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自宅マンションを転勤や出張で長期不在にする時に、気を付けること・やるべきこと

転勤や長期の出張、あるいは旅行や帰省などで自宅マンションを長期間不在にすることは、どなたにでもあることです。その際にどうしておくのがベストなのか、そのまま戸締まりをしただけで大丈夫なのかと心配になる方もいるのではないでしょうか?

実際、何も対策をしない状態で不在が続くと、湿気で室内にカビが生えてしまうことがあります。また空き巣の被害に遭う可能性もゼロとは言えません。
そこで今回は、転勤などで自宅を長期間留守にする時に役立つ対策や手続きをまとめました。


長期不在「前に」必ずやること

まず最初に、自宅マンションを長期不在にする前にやっておくべき対策を紹介します。
不在時の意図しない火災や漏水などのトラブルを避けたり、室内を清潔に保つために必要なことですので、必ずやっておきましょう。

換気経路をつくる

長期不在の準備としてもっとも重要なことが、お部屋の換気です。

マンションは窓が少なく気密性が高いのが特徴です。そのため外気温の影響を受けにくく、冷暖房の効率が良いというのがメリット。しかし機密性の高さは同時に、定期的に換気をしないと湿気がこもってしまうというデメリットも引き起こします。こもった湿気はカビやダニの繁殖の原因となりますし、お部屋の傷みにもつながります

したがって数週間程度の不在であっても、必ず換気の経路は確保しておきましょう。

給気口を開ける

マンションにはリビングや居室に給気口がついています。

給気口

この給気口を開けて、外から空気が入ってくるようにしましょう。給気口を開けることで少ないながらも常時お部屋の中を換気することができ、カビが発生しにくくなります。

給気口のフィルターは定期的に掃除しておこう
給気口のフィルターは、放置しておくとホコリや排気ガス等の汚れが蓄積し、十分ば換気ができなくなります。定期的に掃除しましょう。目安は3か月に1度程度です。

24時間換気システムをオンにする

トイレやバスルームに付いている「24時間換気システム」の電源は付けっぱなしにしておきましょう。オフにしてしまうと、せっかく給気口から空気を取り込んでも、外へ逃がすことができなくなり換気がじゅうぶんできなくなります。
またそもそも、24時間換気システムは常時オンにしておくことが建築基準法で義務付けられています。

部屋のドアはすべて開け放つ

換気の循環を良くするために、各居室のドアやクローゼットのドアも開けておきましょう。
特に、24時間換気システムが設置されているトイレ・バスルームのドアは、忘れず開けておく必要があります。

家電製品のコンセントを抜く

使わない家電製品のコンセントは抜いておきましょう。漏電のリスクを回避するほか、僅かながら発生している光熱費を抑えることができます。

電気の解約はしない方が◎
基本料金や待機電力をなくすため、電気契約の解約を考える人もいるでしょう。しかし解約はおすすめできません。換気に必要な「24時間換気システム」を稼働させるための電力が必要ですし、自宅に帰ってきた時に電気が全く使えないのは不便です。

ガスの元栓を閉める

キッチンコンロとお風呂の給湯器、2箇所の元栓を閉めましょう。地震の2次災害等でガス漏れが起きるリスクを回避します。

電気同様、ガスも解約せずにそのままにしておくのがおすすめです。解約した場合は、帰宅してお風呂などガスを使う予定があるなら、事前にガスの開栓の手続きを忘れないようにしましょう。それが心配な方は、やはり解約せずにそのままにしておくという選択もよいかもしれません。
いずれにせよ基本料金の発生の有無は、念のためガス会社に確認しておいたほうがいいでしょう。

止水栓を閉める

水道は止水栓を閉め、キッチンやお風呂などの水回りから水が出ないことを確認してください。こうすることで災害や事故等のせいで漏水した場合でも、周囲の住戸への被害を最小限にとどめることができます。
旅行や入院で数週間程度の不在の場合でも、止水栓は閉めておくのがおすすめ。

メーターボックスの中に止水栓がありますので、レバーを回して閉めます。再び水道を使うときは、レバーを開ければOK。

防犯対策をする

長期不在時は防犯対策も重要です。玄関と窓の施錠はもちろんですが、窓に防犯フィルムを貼る(※)、窓・扉の振動や開閉でブザーが鳴る防犯アラームを設置することも検討してください。

