1月の和名は「睦月」。
由来は諸説ありますが、もっとも有力なものは、親族一同が集まって宴を催すなどして睦み合う(むつみあう=互いに親しみ合うこと)ことから「睦び月」になったというものです。
いよいよ冬本番になるこの月。
冷たくピンと張り詰めた冬の空気が、新年らしさを盛り上げます。
風さえて今朝よりも又山近し(暁台)
と詠まれたように、寒冷が極まって冴え渡った空気は、遠景をよりきれいに見せてくれます。何もかもが真新しく見えるこの月。そんな1月のくらしの歳時記を紹介します。
今月の注目イベント
1月のこよみ
1月6日「小寒」(二十四節気)
いわゆる「寒の入り」のこと。
この日から節分(立春の前日。2024年は2月3日)までが「寒の内」です。
寒風が吹いたり降雪が本格的になったりと、寒さがいよいよ厳しくなってくるころ。この日から寒中見舞いを出し始めます。
1月18日〜2月3日「冬土用」(雑節)
雑節のひとつ「土用」は、土公神(どくじん)という土を司る神様が支配する期間のこと。立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指し、期間中は土を動かす作業(土いじり、地鎮祭、井戸掘りなど)を忌むことになっています。
とはいえ18日もの間ずっと作業ができないのは、さすがに実生活に影響が出ますよね。そこで土公神が地上を離れる日を設け、その日に限っては作業をしてもOKとしました。それを「間日」と呼びます。
2024年の冬土用の間日は、1月18日・27日・28日・30日。
1月20日「大寒」(二十四節気)
1年でもっとも寒いとされる時期。寒稽古など、耐寒の行事が行われるのがこのころです。
また「寒仕込み」といって、寒気を利用して酒や味噌を仕込むのにも良い時期とされています。
自家製の味噌も仕込みどき。
ちょうど今は、秋に収穫したばかりの米(麹)や大豆が出回る時期です。新鮮な素材を使って仕込むことで、よりいっそう美味しい味噌に仕上がりますよ。
年中行事と1月のイベント
1月1日「元日」(国民の祝日)
年の初めを祝う日。
元日の朝にはお水を汲む習慣があり、これを「若水」と呼びます。
若水は邪気をはらうものとされているので、まずは神棚にお供えし、その後に家族の食事を作ったり、口をすすぐ・お茶を点てるといったことに使用します。
元日の午前中のことを特に「元旦」と呼びます。「旦」は朝・夜明けという意味。
新年の神様「年神様」がその年の幸福をもたらすため、午前中に各家庭に降臨するとされていたことから、元日の午前中を特に重要視したというわけです。
ちなみに、年神様は日の出とともにやってくる、という説もあるそう。
気になる各地の日の出時刻は国立天文台のサイトで確認を。アルファジャーナル編集部のある香川県高松市の日の出時刻は午前7時10分。この時期の太陽は、南東やや東向きからのぼります。
1月2日「書き初め」(年中行事)
書き初めは、年が明けて初めて毛筆で書をしたためる行事。かつてはおめでたい詩歌を書いていましたが、現代では1年の目標や抱負を書くのが一般的でしょうか。
江戸時代以前、書き初めがまだ宮中行事だった時代には、元旦に汲んだ水「若水」で墨をすり、その年の恵方に向かって行うのがお作法だったそう。
1月7日「人日の節句(七草)」(節句)
五節句のひとつで、七種粥を食べることから「七草の節句」ともいいます。
元々は無病息災を願って食べられた七草粥ですが、おせち料理などで疲れた胃腸を休め、野菜が乏しい冬場の栄養を補うという効能も。
春の七草は ①セリ ②ナズナ ③ゴギョウ ④ハコベラ ⑤ホトケノザ ⑥スズナ=蕪 ⑦スズシロ=大根。
いずれも青菜で、ビタミンを豊富に含んでいます。セットになったものがスーパーに並んでいるので、ぜひ食卓に取り入れてみてくださいね。
1月11日「鏡開き」(年中行事)
年神様にお供えした鏡餅をおろし、無病息災を祈って食べる行事です。
松の内を1月7日までとする地域ではこの11日が鏡開きですが、関西エリアなど15日までを松の内とする地域では、11日ではなく15日に鏡開きをします(ちなみにアルファジャーナル編集部のある香川県も15日に行います)。
もとは武家社会の行事であったため「刃物を用いて切るのは縁起が悪い」ということで、手や木槌を用いて割ることになったようです。同様に、鏡”開き”となったのも、「割る」「切る」などの忌み言葉を避けるため。
1月15日 小正月・どんど焼き(年中行事)
「小正月」とは、元日を「大正月」というのに対して呼んだ名前です。
年神様をまつる行事である大正月に対して、小正月はその年の豊作を願ったりけがれを祓うなど、農業や家庭に関する行事が多くあります。
よく知られたものが「餅花」。紅白の餅を柳や梅などの枝に飾り付け、実った稲穂に見立てて予祝としたものです。養蚕が盛んだった地域では、繭に見立てたことから「繭玉」と呼んだりもするようです。
この日に行われるどんど焼きは、けがれを祓うための火祭り。
大正月に飾っていた注連飾りや古いお札を持ち寄って燃やす火は神聖なものとされ、この火で焼いた餅や団子を食べれば病気をしないとか、灰を持ち帰って家の周りに撒くと厄を祓うと考えられています。
また、この煙に乗って大正月にやってきた年神様が帰っていくとも言われています。
1月4日と5日未明が見ごろ。しぶんぎ座流星群が極大
三大流星群のひとつ、しぶんぎ座流星群が1月4日18時ごろに極大(流星群の活動が最も活発になること)を迎えます。日本では4日と5日の深夜から未明にかけて、観察のチャンスがありそうです。
ただし今年は、深夜ごろにのぼってくる下弦の月の影響を受けるので、あまり観察のコンディションはよくありません。それでもチャレンジする!という方は、放射点(流星が放射状に飛び出してくるように見える天球上の点のこと)が空高く昇った深夜以降にで、空全体を広く見渡してみましょう。
流星は空全体で見られますので、方角は気にしなくても大丈夫。でも今年は、月明かりの影響を受けない方角を見た方が見つけやすいですよ。
また、しぶんぎ座流星群は活動が活発な期間が短く、年によって出現数が変化しやすい流星群。そのため流星の数が少ない時は、見つけるのが少し難しいかもしれません。根気よく観察してみてください。
今月のアンケート
みんなの暮らし聞いてみました! \こんなとき、どうしてる?/
わざわざ聞かない。聞けないけど、ずっと気になっている日常生活のアレコレ…「そういえば、みんなどうしてる?」をリサーチしてお届けします!
今月のお題は「住まいの寒さ対策」
いよいよ冬本番。寒さが本格化する時期となりました。
ご自宅で寒さや冷えでお困りのことはありますか?暖房は何を利用されているでしょうか?
今回は、お住まいの寒さについてお尋ねします。
回答期限:2024年1月18日(木)
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先月の「お正月準備」の集計結果をみる
何かと忙しい年の暮れ。皆さんのご家庭では、どのようにお正月を迎える準備をしたでしょうか。
2023年の振り返りや各ご家庭のお正月準備についてお聞きしました。
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次回の「くらしの歳時記」は2月・如月編。
お楽しみに!
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