すっかりアートの聖地となった香川県。
香川の観光地といえば「直島」など、瀬戸内国際芸術祭の舞台となった、瀬戸内の島々の名前が上がることが多くなってきました。
そんな中、今ひそかに注目を集めているのが、香川県高松市にある「仏生山町(ぶっしょうざんちょう)」です。
仏生山は、昭和や戦前の面影を残すノスタルジックな町で、近年、古民家をリノベーションした店やモダンな温泉施設が加わって、町並み全体の魅力が増しています。
仏生山には特別な観光スポットがあるわけではありません。何かを目的に観光するのではなく、気ままに散策するのが楽しい。旅好き・アート好きなら、ぜひじっくり歩いて時間を過ごしてほしい、そんな街のご紹介です。
「仏生山」について
門前町として栄えていた「仏生山」
香川県高松市のほぼ真ん中に位置する仏生山町は、高松藩主松平頼重の命によって創建された仏生山来迎院法然寺の山号からその名が付けられました。
高松城下から四国各地に通ずる五街道のひとつが「仏生山街道」で、代々の高松藩主が初代藩主の菩提寺である法然寺に参詣するために使用したことから、別名、御成街道とも呼ばれる仏生山街道を中心に、商家が立ち並び門前町が形成されました。
仏生山の街全体の雰囲気としては、近年はすっかり高松市のベッドタウンとなっていますが、仏生山街道沿いには当時の貴重な建物が点在しています。高松市ではこの街道を「仏生山歴史街道都市景観形成地区」として指定しており、造酢業の「神崎屋」は今も当時のまま営業を続けています。
”オールド&ニュー”が魅力の町並みに
最近の仏生山街道には、古くからの建物を再生したおしゃれな店舗も見られます。このようにオールド&ニューを実感できるところが仏生山の魅力でもあります。
『ガソリン道』
仏生山には「仏生山街道」の他にも有名な街道があります。通称『ガソリン道(みち)』と呼ばれる街道です。
塩江(しおのえ)温泉鉄道の廃線跡の一部、仏生山駅から塩江街道(県道280号線)合流地点までの車道約4㎞がこう呼ばれています。
塩江温泉鉄道は昭和4年(1929年)から昭和16年(1941年)までの12年間、仏生山駅~塩江駅まで16kmの区間を運行していました。
ガソリンを運ぶ鉄道が通っていたものと思われがちですが、鉄道の車両が当時では珍しいガソリンを燃料とする「ガソリンカー」だったことが名の由来になっています。
かつて塩江温泉郷は讃岐の奥座敷と言われ、映画館やカフェが立ち並び、観光客があふれていたそうです。
当時のガソリンカーに乗った気分で「ガソリン道」を歩いてみると、古き良き時代にタイムスリップした気持ちになるかもしれませんね。
秋まつりには町全体がにぎわう
仏生山では毎年10月、秋の風物詩「高松秋のまつり 仏生山大名行列」が開催され、町全体がにぎわいます。
イベントは、初代高松藩・松平頼重公が、菩提寺である「法然寺」を参拝する高松藩の大名行列の様子を再現したもの。
行列では、香川県出身の俳優さんが殿様役を務めたり、一般参加者らが松平頼重公や姫君と家臣に仮装したりして、(御成街道)仏生山街道の約1.5kmを練り歩きます。1993年から始まったこのイベントは、市民に愛され2017年で24回目を迎えました。
かなり大規模なイベントなので、秋に観光に訪れるなら、祭りの時期に合わせてみては。
仏生山へのアクセス
高松空港からは、車で20分ほど。 JR高松駅からは、隣接する私鉄「琴平電気鉄道(通称:ことでん)」の琴平線(金毘羅宮へ向かう路線)にて高松築港駅から6駅、約15分で着きます。車輌数の少ないレトロな電車に乗ってみてください。
運が良ければ、ことでんのマスコットイルカ「ことちゃん」に逢えるかも。
「ことちゃん」とは
