです。

クレジットカード払い

最近ではクレジットカード払いに対応している市区町村も増えています。
カードのポイントが付くメリットがありますが、クレジットカード払いは手数料がかかることが多いので、手数料とポイント還元率を見極めて利用することをおすすめします。

スマートフォン決済アプリ

スマートフォン決済アプリ(PayPay、LINE Payなど)での支払いが可能な市町村も徐々に増えてきています。時間を気にする必要がなく、窓口に出向く手間や手数料も必要ありません。ポイントも付与されますので、お得な支払方法といえるでしょう。

払い忘れに注意
気が付いたら支払い期限を過ぎてしまっていた!そんな方がいらっしゃるかもしれません。
納付期限の翌日から延滞金が発生するばかりか、そのまま滞納を続けると市町村より督促状が届きます。督促状を無視し続けると、給与や預金の差し押さえ、最終的には課税対象となっている不動産の差し押さえとなる場合もあります。
支払期限をきちんと確認し、速やかな支払いを心がけましょう。

まとめ

固定資産税の大事な3つのポイントをおさらいします。

  1. 計算方法は 建物「課税標準額」×1.4% 土地「課税標準額」×1.4%
  2. 土地の軽減措置では1戸あたりの面積が200㎡以下、建物においては新築後5年間の限定
  3. 新築6年目からは建物の軽減措置が終了するため、支払金額が高くなる可能性がある

固定資産税はマイホームに住む以上は、毎年払い続ける税金です。仕組みや内容を把握し、納得したうえで支払いたいですね。
軽減措置や固定資産税評価額など難しい点も多いですが、通知が届いてから「知らなかった」「気が付いたら支払期限が過ぎていた」などとならないようにしっかりと把握しておきましょう。

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