日本一大きな湖「琵琶湖」の南岸に位置する滋賀県草津市は、近年、魅力のある街・住みよい街として注目を集めています。
中山道と東海道が交わり、古くからの交通の要衝であったこの街は、今でもJRやバイパス道路、高速道路で近畿圏・中部圏を結節する地域として機能していることもあり、転入超過数が全国でも上位ランクの人気エリア。それに加えて市街地の再開発や大型商業施設の整備など、街の発展が期待できるのも理由です。
さらに草津市は人工島「矢橋帰帆島」や「琵琶湖博物館」「水生植物公園みずの森」といったレイクサイドを楽しめる施設が多く点在する、風光明媚なエリアとしての一面もあわせ持っています。
陸路だけでなく湖上交通においても要衝であり、かつては舟運の湊としても栄えた歴史があるからこそ、琵琶湖が身近であり、日常の風景としてごく自然に溶け込んでいるのかもしれません。
そんな進化を続ける草津市のアクセスの良さと、歴史深く美しい湖岸の風景を「ドライブ」という形で享受しながら巡ってきました。
※掲載の情報はすべて2023年11月現在のものです。
車移動の利便に寄与する「近江大橋」をスタート地点に
琵琶湖には2本の大きな橋が架かっています。ひとつは琵琶湖の”くびれ”の部分にかかる琵琶湖大橋。もうひとつが琵琶湖大橋から19kmほど南にある、草津市と対岸の大津市を結ぶ近江大橋です。
1974年に有料道路の一部として開通した近江大橋は、2013年12月より無料開放され、草津市のアクセス性と利便の良さがさらにアップしました。
近江大橋のたもとにあるのが、大型商業施設「イオンモール草津」です。買い物だけでなく、映画館やジム、さらには温泉施設までもが併設された県下最大規模のショッピングモールの存在は、関西の田舎に住んでおり、遊ぶ時には京都や大阪まで出かけなければならない筆者にとっては非常に羨ましい限り……。
余談ですが、琵琶湖南岸は京都という大都市圏に近い点も魅力ながら、このあとに紹介する各スポットと併せて「近隣のエリア内で娯楽が完結する」点も大きな魅力ではないかと思いました。
今回のドライブは、この近江大橋のたもとイオンモール草津を起点にして、西岸に向かうショートドライブのルートと、北上するロングドライブのルートの2パターンで紹介します。
湖岸の風景と歴史を辿って、西へ向かうドライブルート
それでは、さっそく出発しましょう。
最初に紹介するのは、西岸に向かうルート。
近江大橋を渡ったら、湖岸沿いの道を走りながらびわ湖ホール→膳所城跡公園→大津市科学館を巡って、琵琶湖畔の風景と歴史を堪能するショートトリップです。
イオンモール草津の駐車場を出て、県道18号線方面へ。
すると、すぐに近江大橋に入ります。
対向車線があるため、車内から琵琶湖はよく見えませんが、かわりに比叡山や、びわ湖大津プリンスホテルの客室タワーを望むことができます。
近代以前にプリンスホテルのような立派な建物はありませんでしたが、「比叡山の向こうには京の都がある」という感慨は、今も昔も変わらないことでしょう。
左手に見えるのは牛尾山。
この山と比叡山に挟まれた場所に、平安の昔から歌に詠まれたり文学に登場したりする「逢坂の関」があったとされています。こうして遠景で見ることで「東から京に入るためには2つの山の間を通らねばならない」ということがよく分かりますね。
JR琵琶湖線や東海道本線はこれほど湖近くを通っていないので、この風景は車移動ならではと言えるでしょう。
日常づかいもできる、湖畔に臨む関西屈指の大劇場「びわ湖ホール」
最初に目指すのは、湖畔沿いの道を北上した先にある滋賀県立芸術劇場、通称「びわ湖ホール」。
2023年に開館25周年を迎えたびわ湖ホールは、欧米の劇場のように自前の声楽アンサンブルを持つ、日本でも珍しい施設です。
世界的なオーケストラの演奏会やオペラ公演といった芸術のためのホールである一方、カジュアルなJ-POPのコンサートや市民イベントも開催されるなど、地域に根差した一面も併せ持っています。
眺望の美しさも堪能できる劇場。併設のカフェレストランだけの利用も◎
劇場としての素晴らしさもさることながら、このホールにはもうひとつ素晴らしいポイントがあります。
それは、びわ湖ホールを一度でも訪れたことのある人なら必ず口にする「ラウンジから見える風景」。
正面玄関から入り、ラウンジ内を真っ直ぐ進んで奥へ。
すると目の前にはパノラマで展開される琵琶湖の水面が!
