新築マンションの購入検討時に欠かせないものといえば、モデルルーム見学です。WEBサイトやパンフレットを見るだけでは分からないお部屋の広さ・設備などに触れて、じっくり検討することができます。
そんなモデルルームには(1)マンションが建築中の場合に、建物以外の場所に設置される「棟外モデルルーム」と、(2)完成後に建物内に設置される「棟内モデルルーム」の2種類があります。違いは「実物」かどうか。
棟内モデルルームは実物のお部屋をモデルルームとして公開しているため、棟外モデルルームに比べてよりリアルな生活をイメージできるというメリットがあります。
今回は棟内モデルルーム、つまり実物のお部屋を見学するメリットや、見学時に押さえておきたいポイントを、実際のモデルルーム写真を元に解説します。
この記事は、あなぶき興産の棟内モデルルームをベースに解説しています。
また販売会社により「建物内モデルルーム」「現地モデルルーム」など、名称は様々です。当記事では「棟内モデルルーム」の表現に統一します。
これからマンション購入を検討されている方へ
アルファあなぶきStyle会員に登録すると、総合不動産ディベロッパー「あなぶき興産」が解説する住まい選びに役立つ資料のダウンロードや、デジタルブック閲覧ができます。
・マンションの購入を検討するときの注意点
・マンションを購入してから入居までの手続きの流れ
「棟内モデルルーム」は棟外モデルルームと何が違う?
新築マンションは一般的に建物が完成する前から分譲が始まるため、建築中の場合は建物以外の場所にモデルルームが設置され、お部屋の広さや設備などを見学することができます。一方で建物が完成している(または完成間近)場合は、実物のお部屋をモデルルームとして公開することもあります。これが棟内モデルルームです。
この章では棟内モデルルームの特徴を、棟外モデルルームとの比較しながら解説します。
ここでいう「完成」とは、建築基準法で定められた建築確認・中間検査・工事完了検査の3つの認定・検査がすべて完了した状態を指します。建物が法律の基準に適合していることが認められ、検査済証が交付されたことを意味しています。
また自治体によっては、建設中でも建物の安全性を確認した上で、棟内モデルルームとして公開が可能な場合もあります。
棟内モデルルーム | 棟外モデルルーム | ||
---|---|---|---|
モデルルームの場所 | 建物内 | 実際の建設地と異なる ※建設地と同じ敷地内や隣接している場合もある | |
専有部(住戸内)の見学 | 可能 | 可能 | |
共用部の見学 | 可能 ※建物が建設中の場合は見学できない場合もある | 不可能 ※模型や図面でイメージする | |
眺望 | 実際の部屋から眺望を確認できる | 確認できない ※動画や写真で確認できる場合もある | |
モデルルーム内 | 変更工事 | 無 ※されている場合もある | 有 |
インテリアコーディネート | 作り込まれている(インテリアの参考にできる) | 簡素 |
外観の違い
棟内モデルルーム
棟内モデルルームの外観は、実際に住むマンションそのものです。外壁には「実邸公開中」や「棟内モデルルーム公開中」といったシート看板が掲げられていることが多いです。
棟外モデルルーム
棟外モデルルームは販売事務所とセットになっていることが多く、外観を一見しただけではマンションのモデルルームだと気付かない人も多いかもしれませんね。
室内の違い
棟内モデルルーム
棟内モデルルームでは、バルコニーから実際の眺望を確認できます。生活する上で重要な日当たりや風通しも確認することができます。
棟外モデルルーム
棟外モデルルームでは当然のことながら、実際の眺望・日当たり・風通しは確認できません。
バルコニーや窓の外が壁になっていることが多く、そういったモデルルームでは写真シートを貼るなどして、眺望をイメージできるような工夫がされていることもあります。
棟内モデルルームを見学するメリット
お部屋の広さ・日当たり・風通しなどがリアルに確認できる
もちろん棟外モデルルーム見学でも、設備仕様や間取りは確認できます。しかし自分が検討している間取りと、公開されているモデルルームが異なることがあります。しかし棟内モデルルームの場合は、複数の間取りタイプを公開していることが多いので、検討している間取りや、それに近い間取りを見学できる可能性が高くなります。
また棟外モデルルームでは体感しづらい眺望や日当たり、風通しなど、実際の生活環境を肌で体感できることも大きなメリットでしょう。
共用部の設備仕様や動線を確認できる
建物のエントランスや駐車場、ゴミ置き場などの共用部が確認できるのも、棟内モデルルーム見学ならでは。
模型や図面などでイメージするしかない棟外モデルルームに比べると、より具体的に使い勝手や動線を確認できるのは大きなメリットです。
