夏の食卓の定番そうめん。手軽にサッと調理ができて、冷たくスルスルとした喉越しは、老若男女問わず好まれる麺類です。でも冷たい麺つゆで食べるだけではもったいない!いろんな具材と組み合わせてアレンジすれば、栄養価も上がって通年楽しめるんです。
今回は変幻自在なそうめんのアレンジのうち、寒くなっても美味しく食べられる温かいレシピを6つ紹介します。
冷房による冷えや肌寒い日には、あったかそうめんアレンジで体の中から温めて
小麦粉・水・油・塩という非常にシンプルな原材料でできているそうめんは、そのシンプルさゆえに、アイデア次第で料理の幅が広い食材。アレンジに取り掛かる前に、そうめんの実力を紐解いていきましょう!
「そうめんは太る」って本当!? 栄養価とカロリー
「そうめんは油が使ってあるから太る」なんて話、聞いたことはありませんか?
確かに製造工程には、熟成させる前の段階に「油返し」と呼ばれる生地油でコーティングしながら“より”をかける作業があります。ですが、実はこの油、茹でる際にお湯に溶け出てしまうので、出来上がりにはほぼ残りません。
そうなると、実際に摂取するカロリーや栄養成分はいったいどうなっているのか、気になりますよね。茹で上げたあとのそうめんの主要な栄養素を、ほかの麺類と比較しつつ見てみましょう。
うどんやスパゲッティなどのほかの麺類と比べて、カロリーが低く、脂質やナトリウム分が低いのが一目瞭然!ただ、栄養バランスでいえば、ビタミンやたんぱく質に欠けるため、ほかの食材で補うことが必要です。
麺つゆをつけ汁に食べる際に副菜を用意して……という手段もありますが、そのつけ汁をあたたかい具入りにすることで、ご馳走感が増すだけでなく、消化吸収もよくなるという効果が得られます。そうめんは喉越しもいいので、風邪をはじめ食欲がないときにも効率よく栄養摂取ができるという利点もありますよ。
また寒い時期だけではなく、夏場にも温かいそうめんは有効。
冷たいものを摂りすぎると、胃腸が冷えて体調不良につながります。また冷房の当たりすぎで、冷えがちにもなりますね。そんな時に温かいそうめんで身体を中から温めれば、夏バテ防止にも。
夏に食べきれなかった……乾そうめんの賞味期限と上手な保存法
買い置きやお中元などで、夏の間はそうめんのストックを切らさないご家庭も多いはず。けれど、消費しきれずに季節が巡ってしまった、という方も多いのでは?
大丈夫、賞味期限と保存法さえきちんと守っていれば、引き続き美味しく食べられるんです。
乾燥そうめんの賞味期限はなんと3年
乾燥そうめんの多くは、未開封の場合、賞味期間は製造から約3年といわれています。
適切な保存状態をキープすれば、慌てて夏の間に食べきらなくてもOK。ローリングストックとしても大活躍してくれます。
そうめんの大敵「虫」「日光」「湿気」「臭い」を除ける保存
そうめんは、小麦粉製品の中でも特に細くて材料もシンプルなため、環境の影響を受けやすいのが難点。適切な保存方法で対処しましょう。特に気をつけたいのが、虫・日光・湿気・臭いの4つです。
未開封の状態ならそのまま、高温多湿を避けた暗所に置いておけば賞味期限まで美味しくいただけます。
でも開封後のそうめんは注意が必要です。空気に触れることで、虫やカビが生えやすいので、なにはさておき密閉袋に入れること。涼しいところかつ臭いが強いものの横を避けて置き、なるべく早めに食べきりましょう。
あったかアレンジの時に覚えておきたい茹で方3つのコツ
身近な食材のそうめんですが、茹で方に大差なんてないと思っている方も多いんじゃないでしょうか。
あったかアレンジにする際には、麺の美味しさが汁に負けないように茹で上げるために、調理法にちょっとしたコツがいります。
茹で時間は短く
茹で上がってから再度あたたかく調理するため、製品パッケージにある茹で時間より短めに上げましょう。
目安は、2分とあるものは1分~1分半、3分とあるものは1分半~2分です。
すすぎは入念に
あたたかくすると香りが立ち上りやすくなります。水洗いが足りないと、ゆで汁の油っぽい臭いや小麦粉臭さが目立ってしまうことに。