また、長く自宅を留守にしていることを周囲に知られないようにSNS等の発信内容に注意する、現金や貴金属など高額なものを自宅に置かないなどの配慮も防犯対策として有効です。

※窓の形状によっては貼れない場合があります。 またマンションにおいて窓は共用部分のため、管理会社の確認や管理組合の承認等が必要です。

郵便局に転送届・不在届を出す

30日以上不在にする場合は「転送届」がおすすめ

郵便局に「転送届」を出しておきましょう。マンション宛の郵便物が滞在先へ転送されるようになります。
ただし転送届の有効期間は1年で、期限を過ぎると差出人へ返却されます。1年以上不在にする場合は更新手続きを忘れないようにしましょう。

数週間程度の不在なら「不在届」がおすすめ

不在期間が数週間程度の場合は「不在届」の方がおすすめ。不在となる期間(最長30日)をあらかじめ届けておくと、その期間内に到着した郵便物はすぐに配達されず、届け出た不在期間終了後にまとめて配達されます。
届けを出さずにポストに投函されるままにしておくと、長期の不在が周囲に知られてしまうことになり、防犯上の問題があります。また郵便物が盗まれて、個人情報が漏洩するリスクも考えられますね。

管理会社に長期不在する旨の連絡を入れる

多くの分譲マンションでは、長期間不在にする時はその旨を管理会社へ届出するように、管理規約で定められています。火災や周囲の住戸からの漏水といったトラブルに管理会社が早急に対応するためにも、長期不在の連絡は必ず入れておきましょう。

また管理会社からのお知らせは、各住戸のポストに直接投函しているマンションもあります。こういった管理会社から直接届く書類は、当然のことながら郵便局の転送届の対象ではありません。管理会社に申し出て、重要なお知らせがある場合は滞在先に郵送してもらいましょう。

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長期不在「中に」定期的にやっておくこと

次に長期不在の最中にやるべき対策を紹介します。
留守にする前の準備も重要ですが、それだけで長期間放置しておくことはできません。留守中にも定期的に様子を見てやっておくべきことがあります

お部屋の換気

お部屋の換気は、お住まいの劣化やトラブルを防ぐためにも非常に重要です。
留守前に給気口を開け、24時間換気システムをオンにする対策を紹介しましたが、それだけでは十分な換気はできません。長期不在時でも窓を開けての定期的な換気は必須です。特に湿度の高くなる梅雨の時期には要注意です。

通水し、封水切れにならないようにする

水回りの排水パイプはS字の形状になっています。この部分に常時水を溜めておくことで、下水からの異臭や虫の侵入を防いでいます。

しかし水を使用しなくなると、溜まっていた水が蒸発してしまいます。この状態が「封水切れ」。室内の異臭や虫侵入の要因になります。定期的に通水し、常に排水パイプ内に水が溜まっている状態をキープしましょう。

封水切れの確認が必要な場所
キッチン・バスルーム・洗面化粧台・トイレ・洗濯盤・バルコニーのスロップシンク

定期的にマンションに戻れない時は、留守宅点検サービスの利用も視野に入れて

マンションを長期間不在にする時は、事前の対策だけでなく不在中の定期的なメンテナンスが必要なことを前章では紹介しました。しかし遠方への転勤等、定期的にマンションに戻ることができない人もいらっしゃるでしょう。
そんな方は留守宅点検サービスの利用を考えてもよいかもしれません。

留守宅点検サービスは、業者がマンションの鍵を預かり、マンション内の換気・通水作業や雨漏りの確認などを行うサービスです。
もちろん費用はかかりますが(10,000円/月程度〜)、戻って来たときにすぐに生活を再開できること、また留守宅でトラブルが起こった場合の復旧費用のことを考えると、頼んだ方がよいでしょう。
業者によっては、留守中に居室の清掃をしてくれるプランもあります。

留守宅点検サービスの内容(例)
  • 窓を開けて換気(通風)
  • 水回りの通水
  • 雨漏りや漏水をしていないか確認
  • 郵便物の確認
  • 室内やバルコニーの清掃
  • 消防点検・排水管洗浄の立ち合い

まとめ

長期不在の時にもっとも大切なものは換気。そして定期的なお手入れです。決まったタイミングで戻れない・手間がかけられないという人は、留守宅点検サービスの導入を検討するとよいでしょう。

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