眺めが堪能できるカフェレストランも併設。
天井が高く、眺めの良さと相まって開放感のある心地よい空間です。
目の前には遊歩道沿いに植えられたメタセコイアの木が色づき始めており、陽の光を浴びてキラキラしていました。桜の木も植えられているので、四季折々の風景も楽しめそうです。
劇場で公演がないときでも、このカフェを目的に、休日に気軽に立ち寄りたいような場所だと思いました。
屋上に上れば、さらにしっかりと琵琶湖を眺めることもできます。
こちらは西側。奥には比叡山のなだらかな稜線が青空の下に並んでいるのが見えます。
左側に写っている天守閣のような建物は県立琵琶湖文化館。残念ながら現在は休館中ですが、館が収蔵している絵画や彫刻といった作品は、他の施設で公開されています。
こちらは東側の眺め。
遠くに見える街並みは、対岸の草津市です。琵琶湖は琵琶湖大橋(近江大橋とは異なる)によって北湖と南湖とに分かれますが、びわ湖ホールからは南湖を一望することができます。
右奥に写っているのは、さきほど橋を渡っているときに見えていたびわ湖大津プリンスホテル。
そぞろ歩きに最適な「なぎさのプロムナード」
湖面は建物のすぐ傍まで迫ってきており、その湖岸に沿って遊歩道が続きます。
これは近江大橋から浜大津までの広範囲にわたって整備されている「なぎさのプロムナード」の一部。
湖面が近く緑豊かなプロムナードは、ただ歩くだけで気持ちよく、晴れやかな気持ちにさせてくれます。
遊歩道わきの芝生の上で、子連れの家族や高齢の方々が思い思いの場所に座ってくつろぐ様、湖面を一艘の白い船が静かに走り去って行く様など、観光ナイズされていない、謂わば「等身大の風光明媚」な風景にとても心が和みました。
滋賀県立芸術劇場(通称:びわ湖ホール) | |
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住所 | 滋賀県大津市打出浜15−1 |
電話番号 | 077-523-7136(チケットセンター) |
WEB | https://www.biwako-hall.or.jp/ ※X(旧Twitter)、Instagramアカウントあり |
営業時間 | 10:00〜19:00(チケットセンター) 毎週火曜休館(休日の場合は翌日) |
駐車場 | 849台の有料駐車場あり ※営業時間や料金体制、その他交通手段のアクセスについては、公式HPをご覧ください。 |
風光明媚な浮城の跡地「膳所城跡公園」
びわ湖ホールから湖畔沿いに延びる「なぎさ通り」を進み、合流した大津湖岸線を南下した先にあるのが、膳所(ぜぜ)城跡公園。
その名の通り、この公園は、かつてこの地にあった膳所城の本丸跡に作られたものです。
膳所城は関ヶ原の合戦の翌年に徳川家康によって築城され、豊臣氏が治める大阪に備えるための軍事的要でしたが、明治期に廃城となったので、城門などの遺構は市内の神社等に移築されています。
今ある城門は、公園として整備される際に復元されたもの。
門をくぐって公園内に進むと湖岸に出ます。
視線の先には、先ほど渡ってきた近江大橋も。
かつての膳所城は湖水を利用した堀によって囲まれた浮城、つまりは琵琶湖に突き出た水城でした。
公園となった今は地続きになっていますが、その突き出た地形により、まるで湖の中に降りたったような没入感のある風景を楽しむことができるというわけです。
桜の名所として知られる公園ですが、湖岸近くのエリアには松も多く植えられています。
近江八景のひとつ「粟津の青嵐」は、浮世絵では膳所から南の石山までの松並木として描かれていますが、松の木越しに湖面を眺めていると、その名残を感じられるような気がしますね。
時代は変わり、湖面には城郭と松の代わりに近江大橋のなだらかな白い線が映ります。静かな城跡と、多くの車が去来する近代的な橋という対比が、琵琶湖の今昔を感じさせます。
公園内の水辺では、多くの水鳥を見かけることができます。
湖面にはカモの群れが。
木杭の近くにはユリカモメ。写真では分かりづらいですが、冬なので頭が白くなっています。