鍋からザルに上げたら、流水で粗熱を取ったあと、たっぷりの水でよくもみ洗いをしてください。
氷でしっかり絞める
入念に水洗いができたら、今度はキュッと氷水で絞めます。指を浸してビリビリとするほど冷たい氷水で仕上げ洗いを。
このひと手間で、麺の弾力が上がり、温かくしても麺がふやけて味がぼやけるといったことがありません。口当たりもよく食べやすくなります。
ボリュームたっぷり!熱×辛つけだれそうめん
ガッツリ食べたいピリ辛肉汁
単調になりがちなそうめんを、食べ応え抜群のつけ汁で。バラ肉×ニラ×ニンニクでスタミナ満点!唐辛子の辛さが食欲をそそります。
材料(3人分)
- 茹でたそうめん……食べたいだけ
- 豚バラ肉スライス……150g
- ニラ……4本
- キャベツ……2枚
- もやし……半袋
- にんにく……小1片(すりおろしで大さじ1/2程度)
- しょうが……にんにくと同量
- 豆板醤……大さじ1
- コチュジャン……大さじ1
- ごま油……大さじ1
- 砂糖……大さじ1
- しょうゆ……大さじ2
- チキンスープ(即席のものをお湯で溶くのでも可)……500ml
- 紹興酒(日本酒でも可)……50ml
- すりごま……大さじ3
作り方
- 豚バラとキャベツは1口大、ニラは1cm幅に切り、もやしはよく洗って水気を切っておく。にんにくとしょうがをすりおろして合わせておく。
- 耐熱容器にキャベツともやしをのせて、軽くラップをして600Wで1分30秒加熱。冷蔵庫で冷やしておく。
- スープが入るサイズの鍋にごま油、にんにく、しょうが、豆板醤、コチュジャンを入れて中火にかけ、焦げないように気をつけながら炒める。香りが出てきたら豚バラを入れて火が通るまで炒める。
- 3に紹興酒、チキンスープ、しょうゆ、砂糖を加え、煮立ったらアクを取ってニラを加えて蓋をし、火を止め、30秒置きます。
- 予熱でニラに火が通ったら、いりごまを加えて器によそう。そうめんの皿にキャベツともやしを添える。
辛さが苦手な方やお子様向けには、豆板醤を味噌に置き換えてラー油でお好みの辛さに調節するというのも手です。
きのことも相性がいいので、3の工程でしめじやしいたけをプラスすると、さらにボリュームアップ!
エスニックとも相性抜群グリーンカレー
タイには汁物と合わせて食べる「カノム・ジーン」という米粉で作った細い麺があります。これが日本の素麺にそっくり! そうめんとグリーンカレーの相性も抜群なんです。
材料(6人分)
- 茹でたそうめん……食べたいだけ
- 鶏もも肉……1枚
- なす……3本
- たけのこ……小1房(140g程度)
- 赤ピーマン……2個
- ヤングコーン……6本
- フクロタケの水煮(しめじでも可)……100g(しめじの場合は1パック)
- サラダ油……大さじ1
- グリーンカレーの素……1袋
- ココナッツミルク……1缶(300ml)
- 水……150ml
- 砂糖……大さじ2
- ナンプラー……大さじ2
- 飾り用のパクチーと赤ピーマン……適量・お好みで
作り方
- 鶏肉は一口大、なすは皮をむいて8等分、たけのこは繊維に沿って厚めのスライス、赤ピーマンは種を取って太めの千切りに、フクロタケは半分に切っておく(しめじの場合は石突きを切り落として食べやすいサイズにほぐす)
- 鍋にサラダ油とグリーンカレーの素を入れて弱火で炒める。香りが立ったら中火にして鶏肉を入れて炒め、表面に火が通ってきたら、なす、たけのこ、ヤングコーン、フクロタケを入れて、素が全体に絡むまで炒める。
- ココナツミルクと水を入れ、沸騰したら弱火にして15分ほど煮込む。時々アクをすくう。
- 砂糖とナンプラーを加え、味を整えたら赤ピーマンを入れて器によそう。
- そうめんを1口量ずつ皿に盛り、パクチーと赤ピーマンで飾る。
作りやすい分量のため大人数分になってしまいましたが、初日はジャスミンライス、2日目にそうめんで、という食べ方で飽きずに食べきれちゃいます。
カレーを自作するのが面倒なときは、缶詰やレトルトのものでも!