ことちゃんは、高松琴平電気鉄道のマスコットである。イルカをモチーフとし、PRキャラクターの他に駅員を兼任している。 誕生理由は表向きには「大人の事情」であるが、実際の理由は「ことでんが存続の危機に陥った際に、『ことでんは要るか?要らないか?』と話し合ったことに由来し、『ことでんは要るか?』という自戒の意味を込めて、イルカのマスコットキャラクターを採用した」と、高松琴平電気鉄道自身が明かしている。wikipediaより。
そんなブラックな誕生秘話を持つことちゃんですが、なんと「2013ご当地キャラ総選挙」にて全国3位入選という輝かしい功績を持っているんです。
ことちゃんが乗っていた「ことでんひやく号」は車輌の全般検査のため、約8年の運行を終え、2019年3月6日に運行を終了しました。
「仏生山駅」に着くとこのようなのどかな雰囲気です。 高松市のベッドタウンだけあって、琴電の乗降者数は3番目に多い駅となっています。
ちなみに仏生山駅は琴電の車両基地にもなっています。
この車両基地ではさまざまなイベントが開かれることも。 ことでん主催の「電車まつり」や2012年には瀬戸内サーカスファクトリーの舞台となりました。
ぜひ立ち寄りたい仏生山スポットおすすめ7選
※平成30年1月25日現在
1.仏生山のランドマーク的な存在「仏生山温泉」
仏生山のランドマーク的な存在であるのが、日帰り温泉「仏生山温泉」。
特筆すべきは、温泉とは思えない一見美術館のような洗練された建築。2007年にグッドデザイン賞を受賞しています。
アートとしても重曹泉の独特な泉質においても全国から高い評価を得ている仏生山温泉。その一見温泉とは思えないスタイリッシュな建築を、実際に訪れて目で確かめてください。
ことでんに乗って仏生山温泉に訪れるならぜひ購入しておきたいのがうちわ型の切符「ことでんおんせん乗車入浴券」。
1,000円払うと、仏生山までの運賃と、仏生山温泉の入浴料、さらにオリジナルタオルが付いてくるという、とってもコスパの良いセット。日付も入って持ち帰りが可能なので、旅の記念にも嬉しいですね。
■発売金額 大人 1,000 円 (大人のみ)
(運賃+入浴料+仏生山温泉オリジナルタオル+うちわ)
■有効期間 1日間
(前売りは、発売日から1箇月間のうちで購入時に指定した1日に限り有効。)
■有効区間 仏生山駅から320円区間
【琴平線】高松築港、片原町、瓦町、挿頭丘、畑田
【長尾線】花園
【志度線】今橋、松島二丁目
※設定区間を自由に乗降できる。 ※有効区間外を利用した場合は、区間外乗車分の普通運賃が別途必要。
■発売窓口 ことでん有人駅(6駅) 高松築港・片原町・瓦町・栗林公園・仏生山・今橋の各駅
【店舗情報】
住所:高松市仏生山町乙114-5
TEL:087-889-7750
営業時間:平日11:00〜24:00/土日祝 9:00〜24:00
定休日:毎月第4火曜日
駐車場:有
WEBサイト:http://busshozan.com/
2.カレーも食べられる文庫屋さん「へちま文庫」
古い家屋をリノベーションした文庫屋さん。
本屋なのに水曜日のランチ時間だけ美味しいカレーが食べられます。水曜日のカレーは人気なので、電話かメールで予約するのがオススメ。食後のコーヒーも美味しい。
【店舗情報】
住所:香川県高松市出作町158
TEL:080-4035-3657
営業時間:12:00~18:00
定休日:火曜日
Facebook:https://www.facebook.com/hechimabunko/
3.ボールペンからからくり人形まで売っている雑貨屋さん「TOYTOYTOY」
ボールペンやコップ、伝統工芸士が作る日用品や作家が作るからくり人形もあります。
水曜日は店主がへちま文庫さんへカレーを食べに行くため「外出中」という札が出ることも。ゆるく営業しているのが魅力。
【店舗情報】
住所:高松市仏生山町甲455-2
TEL:087-814-3959
営業時間:12:00~18:00
定休日:月曜日
WEBサイト:http://www.toytoytoy.jp/index.html
