秋は、魚の美味しい季節です。鮭・サバ・さんまなど、脂がのった焼き魚は秋の味覚の代名詞ともいえます。
とはいえ、自宅で魚を焼くことに抵抗のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
煙や臭いが気になるうえ、魚焼きグリルを使う手間を考えると躊躇してしまいますよね。
そんな方におすすめしたいのが、フライパンを使って魚を焼く方法です。グリルや網に比べて煙や臭いが少なく、片付けも簡単なフライパン。たった3つのコツをおさえるだけで、誰でも簡単に魚を美味しく焼くことができますよ。
フライパンを使った焼き魚の調理方法をマスターして、美味しい魚をお家でも楽しみましょう!
目次
1. フライパンで魚を焼いたときの2大メリット
筆者も魚を焼くときは、もっぱらフライパンです。なんといっても、後片付けが楽に終わるうえに、煙や臭いが少ないのも嬉しいですよね。
では、さっそく、フライパンで魚を焼く2大メリットを詳しくみていきましょう。
1-1 後片付けがとにかく楽になる
まずは、後片付けの簡単さです。フライパンで魚を調理するときは、クッキングシートを敷いてから焼いていきます。
そのため、魚の脂でフライパンがギトギトになることもありませんし、焼き終わったあとはクッキングシートを捨てるだけでOK!
グリルや網を使うと、細かい部分についた脂を落とすのは大変ですよね。一方、フライパンは汚れも少なく、形状もシンプルなので後片付けの手間が省けます。
また、調理器具に直接魚を置かないので、臭いうつりも少なくてすみますよ。
1-2 魚を焼いたときの煙や臭いを抑えられる
魚から煙が出る原因は、「脂」にあります。魚からしたたり落ちる脂に火がかかることで、煙が発生するのです。そのため、グリルや網を使って焼くとどうしても煙が出やすくなります。加えて、煙と一緒に広がってしまう臭いで、部屋が魚臭くなってしまうものです。
一方、フライパンなら魚の脂に直接火がかかることはありません。さらに、フタを使うことで臭いの広がりも抑えられます。
魚を焼くときに気になる煙と臭い、どちらの悩みもフライパンを使えば最小限にすることができますよ。
2. 用意する道具はフライパン・クッキングシート・フタの3つ
フライパンを使って魚を焼くときの道具は、3つだけです。メインのフライパン、クッキングシート、フタの3つを用意しましょう。
2-1 魚が入る大きさのフライパン
まずは、フライパンです。ステンレス、セラミック、鉄などいろいろな素材のフライパンがありますが、焼くときはクッキングシートやアルミホイルを敷くので、基本的にはどのようなフライパンでも構いません。家にあるものを使ってください。
ただし、フライパンの種類によって熱の伝わり方が異なります。焼き時間や火加減は、魚の様子を見ながら調整しましょう。
フライパンの大きさは、焼きたい魚に合わせましょう。大切なのは、「魚がすっぽり入る大きさであること」です。魚より小さいフライパンだと、火の通りにムラがでてしまいます。魚の大きさを基準に、フライパンのサイズを選んでくださいね。
2-2 クッキングシート(アルミホイルもOK)
魚のフライパン調理に欠かせないのが、クッキングシートです。フライパンにそのまま魚をのせて焼くと、魚が焼きついて身が剥がれてしまうことがあります。また、フライパンと魚が直に接することで臭いうつりの原因にもなります。
その点、クッキングシートがあれば、油をひかずともキレイに焼き上げることができます。
アルミホイルでも代用が可能ですが、クッキングシートに比べると少しくっつきやすいので、火加減に注意が必要です。フライパン用のアルミホイルもあるので、使ってみてもいいでしょう。
クッキングシートやアルミホイルは耐熱性の高いものですが、直火に触れないようにしなければいけません。必ずフライパンのサイズに合うように調整し、パッケージなどに書かれている注意書きを確認してから使うようにしてください。
2-3 フライパンの大きさにあったフタ
最後に、フライパンにあったサイズのフタを用意しましょう。フタをして魚を蒸し焼きにすると、中までふっくら焼き上がります。また、フタをしめて焼くことで、嫌な煙や臭いが部屋に広がるのを抑えられます。
小さすぎず大きすぎない、フライパンにピッタリとあうフタを準備してください。
3. フライパンで美味しく魚を焼くためにおさえたい3つのコツ
ここからは、フライパンで魚を美味しく焼くための3つのコツをご紹介します。難しいテクニックはありませんが、ほんのひと手間加えることで仕上がりが変わってきます。
ぜひ、3つのコツをマスターしてくださいね。
3-1 魚は焼きすぎない!10分以内に表を6割・裏を4割が目安
魚は焼きすぎてしまうと、水分が飛んで身がパサついてしまいます。焼き時間は、10分以内を守りましょう。
