お料理で使い切れなかった野菜を置いていたら、いつの間にか傷んで使えなくなっていた……。皆さんはこんな経験ありませんか?できることなら最後まで美味しく使い切りたいものですが、野菜の保存って実際はなかなか難しいものですよね。
そこでおすすめしたいのが「野菜の冷凍保存」!冷凍と聞くと栄養価や味が落ちるんじゃ?と不安になるかもしれませんが、ポイントさえ押さえれば、意外なメリットがたくさんあるんです。今回は、野菜の冷凍保存について詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
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いいことずくめ!野菜を冷凍保存する「メリット」
野菜を冷凍保存すると、傷まないだけでなく、他にも嬉しいメリットがたくさんあることをご存知でしたか?栄養面・美味しさなど、まずは冷凍野菜のメリットについてまとめてみました。
冷凍野菜なら調理の「時短」に!
仕事をしている人は、帰宅してから急いで夕食の準備にとりかかることが多いですよね。小さな子供がいる家庭では、なおさら夕食の準備はスピード勝負になるはず。そんな時、カットした野菜を冷凍保存しておけば、洗ったりカットする手間がかからず、そのまま炒めたり煮たりできて便利!調理時間の短縮になりますよね。もちろん、野菜を冷凍保存する手間はかかるので、調理のついでに全部切っておいたり、時間に余裕がある時にまとめて冷凍用に加工するなど自分にあった方法を取り入れてみてください。
意外!「栄養価」もそのままキープ
野菜の冷凍保存と聞くと『栄養価が減るんじゃないの?』と不安に思う人がいるかもしれません。実は、筆者もその1人でした。しかし、実際は常温や冷蔵庫で保存するより、適切に冷凍保存するほうが栄養価を高いまま保てるんだそう!というのも、野菜は収穫した後も細胞が生きていて、自分の中に蓄積された栄養を使って成長するので、常温や冷蔵ではどんどんと栄養価が下がってしまうのに対し、冷凍すると細胞が活動しなくなり、栄養もそのまま使われることなく残ります。だから、常温や野菜室で保存し続けるよりも、冷凍保存するほうが高い栄養価をキープできるということなんですね。
「美味しさ」がアップしちゃう野菜も♪
野菜を冷凍保存すると栄養価の減少を防ぐだけでなく、なかには美味しさがアップするものまであるんです。保存の仕方が違うだけなのに不思議ですよね。たとえば、キノコには「グルタミン酸」などのうま味成分が含まれていることが知られていますが、冷凍することでこれらの成分がなんと約3倍になるとか!これは、冷凍してキノコの細胞が死ぬことで酵素が働きはじめ、細胞内の栄養を分解してうま味成分が作り出されるからなんだそうです。ちなみに、同じくグルタミン酸を含むトマトも冷凍するとうま味がアップするそうですよ。
特売日にまとめ買いすれば「節約」にも
野菜が傷むことなく冷凍保存できるとなれば、まとめ買いをすることも可能になりますよね。筆者は、以前はスーパーの特売日に野菜が安くても『日持ちしないし……』と使う分しか買っていませんでしたが、今はいくつかまとめ買いしてその日に冷凍保存しています。ちょっとした積み重ねですが、節約にも繋がりますよ!
買いたての鮮度&美味しさを保つ「冷凍保存のコツ」3選
冷凍保存のメリットがわかったら、次はいざ実践です!美味しさや鮮度を保つために、大切なポイントを3つご紹介します。
「買ったその日」に冷凍するのが鉄則!
上記でもご紹介した通り、野菜は日ごとに劣化していくので、買ったその日に冷凍することが大切です。まとめ買いする際は、洗ったり切ったり茹でたりなど冷凍保存するための加工時間があるかどうかも考えておきたいですね。
「急速冷凍」で劣化を防止
美味しさを保つためには、とにかく素早く冷凍することが重要!というのも、野菜は凍る際に水分が氷の結晶となって膨張し、それによって細胞が傷つけられ、風味や食感が劣化してしまうのですが、この氷の結晶は「最大氷結晶生成温度帯」と呼ばれる-5℃~-1℃で大きくなりやすいとされています。氷の結晶が大きくなるのを防ぎ、野菜の劣化を食い止めるためには、この温度帯をできるだけ早く通りすぎて凍らせる=「急速冷凍」する必要があるのです。
では、どうすれば家庭で「急速冷凍」ができるのでしょうか?すぐにできる手軽な方法として下記の4つがあります。
【ポイント1】一気に凍るように冷凍庫の温度設定を「強」にする。
【ポイント2】キッチンペーパーで表面の水分をていねいに拭き取る。
【ポイント3】金属トレーやアルミを敷いたトレーの上にラップやフリーザーバッグに入れた野菜を置く。
【ポイント4】なるべく薄く平たくならべる。
これら4つのポイントを押さえるだけで、美味しさが断然変わりますよ!ぜひ試してみてくださいね。
冷凍保存しても「日持ち」には注意!