空き住戸(インテリアコーディーネートがされていない住戸)を見学できる場合がある
一般的にモデルルームでは、間取りの変更や造作家具の設置、壁紙の変更といった変更工事・コーディネートをし、家具を配置した状態のお部屋を公開しています。より生活をイメージしてもらいやすくするために、という目的ですが、一方で「実際の広さが分かりづらい」「コーディネート品が多くて自分たちの生活がイメージしづらい」といった声を頂戴することがあります。
棟内モデルルームでは、何も装飾されていないお部屋(空き住戸)を見学できる場合があります。家具や家電の配置を想像したり、お部屋の使い方をよりイメージすることができそうですね。
インテリアコーディネートされたモデルルームの例
インテリアコーディネートがされていない住戸(空き住戸)
棟内モデルルームが公開されているマンションは、すでに建物が完成している(または完成間近である)ため、実際に購入するにあたってのメリットもあります。
引き渡し(入居)までの待ち時間が短い
新築マンションは、分譲時期にもよりますが、一般的に引き渡し(入居)までは1〜2年程度かかります。
しかし建物が完成、または完成間近である場合は、引き渡し(入居)までの待ち時間が短く、すぐに新しい生活を始めることができます。
契約から引き渡しまでの期間が短いため、適用金利が読みやすく返済計画が立てやすい
住宅ローンを利用してマンション購入を考えている場合、引き渡し日までの期間が長いとその間に金利が変動する可能性があり、実際に借りる際の金利=適用金利が読みにくいことがあります。
引き渡し日までの期間が短ければ、金利が大きく変動する可能性も少ないので、適用金利が読みやすく返済計画も立てやすくなります。
※フラット35や民間の住宅ローンでは「融資実行日当日の金利が」適用されるケースがほとんどですが、財形住宅融資など一部の住宅ローンでは「申込時の金利」が適用されるケースもあります。
棟内モデルルーム見学の7つのチェックポイント
棟内モデルルームは、実物のお部屋。だからこそ見ておきたい見学ポイントがあります。
CHECK1 │ 室内や収納の広さ・形、天井の高さ
マンションでは、階数によって天井高が違ったり、角住戸・中住戸によって梁の出方が異なることもあります。したがって1〜2タイプほどしか公開されない棟外モデルルームでは、自分が購入を検討しているお部屋の状態は図面で確認するしかありません。
しかし棟内モデルルームなら実物のお部屋を見学できるので、想像していたのと違っていた…というような状況を回避することができます。
ここでのチェックポイントは、以下の5点。
- 実際の天井の高さに圧迫感はないか(座ったとき、立ったとき)
- 柱・梁の出っ張りの形とサイズ
- 家具を置いても扉は開くか、人は通れるか
- 適切な場所に収納はあるか
- 収納の広さは充分か
設置したい家具や家電が決まっている人は、大きさをメモしておいたり、メジャーを持参しておくと、より楽しく入念にチェックできるでしょう。
CHECK2 │ 眺望・日当たり・風通し
実際の部屋からの眺望や日当たり、風通しなどを体感してみましょう。階数によって大きく異なるポイントです。購入すれば今後何十年かにわたって住み続けるお部屋であるこをを踏まえて、よく確認しておきましょう。
ここでのチェックポイントは以下の6点。
- それぞれの部屋の窓からの眺望
- 隣接建物との距離(圧迫感はないか、プライバシーを保てるか)
- 目線の位置にどんな建物があるのか(圧迫感はないか、プライバシーを保てるか)
- 歩行者からはどんな風に見えているのか(プライバシーを保てるか)
- 日当たりは悪くないか(前に日当たりを遮る建物はないか)
- 風通しはいいか
※実際には、すべて理想通り・条件通りになるとは限りません。価格面・眺望・使い勝手など、マンション購入において何を優先したいかを事前に決めておきましょう。
CHECK3 │ 室内の動線
普段通りの生活をイメージしながら、モデルルーム内を歩いてみましょう。
ここでのチェックポイントは、主に以下の2点です。
- 家事動線はいいか(特に水回り)
- リビングからそれぞれの居室(主寝室・子供部屋など)への動線
あなぶき興産では、家事動線に着目したオリジナル間取り「mi+mo(ミタスモ)」シリーズを採用したマンションを展開しています。実際にモデルルームでご体感いただくことで、多くの方からご好評いただいています。
mi+mo(ミタスモ)クロゼット
廊下側と居室側の2WAYから出入りできる動線が魅力のクロゼットです。
mi+mo(ミタスモ)パウダールーム
防水パン近くにカウンターを設置。カウンターの上部には室内干しができる物干し設備を、カウンター下にはコンセントを設置しました。コンセントがあることでアイロンはもちろん、暖房器具やサーキュレーターも使えるスペースになっています。