水辺階段の傍にはサギが佇んでいました。
上空には時折トンビも姿を現します。
比較的大きな市街地の一角に、水鳥が集まるような水辺があるというのは、琵琶湖畔にある街の良さのように思います。
膳所城跡公園 | |
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住所 | 滋賀県大津市本丸町7 |
電話番号 | ーーー |
WEB | ーーー |
営業時間 | ーーー |
駐車場 | 県道102号線を挟んで向かい側に、公園利用者のための無料駐車場あり |
琵琶湖の成り立ちと歴史が学べる「大津市科学館」
琵琶湖の風景を堪能したあとは、湖の成り立ちと歴史を学んでみましょう。膳所城跡公園の少し南、大津市科学館に向かいます。
「生命と自然」をテーマにした2階の展示フロアは、自然と人間の関わり方を考える事がテーマ。
世界でも有数の古代湖(100万年以上存続している湖の事)琵琶湖の成り立ちや生態系を、デジタルコンテンツでインタラクティブに、または実物の魚やプランクトンを観察して知ることができます。
同フロアにはプラネタリウムもあり、デジタル方式の投影機で様々なプログラムが上映されています。
子供向け番組はもちろん、一般向け番組も上映されており、地味ながらもどの世代の人が訪れても楽しめる施設だと思いました。
大津市科学館 | |
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住所 | 滋賀県大津市本丸町6−50(生涯学習センター内) |
電話番号 | 077-522-1907 |
WEB | http://www.otsu.ed.jp/kagaku/ |
営業時間 | 9:00〜16:30(入館は16:15まで) 毎週月曜・第3日曜休館(祝休日の場合は営業、翌平日休館) 年末年始(12/29〜1/3)および・保守点検等の臨時休館あり ※プラネタリウムの上映スケジュールについては、公式サイトでご確認ください |
駐車場 | 97台の無料駐車場あり |
湖岸の情景とアートを堪能する、北へ向かうドライブルート
次に紹介するのは、湖岸沿いの県道559号線を北上するルート。
琵琶湖を左手に比叡の山並みと内湖を眺めながら、矢橋帰帆島公園→琵琶湖博物館→佐川美術館を巡って、古代から続く琵琶湖畔の情景とアートを堪能するコースです。
大人も子供もアクティブに過ごすなら「矢橋帰帆島公園」
まずは矢橋帰帆島公園に向かいます。地図上では559号線を北上すればすぐのように見えますが、実は途中で東へ入り、内陸側の道路を北上するのがルートとなります。
途中、右手側に小さな公園が見えますが、これは矢橋公園という遺跡公園。
矢橋(やばせ)は万葉の時代から存在する湊町で、「矢橋帰帆」として近江八景のひとつとして数えられていました。ここから舟に乗って琵琶湖の対岸に行けば東海道の近道になることから湖上交通の要衝でしたが、明治時代に入って鉄道網の発達により廃港になったものを復元した公園です。
その公園を過ぎたところにある矢橋大橋を渡った先が、目的地の矢橋帰帆島です。
この島は戦後になって作られた人工島で、島の北半分が下水処理場、南半分が公園施設となっています。
広い敷地内には、ゆっくり散策できる遊歩道や広場、無料で使用できる遊具のほか、テニスコートや屋外プール、キャンプ施設等の有料施設も併設されれており、幅広い年代の人が様々な目的で利用できるようになっています。
特別に何か目的がなくても、ただ散策したり、広場でピクニックをしたりといった利用方法でも楽しいでしょう。
ただし残念なことに、2023年11月時点では、無料で使用できる遊具のほとんどが無期限の使用禁止となっています。お出かけの際は事前にご確認ください。
矢橋帰帆島公園 | |
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住所 | 滋賀県草津市矢橋町字帰帆2108 |
電話番号 | 077-567ー1969(8:45〜20:00)※12/29~1/3はお休み |