あつあつスープで体の中からじんわりあたたかい麺
トロリとした出汁にふんわり卵がやさしい たらこかきたま汁
和の出汁でほっこり落ち着く温麺です。とろみをつけることで満腹感もカバー。食欲がないときにもおすすめです。
材料(3人分)
- 茹でたそうめん……5束
- 長ねぎ……1/2本
- 卵……2個
- だし汁……600ml
- 酒……大さじ2
- みりん……大さじ1
- 塩……小さじ1/2
- 薄口しょうゆ……大さじ1
- 片栗粉……大さじ1
- 水……大さじ2
作り方
- たらこは皮からバラしておく。長ねぎは薄く小口切りにし、卵は溶いておく。片栗粉と水を合わせておく。
- 鍋にだし汁、酒、みりんを入れて中火にかける。沸騰手前で、塩、薄口しょうゆを入れる。
- 2をまぜながら水溶き片栗粉を少しずつ入れて、好みのとろみをつける。
- 3を一方向にかき混ぜて水流を作り、その逆方向に溶き卵を注ぐ。注ぎ終わったら蓋をして火を止める。
- 4にたらこを加えてやさしく混ぜる。
- そうめんをさっと湯通しして水気をよく切り、器によそう。
- 6に5をかけ、ねぎをのせる。
かきたまをふんわり仕上げるには、先にとろみをつけることがポイント。さらに4の工程の動きが、さらにフワフワな卵にしてくれます。
たらこの塩気があるので、2の工程での調味はなるべく薄めにしておくと安心です。
子どもも喜ぶシンプル味 鶏出汁フォー風
ベトナムのフォーに倣った汁麺です。鶏だしとナンプラーのダブルの旨味で、飲み干したくなるほど美味しいスープが細麺によく絡みます。
材料(3人分)
- 茹でたそうめん……5束
- 鶏もも肉(常温に戻す)……1枚
- 長ねぎの青い部分……2本分
- しょうが……1片
- 酒……50ml
- 鶏がらスープの素……大さじ1
- 塩……小さじ1
- 水……700ml、200ml
- ナンプラー……大さじ2
- あさつき……1本
- ライム、砂糖……お好みで
作り方
- 厚手の鍋に水700ml、しょうが、酒を入れ、沸騰させる。
- 中火の状態にし、1に鶏ガラスープの素、塩、水200ml、鶏肉を入れて蓋をし、2分ほど置いたら火を止め、粗熱が取れるまでそのまま置いておく(沸騰しそうだったら2分経つ前でも火を止める)
- 2からねぎ・しょうが・鶏肉を取り出し、ナンプラーで味を整える。
- 鶏肉を一口大に、あさつきは小口切りにする。
- そうめんを湯通しして水気をよく切り、器に盛る。
- 5に3を注ぎ、4をのせる。
あさつきをパクチーに替えても美味しいです。お好みで砂糖やライム汁を加えると、さらに本格的な味になりますよ。
茹で残りの素麺を変身! あったかアレンジ副菜
外はカリカリ中はモチモチ ジャガイモとそうめんのガレット
ここからはたくさん茹でて残ってしまったそうめんの救済法。伸びてしまうからと、捨てるのはもったいないですよね。
このガレットは、表面はカリッと中はモチモチとした食感が楽しい、意外な西洋料理アレンジです。むしろこのためにそうめんを残したくなる美味しさですよ。
材料(3人分)
- 残ったそうめん……200g
- じゃがいも……中3個(約400g)
- 残ったそうめん……200g(じゃがいもの半量程度まで)
- オリーブオイル……50ml
- 塩……小さじ1/4
- こしょう……適量
作り方
- じゃがいもは皮をむいて、細切りスライサーでおろす(スライサーがない場合は、できるだけ細かい千切りにする)。そうめんは5cm角の格子状に切れ目を入れる。
- ボウルに1と塩、こしょうを合わせ、よく混ぜる。
- フライパンにオリーブオイルを熱して、2を入れ、平らにならして中火で焼く。
- こんがりと焼き目がついたら、ひっくり返して反対側を焼く。
- 皿に上げてお好きなサイズにカットする。
じゃがいものデンプンがつなぎになるので水にさらさずそのままでOK!油の量が多めですが、カリッと仕上がります。生ハムをのせたり、ケチャップを添えてどうぞ。
サラダのトッピングやおつまみに そうめんの堅揚げ
油で揚げるだけで、食感が大変身!皿うどんの麺として主食に、砕いてサラダのトッピングに、フレイバーソルトと合わせてお酒のおつまみにと、使い勝手のいい揚げ麺になります。
材料
- 残ったそうめん……残っているだけ
- 揚げ油……適量
作り方
- 麺についた水滴をキッチンペーパーなどで取る。
- 揚げ物用鍋に油を入れ、中火にかけ、菜箸の先から小さな泡がでるくらいの温度(150~160℃)にする。
- 1を2にやさしく入れ、固まっているようなら軽くほぐす。
- カラリと揚がったら、バットなどに上げて油を切る。
コツは「低温でじっくり」。動かしたくなりますが、最初に広げるだけで、あとは触らずじっと待つと、水分がしっかり抜けてパリパリ食感になります。
まとめ
和・洋・中とアレンジ次第で楽しいそうめんの、簡単あったかいレシピ、いかがでしたか? 冷たい料理としてでなく、あったかいバリエーションが増えると、家族やご自身の体調管理にも役立ちます。医食同源で美味しく健やかに過ごしたいですね。
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