“健康のために、たくさんの野菜を食べよう!”健康志向の昨今、こうした考えが広がり、「健康=野菜」は今や常識となりつつあります。でも健康のためとはいえ、毎日野菜を取り入れた献立を考えるのはなかなか大変。家に帰ってから急いで食事を作ったら、おかずが肉ばかり……なんて経験がある人も多いのではないでしょうか。そんなお悩みを解決してくれるのが「作り置き」です。
野菜を使ったおかずを作り置きしておけば、栄養価が高まるだけでなく食卓に彩りも添えられますよ。
今回は、使いきれずに余った野菜で作る「作り置きサラダレシピ」を、作り置きの手順や注意点とともにご紹介します。
あと一品おかずが欲しい!という時にも役立つ作り置きサラダを、ぜひ日々の料理に活用してみてください♪
■箸が止まらない♪作り置きOKなおいしいサラダをご紹介
今回ご紹介する「作り置きサラダ」は2つ。しょうゆベースの和風マリネ、中華風サラダ、どちらも箸が止まらない一品です。
★玉ねぎときのこの和風マリネ
野菜室にストックしていることの多い「玉ねぎ」と「きのこ」を使った和風マリネです。優しい味に仕上がるので、マリネが苦手な人でもおいしく食べられますよ。
きのこは2種類以上を使うとうまみがアップするので、できれば2種類以上用意してくださいね。
<材料> 4人分
- 玉ねぎ 1/2個
- お好みのきのこ2種類以上 合計300g程度
(えのきだけ、ぶなしめじ、しいたけ、マッシュルーム、エリンギ、まいたけなど) - オリーブオイルまたはサラダ油 大さじ1
- 酒 大さじ1
▼マリネ液
- 粉末だし 小さじ1
- 酢 大さじ2
- しょうゆ 大さじ2
- みりん 大さじ1
▼仕上げ
- 黒こしょう 小さじ1/3程度
<作り方>
- 玉ねぎは薄めに半月切りにする。きのこは種類によって下ごしらえの方法を変える。
- えのきを使う場合、石づきを取り除いてから三等分に切り、石づき近くの固まっている部分は、手で裂いてほぐす。
- エリンギを使う場合は、2~3mm程度の厚さで縦に切り、1cm幅ほどに切る。
- しいたけ、マッシュルームを使う場合は、石づきを取り除き、かさの部分を2~3mm程度の厚さに切る。
- ぶなしめじ、まいたけを使う場合は、石づきがあれば取り除き、手で裂いて、バラバラにほぐす。
- 深めのフライパンにオリーブオイルまたはサラダ油をひき、火をかけない状態で、玉ねぎときのこ類を混ぜ合わせる。
- 酒を全体にふりかけて、ふたをして弱火にかける。しばらく加熱し、旨味をじっくりと引き出す。
- 玉ねぎが透き通り始め、きのこから水分が出てきたら、黒こしょうを加えて全体を混ぜ合わせて、火を止める。
- ボウルにマリネ液の材料を入れて混ぜ合わせる。粉末だしが溶けにくい場合は電子レンジ(600w)で10~30秒程度温める。
- (5)で作ったマリネ液にフライパンの中身を加えて全体を混ぜ合わせる。ここで味見をして、塩気が足りないようなら、塩をひとつまみ加える。
- よく消毒した保存容器にマリネ液ごと入れて、冷蔵庫で保存する。
作りたてよりも少しねかせた方が全体に味が馴染み、おいしさがアップするので、半日から1日ねかせてから食べてみてください。
フライパンでマリネ液ごと温めて、ゆでたパスタと絡めると、きのこの和風スパゲッティーにアレンジできますよ。
酢の酸味と醤油の風味がパスタに合い、あっさりとした味付けにまとまり、暑い夏でもさらっと食べられるのでおすすめです。
その他にも、ステーキの付け合わせや冷奴のトッピングなどにしてもおいしいですね。
★キャベツとツナの中華風サラダ
鶏の照り焼きなど、味の濃い料理との相性も抜群!
