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くらしのヒント

手軽に始めるグリーン生活!100均の観葉植物をハイドロカルチャーで育てよう

100均ショップに並ぶ小さな観葉植物。てのひらサイズでいかにも可愛く、100円という手軽な価格からつい買って帰ってしまう人も多いのでは。
でも家に帰って冷静になると、ふと頭をもたげる疑問や不安。
「どうやって育てれば良いの?」
「部屋の中に土を持ち込むのは、汚れるしイヤかも」

そんな人にオススメのがハイドロカルチャー
ハイドロカルチャーとは水耕栽培のことで、「ハイドロボール」という、粘土を高温で焼いて発泡させた人工の石を使います。土を使わないので汚れない・虫が発生しづらいなど、部屋に土を持ち込むことに抵抗がある人にはぴったり。

というわけで今回は、ついウッカリ観葉植物を連れて帰っても大丈夫。ほぼ100均で揃うアイテムで、手軽にハイドロカルチャーを始める方法を紹介します。


  1. ハイドロカルチャーに必要なもの
    1. 穴の空いていない容器
    2. ハイドロボール
    3. 根腐れ防止剤
  2. 観葉植物をハイドロカルチャーに植え替える
    1. ハイドロボールを洗っておく
    2. 観葉植物をポットから外して、土を洗い落とす
    3. 容器の底に根腐れ防止剤を入れる
    4. ハイドロボールを容器の1/4〜1/3程度入れる
    5. 観葉植物を入れて、周囲にハイドロボールを足して固定する
    6. ハイドロボールの全体量の1/4程度まで水を注ぐ
  3. 普段のお手入れ
    1. 最適な設置場所を見つける
    2. 水やりは、容器の水が完全になくなってから
    3. 葉水を毎日あげる
    4. 肥料は忘れた頃にあげる程度で充分
    5. カビが生えた!?ハイドロボールに異変があったときは
    6. 半年〜1年に1回は植え替えが必要
  4. ハイドロカルチャーで観葉植物を育てるメリット
    1. 土を使わないので清潔・無臭、虫がわきにくい。そして軽い
    2. 好きな容器を使えるので、インテリア性が高い
    3. 水やりの頻度が少なくて済む
    4. 土植えに比べると成長がゆっくりなので、大きくなりづらい
  5. 100均ショップで観葉植物を選ぶ時の注意・上手な選び方
    1. 元気そうな観葉植物=状態の良いものを選ぶ
    2. 100均ショップで買える、ハイドロカルチャー向けの観葉植物
    3. うまく育つかどうかは運次第
  6. 100均アイテムでハイドロカルチャーは始められる! 可愛い観葉植物で癒やされよう!

ハイドロカルチャーに必要なもの

100均ショップで観葉植物を衝動買いしたら、あわせて次のものも買っておきましょう。

  • 穴の空いていない容器
  • ハイドロボール
  • 根腐れ防止剤(ゼオライト)

穴の空いていない容器

穴が空いていない(水を溜められる)容器なら何でもOKですが、水の量が見える方が管理しやすいので、透明なものがオススメです。
ガーデニング用でなくても大丈夫なので、気に入った形のグラスや深さのある水盤(浅すぎると植物がうまく固定されません)など、観葉植物とのバランスの良い物を選んでみましょう。

透明でない容器を使う場合は、水位計を併用すると水の管理が楽になります。

ハイドロボール

一般的に根が細い植物には小玉、根の太い植物には中玉〜大玉のハイドロボールが向いているとされますが、分からなければ中玉を選べば大丈夫です。
(100均ショップで入手できるのは、ほぼ中玉サイズです)

根腐れ防止剤

土で育てる場合は、植物が出す老廃物を土の中の微生物や細菌が分解してくれますが、ハイドロカルチャーでは科学的に処理しなければなりません。そこで必要になってくるのが根腐れ防止剤です。根腐れ防止剤には植物の根から出た老廃物を吸着し、水を腐らないようにする水質浄化効果があります。

100均ショップのアイテムだけで揃えたいのなら、ガーデニングコーナーにあるゼオライトを購入しましょう。
ゼオライトだけでも枯れるようなことはありませんが、より元気に育てようと思ったらイオン交換樹脂という水質浄化効果のあるアイテムを足すのがオススメです(ちなみに栄養剤の効果が追加された「イオン樹脂交換栄養剤」というものもあります)。

100均ショップにこだわらないのなら、珪酸塩白土を使うのがオススメです。水質浄化・根腐れ防止・ミネラルの補給など、これひとつだけで様々な効果が得られます。

ちなみにイオン樹脂交換(栄養)剤、珪酸塩白土ともに、100均ショップでは入手できません。ホームセンターのガーデニングコーナーやオンラインショップで探してみましょう。容量にもよりますが、どちらも数百円〜千円以下で購入できます。