切り身であれば5~6分ほど、干物なら10分たつまえに仕上げましょう。まるまる一尾の場合、魚の大きさによって変わってきますが、10分を目安にするとうまくいきます。10分たっても火が通っていないときは、こまめに様子を見て焼きすぎないようにしてください。
焼き加減の目安は、表を6割、裏を4割です。
フライパンにシートを敷いて魚をのせたら、まずはフタをせずに焼きます。フライ返しを使って優しく裏返したら、残りの4割は蒸し焼きしましょう。
3-2 魚から出る余分な脂をふきとる
旬の魚は、脂がのっていて美味しいですよね。しかし。魚を焼くときにこの脂が出すぎると、焼きムラにつながってしまいます。
クッキングシートもアルミホイルも、脂を吸ってくれません。そのため、脂がたまったまま焼いていくと、外側だけが先に焼けてしまい脂っぽくなって美味しくないのです。
外側をパリッとさせるために、出てきた余分な脂はこまめにふきとりましょう。
3-3 魚を焼く前の下ごしらえ!切り身と一尾はふり塩で身を締める
最後のコツは、魚の切り身とまるまる一尾を焼く時の「下ごしらえ」についてです。下ごしらえといっても、魚に塩をふるだけです。このひと手間をかけることで、美味しい焼き魚に近づきます。ただし、干物はすでに塩がふってあるので、ふり塩はいりません。
魚を焼く前に、全体にまんべんなく塩をふりかけます。青魚など一尾まるごとであれば20~30分前くらいに、切り身であれば10~20分程度おきましょう。魚から出てきた水分はキッチンペーパーなどでふきとってください。
こうすると、魚の身がしまって、焼いているときに身が崩れるのを防ぐことできます。また、塩の効果で魚の臭みもおさえられますよ。
4. 魚の切り身・干物・一尾まるごとの焼き方
ここからは、魚の切り身・干物・一尾まるごとの3パターンについて、具体的な焼き方をご紹介していきます。前の章で紹介した3つのコツをおさえつつ、焼いていきましょう!
4-1 切り身の焼き方
- 焼く15~20分前に、切り身にふり塩をして水分をふいておく
- フライパンの上に、大きさを調整したクッキングシートを敷く
- シートの上に、皮目を下にして切り身をのせる
- 油は引かずに中火で3~4分焼く。出てきた脂は適宜ふきとる
- 魚の淵に火が通り、半分くらい色が変わってきたらフライ返しで優しく裏返す
- フタをして2~3分ほど蒸し焼きにする
- フタをあけて蒸気を飛ばし、外側をパリッと焼き上げたらできあがり
- 切り身を焼くときは、皮目(盛りつけたときに見える方)を先に焼きましょう。はじめに表側にきれいな焼き目がつけると、裏側を焼くときに汚れたり崩れたりするのを防ぐことができます。
- 火加減は中火です。弱火では焼き時間が長くなり、強火では生焼けになってしまいます。
4-2 干物の焼き方
- フライパンの上に、大きさを調整したクッキングシートを敷く
- シートの上に、皮目を下にして干物をのせる
- 油は引かずに中火で6~7分焼く。出てきた脂は適宜ふきとる
- 身に火が通り、色が変わって目が白くなったらフライ返しで優しく裏返す
- フタをして3~4分ほど蒸し焼きにする
- フタをあけて蒸気を飛ばし、両面に焼き色がついていればできあがり
- 干物を作る過程で、すでにふり塩がほどこされています。そのため、干物を焼くときは、事前にふり塩をしなくても構いません。
- 切り身と同様に、皮目から焼いていくとキレイに仕上がります。
- 旨味などが流れ出ないよう、とにかく焼きすぎに注意しましょう。
4-3 一尾まるごとの焼き方
- 焼く20~30分ほど前に、全体にふり塩をして水分をふいておく
- フライパンの上に、大きさを調整したクッキングシートを敷く
- シートの上に盛り付ける面が下になるように魚をのせる
- 油は引かずに弱火~中火で7分ほど焼く。出てきた脂は適宜ふきとる
- 身の半分くらいに火が通ったら、フライ返しで優しく裏返す
- フタをして、弱火で3~4分ほど蒸し焼きにする
- フタをあけて蒸気を飛ばし、表面に焦げ目がついたらできあがり
- 魚が大きく、フライパンに入り切らない場合は半分に切って並べてください。
- 一尾まるごとの場合、切り身や干物より火が通りづらいです。火加減は弱火~中火でじっくりと焼くようにしましょう。
- 焼き時間の目安は10分ですが、魚の大きさによってはそれよりも長くなります。焼き過ぎは禁物ですが、火の通り具合をみて調整しましょう。
5. まとめ
フライパンを使えば、魚を焼くのは決して難しくありません。煙や臭いが抑えられるうえ、なにより億劫な片付けが簡単に終わることは大きなメリットですよね。
これまで焼き魚に尻込みしていた方も、フライパンならチャレンジしやすいのではないでしょうか。ぜひ、フライパンでの魚の焼き方をマスターして、レパートリーの幅を広げてみてくださいね。