4.高松では珍しいジビエ料理が食べられる「創作料理 歩々(ぼちぼち)」
その日仕入れた猪肉を部位に合わせた調理法で提供するジビエ料理や、一風変わった味付けが人気の「牛すじもつ煮込み」など、定番の居酒屋メニューに加え、ほかではなかなか味わえない絶品料理が楽しめるお店です。
独自のルートで仕入れるため、良質な肉をリーズナブルに提供でき、運が良ければ希少な極上肉やめずらしい部位を堪能できることもあるそう。
【店舗情報】
住所:高松市仏生山町乙47
TEL:087-802-7300
営業時間:17:00~24:00
定休日:無休
駐車場:有
個室:有
5.仏生山最古の建造物をリノベーション「仏生山天満屋サンド」
こちらは仏生山でも最も古い建造物のひとつで、以前は代々続く呉服屋さんでした。 その洋服屋さんの部分をパン好きのご夫婦がリノベーションし、サンドイッチ屋にしたというおもしろいお店です。
サンドイッチのメニューは基本的にAサンド、Bサンド、Cサンドの3種類。それぞれ異なる粉を使ってこだわりのサンドを作っているそう。こだわりの数量限定販売のため、早めの来店がおすすめかも。
建物は登録有形文化財となっているため、外観はそのまま保存し、内装のみをリノベーション。
こちらは人気のAサンド。
【店舗情報】
住所:高松市仏生山町甲542
TEL:087-889-1630
営業時間:11:00~18:00
定休日:火・水
Facebook:https://www.facebook.com/tenmayasando/
6.築90年の古民家を再生した「レストランアジール」
こちらも築90年の古民家をリノベーションしたカフェ&レストラン。
カフェの隣には全国でもめずらしい「サーカス図書館」が併設されています。
【店舗情報】
住所:高松市仏生山町甲2507
TEL:087-889-1531
営業時間:8:00~18:00
定休日:月・第4火曜日
駐車場:有
Webサイト:http://www.cafe-asile.net/
7.老若男女が集まる大衆劇場「仏生山」
現代では珍しくなった、どこかノスタルジックな大衆演劇の専門劇場が仏生山にあります。
アットホームな雰囲気でステージと客席の近く、役者と観客が一体となり臨場感はたっぷり。
出し物は歌、舞踊ショーと芝居で構成され、時代劇が中心。出演劇団は1カ月交代で演目は毎日替わり1日2回公演。
高松市での専門劇場は唯一仏生山のここだけです。写真は土曜日の劇場。ほぼ満員の客入り。
【店舗情報】
住所:高松市仏生山町甲834-2
TEL:087-889-5260
開演時間:昼の部12:30~15:30、夜の部18:00~20:45
休園日:毎月第3金曜日、月末
駐車場:あり
料金:1,600円(大人)800円(小人)1,300円(シルバー)
新しい施設が続々と…
ここ近年では仏生山に移住者も増え、行政、住民ともに積極的にまちづくりを行い、町が活性化しています。
高松市立みんなの病院(平成30年9月開院)
高松市民病院と香川病院を移転統合した高松市新病院を整備し、塩江病院をその附属医療施設とする新病院整備事業を進めています。 高松市新病院の正式名称が公募により「高松市立みんなの病院」に決定しました。
高松市立みんなの病院は仏生山駅徒歩1分に立地。
まとめ
現在、町に点在している飲食や、客室や、物販や、温泉などを巡ることで、まち全体を旅館見立てる「まちぐるみ旅館計画」も進行中の仏生山。
ますます魅力を高めていくこの町に、一度訪れてみたい!と思っていただければ幸いです。
ことでん仏生山駅(約50m)近接エリアに、待望の新築分譲マンション誕生
- 全邸大型収納採用間取りで、ゆとりのある収納量/敷地内駐車場100%確保
- みんなの病院(約130m)徒歩2分/仏生山駅前公園(約140m)徒歩2分
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