観葉植物をハイドロカルチャーに植え替える

植え替えは、次の6ステップで行います。

  1. ハイドロボールを洗う
  2. 観葉植物をポットから外して、土を洗い落とす
  3. 容器の底に根腐れ防止剤を入れる
  4. ハイドロボールを容器の1/4〜1/3程度入れる
  5. 観葉植物を入れて、周囲にハイドロボールを足して固定する
  6. ハイドロボールの全体量の1/4程度まで水を注ぐ

ハイドロボールを洗っておく

買って来たばかりのハイドロボールには細かいホコリが付いているので、そのまま使うと水の濁りの原因になってしまいます。まずは洗って、よく水を切っておきましょう。
排水口用のネットに入れると楽に洗えます。

観葉植物をポットから外して、土を洗い落とす

観葉植物をポットから出して、根を傷めないように優しく土を洗い流します。
このときに明らかに傷んでいる根があれば取り除いておきます(根腐れの原因になります)。

植物を取り出すときは、ポットの中の土が乾燥している方が作業がしやすので、水やり直後などで土が湿ってたら、数日ほど放置して乾かしましょう。

容器の底に根腐れ防止剤を入れる

ゼオライトまたは珪酸塩白土を容器の底に入れます。

ハイドロボールを容器の1/4〜1/3程度入れる

その上に、ハイドロボールを入れます。目安としては容器の1/4〜1/3程度。
たくさん入れすぎると観葉植物を植え付けにくくなるので、植えた後の完成形を想像しながら入れる量を調整してください。

観葉植物を入れて、周囲にハイドロボールを足して固定する

容器の中心に観葉植物を入れて位置決めをし、周囲にハイドロボールを入れてぐらつかないように固定します。
容器に根が触れると痛みの原因になるので、必ず真ん中に収めてください。

ハイドロボールをただ入れただけでは隙間ができてしまうので、割り箸などで突いて均します。このとき、根を突いて傷つけたりしないように注意!
隙間がなくなってハイドロボールが減ったように見えたら足しましょう(そしてまた隙間がなくなるように突いて均します)。

ハイドロボールの全体量の1/4程度まで水を注ぐ

最後にハイドロボールの全体量の1/4程度の水を注いで完成です。

水は入れすぎないように注意。この程度が適量です!

土植えからハイドロカルチャーにする時には、古い根を整理したら発根促進剤入りの水に1〜2週間程度浸けて、根を慣らす・水耕栽培に向いた根が出てきてからハイドロボールに植え付ける方法もあります。
このステップを踏まずに、今回のようにいきなり植え替えてもほとんど差し支えはありませんが、万全を期したい人は試してみてください。


普段のお手入れ

最適な設置場所を見つける

ほどほどの日当たりと風通しを確保

基本の設置場所は、直射日光の当たらない、風通しの良い明るい室内です。レースカーテン越しに日が射し込む窓際が理想。
耐陰性(日影でも育つ)のある観葉植物もありますが、ずっと日に当てないと枯れることもあるので、様子を見ながら週に1回程度は日の当たる場所に移動させましょう。逆に半日影で育てるのが適している観葉植物の場合は、レースカーテン越しの日光でも葉焼け(葉っぱが黄色や茶色に焼けてしまうこと)を起こすことがあるので、日々様子を観察するのが肝要です。

寒すぎず、暑すぎない場所

また室温は暑すぎても寒すぎてもよくありません。だいたい10℃〜25℃が適温です。
基本的に観葉植物は、熱帯地方原産の植物。したがって気温が低すぎる状態では枯れてしまうことがあるのです。中には耐寒性(寒くても枯れない)のある観葉植物もありますが、それでも5℃程度です。冬の間は窓から離して部屋の中央付近で管理するなど、寒さ対策をしましょう。逆に気温が高すぎても、根腐れを起こしたり、容器の底に藻が発生したりするので注意が必要です。

ただし、適温を保つためとはいえ、エアコンの風が直接当たるところに置くのもダメです。風通しの良さは病害虫を防ぐために不可欠ですが、エアコンの風が直接当たると乾燥の原因になってしまいます。

頻繁に置き場所を変えない

直射日光が当たる・日当たりが悪い・寒すぎる・暑すぎるなど、観葉植物にとって良くない環境から動かす以外では、なるべく置き場所を変えないことも大切です。頻繁に環境が変わるのも、植物にとっては大変なストレスなのです。
特に植え替えた直後は、少なくとも2週間程度(根が活着するまで)は同じ場所に置いておきましょう。