洗濯・室内干し・身じたくがスムーズにこなせるパウダールームです。
水回り集約し家事動線の効率を高めたプランの例(mi+mo(ミタスモ)パウダールーム付き)
この間取りは、水回りを集約して家事動線の効率を高め、さらにmi+mo(ミタスモ)パウダールームを付けたプランです。
キッチンとリビングの両方からパウダールームに行き来できるので、例えば料理をしながら洗濯の進行具合の確認がすぐにできます。またパウダールームからバルコニーに直接出られるので、洗濯物干しもラクになりますね。
(2021年7月29日「アルファレジデンシア新潟駅 棟内モデルルルーム」にて撮影)
CHECK4 │ コンセントの位置
設置予定の家電が問題なく置けるか、コンセントの数は足りるかを、図面集と照らし合わせながら実際に確認しましょう。
CHECK5 │ 標準設備・仕様・カラー
棟外モデルルームでは、有償オプションが付いていたり、居室の扉や床・壁紙の色が標準の仕様から変更されている場合があります。お客様のオプション選びや色変更の参考になるようにしていることですが、「実際の色味は○○です」「実際の設備は○○です」と説明されても実物のイメージがつきづらいという声を頂戴することもあります。
棟内モデルルームを見学する際は、お部屋の標準の設備・仕様・カラーを確認しておきましょう。ここでのチェックポイントは、以下の3点。
- 標準設備・仕様
- 扉・床・壁紙の色・材質
- キッチン・浴室廻りの設備の使い勝手
標準設備・仕様の確認
棟外モデルルームのキッチンには有償オプションのカップボードが増設されていますが、標準仕様は下の写真のようになります。
床の色味
棟外モデルルームでは、床を暗めのブラウンに変更していますが、標準では明るめのブラウンです。また棟外モデルルームでは、床に有償オプションのガラスコーティングを施しているため、少し表面にツヤが出ています。
CHECK6 │ 共用部の使い勝手・動線
棟外モデルルームでは、マンションのエントランスや駐車場といった共用部は再現されていません。実物を見学し、使い勝手などを確認できるのは棟内モデルルーム見学時ならではです。
もしも既に入居者がいる(一部のお部屋の引き渡しが完了している)マンションの棟内モデルルームを見学する場合は、メールボックスや駐車場、駐輪場などの利用状況も注意してチェックしてみましょう。管理が行き届いているマンションは、これらの共用部がキレイに利用されています。
ここでのチェックポイントは以下の6点。
- エントランスおよびエントランスホール
- メールコーナー(宅配ボックス)
- ごみ置き場
- 駐車場(敷地外・敷地内)
- 駐輪場
- その他共用設備(ペットの足洗い場・防災倉庫・共用トイレなど)
エントランス、エントランスホール
棟外モデルルーム見学や図面集を見ただけではわからない、手すりの位置や、エントランスホールの広さが体感できます。
マンションによっては、エントランスホールにソファが設置されていたりもします。来客時の待ち合わせや住民同士のちょっとしたコミュニケーションの場にもなりそうですね。
メールコーナー(宅配ボックス)
日常的に利用するメールコーナー(宅配ボックス)は、使い勝手はもちろん、エントランスからの動線も確認しておきましょう。
ごみ置き場
ごみ置き場の場所・建物からの動線をチェックしておきましょう。
駐車場
駐車スペースの大きさや形状、道路からのアクセスの他、駐車場の空き区画もチェックしておきましょう。またマンションの敷地外に駐車場がある場合には、場所の確認も必須です。
駐輪場
見学するマンションに既に入居者がいる(一部のお部屋の引き渡しが完了している)場合には、駐輪場の利用状況も忘れずに確認しておきましょう。
その他の共用設備
あなぶき興産が販売する新築分譲マンションでは、マンションの特性に応じてペットの足洗い場や防災倉庫を設けています。どのような共用設備があるのか、棟内モデルルーム見学時に必ずチェックしておきましょう。
CHECK7 │ 周辺環境
建物内や駐車場などの敷地内を見学して満足する方も多いですが、マンションの周辺環境を確認しておくことも非常に重要です。敷地内の見学が終わったら、少しマンションの周辺を歩いてみましょう。
- 周辺エリアの雰囲気は良いか
- 周辺の嫌悪施設(工場・ガソリンスタンドなど)からでるにおいや音は気にならないか
- 周辺に広い空き地はないか(大規模な建物が建設される可能性がある)
- 周辺の河川の状態はどうか(雨天時の水量など)
周辺環境のチェックポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
棟内モデルルルーム見学でよくある質問
予約は必要でしょうか?
