これからマンションの購入を検討される方の中で、せっかくマンションを買うのに「2階」って不安なことが多そう。または、損な気がする。といった考えをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、筆者が普段お客様とお話する中で、他の人たちはどういう理由で2階の購入を決断したの?との質問を受けることも多いです。
もちろんマンションの場合、階数によって条件が変わることも当然かと思いますが、2階住戸には多くのメリットもあります。
今回はマンションの2階住戸にスポットを当て、メリットや注意点をご紹介していきます。上層階にはないメリットもたくさんありますので、住宅検討の参考になれば幸いです。
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・生活スタイルから考えるお部屋の向き
・家事動線のよい間取りの選び方
1.マンションの2階はこんな方にオススメ!
1章では、営業マンである筆者がどんな人にマンションの2階住戸をオススメしたいかをご紹介していきます。
ここでご注意いただきたい点が一つ。マンションによっては1階にも住戸がある場合もあります。しかし今回の記事では1階住戸が無い場合(1階部分が駐車場や駐輪場などのマンション)を想定していますので、最も低い階が2階の場合という認識でご覧ください。
1-1 下層への騒音を心配される方
マンションは共同住宅です。他の居住者への迷惑を考え、下の階への騒音を心配されているお客様もよくいらっしゃいます。特に2歳~3歳くらいの小さなお子様がいらっしゃるファミリーのお客様は、このことを心配されている方が多いように思います。お子様が元気なことは非常に良いことですが、毎日のこととなるとストレスになってしまうかもしれませんね。
マンションの2階であれば、下の階に人は住んでいないため、比較的自分たち家族の生活音の心配をすることなく生活できます。
とはいっても、上述の通り、マンションは共同住宅です。全く気にしなくていいという訳ではありません。2階であっても、騒音やお子様が飛び跳ねたりする際の足音などには念のため注意しましょう。
1-2 お部屋までor地上までの時間を短くしたい方
物件によって建物の階数には違いがありますが、例えば2階に住んでいる方と10階に住んでいる方が家を出てから地上に降り立つまでの時間は違うでしょう。地震などの災害に備えて、何かあったときに比較的早く避難ができるという点は2階のメリットかと思います。
特にベビーカーを利用する小さいお子様のいらっしゃる方や足の不自由な方などは、災害時の避難をできるだけ簡単にしておくことで、もしものときに備えることができますね。
1-3 階段での移動も併用したい方
マンションといえば、お部屋がある階まで行く手段は「エレベーター」というイメージをお持ちの方が多いように思います。しかし、2階住戸を始めとした低層階であれば、階段を利用することも可能ですよね。
「階段での移動も苦にならない」という点は2階住戸のメリットです。
朝の通勤時間帯などはエレベーターが混み合い、乗るまでに数分かかることもマンションではありえることです。そんなときに階段を利用すればエレベーターを待つ心配もありませんし、2階であれば地上までわずかな時間でたどり着けます。
お部屋に忘れ物をしたときにすぐに取りに戻れるのも2階のメリットです。
1-4 購入価格を安く抑えたい方
マンションの場合同じ間取り、同じ広さであったとしても階数によって分譲価格が変わることが多いのが現状かと思います。2階と10階では、眺望等の理由から2階のほうが安い価格帯であることが多いということです。
※物件によってはこの通りではない場合がございます。
筆者が普段営業をしている中で、「価格重視」という考えをお持ちの方も多くいらっしゃいます。お部屋自体は全く同じなのに、階数が違うだけで数百万円の価格差があるということに抵抗をお持ちの方にとって、2階は大きなメリットがあります。
1-5 高いところが苦手な方
「高いところが苦手」という方もたくさんいらっしゃいます。
「住めば都」という言葉があるように、立地やお部屋の広さなどは時間が経てば慣れることもありますが、人によってはどうしても克服できないこと、苦手なこともありますよね。
高いところが苦手な方には、2階をはじめとする低層階をオススメいたします。
2.ここに注意!~2階の注意点と対策方法~
上記のように2階には多くのメリットがあるのです!