WEB | https://hikari-g.com/kihan/ |
営業時間 | 無料施設 6:00〜21:00 ※上記以外の時間は橋が封鎖されてしまうので注意 ※有料施設の営業時間及び休館日はそれぞれに異なるので、公式サイトをご確認ください |
駐車場 | 500台の無料駐車場あり |
琵琶湖畔ならではの風景「内湖」
内湖とは「琵琶湖の一部が砂州によって隔てられたラグーン」のこと。琵琶湖のすぐわきにある、水路で繋がった潟湖を指します。
また本来の意味からは離れますが、1980年代以降の開発によって「橋や堤防で琵琶湖から切り離された水域」も内湖に含められることがあります。
草津市内を走る県道559号線沿いには、この内湖が多数存在し、車を走らせていると視界の両側に水面が広がることが度々あります。
在来魚の生息地や渡り鳥の中継湿地として、琵琶湖の生物多様性の一端をになってきた内湖ですが、現在ではどんどん減少しているのだとか。人造内湖も含まれているとはいえ、次々と目前に広がる水辺の風景は、琵琶湖の原風景を見ているような気にさせてくれます。
県道559号線沿いはまた、内湖だけでなく、琵琶湖越しに続く比叡山の美しい稜線もみどころ。
比叡山の嶺は南北に長く伸びているので、北に向いて走行している間中、左手側にずっと見えています。
大岳である大比叡がよく見える場所で、少し車を停めてみました。晩秋の、すでに夕方近くの淡い陽光のもと、ススキ越しに見る比叡の山並みは、すこし古代めいた気分にさせられます。
琵琶湖の歴史を学べる体験型博物館「県立琵琶湖博物館」
湖岸沿いをそのまま北に進んで、烏丸半島へ入ります。「夕映え通り」という名の美しい並木道を抜けると、琵琶湖博物館の駐車場に到着です。
駐車場から博物館までは徒歩で5分ほど。
道中は木々が生い茂る緑豊かな環境になっています。これは約180万年前の環境を再現した「太古の森」という屋外展示のひとつ。
琵琶湖は約400万年前に誕生し、場所や姿を変えながら現在の姿になりましたが、その途中の環境というわけです。この時代には琵琶湖にゾウがいたとか……!
屋内の展示室では同時代を再現したジオラマや、ゾウの化石などの地学標本が展示されているので、見学後に再びここを歩くと、行きとは違った思いで木々を眺めることができました。
太古の森を抜けると、琵琶湖博物館に辿り着きます。
琵琶湖を扱う博物館としては日本最大のこの施設は、琵琶湖の自然と、そこに暮らす人々の生活両方に焦点を当てた総合博物館。自然と人間の歴史は不可分であるということが非常によく分かる展示となっています。
来るときに通ってきた「太古の森」のほか、縄文時代と弥生時代の植生を再現した「縄文弥生の森」、それらを上空から観察できる樹冠トレイルといった屋外展示が充実していたり、まるで水族館のような国内最大級の淡水生物の水族展示があるなど、見どころもたくさんです。
※2023年2月に発生した水槽の破損事故により、2023年11月時点ではすべての通路が開通しているものの、一部水槽は閉鎖されています。お出かけの際はサイト上で状況をご確認ください。
また注目なのが、大人向けの常設展示コーナー。
落ち着いたラボのようなインテリアの中、動物や植物、岩石の実物標本を手に取って観察できるほか、顕微鏡を自由に使ったり標本スケッチをしたりと、手を動かして学ぶことができ、新鮮な気分になれます。
滋賀県立琵琶湖博物館 | |
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住所 | 滋賀県草津市下物町1091 |
電話番号 | 077-568-4811 |
WEB | https://www.biwahaku.jp/ ※X(旧Twitter)、Instagramアカウントあり |
営業時間 | 9:30〜17:00(最終入館16:00) 毎週月曜休館(休日の場合は開館)、その他臨時休館あり。 ※公式サイトの開館カレンダーをご確認ください。 |