棟内モデルルームの場合、モデルルームに営業スタッフが常駐していない場合があります。
「せっかく行ったのに見学できなかった」という事態を避けるため、事前に予約をしてから見学に行きましょう。
持っていくものはありますか?
見学中に気になったことを書き留めておくために、筆記用具やメモ帳があると便利です。また室内を撮影するためのカメラやカメラ付き携帯電話もあると良いですね。
設置したい家具や家電がある場合は、サイズを記載したリストとメジャーも必須です。
小さい子供がいるけど、見学できますか?
もちろん、お子様連れで見学していただけます。
ただし棟内モデルルームはスペースが限られているため、キッズルームがないこともあります。お子様連れで見学したい場合は、事前にお伝えいただけるとモデルルームスタッフもお迎えする準備がしやすくなります。
駐車場はありますか?
建物が完成し、すでに他のお部屋に入居者がいる(一部が引き渡しされている)場合や、マンションの立地環境によっては見学者用の駐車場が確保されていないことがあります。
車で見学に行く際は、予め駐車場の有無を確認しておきましょう。
まとめ
棟内モデルルームは販売されているマンションそのものなので、実際に住むことができるお部屋を見学・体感できることが一番の魅力です。棟内モデルルーム見学時には、自分の生活をイメージしながら7つのポイントをよく確認してください。
- 室内・収納の広さ・形・天井の高さ
- 眺望・日当たり・風通し
- 室内の動線
- コンセントの位置
- 標準設備・仕様・カラー
- 共用部の使い勝手・動線
- 周辺環境
記事内で紹介した各項目のさらにくわしいチェックポイントをまとめて、棟内モデルルーム見学時に持ち出せるリスト(PDF)を作成しました。ぜひダウンロードしてご活用ください。
これからマンション購入を検討されている方へ
初めてのマンション購入。
たくさん手続きがあって不安になることがあると思います。
マンションという大きな買い物だからこそ、ミスなく・不安なく・効率よく、そしてお得に、購入手続きを進めたいですよね。
アルファあなぶきStyle会員に登録すると、総合不動産ディベロッパー「あなぶき興産」が解説する、住宅購入に役立つ以下のような情報が定期的に受け取れます。
・マンションの購入を検討するときの注意点
・マンションを購入してから入居までの手続きの流れ
等
総合不動産ディベロッパー発信の信頼性・正確性の確かな情報を入手して、住宅購入をスムーズに進めましょう!
その他の記事はこちらをCHECK
https://journal.anabuki-style.com/
編集・発行
<著作権・免責事項等>
【本紙について】
・メディアサイト「アルファジャーナル」に掲載された記事を印刷用に加工して作成しております。
・アルファジャーナルにはあなぶきグループ社員および外部ライターによって作成される記事を掲載しています。
【著作権について】
・アルファジャーナルが提供する情報・画像等を、権利者の許可なく複製、転用、販売など二次利用することを固く禁じます。
・アルファジャーナルに登録される著作物に係わる著作権は特別の断りがない限り、穴吹興産株式会社に帰属します。
・「あなぶき興産」及び「α」(ロゴマーク)は、穴吹興産株式会社の登録商標です。
【免責事項】
・アルファジャーナルに公開された情報につきましては、穴吹興産株式会社およびあなぶきグループの公式見解ではないことをご理解ください。
・アルファジャーナルに掲載している内容は、記事公開時点のものです。記事の情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、必ずしも正確性・信頼性等を保証するものではありません。
・アルファジャーナルでご紹介している商品やサービスは、当社が管理していないものも含まれております。他社製品である場合、取り扱いを終了している場合や、商品の仕様が変わっている場合がありますので、あらかじめご了承ください。
・アルファジャーナルにてご紹介しているリンクにつきましては、リンク先の情報の正確性を保証するものではありません。
・掲載された記事を参照した結果、またサービスの停止、欠陥及びそれらが原因となり発生した損失や損害について、当社は一切責任を負いかねますのでご了承ください。
・メディアサイトは予告なく、運営の終了・本サイトの削除が行われる場合があります。
・アルファジャーナルを通じて提供する情報について、いかなる保証も行うものではなく、またいかなる責任も負わないものとします。