水やりは、容器の水が完全になくなってから

容器の底の水が完全になくなってから、さらに2〜3日後が水やりのタイミング。水がなくなる前に注ぎ足してしまうと根腐れの原因になるので注意しましょう。

水やりの際は、ハイドロボールの全体量の1/5程度の高さまで水を入れます。多く入れすぎたらハイドロボールが流れ出ないように押さえながら、余分な水を捨てましょう。
また冬場は観葉植物の成長が緩慢になるので、春や夏に比べると水やりの回数は少なくなります。

葉水を毎日あげる

葉水(はみず)とは、霧吹きなどで観葉植物に水を吹きかけること。
熱帯地方が原産の観葉植物は、空気中の湿度を水分として葉から取り込める構造になっていますが、葉水で原産地の湿潤な環境に近づけることで、乾燥を防ぎ瑞々しい状態を保つことができるというわけです。
また葉っぱのホコリや汚れを落としたり、ハダニなどの病害虫を予防する効果もあります。

ポイントは霧吹きで葉だけでなく幹までたっぷり水をかけてあげること。ただし葉の先に水滴がたまってしまうと、レンズのようになり、光を集めて葉を焼けさせてしまうことがあるので、やり過ぎは厳禁です。

肥料は忘れた頃にあげる程度で充分

もちろん水だけでは植物は元気に育ちません。水耕栽培用の液体肥料を与えましょう。
ただし植え替えた直後に与えてはいけません。植え替えというのは、植物にとって大変なストレス。そこに栄養剤という刺激を与えると、枯れる原因になってしまいます。植え替え後2〜3週間ほど経過して、根が活着してから与えます。特に、根腐れ防止剤に珪酸塩白土やイオン樹脂交換栄養剤を使っている場合は、急いで与える必要はありません。

また、液体肥料のボトルには2週間に1回程度の頻度で与えるように指示がありますが、そこまで頻繁に与えなくても充分育ちます。むしろ与えすぎは根腐れの原因になってしまいます。

カビが生えた!?ハイドロボールに異変があったときは

ハイドロボールの表面に白いものが付いていたり、容器の底の方に黒いものがたまっていたり。もしかしてカビ!?と焦ってしまいますが、たいていの場合、カビではありません。

表面が白くなるのは、水に含まれるミネラル分

表面に白く粉がふいているように見えるのは、水に含まれるミネラル分。水が蒸発した後に、成分だけが残って白くなっているのです。

見栄えは悪いですが、有害なものではないので心配しなくても大丈夫。防ぐ方法は残念ながらありません。

容器の底の黒いものは藻

一方で容器の底の黒いものは藻です。水温が高くなりすぎると発生します。これも見栄えは悪いですが、急いでどうにかしなければならないほど有害なものではありません。発生を防ぐには、日光に当てすぎない、水温を高くしないことです。

いったん藻が発生したら、ハイドロボールや容器を洗浄し、植え替えするしか解消する手段はありません。
しかし晩秋〜冬の気温の低い時期・真夏の気温の高い時期の植え替えは、植物にとって大変なストレスです。その時期を避けてお手入れしましょう。

実際にカビの場合もある

そして、実際にカビが生えているというパターンもあります。
ハイドロボールの表面にフワフワした白いものが生えていたら、それは高確率でカビです。速やかに取り除いて捨てましょう。念のため、水で薄めた木酢液を観葉植物・ハイドロボールの表面にスプレーしておくと安心です。

カビの発生を防ぐには、風通しの確保と、枯れた枝や葉などがハイドロボールの上に落ちたままにしない(こまめに取り除く)ことです。

半年〜1年に1回は植え替えが必要

土植えの場合も定期的に植え替えが必要ですが、ハイドロカルチャーの場合はもう少し頻繁に植え替えが必要になります。
これはハイドロボールの洗浄と、根腐れ防止剤の交換が目的。土の場合は、微生物や細菌が植物から出る老廃物を分解するサイクルが循環するのですが、ハイドロカルチャーではそれがないので定期的にメンテナンスが必要なのです。特にイオン樹脂交換(栄養)剤には使用期限があるので、指示通りのタイミングで交換しましょう。目安は半年から1年に1回です。

ハイドロボールは洗って再利用できますが、残った根などのゴミを取り除き、よく洗った上で(このとき、洗剤を使用してはいけません)消毒を兼ねて天日に干してから使いましょう。植え替えは4月〜6月ごろに行うのがオススメです。


