お盆を過ぎても残暑が厳しいこの時期。夏の終わりの夕涼みに、夏の和菓子「琥珀糖」はいかがでしょうか。
2~3年ほど前から「食べられる宝石」としてSNSなどでも話題の「琥珀糖」は、煮詰めた寒天を乾かした古くからある干菓子です。
四季の花木など自然を模した形で作られ、夏には水色に染めて氷をかたどったものが人気です。
すりガラスのような涼しげな見た目と、糖分が結晶化したシャリっとした食感は暑気払いに最適ですよ。
今回は、晩夏の夕暮れ空を、甘酸っぱいリキュールを使って表現した琥珀糖レシピをご紹介します。
冷たいお茶と一緒にいただいて、過ぎゆく夏を楽しんでください。
リキュールを使った琥珀糖の作り方
今回のレシピは「マンゴーリキュール」と「パルフェタムール(スミレ・バラ等の風味を付けたオレンジのリキュール)」の2つのリキュールを使います。夏の夕暮れ時をイメージして、ほのかな酸味のあるマンゴーのまろやかな甘味に花のフレーバーを加えてみました。この2つの味をマーブル状にすることで、食べた部分の色合いによって味にも変化が出ます。
リキュール類は入れすぎると寒天が固まりにくくなったり、結晶化に時間がかかったりすることがあります。味や色を濃くしたい場合でも、レシピ以上の分量を入れてしまわないよう注意してください。
なお、琥珀糖作りには「乾かす」という工程が必要です。湿度の高い真夏は乾燥に時間がかかるので、琥珀糖作りは湿度が下がり始めるお盆以降がおすすめです。可能であれば一日中エアコンを効かせた部屋で乾燥させるのがいいでしょう。
材料・道具
12cm×15cmの流し型1個分(20~30個程度)の分量です。
必要な数に合わせて分量は調整してみてください。
材料 ※流し型1個(20~30個程度)分
- 糸寒天…5g(粉寒天・棒寒天でもOKですが、コシの強く透明度の高い糸寒天がおすすめ)
- 水…200ml
- 砂糖…300g
- マンゴーリキュール…大さじ1
- パルフェタムール(バイオレットリキュール)…大さじ1
- (お好みで)赤・黄色・青の食紅…各微量
道具
- 鍋
- シリコンのゴムベラ、木べらなど
- 漉し網(茶こしなどでOK)
- 耐熱性のボウル2個
- 流し型(バットなどでもOK)
- ラップ
- 食品用の手ぬぐい
- 包丁
- クッキングシート
作り方
下準備
- 糸寒天を荒く刻み、水につけて数時間~一晩置いておく。
手順
- もどした糸寒天の水気を切り、分量の水とともに鍋に入れて火にかける。
弱火~中火で、寒天を完全に煮溶かす。
※常に混ぜていると寒天は溶けません。焦げない程度に放置して、一度煮立たせると早く溶けます。
- ボウルに砂糖を入れ、溶かした寒天液を漉しながら流す。
よく混ぜて砂糖を溶かす。
- 寒天液を鍋に戻し、弱火でしばらく煮詰める。
※掬ったときに糸を引く程度まで。
- 2個のボウルにマンゴーリキュール、パルフェタムールを入れる。
リキュールだけだとあまり色は出ないので、お好みで食紅を溶かして着色してください。
- 寒天液を半量ずつボウルに入れ、リキュールとよく混ぜる。
そのままとろみがつくまで粗熱を取る。
※熱いままだと2色が完全に混ざってしまいます。
- 流し型にラップを敷く。
- 2色の寒天液を同時に流し型に流し入れる。
固まり切る直前に、軽く混ぜてグラデーションを作る。
- そのまま常温で一晩固める。
- 型とラップから外し、濡れ布巾の上で数cm角に切る。
お好みで乱切りにしたり、手でちぎったりしてもOK。
寒天が包丁にくっつくので、べたついてきたら濡れ布巾で包丁を拭きましょう。 - クッキングシートの上に並べ、風通しの良い日陰で表面が結晶化するまで乾燥させる。
※湿度が高い時期は10日程度かかることがあります。一日中エアコンが効いた部屋で乾燥させるのがベストです。
バリエーション・楽しみ方
でき上がった琥珀糖は、そのまま食べるだけではなく、飲み物に入れるのもきれいです。色付きの炭酸飲料に合わせて、配色を楽しむこともできますよ。
また、今回のレシピのポイントは、2つのリキュールです。お酒を使いたくないという方はかき氷シロップなどで着色することはできますが、味を楽しむために、できればオレンジ色はマンゴーの味がついたシロップを使ってくださいね。
琥珀糖は常温で保存し、1週間程度で食べきりましょう。
夏のテーブルは涼しさの演出を
暑さで食欲が落ちがちな夏の食卓は、暑さを少しでも忘れられるよう、涼しさの演出に気を配りましょう。
一番手軽なのが、ガラスの器を使うこと。そうめんや冷やし中華といった夏ならではの料理でなくても、ガラスの器を使うだけで、見た目の涼しさは格段にアップします。
また、涼しげな手触りも食卓に取り入れたいですね。籐や巻きすなど、隙間のある植物素材のランチョンマットやコースターがおすすめです。
肌がべたつかないよう、テーブルには布のクロスをかけておくと実用面でも快適に食事ができますよ。
植物素材とガラスの器の合わせ技コーディネートがこちら。まさに夏!の食卓ができあがっています。
こんな食卓での夏の晩酌には、変わり種のカクテルはいかがでしょうか。調味料の「みりん」は、実はお酒としても美味しく飲むことができます。こちらの記事では身近なリキュール「みりん」使った夏のカクテルを紹介しています。
夏が終わっても暑さはしばらく続きます。暑さを払う飲み物やお菓子を食卓に取り入れて、夏の名残を楽しんでくださいね。
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