ビールや焼酎などのお酒とも合うので、晩酌のお供にもおすすめですよ♪
<材料> 4人分
- キャベツ 1/4玉
- ツナ 60g(1缶)
- きゅうり 1本
▽お子様がいるご家庭におすすめしたいプラス食材▽
- 乾燥わかめ 大さじ3
- 缶詰コーン 200g(1缶)
▼合わせ調味料
- 塩 小さじ1/4
- ごま油、砂糖 小さじ1
- 酢 小さじ1/2
- 粉末だし 小さじ1
- 煎りゴマ 少々
<作り方>
- キャベツをざく切りにする。きゅうりは切る前に塩ひとつまみをもみ込み、キッチンペーパーで包んで水分を取る。水分が取れたら輪切りにしてザルに上げておく。わかめは水で戻して同じくザルに上げておく。
- 鍋に水と塩をひとつまみ入れて沸騰させ、キャベツを入れる。
- キャベツがしんなりしてきたらザルにあけて冷まし、しっかり水分を絞る。
- ボウルに合わせ調味料の材料を入れ、混ぜ合わせる。粉末だしが溶けにくい場合は電子レンジ(600w)で10~30秒ほど温める。
- すべての食材と合わせ調味料を混ぜ合わせる。
ツナが偏りすぎないようにしっかりと混ぜることがポイント!ツナが全体にいきわたったら合わせ調味料が馴染んだ証拠です。仕上がりはツナの混ざり具合を目安にしてくださいね。
また、アレンジしたい時は、味噌・マヨネーズ・みりん=2:1:4の調味料で炒めてみてください。シンプルなサラダが味噌風味のスタミナ系料理に変身しますよ♪ツナに少し焼き色がつくくらいを目安に炒めると味がしみ込むのでおすすめです。こちらもついつい箸が伸びて、いつの間にか作り置きの分がなくなってしまうかも……(笑)。
ぜひ多めに作っておいてくださいね。
■作り置き前に絶対に押さえておきたい4つのルール
先ほどのレシピをさっそく作ってみようと思った皆さん、ちょっと待った!!作り置きサラダづくりに挑戦する前に、まず作り置きのための基本ルールをおさらいしておきましょう。これから紹介していくルールは、サラダだけでなく、常備菜などあらゆるおかずを保存するための基本でもあります。普段から作り置きをしている人も、改めて基本ルールをおさらいしてみてくださいね。
忘れてはいけない容器の消毒
容器に菌がついていたら、せっかく気をつけて作ったおかずも水の泡です。しっかり消毒して保存しましょう。耐熱性の容器なら煮沸消毒、そうでなければアルコールで消毒します。ほとんどの菌は熱に弱いので、できるだけ煮沸消毒したいですね。
~煮沸の方法~
- 容器を洗剤などでよく洗う。
- 鍋の底にふきんを敷く。
- 鍋の中に容器を入れる。
- 容器が完全に浸かるくらいのまで水を入れる。
- 火にかけて沸騰してから5分程度煮沸。
- 菜箸やトングなどを使用し、やけどに気をつけながら取り出す。
- キッチンペーパーの上に容器を逆さに置いて乾燥させる。
ふきんを鍋底に敷くのは、ガラスや陶器が鍋に直接触れると、急激な温度変化によって割れてしまう恐れがあるため。また、沸騰した状態でガラスや陶器を入れても割れてしまう可能性があるので、必ず水から入れるようにしてください。
プラスチックの場合は、長時間煮沸したり温度が高いと、劣化したり変形してしまう恐れがあるので、沸騰状態ではなく少し冷ました80℃程度のお湯に2~3分程度浸けて消毒するとよいでしょう。
その際にも、プラスチックが鍋に直接触れると溶けてしまう恐れがあるので、ふきんを敷いてから煮沸してくださいね。
アルコール消毒は、口に入れても問題ないアルコールでしっかり消毒してから、雑菌が入らないようにキッチンペーパーをかぶせて自然乾燥させましょう。どうしても時間がないときは、十分に水気を切ってからキッチンペーパーで拭き上げると時短できますよ♪
菜箸やスプーンは一皿につき一つ
お箸やスプーンを使い回すと、味だけでなく、雑菌も他のおかずに移ってしまいます。だからといって、水で洗ってすぐのお箸を使うと、保存の大敵である水分が入り込んで食中毒の原因に。お箸やスプーンはおかず1種類だけで使って他のおかずには使わない、もしくはきれいに洗った後、キッチンペーパーで拭いてから違うおかずを取ってくださいね。
もちろん口をつけたお箸を使うのはNG!使いまわしたときについた雑菌だけでなく、私たちの口の中にいる雑菌も箸を通じておかずに移ってしまうので、絶対にやめましょう。
ラベルを貼ってわかりやすく♪
出来上がったおかずを入れる容器には、ラベルを貼っておきましょう。
容器のふたと側面に、おかずの名前を書いて貼っておくと、冷蔵庫を開けてすぐに中身がわかって便利ですよ。完成した日付を書いておくと、いつ作ったかが一目でわかるので安心ですね。また、冷蔵庫をずっと開けていると、冷蔵庫の温度が上がり、菌の繁殖が促進されるので確認は手早くしましょう。
保存は冷ましてから
加熱したおかずを熱いまま容器に入れてふたをすると、時間が経つにつれて蒸気がふたの裏について水滴となり、雑菌が繁殖しておかずが傷む原因に。また、熱いままで冷蔵庫に入れると、冷蔵庫内の温度が上がり、おかずだけでなく他の食材も傷んでしまいます。こうしたことを防ぐためにも、加熱したおかずは完全に冷めてから冷蔵庫に入れましょう。
熱したおかずは網に乗せて大きめのバットに広げると、早く冷めるだけでなく、余分な水分が抜けて味がしみ込み、つや良く仕上がるのでおすすめですよ。加熱した調理器具ごと冷水にさらしても早く冷やせるので、お好みの方法で冷ましてくださいね。
■作り置きで食中毒の心配は?