ハイドロカルチャーで観葉植物を育てるメリット

ここまで読んで、ハイドロカルチャーってなんだか難しそう…と、観葉植物を買ってきたことを後悔している人もいるかも知れません。
たしかに仕組みを理解していないと枯らす可能性が高くなるので、ただお水をあげれば何とかなる土植えよりは覚えることが多いでしょう。しかしそれでも、ハイドロカルチャーで観葉植物を育てるメリットはたくさんあるのです。

土を使わないので清潔・無臭、虫がわきにくい。そして軽い

インテリアにグリーンが欲しいけれども、室内に土を持ち込みたくない…という人は多いと思います。
その点ハイドロカルチャーは土を使わない水耕栽培、使用するハイドロボールは無臭なので、部屋が汚れたり土の臭いが気になるといったことはありません。土を使わないということは虫もわきづらいので、例えばダイニングテーブルの上にちょっとしたグリーンを飾りたい、という場合でも置きやすいでしょう。

また土に比べるとハイドロボールは軽いので、置く場所を選ぶこともなく、部屋の中で移動させるのも容易です。

好きな容器を使えるので、インテリア性が高い

基本的には穴の空いていない容器なら、何でもハイドロカルチャーに使うことが可能。だからお気に入りのグラスを使ったり、室内の雰囲気に合わせた容器を使ってインテリアの一部として楽しむこともできます。

水やりの頻度が少なくて済む

水やりのタイミングは、容器にたまった水がなくなってから2〜3日後。毎日水やりをする必要はありません(葉水はできるだけ毎日あげるのがオススメですが)。また透明な容器を使えば水の管理も楽なので、水やりで失敗しがちな人でも育てやすいでしょう。

土植えに比べると成長がゆっくりなので、大きくなりづらい

これはメリットにもデメリットにもなることですが、土植えに比べるとハイドロカルチャーで育てると植物の生長が緩やかになります。部屋の中に大きな鉢を置くスペースがないとか、インテリアとして観葉植物を飾りたい人にとっては、メリットに感じるのではないでしょうか。


100均ショップで観葉植物を選ぶ時の注意・上手な選び方

元気そうな観葉植物=状態の良いものを選ぶ

100均ショップは園芸の専門店ではないので、植物に応じた適切な環境下で、かつこまめなお世話をされていません(もちろん、少しでも良い場所に陳列して丁寧にお世話をしている店舗もあるし、植物が好きな店員さんがいる店舗では手厚くお世話されていることもあります)。
ですから、少しでも元気そうな観葉植物を選びましょう。最低限、(1)葉が黄変・茶変していない(2)瑞々しく、しおれていない(3)葉や茎に虫が付いていない の3点はチェックしたいところです。

100均ショップで買える、ハイドロカルチャー向けの観葉植物

観葉植物を育てること自体が初めてなら、クワズイモモンステラアイビーが丈夫でオススメ。成長も早いので、育てている手応えを感じられて楽しいでしょう。逆にこまめにお世話する自信がないのなら、放置気味に育てた方がよく育つテーブルヤシがオススメです。

定番のパキラガジュマルコーヒーの木ドナセラも、丈夫かつ生育が旺盛なので育てやすいですよ。

上記で挙げたものに限らず、100均ショップで販売されている観葉植物は、初心者が部屋の中で育てやすい種類がほとんどです。
しかし土植えではなくハイドロカルチャーで育てるとなると、少し事情は変わってきます。例えば乾燥を好む植物、例えばサボテンのような多肉植物はハイドロカルチャーには向きません(工夫すれば可能ですが、厳格な水の管理が必要です)。また軽いハイドロボールで植物を支えるので、大きいものや重いものも向きません。

うまく育つかどうかは運次第

最後に身も蓋もないことを言ってしまいますが、うまく育つかどうかは運次第です。
そもそも園芸店のように「植物に最適な場所で専門の人が細かく管理している」環境でないところで長く陳列されているわけですから、元気そうに見えても実は弱っている…という可能性もあるわけです。
植え替え・設置場所・日常のお手入れを完璧にできたと思っても、枯れてしまう可能性は充分あります。枯らしてしまうのはかわいそうですが、そういうこともある、と覚えておいてください。

まとめ


100均アイテムでハイドロカルチャーは始められる! 可愛い観葉植物で癒やされよう!

 

100均ショップで可愛い観葉植物に出会ってしまったら、あわせて買って帰るものは3つ。

  1. 穴の空いていない容器
  2. ハイドロボール
  3. 根腐れ防止剤(ゼオライト)

これだけで手軽にハイドロカルチャーを始めることができます。お部屋の中に小さな緑を飾って癒やされてくださいね!

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