駐車場 | 420台の有料駐車場あり |
烏丸半島にて、夕陽の山陵に沈むを送る
琵琶湖博物館を楽しんだら、隣接する芝生広場にも足を運ばれることをオススメします。
夏の風物詩「イナズマロックフェス」をはじめ様々なイベントが開催される場所ですが、普段はとても穏やかな場所。半島の外周に沿うように遊歩道が通っており、湖面ギリギリまで近づけるポイントがあるなど、絶好のお散歩コースとなっています。
また琵琶湖に突き出した地形のため、北〜西〜南方面をパノラマで見渡すことができる希有なビューポイントでもあります。
この季節の琵琶湖畔は陽が落ちるのも早く、17時頃には既に夕陽が対岸の比叡の稜線に沈んでゆきます。
南の方に目を移せば、遠くに草津の市街地がみえます。
対岸からは微かに街の喧騒が聞こえてくるものの、周囲はトンビの鳴き声や、水鳥が水面を叩く音が時折聞こえてくるのみ。
発展著しい草津市ですが、少し足を延ばせば、原風景を思わせる美しい情景を堪能することができます。
中も外も美しい「佐川美術館」
最後に、佐川美術館へと向かいます。
湖岸の道路をさらに北上し、よく整備された「美術館通り「を進んでいくと……
佐川美術館へと辿り着きます。
日本画家・平山郁夫、彫刻家・佐藤忠良、陶芸家・十五代樂吉左衛門といった、日本を代表する巨匠の作品を収蔵品とするほか、魅力的な企画展が随時開催される当美術館は、関西でも指折りの美術館といえるでしょう。
収蔵作品や展示の内容もさることながら、佐川美術館の魅力は、建物それ自体が持つ美しさ。
美術館は3棟の建物によって構成されていますが、そのうち本館である2棟は、巨大な切妻屋根を持つ、モダンでありながらどこか古代的な雰囲気を持つ外観になっています。
エントランスは四方を水に囲まれた建物の中にあり、そのため入場者は必ず橋を渡って、古代の神殿を思わせるような柱廊を通るという仕組み。
この舞台装置があまりに素晴らしく、いやがうえにも「これから美術品を観るのだ!」という、静かな興奮を呼び覚まします。
一方で別館である樂吉左衛門館は、本館とはまた別の趣を持つ建物になっています。
約450年続く樂焼の陶芸家である、第15代当主・直入氏が直々に設計草案および監修を行ったこの別館は、寄棟屋根で背が低く、ススキに囲まれた隠れ家的な佇まい。
水庭に潜っていくようなギミックの地下展示室や、水面と限りなく視線を合わせた茶室など、見どころも多い建物です。
フォトスポットが多いので、美術館の周囲にはカメラを持った人が幾人か歩いていました。今回は晩秋の夕方ということもあり、寂しく、それでいてどこか懐かしい、土着的な雰囲気が美術館を包んでいます。
佐川美術館は季節によって全く異なる姿を見せるので、それを感じるだけでも何度も行きたい場所です。
佐川美術館 | |
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住所 | 滋賀県守山市水保町2891-2 北川2891 |
電話番号 | 077-585-7800 |
WEB | https://www.sagawa-artmuseum.or.jp/ ※X(旧Twitter)、Instagramアカウントあり |
営業時間 | 9:30〜17:00(最終入館16:30) 毎週月曜休館(休日の場合は翌日)、年末年始、その他臨時休館日あり ※公式サイトの開館カレンダーをご確認ください。 ※休日は混雑するため、事前にネット予約でチケットを購入することをオススメします。 |
駐車場 | 70台の無料駐車場あり(美術館入館者のみ無料) |
おわりに
交通の利便が良く、街の発展も期待されることから大注目の草津市。しかし単に「住みやすく便利な街」という以上に、風光明媚で歴史に関わりの深いエリアでもあります。
いにしえの面影を大切に残しつつ、進化を続ける草津市には、今回紹介できなかったスポットも数多くあります。皆さんも是非、直接足を運んでみてください。
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