しかしながら、高さがないぶん注意しなければいけないこともいくつかあります。2章では、注意点と対策についてご紹介いたします。
2-1 日当たり・眺望
マンションの場合、選ぶお部屋の階数や、周辺にある建物の高さによっては日当たりや眺望が悪くなることがあります。上層階に比べ高さがありませんので、当然といえば当然ですよね。
しかし、マンションの周辺環境によっては日当たりや眺望が悪くならない場合もありますので、2階のお部屋を検討するときはまず現地で下記を確認してみましょう。
また、中にはバルコニー側が川や幹線道路の場合もあります。この場合、日当たりの制限は受けにくい且つ将来的に建物が建つ可能性が極めて低いため、このような立地に建つ物件を選ぶことも一つの手段かもしれません。
2-2 虫の発生
2階などの低層階に住む場合は「虫」についても不安な声が多いかと思います。
虫に関しては上の階に比べると、2階のほうが発生頻度は多いかもしれません。しかし、上の階でも近くに川や大きな湖などがある立地や、その他諸条件によっては同じように虫が発生する場合があります。
虫を気にされる方は2階かどうかということより、まず周辺に虫が発生しそうなスポットがあるかどうかに注意し、その点をチェックした後、検討をスタートしましょう。
2-3 防犯性
2階とはいっても上層階に比べて高さが低いため、防犯性を気にされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、2階=空き巣の被害などが多いというわけではありません。分譲マンションの場合は、敷地内に監視カメラが複数設置されている場合がほとんどです。また、管理人さんが常駐している点や、目の前が人通りの多い道路だったりする場合は人目に付きやすいこともあるため、防犯性においてはむしろ安心できる場合もあります。
毎日の生活のことですので念には念を…と思われる方は、侵入の足がかりになるものが無いかどうかを現地やパンフレットを見て確認しましょう。物件によっては、バルコニーのすぐ下に受水槽やゴミ置場など侵入しやすくなってしまうような設備があることもあります。バルコニーを始め、窓からの侵入を防ぐためには、やはり敷地内の設備の配置についても把握が必要ですよ。
2-4 外部からの視線
2階での生活をイメージすると、外から誰かに見られているかもしれないと不安に思う方もいらっしゃいます。
上層階に比べ、人目を気にする生活になるのでは?との意見もありますが、条件によっては上層階でも同じことが言えます。2-1でもご紹介しましたが、マンション立地においては周囲に建物が密集していることも多いため周辺建物の高さによっては、上層階でも同じことが言えますよね。
他の階と条件が変わらないとはいえ、2階に対する不安が消えるわけではありません。外部からの視線が気になり、昼夜問わずカーテンを閉め続けることで室内が常に暗くなってしまうのはストレスかと思います。
そんなときは、「ミラーカーテン」で対策しましょう!
ミラーカーテンとは、カーテン生地の裏側が光っていて、外から透けにくいレースカーテンです。
プライバシー保護を目的に作られており、外からの光を取り込みつつ、ある程度紫外線もカットされるという便利なアイテムです!
3.決して低くない! 「2階の資産価値」
冒頭でもご説明しましたが、「マンションの2階は損な気がする」や、「マンション=高層階」など、資産価値が低そうというイメージを持たれている方も少なくありません。しかし、2階の資産価値は決して低いことはないですし、損ということもありません。
3章では1章、2章でご紹介した内容を踏まえて、2階の資産価値について4つのポイントをご紹介します。1章、2章のおさらいのようなイメージで読んでいただければ幸いです。
まず最初にお部屋の「資産価値」とは、住む中で感じる価値(前の家と比べて、広さがあり開放的。や、家事動線が良くなった。など)、または将来的に売却等する上での価値(値崩れしにくいのか・売却しやすいのか)などのことだと思っていただいていいでしょう。
ではなぜ2階の資産価値が低くないと筆者が感じるのか。下記をご覧ください。
- 各地での災害などが増えている昨今、災害時の避難が容易。
→上の階に比べて地上に近いため、災害などの緊急時には避難しやすくなります。
- 階段での移動が可能。
→朝の混み合う時間に出勤される方にとっては、エレベーターの待ち時間を少なくしたいですよね。このような方からは、エレベーターだけでなく階段も使えたほうが便利!という声も多いです。また、お忘れ物をした際にも2階であれば階段を使ってすぐにお部屋まで取りに戻れます。
- 下階に対する音を比較的気にしなくて良い。
→小さなお子様がいらっしゃるご家庭にとっては、この条件は良い!との声が多いです。上階からの音の心配がないのは最上階の価値、下階への音を気にしなくて良いのは2階の価値といえます。
- 上層階に比べ低価格であることが多い。
→家族の生活やお子様の教育費用など将来のことを考え無理なく支払っていきたいという思いから、「低価格に抑えたい」という方が非常に多いです。また、低価格で購入することにより、将来お部屋を賃貸等に出したときの資金回収が比較的楽になるでしょう。具体的にご説明すると、仮に2階より中・上層階の分譲価格が高く賃貸に出したときの賃料相場が同じ場合は、当然値段の安い2階住戸のほうが資金回収のスピードは速い。ということです。
このようなご意見、ご希望をお持ちの方が多いことを考えると、2階だからといって決して価値が下がるということはないと筆者は感じます。もちろん不動産の場合は長い目で見ると、隣接地に建物が建つなどの理由から周辺環境が変わることも予想されるため、一概には言い切れません。
しかしながら、家を購入する人にはそれぞれの「ニーズ」があります。購入する上で叶えたいことも重視することも人それぞれのため、2階だからといって価値が低いわけではないということを、この記事を読んでくださっている皆さまにも感じていただければ幸いです。
4.まとめ
今回は、マンションの2階についてご紹介しました。
マンションは高層建物というイメージがあり、せっかくなら上層階を購入したいとお考えの方も多くいらっしゃいます。しかし、「2階だから価値が無い」「2階は損」という訳では決してありません。むしろ2階にしかない魅力がたくさんあります。
この記事で挙げたメリットとマンションに住んだ後の自分たちの生活スタイル重ね合わせて、2階のほうがメリットはたくさんある!と思われた方は、ぜひ2階住戸もご検討に入れてみてください。
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