作り置きが便利だとはいっても心配なのが食中毒。特に夏場は食中毒の発生件数が多く、気をつけたい季節ですよね。ここでは食中毒予防に効果が期待できる調味料や食材の切り方についてご紹介します。ちょっとしたテクニックで、食中毒の予防はもちろん、おいしさを保つこともできますよ。
ただし、こちらで紹介するのは、あくまでも食中毒リスクをできる限り抑えるための方法です。この方法によって「食中毒を100%防げるわけではない」ことは忘れないでくださいね。
食中毒を防ぐために覚えておきたい調理テク
食中毒を防いで日持ちさせるために覚えておきたい調理テクは以下の3つです。
- 油や酢を使うこと
- 野菜は細かく切りすぎないこと
- 殺菌・抗菌作用のある調味料を使用すること
1.油や酢を使うこと
酢や油の中は菌が繁殖できない環境になっています。そのため酢や油を使うことで、菌から守るバリアーを張ることができるのです。
2.野菜は細かく切りすぎないこと
水分は菌の大好物なので、できる限り減らすべき。そこで野菜を大きく切ることで切断面を減らし、出てくる水分をなるべく減らすようにしましょう。
3.殺菌・抗菌作用のある調味料を使用すること
殺菌作用のある調味料は、「酢」・「ワサビ」・「塩」などが代表的です。いずれも日本人が昔から親しんできた調味料ですね。昔の人は、知識がなくとも経験から、これらの調味料に殺菌作用があることを知っていたようです。私たちの健康は長い間伝わってきた経験に支えられているといってもいいかもしれませんね。
殺菌作用のある調味料は他にもいくつかありますが、その中でも意外と知られていない、かつ使用に注意が必要な調味料を2つピックアップしてご紹介します。
◆味噌
味噌に含まれている乳酸菌が細菌や微生物の活動をおさえ、麹菌が病原菌を排除してくれるそう。実際に味噌の中にO-157などの食中毒の原因菌を混入すると、1~2週間以内にすべて死滅してしまったというデータもるのだとか。“味噌の医者殺し”ということわざがありますが、それくらい味噌の効果は絶大なのでしょう。ただし、乳酸菌が生きた状態で入っているのは「生味噌」に限ります。「だし入り味噌」などの加工された味噌は、保存性を高めるため加熱殺菌がほどこされており、その過程で菌も死滅している可能性があるそうです。作り置きサラダに使う場合は「生味噌」を選ぶようにしてくださいね。
◆マヨネーズ
マヨネーズは卵を使っているので傷みやすいイメージがあるかもしれませんが、マヨネーズに含まれている酢と塩が卵を守り、油が菌の繁殖できない環境を作ってくれるので、実はとても腐りにくい調味料なんです。さらに殺菌効果も強く、マヨネーズに食中毒の原因菌3種類を入れたところ、24時間以内にすべて死滅したというデータもあるほど。
ただ、野菜や肉・魚と一緒に調理すると、素材の水分でマヨネーズの防腐効果と殺菌効果が弱まってしまうので過信は禁物!また、自家製マヨネーズは材料の配合比率が正確でなかったり、加熱処理をしていなかったりと、市販品に比べて食中毒を起こすリスクが高くなってしまうのだそう。自家製マヨネーズを作るときは、使う分だけを作って、その日のうちに使いきるようにしましょう。
■まとめ
これまでは日々の料理を作るのに精一杯で、なかなか作り置きに手が出せなかった筆者も、作り置きを少しずつ取り入れていくうちに、料理のバリエーションが増えたり、遅く帰ってきた時も作り置きおかずで乗り切ったり……作り置きが結果的に家事の時短になることに気がつきました!土日に大量に作り置きを用意しておくのは大変なので、普段の料理の合間にちょくちょく作っています。皆さんも、サラダや煮物などのおかずを作り置きして、彩り豊かな食生活を目指しましょう。
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