「冷凍保存なんだから長く日持ちする」と思っている人は要注意!というのも、冷凍庫を開け閉めするたびに庫内の温度が変動し、わずかな解凍と凍結が繰り返されることで風味が落ちたり、乾燥や酸化などで冷凍焼けしてしまって美味しさが損なわれたりしてしまうからです。目安はだいたい2週間~1ヶ月といわれていますので、これ以内に食べ切るようにしましょう。
ちなみに…使うときは「凍ったまま」がベスト
普段、冷凍したお肉や魚などを使うときは流水につけたり、冷蔵庫でゆっくり解凍すると思いますが、冷凍保存した野菜に関しては凍ったまま調理するのが、素材に負担がかからないベストな方法。こうすることで、あまり水っぽくならず、栄養やうま味も逃げにくくなります。冷凍庫から出して、そのまま炒めたり煮込んだりできるので楽チンですよ。ちなみに、サラダなど生で食べる場合は、冷蔵庫や氷水など低温で解凍するのがいいでしょう。
それぞれの野菜に合った冷凍法をご紹介
「野菜の冷凍保存」と一口にいっても、種類によって方法が違います。ここでは具体的に野菜を冷凍保存するための手順をみていきましょう。
生のまま冷凍できる野菜
ほとんどが生のまま冷凍保存できるので手軽です。流れとしては、「水洗い」をしたのち、しっかりと「水分をふき取り」、「フリーザーバッグに入れる」だけ。代表的な野菜で詳しくみていきましょう。
- 【トマト】
- まるごと冷凍でOK。水分量が多く、冷凍すると食感や味が変わるので、煮込み料理に使うのがおすすめです。
- 【葉野菜】
- キャベツ・白菜・ブロッコリー・ほうれん草・小松菜などの葉野菜は、食べやすい大きさにカットして冷凍します。キャベツや白菜は冷凍すると歯ごたえがなくなるので、スープやおひたしなどに使うのがいいですよ。レタスは水分量が多く、食感がふにゃふにゃになってしまうので、個人的には冷凍をおすすめしません。
- 【アスパラ】
- 根元の固い皮をむき、長いまま・カットどちらでも大丈夫。ただし、鮮度が落ちたアスパラは筋っぽく、冷凍することにより、その筋っぽさが余計に際立ってしまうため、なるべく新鮮なものを選びましょう。
- 【キノコ類】
- 石づきをカットし、適当にほぐします。筆者は、しめじやまいたけなどいくつかの種類を混ぜてフリーザーバッグに入れていますが、炒め物・お味噌汁などに使いやすくて便利ですよ。
- 【豆類】
- 枝豆・そら豆・グリーンピースはそのまま、さやいんげんはヘタや筋を取ってから冷凍します。例外として、きぬさやは生ではなく下茹でしてから冷凍しましょう。下記で詳しくご説明します。
- 【薬味系】
- にんにくは皮のまま1粒ずつ分けてラップで包み、しょうがは皮をむいて千切りや薄切りにして冷凍します。また、使い勝手の良い万能ねぎは洗って刻み、キッチンペーパーを敷いたフリーザーバッグに入れて冷凍すると、パラパラして使う分だけ取り出しやすいですよ。
- 【根菜類】
- にんじんは皮をむいて薄切りにして冷凍します。大根は皮をむいて輪切りや銀杏切りにしましょう。大根おろしにする場合は水分ごとフリーザーバッグに入れて冷凍するとうま味が逃げません。ごぼうは千切りやささがきにしてアク抜きをしてから冷凍します。また、さつまいもは食べやすい大きさに切ってから水でアク抜きして、山芋や長芋はそのままかすりおろして冷凍しましょう。
次の項目で詳しくご紹介しますが、じゃがいもは食感が柔らかくなりすぎるため、生のままの冷凍はおすすめできません。
下茹でが必要な野菜
- 【きぬさや】
- 色落ちや食感に変化が起こりやすいので、筋をとってから熱湯で10秒ほど茹で、水分をとって冷ましたのちに冷凍します。
- 【じゃがいも】
- 水分が多く解凍した際に食感が悪くなるので、あまり冷凍には向きませんが、茹でてマッシュポテトにしてから冷凍すると保存できます。ポテトサラダやポタージュに便利ですよ。
ひと手間かけて料理を「ランクアップ」
ひと手間加えて冷凍保存すると、いざ調理する際に簡単にワンランク上の美味しい料理が作れます。たとえば、ほうれん草やかぼちゃを茹でてペースト状にしてから冷凍しておくと、牛乳や固形スープの素と一緒にコトコト煮るだけでポタージュスープの出来上がり♪解凍するとそのまま離乳食にもなりますね。
また、玉ねぎをあめ色になるまで炒めて冷凍保存しておくと、カレーやスープ、ハンバーグ作りに便利。筆者はお休みの日に仕込んで平日に活用していますよ。
まとめ
もともと筆者は、『味が落ちるんじゃ?』と野菜の冷凍保存に否定的でしたが、実際に試してみると想像よりも美味しくて便利だったので、今では調理で余った野菜をすかさず冷凍保存して、煮込み料理や炒め料理などにフル活用しています。
ちなみに筆者の一番のおすすめは「トマトソース」!トマトが安い時にまとめ買いしてトマトソースをたっぷり作って冷凍しておくと、チキンステーキやハンバーグ、お魚のグリルやパスタなど色々なお料理にかけるだけでワンランク上の仕上がりになります♪バジルで香り付けしたり、ひき肉やウスターソースなどを加えてミートソースにしたりと、アレンジ自在なので、ぜひ皆さんも真似してみてくださいね!
冷凍保存の活用方法は、こちらの記事でも紹介しています。
節約にも効く「冷凍保存」を、上手に利用してみてくださいね。
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